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TRADER'S Be & Po

vol.327 Feb.18.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 寒波で牛枝肉重量減少、先物にプレミアム
豚肉供給増、先物価格とパッカーマージン圧迫
市場展望 2019年の牛価格は堅調―Cattle Fax社予想
ポーク関連ニュース 値下げ圧力強まる一方でASFリスクの思惑も
ワールドトレード 干ばつ被害で豪州の牛群再び縮小
USMEFインフォメーション 「手作りUSビーフハンバーガー」提案で
新たな販促資材
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市場ニュース

寒波で牛枝肉重量減少、先物にプレミアム

 
 

降雪と厳しい寒波の影響で枝肉重量は前年を下回り、と畜頭数も減少している。1月最終週は、北部から南部にかけて非常に寒さの厳しい日が多かったことから、肥育牛の増体率鈍化が懸念される。

肥育頭数は前年を上回っているものの、短期的には枝肉重量の低下で出荷増が相殺される可能性があり、先物市場にプレミアムがつき始めた。現金取引価格は1月第2週以降、横ばいから弱もちあいで推移している。

枝肉重量は例年より早い12月中旬に落ち始めた。連邦政府の閉鎖でデータの公表が遅れているが、直近の公表データでは、12月15日までの週の去勢牛の平均枝肉重量は892ポンド(前週比4ポンド減、前年同週比10ポンド減)。未経産牛は829ポンド(同6ポンド減、同13ポンド減)となっている。

アナリストは「枝肉重量はさらに減少する」という。少なくとも肥育牛の増体効率は1日当たり0.5ポンド低下、1日当たりの肥育コストは当初の推定よりも1ポンド当たり0.10ドル上昇し、肥育期間は15〜30日延長すると予想される。

寒波は家畜の輸送や従業員の通勤にも影響し、牛と豚のと畜頭数が低下している。先週の牛のと畜頭数は、当初60万3000頭と予想されていたが、金曜日のと畜が少なく59万3000頭となった。水曜日の豚のと畜頭数は、当初予想の46万6000頭に対してわずか25万3000頭に留まった。

生体牛の現金取引価格に及ぼす天候の影響はまだ明らかではないが、2月受け渡し契約分の先物取引は、木曜日の終値が100ポンド当たり124.80ドルと、前週の平均価格は上回った。

生体牛の現金取引の平均価格は123.29ドル(前週比0.69ドル安)。枝肉の平均価格は197.22ドル(同0.23ドル高)だった。アナリストは「天候要因から見て、現金取引価格は近く上向きに転じるはずだ」と予想する。

 

※2019年2月4日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉供給増、先物価格とパッカーマージン圧迫

 
 

肥育豚先物価格はここ数週間、値下げ圧力にさらされており、中国で発生しているASF(アフリカ豚コレラ)に伴うプレミアムが相殺されている。豚肉供給量が予想を上回っており、パッカーマージンも圧迫されている。推定マージンは現在のところ過去10年平均に近く、過去5年平均に比べると大幅に低い。

12月の豚と畜頭数は週当たり270万頭に達していたが、先週は250万頭、2月は245万頭になる見込み。と畜能力が増加すれば、生体豚の競争が高まるため、生体豚価格を下支えし、パッカーのマージンを圧迫すると予想される。

1月25日までの週に生産者が販売した去勢豚・未経産豚の全国平均価格は、100ポンド当たり60.95ドルと試算される。一方で、相対取引の生体豚平均価格は同53.17ドル。この価格で販売された去勢豚・未経産豚は、生体豚全体のわずか2.7%だが、かなり値引きされている。

 

※2019年2月4日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  CME / リーンホッグ価格の実績と先物価格の推移
  ポークパッカーの1頭当たり推定利益の推移
 
市場展望台

2019年の牛価格は堅調―Cattle Fax社予想

 
 

NCBA(全米肉牛・牛肉生産者協会)の年次総会で、Cattle Fax社のCEOとアナリストが2019年の牛肉市場の展望について講演。2019年の肥育牛価格は前年の横ばい、牛肉の小売価格はわずかな上昇が予想されるものの、肥育素牛は値下げ圧力が強まる―との見通しを示した。

過去5年間続いてきた飼養頭数の拡大サイクルは、今後1〜2年以内にピークを迎え、牛の供給増によって肉牛生産の全部門で価格圧力が強まり、特に肥育素牛分野から生産者マージンの圧縮が始まるとの見方だ。

牛肉の小売価格は、賃金の上昇と雇用の拡大による堅調な需要が底支えし、多少の上昇が見込まれるものの、他の食肉の供給も増加するため、上昇率は低く抑えられる。2019年の平均小売価格は1ポンド当たり前年比0.06ドル高の5.73ドル。卸売価格は100ポンド当たり4ドル高の216ドルと予測している。

2019年の肥育牛価格は同117ドルで、ほぼ前年並みの予想。最高値は130ドル水準、底値は100ドル。フィードロットからの出荷が増加すれば、肥育部門の収益性が低下し、肥育素牛価格が圧迫される。750ポンドの去勢牛価格は100ポンド当り130〜160ドル、年間平均は147ドル。肥育素牛は春季には180ドル台半ばも期待できるが、秋季には140ドル台まで低下する可能性がある。

