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TRADER'S Be & Po

vol.407 Aug.08.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛は南部の安値が引きずる、カットアウト横ばい
生体豚価格は堅調、短期的な豚肉価格の下支えに
トピック 今後10年の世界の食肉消費、鶏肉が最も増加−FAO/OECD
ワールドトレード 第3四半期の世界の豚肉貿易は増加見込み―ラボバンク
生産動向 6月のフィードロット出荷、過去11年で最大に
フードサービス 高値の治療法は高値、価格調整進んだバックリブに好機
USMEFインフォメーション 「トライ!アメリカンビーフ!キャンペーン!」開始、9月30日まで
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2022年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛は南部の安値が引きずる、カットアウト横ばい

 
 

生体牛の現金取引価格は、サザンプレーンズ(南部)とコーンベルト(北部)で大幅な価格差が生じている。7月第2週の生体牛価格(100ポンド当たり)は、北部で149〜150ドル、南部は137ドル。南部の安値に引きずられて、主要5州の去勢牛平均価格は前週比1.81ドル安の144.35ドルとなった。

第3週も同様の展開で、北部の生体牛は前週比横ばいから4ドル安の144〜145ドル、枝肉は228〜230ドル。南部の生体牛は137ドルのままだった。

アナリストは、「北部では飼養頭数が不足し、高品質な牛の供給が少ない。南部は供給が多く、価格上昇にブレーキがかかっている。鎖の強さは最も弱い部分で決まるとの例えどおり、南部の弱さが肥育牛全体の価格を引き下げている」と分析する。

7月2日までの週の牛の格付割合は、プライム7.51%、チョイス73.16%、セレクト16.26%。プライムおよびトップチョイスは21.4%と引き続き限定されており、これが北部の大幅な割高の要因の一つだ。

一方、牛肉の卸売価格は、7月第2週のカットアウト平均価格(100ポンド当たり)が261.30ドル、前週比0.33ドル高。チョイスは260.93ドル、同0.30ドル高。第3週は前半4日間で、チョイスが前週比0.14ドル安の267.75ドル。セレクトは6セント高の241.91ドル。予想に反して横ばい基調を維持した。

6月までの過去12カ月間の米国の消費者物価上昇率は9.1%。過去40年間で最も高い。食料品価格は12.1%、外食価格は7.7%上昇しており、牛肉需要への圧力は引き続き強い。横ばい基調を維持しているカットアウト価格は、週間と畜頭数・牛肉生産量が増加すれば値下がりに転じるだろう。

 

※2022年7月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体豚価格は堅調、短期的な豚肉価格の下支えに

 
 

今夏の豚枝肉重量は、生産者所有豚とパッカー所有豚で大きな差がある。7月第2週の5営業日平均でみると、生産者所有の肥育豚の枝肉重量は208.4ポンド、パッカー所有は217.8ポンド。その差は9.5ポンドもある。

過去にこの種の重量差が見られたのは2020年のみだ。当時、パッカーはCOVIDによる処理能力の問題から、農場に肉豚を滞留させていた。今年はと畜能力に問題はなく、労働力をめぐる状況も改善しているため、推測するなら、今夏の供給不足の可能性を見越した一部のパッカーが、豚の体重を増やして供給不足を相殺しようとしているのかも知れない。

 生体豚の現金取引価格は、日々の変動はあるものの、今年の春夏のほとんどの期間で上昇基調にあり、現在は前年水準を上回っている。これは前年割れの推移が続いている先物価格やカットアウト価格とは対照的だ。

先物の予想では、生体豚の現金取引とカットアウトのいずれが重要なのか。長年にわたり、生産者とパッカーは数多くの値決め方法を生み出してきた。今年現在までの相対交渉による現金取引量は、全体の1.3%相当だ。

ところが、この取引から派生した価格は、大量の豚の値決めに使用されるフォーミュラ取引の構成因子の一つになっている。年初来、フォーミュラ取引で価格がつけられた生体豚または豚肉は、全体取引の28.23%にのぼる。

また、この価格はシカゴ商品取引所の指標(CME Lean Hog Index )の算出にも使用されているため、生体豚の現金市場自体は小さいが、現金取引価格とCME指標は強い相関がある。この指標はフォーミュラ取引の構成因子でもあり、常に新たなフォーミュラが交渉されているため、相関は次から次へと変化しているようだ。

2021年7〜11月の期間中、現金価格が1ドル変動すると、結果的にCME指標は0.72ドル変動した。以降は、現金価格の1ドル変動で、指標は0.64ドル変動している。カットアウト価格が指標価格に与える影響は顕著になっているものの、現金取引価格を軽んじる理由にはならない。これは今後3週間の枝肉重量・と畜動向、8月限の先物取引を考察する上で、考慮すべき重要な視点だろう。

 

※2022年7月18日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  生体豚の現金取引価格の推移(日次・全国平均・交渉ベース)、肥育豚の枝肉重量の推移(週5日移動平均)のグラフ
 
トピック

今後10年の世界の食肉消費、鶏肉が最も増加−FAO/OECD

 
 

FAO(国際連合食糧農業機関)およびOECD(経済協力開発機構)が発表した「2022〜2031年の農業展望レポート」によると、食肉の消費は発展途上国で増加を続ける一方で、先進国では高齢化や健康志向、環境への配慮の高まりから、横ばいもしくは減少傾向が予想されるという。コロナ禍で起きた外食から自炊へのシフトは短期的で、規制が解除されるに従って逆戻りするとみている。

家きん肉の消費は全ての国と地域で増加しており、予想期間を通して1億5400万トンにまで成長すると予測される。消費者は、家きん肉の価格の安さ、製品の一貫性、用途の広さ、高タンパク・低脂肪などの栄養素に魅力を感じており、特にいくつかの発展途上国の食において、重要な役割を果たすことが予測される。

世界の豚肉消費量は、今後10年で1億2900万トンに成長すると予測される。しかし、安価な家きん肉が成長することから、豚肉の一人当たり消費量は横ばいの見込み。従来豚肉を消費している韓国やベトナムなどアジアのいくつかの国々では、一人当たり消費量の増加が予測される。

欧州では、引き続き豚肉が最も多く消費される食肉であり、ラテンアメリカの多くの地域では、豚肉と鶏肉がその価格帯によって中産階級からの需要が増加、人気の食肉として位置付けられている。

世界の牛肉の消費量は、今後10年で7600万トンに成長する予測。しかし、一人当たり消費量は、2031年までに2%減少すると予測されている。消費量の増加が予測されているのは、アジアおよび太平洋地域のみ。

 

※2022年7月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

第3四半期の世界の豚肉貿易は増加見込み―ラボバンク

 
 

ラボバンクの最新レポートによると、2022年下半期の世界における豚肉貿易は徐々に回復する見込みだ。飼料コストがわずかながらも下がり、消費者需要にも回復力があることで、市場の見通しは改善しつつある。一方で、ASF(アフリカ豚熱)の拡大やインフレが貿易政策に影響を及ぼすなど、成長への課題も残されている。

消費者需要は、地域により依然としてバラつきがある。北米では旺盛な需要が続いており、欧州でも需要が回復しつつある。しかし、インフレへの懸念増大と経済の停滞、COVIDのリスク継続を要因に、日本、韓国、その他のアジア諸国では下半期の需要低下が予想されている。

中国の豚肉市場は、対コロナ政策に関連して依然として不透明感がある。外食分野では上半期に需要が縮小したが、下半期の見通しは上半期よりは明るいだろう。中国の豚肉価格は6月に大幅に上昇し、下半期も高値を維持することが予想される。

中国の輸入需要が上向くと予想されることから、2022年下半期の世界の豚肉貿易は、上半期の低水準から徐々に回復する見通しだ。日本をはじめ、従来の他の輸入国も引き続き堅調な輸入が続くと予想されている。

中国:供給のひっ迫と需要の回復で、肉豚価格が急上昇している。価格安定化およびインフレ抑制のための各政策が実施されている。

欧州:供給のひっ迫と夏の需要に子豚価格が支えられている。中国向け輸出量が引き 続き低下していることを受け、欧州からの輸出は多様化している。

北米:肉豚市場の強さと飼料コストの軟化により、生産者の収益性が保たれている。需要は安定しているが、経済の停滞にともない低下が予想される。

ブラジル:農家の利益は改善しているものの、依然として課題がある。輸出が年初来で9.8%減少し、豚肉価格の値下げ圧力になっている。

東南アジア:ベトナムで供給がひっ迫し、豚肉価格が上昇している。下半期の輸入は 増加する見通し。

日本:国産豚肉は価格の高騰から消費が鈍化し、輸入の増加に繋がる。

 

※2022年7月27日 FOODMARKET.com

 
生産動向

6月のフィードロット出荷、過去11年で最大に

 
 

アナリストの予想によると、6月のフィードロット出荷頭数は過去11年間で最大となる見通しだ。Allendale Inc.のアナリストは6月の出荷頭数を205万頭・前年比1.4%増と見込む(※USDAの実際の公表値は206万1000頭・2%増)。

家畜マーケティング情報センターのアナリストは、「干ばつが懸念され、出荷ペースは5月から加速し、1日平均9万4000頭へと達する勢いだ。サザンプレーンズでは降雨があり、6月の牧草状態は改善したが、南東部では急激に悪化してあり、干ばつが全米的なものに変化しつつある」という。

一方、「6月の導入頭数は2016年以来最少と見込まれる」(MBS Researchのアナリスト)。干ばつは依然深刻な問題であるが、待望の降雨を要因に多くの地域で子牛の早期導入が抑えられた。トウモロコシ価格の高騰で、肥育業者は軽量級の素牛導入を限定している(※同162万9000頭・前年比2%減)。

 

※2022年7月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

高値の治療法は高値、価格調整進んだバックリブに好機

 
 

昨年、ポークバックリブは100ポンド当たり528ドの最高値を記録した。これは2019年の倍以上だ。ほぼ同時期に、チキンウイングの卸売価格も331ドルの最高値に達し、2019年比75%高をつけた。

昨年の急騰の理由は、パンデミックからの回復需要、レストランの規制なし再開、在庫不足などが相まったことだ。通常、エンドユーザーのバックリブやスペアリブの在庫積み増しは前の年の秋に始まるが、昨年は小売業者の販促強化の中で、供給がひっ迫し、スポット市場での入手可能性が限られていた。

下のグラフからもわかるとおり、レストランやバーの主要メニューである2品目の価格は、互いに追随する傾向がある。過去2年間の価格推移は驚くほどに緊密だ。価格上昇の急激さとともに、真の試練はエンドユーザーが消費者に高値を転嫁しようとした時だということを改めて認識させる値動きだ。

近年、バックリブやウイングの人気の理由が、ファット・フリー(脂肪なし)よりも味の良さへと移行していることを考慮すると、安売りする必要はないが、住宅・燃料・電力・教育・医療などの主要な支出項目のインフレが外食費を圧迫すると、価格転嫁はいっそう困難になり、さらなる値下げ圧力が加わる可能性もある。

いずれにしろ、この2品目の価格は、いずれかの時点で適正な水準を見出すだろう。近い将来、エンドユーザーが備蓄を増やし、拡販活動を再開するのは時間の問題だろう。

 

※2022年7月18日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークバックリブとブロイラーウイングの価格推移(週平均)のグラフ
 
USMEFインフォメーション

「トライ!アメリカンビーフ!キャンペーン!」開始、9月30日まで

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)では、外食産業の需要期である夏に向け、アメリカンビーフを使用している外食店舗様のサポートとして、「トライ!アメリカンビーフ!キャンペーン!」を実施しています。

当キャンペーンは、参加外食店舗で対象メニューを注文すると参加できる、くじ型キャンペーン。 キャンペーンサイトに記載の対象店舗にて、対象メニューを注文するともらえる抽選くじをめくり、中面に記載の二次元バーコードより、応募ページにアクセスしてシリアルナンバーを入力すると、その場で当落が分かります。

当たりがでると、A賞としてアメリカンビーフ(サーロイン1kg)、B賞としてアメリカンビーフオリジナルトートバッグがもらえます。アメリカンビーフを使用していただいている外食企業様、店舗様をサポートすると同時に、来店いただいたお客様にも、アメリカンビーフの美味しさを味わいながら、サプライズな楽しさ、お得感を感じていただけるキャンペーンとなっています。

【キャンペーン概要】

【応募期間】2022年8月1日(月)〜2022年9月30日(金)23:59まで

【賞品】A賞 アメリカンビーフ(サーロイン)1kg・・・・・200名
    B賞 アメリカンビーフオリジナルトートバッグ・・・1,000名

【キャンペーンサイトURL】
https://www.americanmeat.jp/csm/topics/try-americanbeef-cp/

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