USDA公表・USMEF編纂の食肉輸出統計によると、2023年の米国産豚肉の輸出額は、メキシコをはじめとする多くの市場の成長にけん引され、過去最高額となった。牛肉の輸出量は前年を下回ったものの、12月の輸出額は前年比10%増と、8月以降で最大となり、好調な締めくくりとなった。
12月の豚肉輸出量は26万8399トン(前年同月比10%増)、輸出額は7億6580万ドル(同11%増)。この結果、2023年の輸出額は81億6千万ドル(同6%増)となり、1頭当たり換算の平均輸出額も64ドルに迫る勢いで、過去最高を記録した。年間の輸出量は291万トン(同8%増)で過去3番目に多かった。生産量に占める輸出割合は29.6%、正肉単体では25.4%と前年の23.8%から1・6ポイント上昇している。
USMEFのダン・ホルストロム会長兼CEOは、「2023年は、世界で米国産豚肉の需要が爆発的に成長した。メキシコでは米国産豚肉の存在感が顕しい拡大を続け、また、西半球と数多くのアジア太平洋市場でも高い需要が見られる」とコメントしている。
12月の牛肉輸出量はやや減少して10万8497トン(同4%減)だが、8月以降では最大となった。輸出額も8億6080万ドル(同10%増)と8月以来の高水準。これにより、2023年の牛肉輸出量は129万トン(同12%減)、99億6900万ドル(同15%減)と100億ドルを下回ったものの、過去3番目に高い水準となった。牛肉生産量に占める輸出割合は14%、正肉単体では11.7%となり、それぞれ過去最高だった前年(15.2%・13%)から低下した。
豚肉の輸出先別では、メキシコ向けが110万トン(同14%増)・23億5000万ドル(同15%増)で記録的な伸びを示した。輸出額第2位の日本向けは34万2163トン(同4%減)・14億ドル(同5%減)。中国向けは58万5806トン(同9%増)・13億7000万ドル(同7%増)、韓国向けは19万1262トン(同9%増)・6億3340万ドル(4%増)。
その他では、中央アメリカ向けがホンジュラス・グアテマラなどの堅調な成長により13万7469トン(同15%増)・4億570万ドル(同20%増)と年間最高額を記録した。ドミニカ共和国向けも9万9610トン(同16%増)・2億7620万ドル(同18%増)と過去最高を記録。南米向けもチリとペルーの大幅な成長によって11万8660トン(同2%増)・3億4060万ドル(同10%増)と増加した。
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