老廃牛の価格は、さらに下振れするリスクがある。乳製品部門における長年の拡大と営業利益率の悪化により、老廃牛の出荷が増加。と畜能力に限界もあるため、春季の60ドル近辺が最高値、安値は40ドル台割れとなり、年間平均は55ドル前後の予想。穀物価格は横ばいと予想され、トウモロコシはブッシェル当たり3.60〜4.10ドル。

同社のCEOは講演の結びで、牛肉業界にとっての国際市場の重要性を強調。海外市場での強い需要が米国の牛肉産業を支えているとする一方で、貿易の混乱が重大な影響を及ぼす可能性があると指摘。米国・メキシコ・カナダ協定の承認、日本との二国間貿易協定の進展が重要だとし、「牛肉業界の長期的な収益性は貿易と連動している」と語った。

 

※2019年1月16日 MeatingPlace.com

 
ポーク関連ニュース

値下げ圧力強まる一方でASFリスクの思惑も

 
 

USDA(米国農務省)の2019年の豚肉生産量予測は前年比0.7%増とわずかな増加だが、これは2018年のと畜施設の稼働日数が今年より多かったことが要因。さらに、先週の大寒波で生体豚の輸送が滞り、中西部の多くの工場が閉鎖。その結果、先週の豚肉生産量は2.2%減少した。

今後数週間に出荷される供給量を正確に把握するには、工場の通常稼働週を考慮するべきだ。2月2日までの5週間の豚肉生産量は26億500万ポンド、前年同期比4.2%増。USDAが政府閉鎖で遅れていた分の統計値を把握すれば、生産量の予測は上方修正されるかも知れない。

生体豚の重量は昨年に比べ増加しているため、豚肉生産量は前年水準の5%増に達する可能性もある。小売の豚肉販売が季節的に鈍るこの時期に、豚肉の生産量が大幅に増加することで、豚肉価格への値下げ圧力が強まることは必至だ。今年はイースターが遅い(昨年は4月1日、今年は4月21日)ため、モモの仕入れ時期も遅くなる。ここ数週間でモモの価格は20%以上も下落している。

ASF(アフリカ豚コレラ)に関するさまざま憶測、思惑があるが、現時点で米国の小売業者やフードサービス業界は国内の豚肉供給は潤沢だと見なしている。しかし豚肉価格は他の食肉、特に牛肉と比べてかなり競争力があり、国際市場でASFのリスクが高まることを加味すれば、エンドユーザーは在庫状況を考慮しつつ春夏のニーズの一部を早めにヘッジするのが賢明だろう。

 

※2019年2月4日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  週当たりの豚肉生産量の実績と予測
 
ワールドトレード

干ばつ被害で豪州の牛群再び縮小

 
 

豪州の牛群は再び縮小に転じた。2013〜2015年の干ばつ以降、再構築に向かってきたが、2018年に多くの主要生産地で干ばつが発生、2019年の飼養頭数は1990年代半ば以来最低の水準にまで減少すると見られている。

MLA(豪州家畜生産者事業団)の2019年予想によると、2019年の牛と畜頭数は前年比3%減の760万頭。2020年は735万頭とさらに減少。牛肉生産量は2019年が同4%減の220万トン、2020年は218万トンと予想している。

特に干ばつの影響が大きいのは、ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州南西部。この2州のと畜頭数の増加に伴い、2019年半ばまでに全国の牛群はさらに3.8%減り、2620万頭になる予想。天候要因(向こう3カ月間の降雨量見通しは概ね不良)から、2018年は保有を維持していた生産者の多くが淘汰を進める可能性が強い。多くの生産者は備蓄飼料が枯渇した状態で2019年を迎えており、雌牛のと畜頭数が増加し続けている。

2019年は肥育能力とコストにも課題が多く、枝肉重量は1頭当たり平均636ポンド(289Kg)に減少。フィードロットの飼養頭数は、2018年の記録的水準から10%減少、2019年の平均は約100万頭になる予想。2019年の輸出は生産量の減少に連動し、前年比6%減の106万トンと予想されている。

 

※2019年2月4日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「手作りUSビーフハンバーガー」提案で新たな販促資材

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は「家庭で作るUSビーフハンバーガー」を提案する販促資材を新たに製作、希望の方に提供します。USビーフで作るハンバーガーは①簡単に作れる―肉を切り刻んで焼くだけでつなぎ不要②ステーキ肉から作るので、贅沢かつ本格的な食感を味わえる③お好みの具材でさまざまなアレンジが可能④インスタ映えする、インパクトのある見栄え―などが特長です。

いわゆる「肉ブーム」の高まりと共に、「グルメバーガー」が新たな外食トレンドとして注目され、アメリカの新興チェーンの日本上陸や個人経営のこだわりハンバーガー店が増加し、ハンバーガーはファストフードから「肉料理」へと変貌を遂げています。

USMEFはこうしたトレンドを精肉売り場にも波及させ、USビーフステーキ肉の新たな需要を創出する「家庭で作るUSビーフハンバーガー」の提案を強化します。その一環として、下記のレシピ・リーフレット、トレーパック用シール、店頭用POP、レールPOPなどを作製しました。各素材のQRコードをスキャンすると、作り方の動画が視聴できます。

  B7リーフレット(91mm×128mm)
  トレーパック用シール(50mm×65mm)/B5サイズPOP(182mm×257mm)
  レールPOP
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート