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TRADER'S Be & Po

vol.325 Jan.15.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、カットアウト価格ともに上昇予想
受給予測 2019年の牛肉生産量を下方修正、輸出は拡大―USDA
ワールドトレード NAMIとNPPC、豚肉への報復関税撤廃を再要請
業界ニュース プライムの格付割合11.03%、記録更新
フードサービス 2019年のトレンドは新たなカットや朝食−NRA
USMEFインフォメーション 1月23〜24日開催の焼肉ビジネスフェアに出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年10月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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年頭所感

ー 2019年 新たな挑戦の年に向けて ー

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のご愛顧ならびにご厚情を承り、米国食肉業界を代表し厚くお礼申し上げます。

昨年は、アメリカン・ビーフでは「ポンドステーキ」プロモーションを拡大し、本格的なアメリカン・ビーフステーキを訴求しました。新たに「アメリカン・ビーフは、パティがうまい」というコピーを通じて本格的なハンバーガーのおいしさを紹介し、グルメハンバーガーショップと連携してインスタグラム、ツイッターキャンペーンを行いました。また、味わいのある歯ごたえ、弾力や甘味のある「シマチョウ」の徹底活用ガイドを作成し、お鍋や炒め物などの様々なメニュー提案をいたしました。

アメリカン・ポークの施策につきましては、「かんたん低温調理」として特別な調理器具を使用せずに、アメリカン・ポーク本来のジューシーさを味わえる調理法を紹介しました。また、ジューシーさ、おいしさ、やわらかさについて、科学的な数値・データを示した「三ツ星アメリカン・ポーク」を提案し、黒を基調とした高級感あるデザインで品質の高さやおいしさを訴求しました。「三ツ星アメリカン・ポーク」の広告は、日経広告賞の日経MJ最優秀賞をいただきました。

2019年、アメリカン・ビーフは、人気の高い「ポンドステーキ」プロモーションを引き続き展開し、ハンバーガープロモーションは更に進展させてステーキ肉から家庭でハンバーガーを作る「ぜいたくハンバーガー」を提案し、新たな需要の掘り起こしに挑戦いたします。アメリカン・ポークは、公式キャラクターの『ごちポ』を使った親しみある提案を行っていくとともに、今後は『三ツ星アメリカン・ポーク』で品質感のある訴求も行う計画です。さらに三ツ星メニューを開発し、ご提案致します。

昨年7月、米国産羊肉の輸入が再開されたことを機に今後はアメリカン・ラムの品質の高さ、おいしさをお伝えしてまいります。

引き続き、アメリカン・ミートの消費向上につながる様々な施策をご提案し、肉ブームの拡大に寄与できればと思います。

平成最後の年になります2019年が日本のビジネス・パートナーの皆様にとりまして、繁栄に満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
今後ともおいしいアメリカン・ミートをよろしくお願いいたします。

米国食肉輸出連合会
ジャパンディレクター
山庄司 岳道

  アメリカン・ビーフ及ごちポロゴ画像
 
市場ニュース

生体牛、カットアウト価格ともに上昇予想

 
 

11月末から12月第2週まで続伸してきた生体牛価格は、パッカーの年末用手当てがほぼ完了した3週には良くて横ばいと予想されたが、先物市場の現金価格は、生体牛が100ポンド当たり118.14ドル、枝肉は187.62ドル。それぞれ前週比3セント高、1.63ドル高。12月の生体牛先物取引の終値は120.22ドル。

1月前半は、パッカーがフル稼働週に向けた買付を始めることで再び値上がりが見込まれるが、その上昇幅は、小売店でリブロースなどのホリデー商材がどれだけ売れたかに左右される。売れ行きが好調なら、小売業者の在庫補充につながってカットアウト価格が強まり、続いて生体牛価格が上昇するだろう。

アナリストは「1月は強含みが予想される。生体牛現金取引価格の次なるターゲットは122ドル、これを超えると次は127ドルの攻防になる」と予想する。ただし127ドル超えとなるには、天候などによる肥育環境の悪化が付加条件として必要だろう。むしろ今後の最大のリスクは牛肉需要の落ち込みであり、急落した株価がさらに続落すると消費マインドが低下する懸念がある。

