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TRADER'S Be & Po

vol.343 Nov.11.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース ビーフカットアウト上昇続く、小売堅調
豚モモ価格、記録的供給で季節的上昇を抑制
トピック 養豚企業トップ40社、母豚数さらに6万9000頭増
ポーク関連ニュース 9月末の豚肉在庫、過去5年平均比2%減
ワールドトレード アジアのASF、世界の食肉貿易に影響、牛肉輸出拡大
USMEFインフォメーション アメリカン・ポークセミナーを全国4カ所で連続開催
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2019年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

ビーフカットアウト上昇続く、小売堅調

 
 

10月第3週のボックスビーフ価格は、小売販売が好調なことから上昇した。チョイスのカットアウト価格(100ポンド当たり)は、木曜日に225.62ドル(前週比7.58ドル高)まで上昇。10月1日以降では12.15ドルの値上がり。セレクトは199.09ドル(同6.05ドル高)、同13.04ドルの上昇となった。

10月の過去2週間の牛肉卸販売では、スポット取引(0〜21日間の受渡し)の割合は 26.6%と少なく、フォーミュラ取引の割合が52%まで高まった。アナリストは「ボックスビーフの販売量は10月下旬から減少し、11月の最初の2週間は減少する傾向がある」という。

牛肉の販売は全体的に前年を上回っており、食肉部門の売れ行きをリードしている。家きんの売り上げは安定、豚肉は減速気味。高い雇用水準と低所得層の賃金上昇は、牛肉の堅調な売れ行きに繋がっているようだ。

プライムの不足が伝えられる中で、プライムとチョイスの価格差は数週間前の100ポンド当たり68ドルから44ドルに縮小した。この変化の中で、アナリストはCAB製品の引き合いが強まり、供給がタイトになっているという。

牛肉は小売価格が昨年よりやや高いにもかかわらず、良好な売れ行きを見せている。9月のチョイスビーフの小売価格は1ポンド当たり平均6.01ドル(前年比1.2%高)、生鮮牛肉全体の平均価格は5.78ドル(同0.9%高)。豚肉価格は平均3.88ドル(同2.4%高)。

 

※2019年10月28日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚モモ価格、記録的供給で季節的上昇を抑制

 
 

豚モモ肉の価格は、季節によってはっきりとした変動をする特性を持っているが、この1〜2年は不安定な動きを見せている。昨年は、メキシコと中国の報復関税が需要に大きく影響した。特に米国産豚モモ肉の約3分の1を購入しているメキシコに対して、パッカーや輸出業者は、関税の影響を相殺するために価格を下げざるを得なかった。

下図が示すように、昨年の価格は概ね低位で推移し、短い期間での上下動を繰り返した。メキシコのバイヤーは価格が上昇し始めると購入を控え、下方修正されると買いに入るという繰り返しだった。

今年は、メキシコが米国製品に対する関税を引き下げたことから、通常の季節パターンに戻っているが、中国への輸出がいつ増加するかという予想や思惑で、価格がより不安定になっている。

11月にモモ肉の価格が上向く可能性はあるものの、現在、豚の週当たりと畜頭数は270万頭を上回っており、年末まで記録的な水準で推移すると予測されていることも、価格の上昇を抑える要因となる。

今年の豚モモ肉価格は、100ポンド当たり80ドル以下でピークに達するかもしれない。通常モモ肉の価格は、イースターが終わると年末に向けて急落する。今年も同様の傾向をたどると見られる一方で、「中国への輸出需要が復活すれば、一気に在庫が払拭する可能性もあり、過去数年間のような下げはない」との見方もある。

 

※2019年10月28日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚モモ肉の過去5年間と現在の価格トレンド
 
トピック

養豚企業トップ40社、母豚数さらに6万9000頭増

 
 

Successful Farming誌はこのほど「ポークパワーハウス2019」(保有母豚数に基づく全米の養豚企業トップ40)を発表した。上位40社合計の母豚数は前年より6万9000頭増え、429万700頭に達した。これは全米の繁殖雌豚の約3分の1に相当する。

上位40社のうち、19社で母豚数が増加。12社が前年と同数、減少したのは9社。米中貿易問題や労働力問題、アフリカ豚コレラの世界的な疾病リスクが広がる中にあっても、米国の豚肉産業は依然として拡大基調を続けている。

養豚最大手であり、中国のWHグルーブが所有するスミスフィールド社の母豚数は93万頭で、前年比2万頭減。これは10月15日にワイオミング州の母豚1万3000頭をマッシュホフ社に売却したことによるもの。第2位のシーボード・フーズ社は34万5000頭(前年比5000頭増)。2018年までの過去3年間で12万3000頭を追加してきたが、2019年も5000頭増やした。

同社は2017年秋にアイオワ州スーシティに新しい加工工場(シーボード・トライアンフ・フーズ/処理能力は2シフトで一日当たり2万1000頭)を開設したが、この合弁相手のトライアンフフーズは、9位のクリステンセンファームズをはじめ、5つの独立した豚肉生産者によって所有されている。この5社合計の母豚数は47万頭、シーボード・フーズと合算すると81万5000頭に達する。

同じくアイオワに新工場を建設、2019年から稼働させたプレステージファームは18万5000頭(同2700頭増)と前年に引き続き増頭。2017年にミシガン州コールドウォーターに新工場を開設したクメンスフードグルーブは、取得検討中のマックスウェルフーズ社の4万5000頭を含めて11万1000頭に拡大した。

  全米の養豚企業上位40(20位まで抜粋)
 
ポーク関連ニュース

9月末の豚肉在庫、過去5年平均比2%減

 
 

9月末の食肉(牛肉・豚肉・鶏肉・七面鳥)の在庫は、25億6000万ポンドと推定される。前年同月比では4.3%減だが、過去5年平均比では4.4%増。8月からの減少率は1%減、過去5年間平均の1.5%増とは逆の動きを見せた。

豚肉の在庫は5億9890万ポンド(前年同月比1.6%増)、過去5年平均比では2%減。9月の豚と畜頭数が急増し、しかも枝肉重量が増えて供給量が増加する中で、8月末から1.3%減少した。過去5年平均の前月比は3.1%増であり、この減少は今後の豚肉価格の底支えになるかも知れない。

豚モモの在庫は2億170万ポンド(同6.0%減)、5年平均比では11.3%減。輸出市場、特にメキシコの強い需要により、大幅に減少した。ベリーの総在庫は4070万ポンド(同34%増)、過去5年平均比は67%増の高水準にあり、年末に向けたベリーの価格上昇を抑制する可能性がある。ロインの在庫も潤沢で、トリミングは3940万ポンド(同2.3%増)。

 

※2019年10月28日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  冷凍豚肉の在庫量の推移
 
ワールドトレード

アジアのASF、世界の食肉貿易に影響、牛肉輸出拡大

 
 

アフリカ豚コレラ(ASF)の影響が、中国をはじめとするアジア地域で広がり、世界各地の食肉価格の上昇に繋がっている。オクラホマ州立大学のエコノミスト、デレル・ピール氏の新しい報告では、中国は国内豚の損失により、2019年の豚肉輸入量は66.6%増加、2020年にはさらに34.6%増加すると予測している。

2018年の中国の豚肉生産量は、世界全体の47.8%を占める。中国のASFによる2018年以降の豚の損失見積もりは、予測機関やアナリストによって幅があるが、多くの予測は豚の半分以上が損失することを見込んでいる。

ピール氏は、中国の豚肉生産量は2019年に14.0%減少し、2020年にはさらに25.3%減少すると予測している。これは、2018年から2020年にかけて世界の豚肉生産量が15.7%減少することを意味するという。

中国の2018年の食肉消費に占める豚肉の割合は74%。ASFの影響で中国の食肉供給が不足し、これを緩和するための動きが世界中の食肉に影響を及ぼしている。中国の食肉総消費量は、2018年から2020年にかけて14.9%減少し、豚肉の割合は59.8%に低下すると予測される。

世界の豚肉輸入量は、2019年に13.5%増、2020年にはさらに11.0%増が見込まれており、世界の豚肉輸入量における中国のシェアは2018年の19.7%から2020年には35.1%までに拡大する。世界の豚肉輸出量は、2019年に11.3%増、2020年にはさらに10.4%の成長が見込まれる。

2020年の中国の牛肉輸入量は290万トンに達する見込み。中国では豚肉不足を相殺するために、牛肉や家きん肉の摂取量が増える可能性がある。牛肉の追加需要の多くは、価格が安い南米産に依存する可能性が高い。

MLA(豪州家畜生産者事業団)は、主要な3つのポイントを挙げている。①牛肉の国際需要は世界的な供給を上回り、アジアからの強い需要が輸入牛肉価格の上昇を促進する②2020年の世界の牛肉生産量はわずかに増加する見込みで、南米と米国がこの成長をけん引する③米国の牛群拡大はピークを迎え、収縮期に入った。短期的にはこれが米国の輸出を支えることに繋がる。

2020年の牛肉輸出量は、堅調な国際需要と輸出促進によって1150万トン(前年比4%増)になる見込み。豚肉生産量の減少が、アジア全域の牛肉需要を増加させる要因となる。

2019年の牛肉供給量は0.9%増とわずかな伸びにとどまる見込みで、供給不足によって輸入価格は維持または上昇する可能性が高い。世界的に生産が拡大するのはブラジル、米国、インド、アルゼンチン。これらの増加と中国、EU、豪州の生産減が相殺されることになる。

米国の牛群は、キャトルサイクルのピークから減少局面の初期段階に入った。と畜頭数の増加によって牛肉生産量は増加しているが、需要の強さから、より高い価格帯へ向かう可能性がある。2019年の米国の牛肉輸出量は150万トン(同6%増)、ブラジルは260万トン(同15.6%増)に達する見込み。

 

※2019年10月28日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ポークセミナーを全国4カ所で連続開催

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、10月31日に札幌市で開催した「アメリカン・ポークセミナー&テイスティングセッション」を11〜12月にかけて名古屋、福岡、大阪で連続開催します。

当セミナーでは、アメリカン・ポークの最新市場動向および販促計画をご紹介させていただきます。また、テイスティングセッションでは、USMEFが推奨するアメリカン・ポークのメニューをお楽しみいただけますので、ご都合に合わせて各会場でご参加くださいますようご案内申し上げます。

主なプログラムと開催日程は以下のとおりです。

【プログラム】
アメリカン・ポークのマーケット状況
アメリカン・ポーク 外食のトレンド
アメリカン・ポークの販促提案
メニュー提案デモンストレーション
 低温調理器を使った調理実演(ヒレカツ、厚切りステーキ)
 アメリカのBBQ定番メニュー「プレドポークバーガー」
テイスティングセッション
 低温調理メニュー/プルドポークを使ったアレンジメニュー等

【開催日程】(開催時間はすべて15時〜17時30分)
◇名古屋会場/11月26日(火) 定員100名
       ストリングスホテル 八事 NAGOYA
       (名古屋市昭和区八事本町100-36)
◇福岡会場/11月28日(木) 定員100名
       オリエンタルホテル福岡 博多ステーション
       (福岡市博多区博多駅中央街4-23)
◇大阪会場/12月5日(木) 定員150人
       アートホテル大阪ベイタワー
       (大阪市港区弁天町1-2-1)

お問い合わせはUSMEF:担当 加藤(skato@usmef.org)まで。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート