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TRADER'S Be & Po

vol.454 Sep.30.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース と畜頭数減少もカットアウト価格は下落
輸出動向 7月の豚肉輸出好調も秋以降の見通しは不透明
アジア市場が米国産牛肉の輸出をけん引
ワールドトレード 中国の食肉輸入は8カ月連続の前年割れ
トピック NPPCが立法活動会議、Prop 12修正法案の可決要請
フードサービス マクドナルドが秋から新たな節約キャンペーン開始
リテール アマゾンが新たな食料品PBを開始
USMEFインフォメーション 「FOOD STYLE Japan 2024」「FABEX関西」に出展 ビーフ12社、ポーク7社と共同で多彩なブランドを紹介
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2024年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

と畜頭数減少もカットアウト価格は下落

 
 

9月第1週の牛と畜頭数は、レイバーデー(9月第1月曜日)の祝日の影響もあり、61万5000頭前後というアナリストの予想を大きく下回る54万2000頭にとどまった。しかし、カットアウト(カット・ひき材・トリム)の全国平均価格は、前週より1.45ドル安の312.12ドルと下落。チョイスは同2.08ドル安の309.57ドルとなった。

9月第2週は、チョイスが前半4日間で2.23ドル下落して307.18ドルに。セレクトは同0.48ドル安の295.64ドルに下落した。アナリストは、「カットアウト価格は綱引き状態にある。肥育牛価格が下落しており、パッカーマージンは黒字になっているが、9月の牛肉需要が拡大する可能性は小さい。パッカーは価格を下げて数量を増やしながら利益を維持しようとするだろう」と予想する。

と畜頭数が少なかったことで、製品在庫は過剰な状況にはないが、生体牛の現物価格は依然として強い値下げ圧力を受けている。9月第1週の主要5州の去勢牛の平均価格は181.18ドル、前週比で2.63ドル安。第2週はアイオワ・ミネソタで生体牛が180〜182ドル、枝肉は289〜291ドル。南部では生体牛が平均181ドル、ネブラスカ州では生体牛181ドル、枝肉は293〜294ドルで取引された。

 

※2024年9月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
輸出動向

7月の豚肉輸出好調も秋以降の見通しは不透明

 
 

7月の米国産豚肉(内臓・調製品含む)の輸出量は、19万4818トン(前年同月比14%増)。民間予想を大幅に上回り、特にメキシコ向け輸出が好調なモモの価格が上昇する要因の一つとなった。1〜7月累計輸出量は同5%増。

メキシコ向けの輸出量は8万8124トン(同29%増)で、輸出量全体の45%を占め、年初から好調に推移している。しかし、堅調な輸出が秋季以降も継続するかどうかは不透明だ。

メキシコ向け輸出は、ペソ安の影響もあって減速しており、8月の輸出量は前年同月並みの水準となることが予想される。メキシコ以外の主要市場では、輸出量が大幅に減少している。7月の日本向け輸出量は9%減少した。

日本市場は、円安が多少解消されたものの、冷凍豚肉の在庫は減少している。日本市場で輸入が増加しているのはブラジル産豚肉だ。ブラジルの8月の日本向け豚肉輸出量は、前年比で177%増、年初来の累計でも130%増加している。

ブラジルの豚肉輸出は、2019年から21年までの間は、中国からの需要によって増加してきた。しかし現在は、中国以外の市場への参入を積極的に進めている。8月のブラジルの豚肉輸出量は、中国向けが49%減少したにもかかわらず、10万6018トン(同6%増)と増加。8月のフィリピン向けは2万5000トン(同86%増)だった。

ブラジルは、メキシコに対しても豚肉の出荷を再開した。8月のメキシコ向けは約5700トンで、米国産に比べてまだ少ないが、ブラジルはドミニカ共和国やその他の小規模市場への豚肉輸出を再開している。

米国の豚肉生産量は、第4四半期に5%増加すると予想されている。昨年の第4四半期は、輸出量が10%増加したが、今年もそれを実現するためには、他の豚肉供給国(ブラジル・カナダ・EU)との競合上、豚肉価格が下がる必要があるだろう。

 

※Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国産豚肉(内臓・調製品含む)の月別輸出量の推移(左)/7月の米国産豚肉(内臓・調製品含む)の主要国別輸出量の前年比増減 (右)
 
 

アジア市場が米国産牛肉の輸出をけん引

 
 

米国産牛肉の輸出需要は、アジア市場での回復が勢いを増し、メキシコも引き続き目覚ましい伸びを見せている。USMEFによると、7月の牛肉輸出量は11万419トン(前年同月比7%増)で、今年2番目に多かった。輸出額は9億1090万ドル(同12%増)。

1〜7月累計の輸出量は75万4152トン(同2%減)だが、輸出額は61億3000万ドル(同6%増)。USMEFのダン・ハルストロム会長兼CEOは、「日本と台湾をはじめとするアジア市場で、米国産牛肉の需要が増加傾向にある。さらにASEAN地域でも顕著な伸びが見られる。米国産牛肉は、アジア、特に日本での厳しい逆風を乗り越えてきたが、今年の残りの期間の見通しは明るい」としている。

7月の日本向け輸出量は2万2031トン(同14%増)、輸出額は1億7500万ドル(同17%増)。この結果、1月〜7月累計でも輸出量が前年並みの14万9051トンとなり、輸出額は11億5000万ドル(同7%増)となった。USMEFは、「日本経済の苦戦は続いているが、観光客の急増は明るい材料だ。外食産業や料飲業における米国産牛肉の需要が高まっている」という。

メキシコ向けは、2万1081トン(同19%増)・1億2250万ドル(同17%増)で、約4年ぶりの高水準を記録した。1〜7月累計では、輸出量14%増、輸出額19増。7月の韓国向けは1万7599トン(同微増)、1億6930万ドル(同9%増)。台湾向けは6142トン(同16%増)・6950万ドル(同33%増)。ASEAN地域向けは4466トンに達し、昨年の低水準から70%増と回復した。

 

※2024年9月13日 CATTLE BUTERS WEEKLY

 
ワールドトレード

中国の食肉輸入は8カ月連続の前年割れ

 
 

中華人民共和国税関総署の通関統計速報によると、8月の中国の食肉輸入量(バラエティーミートを含む)は56万5102トン(前年同月比9.9%減)。前年同月比では、年初から減少傾向で推移している。

8月は、前月比では4.7%増となった。第2四半期(4〜6月)は、前月比でも、3カ月連続の減少となっていたが、7月からは前月を上回る推移となった。中国の輸入業者は冬季シーズンに備えて在庫を補充しているようだ。

しかし、中国では経済の低迷により、消費者の支出削減で肉類の消費も減少していており、食肉の輸入量は前年を下回ることが見込まれる。

 

※2024年9月1日 Foodmarket.com

  中国の月別食肉輸入量の推移)
 
トピック

NPPCが立法活動会議、Prop 12修正法案の可決要請

 
 

全米豚肉生産者協議会(NPPC)は、ワシントンで秋季立法活動会議を開催し、120名の豚肉生産者がトム・ヴィルザック農務長官、ジョン・ブーズマン上院議員(上院農業委員会の筆頭委員)らとともに、2024年農業法案の成立とカリフォルニア州のProp 12に対する連邦政府の解決策について話し合った。

ブーズマン上院議員は、「我々は農業法案を成立させるために懸命に動いており、Prop 12に関しては非常に懸念している。重要なのは、超党派の農業法案を成立させるために農業界が団結することだ」として、今年の農業法案成立に楽観的な姿勢を示した。

NPPCにとって農業法案の論点は、Prop 12の制定がもたらした影響に対する修正だ。NPPCによると、Prop 12によってカリフォルニア州への豚肉供給が制限され、コストも上昇している。ロリ・スティーバーマー会長は記者会見で、カリフォルニア州の豚肉価格が20%急騰し、同州の生鮮豚肉の販売シェアは米国全体の2%に満たない水準まで激減したと指摘した。

ヴィルサック農務長官は、豚肉生産者がどの州で製品を販売するかを自由に決められないことを認め、また価格上昇によって、社会的弱者を支援する栄養プログラムに豚肉製品を含めることが難しくなっていることを強調した。

NPPCは、Prop 12が生産者に1頭あたり4000ドルものコスト(豚舎の建替え等)を強いるものであり、さらにはこの法律が危険な前例となって、各州が州外の生産者に異なる規制を策定できるようになってしまうと指摘。Prop 12に対する解決策を盛り込んだ農業法案を、今年中に通過させることが極めて重要だと主張した。

またNPPCは、国会議事堂前で「Food Truck from a Post-Prop 12 America(Prop 12後のアメリカから来たキッチンカー)」を開催して、Prop 12と同様の法律がもたらす潜在的脅威についての情報を提供。架空の通貨である「Bacon Bucks(ベーコン・ドル)」を使って支払いをするという設定を通じて、Prop 12が放置された場合には、アメリカの消費者が値上げに直面する可能性があることを強調した。

 

※2024年9月13日 Foodmarket.com

 
フードサービス

マクドナルドが秋から新たな節約キャンペーン開始

 
 

マクドナルドUSAは、今夏の「サマー・オブ・バリュー」キャンペーンで好評だった「5ドル・ミールディール(5ドルセット)」を秋以降も継続し、12月まで延長することを発表した。「マック・ダブル®またはマック・チキン®サンドとフライドポテトS、チキンマックナゲット®4ピース、ソフトドリンクS」のセットを5ドルで提供する。

同社は、「この夏、何千万人ものファンが地元のマクドナルドに足を運び、5ドル・ミールディールを楽しんだ。秋以降も価格をできるだけ手頃に保つことに尽力し、さらに多くの節約方法を提供したい」としている。

その一環として、ナショナル・チーズバーガーデー(9月18日)には、ダブルチーズバーガーを0.50ドルで提供するほか、ナショナル・フライドチキンサンドイッチデー(11月9日)には、マッククリスピーサンドを2ドルで提供。

今年これまでに2000万回以上の利用があるフライドポテト・フライデー(毎週金曜日、1ドル以上の購入でポテトMサイズが無料)も、2024年末まで利用可能にする。さらに、全米各地域のフランチャイズ店も独自の特別セールを実施する予定だ。

 

※2024年9月13日 Foodmarket.com

 
リテール

アマゾンが新たな食料品PBを開始

 
 

アマゾンは、食品の新しいプライベートブランド(PB)「Amazon Saver」を開発し、自社ブランドの食料品ラインナップを拡大する。同社は、「Amazon Saverは食費のさらなる節約に役立つ、無駄を省いた新ブランドだ。製品のほとんどを5ドル未満で展開する」としている。プライム会員には、特典プログラムを通じて10%オフの割引が適用される。

最初に展開される製品は、クラッカー、クッキー、デリミート、缶詰の果物や野菜などで、順次100以上のアイテムが追加される予定。Amazon Saver製品は、同社オンラインの他に「Amazon Fresh」の49のスーパーマーケットを含む店頭でも販売される。

新しいPBの発売と同時に、プライム会員の割引に3000品目以上の食料品を追加。生鮮食品、プロテイン、食料品など15品目までの週替わり商品が最大50%オフとなるほか、プライム会員限定食料品や生活必需品1200品目以上が25%オフとなる。

アマゾンがバリュー志向の食品ブランドを立ち上げ、食料品の割引を拡大した背景には、食品・飲料の価格高騰の中で、PBの人気が高まっていることがある。Alvarez & Marsal’s社が9月10日に発表した報告書「Accelerate Your Private Brand Journey」によると、PBへの支出額は食料品市場全体の20%を占め、2030年までに24%に上昇すると予測している。

 

※2024年9月13日 Foodmarket.com

 
USMEFインフォメーション

「FOOD STYLE Japan 2024」「FABEX関西」に連続出展
ビーフ12社、ポーク7社と共同で多彩なブランドを紹介

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、10月9〜10日の2日間、東京ビッグサイトで開催される「FOODSTYLE Japan 2024」ならびに10月16〜18日にインテックス大阪で開催される「Fabex Kansai」に連続出展し、多彩な米国産ブランドビーフとブランドポークを紹介します。

「ブランドビーフ パビリオン」には、輸入販売会社12社が共同出展し、独自の特長ある米国産ブランドビーフ製品を展示紹介。アメリカンポークでは7社がオリジナルブランドのポークや加工品を紹介します。

各社のこだわりが詰まった多種多様なアメリカンビーフ・アメリカンポークの商材が一堂に介する貴重な機会ですので、是非とも来場の上、アメリカンミートのバラエティに富んだ商品力を確認いただき、今後の商品購入にお役立てください。

ブランドビーフ、ブランドポークの出展企業は以下のとおりです。USMEFブースでは、各種ガイドブックの配布及び販促提案、試食サンプルも用意しています。

共同出展社は以下のとおりです。

【ブランドビーフ出展社】 【ブランドポーク・加工品出展社】
  • 住商フーズ株式会社
  • 丸大食品株式会社
  • エスフーズ株式会社
  • テンダープラスジャパン株式会社
  • 株式会社アイコン アグリ
  • 日鉄物産株式会社
  • ファームランドトレーディング株式会社
  • スターゼン株式会社
  • 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
  • ハニューフーズ株式会社
  • 日本ハム株式会社
  • プリマハム株式会社
  • ハニューフーズ株式会社
  • 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
  • 住商フーズ株式会社
  • 株式会社ハーネット・コーポレーション
  • 株式会社ラクト・ジャパン
  • 伊藤忠商事株式会社
  • スターゼン株式会社
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート