アメリカン・ビーフに関する安全性 -
安全を確保する米国政府機関(FSIS. EPA. FDA)
米国における食肉の安全管理システム

米国では、食肉の衛生と安全性を確保するために、保健福祉省食品医薬品局(FDA)、環境保護庁(EPA)、そして農務省食品安全検査局(FSIS)という3つの政府機関が、緊密な協力関係を保ちながら、それぞれ厳しく規制・監視を行っています。
まず、食肉の安全性に対する各政府機関の役割と、関係する法律についてご説明しましょう。

FDA
EPA FSIS

FDA(保健福祉小食品医薬品局)

FDAは、「連邦食品・医薬品・化粧品法(FFDCA:Federal Food,Drug and Cosmetic Act)」という法律に基づいて、動物用医薬品の安全性と有効性を評価、認可する権限を持っています。動物用医薬品の使用が許可されるときには、あわせて適正な使用方法(投与量や休薬期間など)や食肉中への残留基準などが定められます。

また、動物用医薬品や農薬等の化学物質のモニタリングを継続的に行い、これにより得られた情報などから、必要により適正な使用方法の変更や、ときには認可の再検討などの是正策を講じます。

EPA(環境保護庁)

EPAは、「連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA:Federal Insecticide, Fungicide and Rodenticide Act)」という法律に基づいて、牧場や飼料作物等に使われる農薬の登録や適正な使用方法の設定を行います。これらの作業は、1970年まで農務省(USDA)が行っていましたが、EPAが設立にともない権限を譲り受けました。また、食品中への残留農薬基準の設定については、同様にFDAから権限を委譲されており、FFDCAに基づいて飼料作物や食肉への残留農薬基準を設定しています。

農薬の登録と基準の設定という、2つの権限をあわせて持つことにより、残留基準が変更されたり抹消されたりしたときには、速やかに農薬の使用方法を変更させたり、登録自体を削除することができるようになっています。

また、農薬の使用実態や、その他の環境化学物質などによる農場等の汚染状況を調査することもEPAの作業のひとつです。

FSIS(農務省食品安全検査局)

FSISは、「連邦食肉検査法(FMIA:Federal Meat Inspection Act)」という法律に基づいて、加工工場における家畜の疾病検査、病理学的剖検、農薬や動物用医薬品などの残留検査を行っています。加工工場などの衛生管理のための指導・監督も重要な仕事です。

FMIAは、米国内で処理されるすべての食肉に適用されます。その食肉が国内で消費されるのか、それとも輸出されるのかは関係ありません。日本では食品衛生法第9条第2項により、食肉を輸入する際、輸出国の衛生証明書の提出を要求していますが、日本政府が定めた様式に従って衛生証明書を発行するのもFSISの仕事です。

FDAやEPAが設定した適正な使用方法や残留基準を、生産者がきちんと守っているかどうか、それを最前線で検査するのがFSISの役目です。このため、ワシントンD.C.を本部に、カリフォルニア、アイオワ、テキサス、アトランタ、フィラデルフィアの5カ所に地方本部を置き、さらに26カ所の地域事務所と188の巡回検査事務所を設けています。そして、約8,000人の検査官を、全米に約6,400ある食肉加工工場に配置し、日々の監視・指導を行っているのです。

また、ジョージア、ミズリー、カリフォルニアの3州に、大規模な検査センターを置き、全米から集められた食肉のサンプルを、集中的にかつ厳格に、検査しています。