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TRADER'S Be & Po

vol.485 Jan.13.2026
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
年頭所感 アメリカンミートの価値提案を4つの重点テーマで推進
市況ニュース 牛肉卸価格の持ち直し期待も需要は低下懸念
豚と畜増でカットアウト軟化、モモ価格は乱高下
ワールドトレード 中国が輸入牛肉セーフガード、割当超過は55%の追加関税
生産動向 フィードロット導入は過去最低、牛群再構築は高コスト
米国の豚飼養頭数、再び増加基調に
USMEFインフォメーション 焼肉ビジネスフェアに出展、1月21、22日池袋で
ファクト・シート ポーク(2025年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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年頭所感

アメリカンミートの価値提案を4つの重点テーマで推進

米国の食肉業界を代表し、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。平素より米国産食肉の普及活動に多大なるご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

2025年は円安や米国現地相場の高騰、牛肉生産量の減少、他国との競争激化が重なり、米国産ビーフ・ポークの輸入量は伸び悩む一年となりました。しかし、この厳しい環境は、米国産食肉の持つ「品質価値」や独自の食文化を再確認する契機ともなりました。

2026年はまず、米国産ビーフの強みであるグレーディングシステムを軸に、プライム、チョイスといった科学的根拠に基づく品質価値をより明確に訴求します。また、アメリカを象徴するBBQ文化を活用し、肉フェスやイベントを通じ、USビーフ・ポークを楽しむ新たな食シーンを創出してまいります。

さらに、消費シーンで進む二極化に対応し、価格ではなく価値を重視する外食分野―特に高級レストランやホテル―でのフェア実施を積極的に支援します。加えて、2026年は市場の変化を踏まえた4つの重点テーマに取り組みます。

第一に、若年層へのリーチ強化として、SNSや動画を活用したデジタル施策を拡大し、キャンプ・アウトドア需要や現代的な食のライフスタイルにアメリカンミートを結びつけていきます。

第二に、健康志向の高まりに対応し、高タンパク・低糖質など栄養価の面から米国産食肉のメリットをわかりやすく発信します。

第三に、伸長が期待される総菜加工品分野において、アメリカンミートの品質価値と利便性を再訴求し、外食・中食向けの提案を強化します。第四に、増加するインバウンド需要を取り込み、ホテルや観光地レストランでのメニュー採用をさらに推進してまいります。

本年も日本の食肉市場に貢献すべく、USMEF日本事務所一同、活動に尽力してまいります。2026年が皆様にとって実りある一年となりますようお祈り申し上げます。

米国食肉輸出連合会(USMEF)
ジャパンディレクター 加藤 悟司

 
  アメリカンビーフ及ごちポロゴ画像
 
市況ニュース

牛肉卸価格の持ち直し期待も需要は低下懸念

 
 

2025年の牛肉卸売市場は、異例の弱含みで終えた。と畜頭数と生産量が減少したにもかかわらず、カットアウト価格は12月を通じて下落。総合カットアウト価格は、12月26日までの4週間で100ポンド当たり15.71ドル下落した。

卸業者は、1月にはカットアウト価格が持ち直すことを期待しているが、出荷適齢牛の供給がひっ迫している中で、カットアウト価格がさらに下落すれば、生体牛価格への値下げ圧力が強まるだろう。

2026年の幕開けに際しての明るい材料は、小売価格が過去最高値を記録したにもかかわらず、消費者の牛肉需要が弱まっていないことだ。アナリストは、「消費者は、牛肉価格の上昇を認識しているものの、それに見合った質の高さと価値を正しく理解している」と指摘する。

11月の生鮮牛肉全体の小売価格は、新記録を更新した。チョイスの平均価格は10.08ドルで、前年同月(8.32 ドル)を21.2%上回っている。牛肉全体の平均小売価格である9.40ドル(同8.06 ドル)よりも16.6%高い。

しかし、アナリストは、「この上昇率は、生体牛価格の上昇率を大幅に下回っており、パッカーと小売業者のマージンは損益分岐点を下回ったままだ。上昇を続ける牛肉価格とは対照的に、11月の豚肉小売価格は4.93ドル、鶏肉は2.04ドルで、いずれも前年よりも安く、前月よりも値下がりしている」という。

12月第3週のカットアウト価格は354.52ドルだった。チョイスは350.62ドル、セレクトは340.61ドル。第4週には、前半3日間でチョイスが3.76ドル下落した。同週の肥育牛現物取引は229.33ドル、枝肉は356.53ドルで、前週比でそれぞれ1.36ドル高、0.59ドル安となった。

肥育牛価格・カットアウト価格ともに、相場の先行きを左右するのは需要動向だ。ホリデーシーズンが終わると、牛肉需要がさらに低下することが懸念される。アナリストは、「牛肉の小売価格が過去最高水準にある一方、豚肉や鶏肉との価格差が拡大し続けていることで、消費者は牛肉以外の食肉を選択する傾向を強めている」と指摘する。

 

※2025年12月31日 Cattle Buyer’s Weekly

 
 

豚と畜増でカットアウト軟化、モモ価格は乱高下

 
 

12月第2週の豚と畜頭数は272万200万頭(前年比6.3%増)で、週間としては2020年12月以来、5年ぶりの最多を記録した。過去6週間の豚と畜頭数は1545万頭(前年同期比1.3%増)という高水準だった。

予想を上回ると畜頭数の増加により、カットアウト価格は軟化した。特に11月中は、90ドル台半ばで推移すると見られていたモモ価格が84ドルまで下落した。しかし、12月に入ると急反発に転じて、12日には107ドルを超えた。3週間で30%近い上昇は、輸出の好調さを反映したものだ。

11月後半の価格低下で、輸出業者の発注量が増加したと見られる。ただ、今後は価格が急騰したことで買い控えが起こる可能性が高い。またホリデーシーズンを過ぎると加工需要が鈍化するため、モモ価格の値下がりは避けられないだろう。

2026年の第1四半期のモモ価格は下落傾向をたどり、2〜3月の月間平均価格は83ドル程度になると予想される。この価格水準は、現状の2月限の生体豚先物の取引価格と比較しても妥当な水準といえる。

この2週間のモモ価格の急騰は、メキシコへの輸出が再び増加したことを示唆している。USDAは輸出統計の公表を再開したが、政府機関閉鎖中の遅れが続いており、現時点では11月中旬までしか報告されていない。

11月前半の2週間の輸出量は低調だったが、牛肉とは異なり、豚肉の輸出量は安定している。契約済み・船積み待ちの豚肉は、前年同期比で、日本向け78%増、メキシコ向け20%増、コロンビア向け8%増と大幅に増加している。統計的に輸出の好調が明らかになれば、第1四半期のカットアウト価格は現状の予想よりも上振れする可能性がある。

 

※2025年12月15日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  CME(シカゴ商品取引所)の生体豚価格と先物価格指標
 
ワールドトレード

中国が輸入牛肉セーフガード、割当超過は55%の追加関税

 
 

中国商務省(MOFCOM)は12月31日、ブラジル、豪州、米国などからの牛肉輸入に対し、輸入量が一定の割当を超えた場合に55%の追加関税を課すと発表した。この輸入牛肉セーフガードは、2026年1月1日から施行される。

当初MOFCOMは、牛肉輸入に関する調査を2025年8月に終了する予定だったが、過重な業務量と問題の複雑さを理由に、8月6日に期限を2025年11月26日に延期。さらに2か月間の延長を発表し、終了日を2026年1月26日としていた。

調査の影響を受けたのは合計22のサプライヤーで、主にブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ(メルコスール・ブロックのパートナー)、豪州、NZなど。調査対象の製品輸入量は、中国市場の30.9%を占める。

今回の発表を受け、検査率の向上によって中国の港湾での税関遅延が増加し、上海港湾だけでも約4000本のコンテナが滞留しているといわれる。1〜4週間の遅延により、港湾関係のサービス料が押し上げられ、特に中小企業を含む多くの輸入業者はキャッシュフローが圧迫されている。納品を受け取れない買い手は、伝統的に赤身肉需要のピークシーズンである2月の旧正月を前に大きなリスクを抱えている。

 

※2025年12月31日 FOODMARKET.com

  中国の輸入牛肉セーフガードの国別割当量
 
生産動向

フィードロット導入は過去最低、牛群再構築は高コスト

 
 

USDAのフィードロット飼養動向調査によると、11月のフィードロット導入頭数は159万5000頭で、11月としては過去最低を記録した。これは過去5年平均を28万2000頭下回り、前年同月比で20万4000頭少ない。

これにより、12月1日時点のフィードロット飼養頭数は1172万7000頭(前年同月比2.1%減)となった。過去5年平均比では21万5000頭減で、2017年以降で2番目に少ない。

導入頭数の減少は、米国の牛群拡大が進んでいない現れでもあるが、ラボバンク社のアナリストは、これについて以下のように指摘している。

米国の牛群の淘汰は2024年に止まり、2025年にはブレーキが強まった。2025年の肉用牛の母牛淘汰率は8.5%で、2015年以来で低水準だった。USDAの牛飼養動向調査によると、2026年1月1日時点の肉用牛の未経産牛の飼養頭数は3〜4%増(約20万頭増)となる見込みだ。

繁殖用未経産牛のコストが1頭あたり4000ドルを超える現状では、牛群再建へ向けての子牛農家の努力はコストが高すぎる。肉牛の繁殖農家の平均的な飼養規模は約45頭だ。農業国勢調査のデータを見ると、過去25年間で母牛数を増やしたのは200頭以上の規模の繁殖農家だけで、こうした農家は全体のわずか5%にすぎない。

さらに、現在成長している大規模な農家では、経営陣が若返っている。若い世代の経営者は、肉牛生産者として成功するために必要な「1頭当たり」あるいは「エーカー当たり」の利益率への意識が強い傾向にある。

こうした経営方式は、卓越したデータ管理と技術導入、リスク管理やマーケティングによって、新たな牛群の追加効果を最大限に引き出している。その結果、今後の米国の繁殖牛事業の経営手法はより構造化され、利益率重視のビジネスモデルへと移行している。

ネブラスカ大学が12月1日に発表した研究論文は、購入価格、運営コスト構造、繁殖牛群の淘汰率に基づいて、代替の未経産牛の収益可能性を明らかにした。結論としては、今後の牛価格が大幅に上昇しなければ、1頭あたり4000ドル以上の代替未経産牛は経営的に採算が取れなくなるだろうと述べている。

 

※2025年12月31日 Cattle Buyers Weekly

 
 

米国の豚飼養頭数、再び増加基調に

 
 

USDA-NASS(米国農務省農業統計局)が発表した最新の豚飼養動向調査(四半期毎・12月調査)によると、2025年12月1日時点の豚飼養頭数は7550万頭(前年比1%増)に増加した。

総飼養頭数の内訳は、肥育豚が6960万頭、繁殖用豚が595万頭。2025年9月から11月までの間に3500万頭の子豚が離乳。前年同期の頭数をわずかに上回った。9〜11月の月間平均の1腹当たり産子数は11.92頭。

地域別では、アイオワが最大の飼養頭数で2530万頭。次いでミネソタが940万頭、ノースカロライナが790万頭だった。2025年12月から2026年2月の間に289万頭の母豚が分娩する見込みだ。2026年3〜5月の分娩見込み頭数は291万頭。

 

※2025年12月31日 meatpoultry.com

  米国の豚飼養頭数の推移
 

USMEFインフォメーション

焼肉ビジネスフェアに出展、1月21、22日池袋で

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月21、22日の両日、東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館/展示ホールで開催される「ミートフードショー〜焼肉ビジネスフェア2026」(同時開催=居酒屋 Japan)に出展します。

USMEFブースでは今回、アメリカンビーフ・ポークの新しいメニューや食べ方提案の一環として、ビーフでは「ブリスケットスカート」、ポークでは「クッションミート」の焼肉商材としての活用策を提案します。

また、アメリカ国内ではBBQ商材として非常に人気のある「ブリスケット」や「プルドポーク」の商品展示・試食を行います。

「ブリスケットスカート」と「クッションミート」については、新たな提案書なども作成配布いたしますので、ご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄りいただき、試食で味覚をご確認下さい。

 
 

ポーク・ファクト・シート