USDA-FASの北京事務所が8月18日に発表した「中国の食肉需給予測」に関するレポートのうち、豚肉に関するポイントは以下のとおり。
豚:飼養頭数は、2023年期初の4億5256万頭から、2024年には同4億3500万頭となる見通し。繁殖豚が2023年の4300万頭から、2024年には4200万頭と予測され、2024年の子豚生産頭数は、前年比1%減の6億9500万頭となる見通し。
豚肉生産:2024年の豚肉生産量は、飼養頭数およびと畜頭数の減少を受けて、1%減の5595万トンとなる見通し。
豚肉消費:2024年の豚肉消費量は、国内生産の低下を受けて、前年比1%減の5815万トンになる見通し。アナリストは、中国経済は引き続き困難に直面すると予測しており、外食と小売の豚肉需要は、2023年と同水準になると予想される。
2023年上半期の消費増は、国内供給の増加が主因であり、複数の地域で発生した新型コロナや経済の停滞で豚肉需要が鈍化し、供給過剰を引き起こした。中国政府は、2024年も引き続き豚肉価格の安定を重視・優先すると見られる。中国国家発展改革委員会は7月13日に、計4万トンの冷凍豚肉を2回にわたって購入すると発表。在庫を増やして生体豚・豚肉価格の下落を防ごうとしている。
豚肉輸入:2024年の豚肉輸入量は、232万トンに拡大すると予想される。2022・2023年に、国内生産量がASF前の水準である5500万トンに回復して以降、豚肉輸入量は210〜230万トンに低下している。主な輸入先国はスペイン、ブラジル、デンマーク、オランダ、カナダ、米国。
2023年の豚肉輸入量は、前年比8%増の230万トンになると推定されている。ゼロコロナ政策の緩和を受けて、外食市場での需要が回復。2023年前半5カ月間の豚肉輸入量は、前年同期比で20%以上の増加となったが、下半期は、国産豚肉価格の低下・経済活動の不振・輸入豚肉の在庫増により、輸入需要は鈍化する可能性がある。
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