 

※2018年12月24日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
受給予測

2019年の牛肉生産量を下方修正、輸出は拡大―USDA

 
 

米国農務省(USDA)は食肉需給予測の最新レポートで、2019年の牛肉生産量予測を前月時点の予測から2500万ポンド下方修正し、278億ポンドとした。これは、2019年初めに予想される牛枝肉重量の低下を反映したもの。2018年の牛肉生産量は、肥育牛のと畜頭数の増加により、同2500万ポンド増の269億ポンドと上方修正した。

2019年の肥育去勢牛の価格予想は114〜122ドルで変化はない。2018年第4四半期の主要5州における肥育去勢牛価格の予想は113〜116ドルと上昇した。

牛肉の輸出入については、2019年の牛肉輸入量が30億200万ポンド(同4000万ポンドの下方修正)と予想される一方で、輸出は拡大傾向が続く見通し。2018年10月の輸出量は2億7200万ポンド(前年同月比4.6%増)。主要輸出先で増加しているのは日本(10.8%増)、韓国(17.1%増)、台湾(46.7%増)、メキシコ(2.9%増)などで、2018年1〜10月累計輸出量は26億2700万ポンド(同12.3%増)となっている。

輸出増をけん引している韓国、日本、台湾はいずれも国内需要が増加しているため、今後も輸出増が継続すると予想される。米国の輸出可能な供給が潤沢であること、韓国市場で主要競合国の豪州に対して関税面で有利性があることから輸出拡大が期待される。2018・2019年の輸出量はそれぞれ31億9000万ポンド、32億6500万ポンドの予想。

 

※2019年1月1日 Meatingplace.com

 
ワールドトレード

NAMIとNPPC、豚肉への報復関税撤廃を再要請

 
 

北米食肉協会(NAMI)と全米豚肉生産者協議会(NPPC)は、米国・メキシコ・カナダが合意したUSMCA協定において、カナダとメキシコに対する米国の鉄鋼とアルミニウムの関税、および米国の豚肉に対するメキシコの報復関税(20%)が依然として有効である場合は、議会の承認を支持することは不本意だとして、関税の撤廃を促す書簡を通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表に送る意向だ。

米国のメキシコ向け豚肉輸出額は、2018年7月から9月の間に前年同期比で6100万ドル減少し、報復関税が撤廃されなければ年間ベースで7億3300万ドル減少すると予測される。さらにアイオワ州立大学のエコノミストの試算では、メキシコの報復関税によって米国の豚肉生産者は1頭当たり12ドルの損失が発生、全体では年間15億ドルの損失が発生するとしている。

両団体は、USMCAの合意でメキシコの報復関税が撤廃されれば米国の豚肉輸出は回復するとして、ライトハイザー代表に歓迎の意を伝えていた。 しかし、メキシコ向け豚肉製品にはいまだに20%の関税が課せられており、食肉業界の利益と市場シェアが鉄鋼・アルミニウム関税の犠牲になっている。

カナダのメキシコ向け豚肉輸出は9月までに前年同期比で42%増加し、EUの輸出は8月までに733%増加した。これによって米国産豚肉の市場シェアは7.5%低下した。メキシコの報復関税が継続すると、米国以外に輸入先をシフトする流れがさらに強まる可能性があり、損失が拡大することが懸念される。

両団体は、米国政府がUSMCAと鉄鋼・アルミニウムの関税は別の問題として扱い、それぞれに交渉が必要であるという姿勢は理解しているとしながらも、報復関税の影響を直に受けている豚肉生産者、パッカー、処理業者は、他分野の利益のために自らの利益が犠牲にされていると考えずにはいられないとし、報復関税が直ちに解消されなければ、USMCAに対する豚肉産業の支持が損なわれることを強く懸念している。

 

※2018年12月24日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
業界ニュース

プライムの格付割合11.03%、記録更新

 
 

11月後半から12月にかけて、プライムの発生率は3週連続で記録を更新した。12月第1週(3〜7日)のプライムの格付割合は11.03%で、前週の記録10.27%を上回った。

チョイスは71.30%、チョイス以上の割合は82.33%となり、これも前週(81.67%)の記録を塗り替えた。セレクトはわずか14.84%。前年同週の格付割合は、プライム7.44%、チョイス68.91%、セレクト18.48%だった。

プライムの発生率を地域的にみると、ネブラスカで14.69%、カンザスで7.26%、テキサスで4.15%と幅がある。ネブラスカのある大規模施設では、プライムの格付け割合が17%に達したという。

12月第1週の枝肉重量は、前年水準を大幅に下回った。去勢牛の平均重量は896ポンドで前週比3ポンド減、前年同週比8ポンド減。未経産牛は835ポンドで、それぞれ3ポンド減、11ポンド減。全体の平均重量は927ポンドで、同4ポンド減、9ポンド減。なお、同週のと畜頭数は66万8981頭で、5月第3週の66万7613頭を上回り、年間で最多を記録した。

 

※2018年12月24日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

2019年のトレンドは新たなカットや朝食−NRA

 
 

全米レストラン協会(NRA)がシェフを対象に毎年行っているアンケート調査「What's Hot」の結果では、2019年には新たなミートカットや世界の料理からインスピレーションを得た朝食メニューがトレンドの主流になりそうだ。

全米調理連盟に加盟するプロシェフ650人の回答によると、①69%以上のシェフが、世界各国の料理にインスピレーションを得た朝食メニューが今年のトレンドの主流になるとした。代表例は「シャクシュカ」(ポーチドエッグ、トマトソース、オニオン、チリペッパーをクミン、パプリカ、カイエンペッパー、ナツメグのスパイスで味付けしたチュニジア・イスラエル料理)。

②約67%のシェフが、昨年に引き続き新たなミートカットがブームになるとし、例として「オイスターステーキ」「メルローカット」「ベガス・ストリップ・ステーキ」などを指摘③約65%のシェフが植物由来のソーセージとハンバーガーがトレンドになると回答④60%のシェフが産地の明確な食肉や海産物の地産地消がトレンドになると回答⑤5人のうち3人のシェフが、従来の炭水化物を野菜に置き換えるメニューがトレンドになると回答した。

※オイスターステーキは、ランプのすぐ上から取れる牡蠣のような形状をした筋肉。肉質はやわらかく、脂肪には豊かな風味がある。

※メルローカットは、シャンクの上、ボトムラウンドの下に位置するヒールの筋肉(腓腹筋)。

※ベガス・ストリップ・ステーキは、ショルダーから分離された部位。従来はチャックの一部だったが、2013年頃から新しいカットとして注目されるようになった。

 

※2019年1月1日 Meatingplace.com

 
USMEFインフォメーション

1月23〜24日開催の焼肉ビジネスフェアに出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月23、24日の両日、東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館/展示ホールで開催される「第11回〜ミートフードEXPO〜焼肉ビジネスフェア2019 in 東京」に出展します。

USMEFブース(小間番号:TE-26)では、ビーフについては肉バル・カフェ等での提供を念頭にした「グルメハンバーガー」(チャックアイロール・ショートプレート使用)を試食提案。ローストビーフサンドイッチ、ポンドステーキなどパンと一緒に食べるメニューや写真映えするメニューを提案します。

アメリカン・ポークではおいしさ、やわらかさ、ジューシーさを訴求する「三ツ星ポーク」のコンセプトのもとで、手軽で肉のおいしさを十二分に引き出すレシピを提案します。「カンタン極旨炙り塩豚」(CTバット使用)を試食に提供します。また昨年から強化している「チーズデジカルビ」なども紹介します。

メニュー提案とともに、新刊を含めて各種のガイドブック、レシピパンフなども配布しますので、ご来場の際には、ぜひUSMEFブースにお立ち寄りください。お待ちしています。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート