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TRADER'S Be & Po

vol.323 Dec.3.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛カットアウト価格は前年超え、生体牛も回復
ランキング 養豚企業トップ40社、母豚数さらに19万頭増加
業界ニュース プライムの発生率、過去最高
ワールドトレード アジアの肉ブームが輸出増に寄与、日本は関税に課題
食肉動向 9月末の豚肉在庫、前年比・過去5年平均を下回る
トピックス 日本の「アメリカン・ポーク広告」が賞を受賞
ポーク関連ニュース ポーランド産豚肉の禁輸を解除―USDA
USMEFインフォメーション ポンドステーキ・ローストビーフの新しい販促資材
配布
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市場ニュース

牛カットアウト価格は前年超え、生体牛も回復

 
 

感謝祭の祝日(サンクスギビングデー)を控えた11月第3週のボックスビーフ総販売量は6630ロード≒コンテナ(前年同週比3.4%増)と前年を555ロード上回った。同週のチョイスのカットアウト価格は、100ポンド当たり211.64ドル。前週比2.66ドル安だが、前年同週比では2.2%高。カットアウト全体の平均価格は210.91ドルで前年を3.3%上回った。

第4週前半の日次ベースのカットアウト価格は、祝日で生産稼働日数が少ないこともあって強基調で推移。アナリストは「12月中旬までカットアウト価格は上昇を続ける」と予想する。生体牛の現金取引も、ホリデーシーズンに向けた買付けで回復基調をたどるだろう。

第3週の生体牛平均価格は100ポンド当たり113.00ドル、枝肉平均価格は177.38ドルで、それぞれ前週比0.70ドル安、1.78ドル安。最高値は南部平原の生体牛114ドル、北部では111ドルからスタートし、一時的に114.50ドルまで上昇した。

12月受渡し契約の先物取引は、月曜日に80ポイント上昇の116.15ドル、火曜日は下落したが、水曜日に再び70ポイント上昇し、終値は116.40ドルとなった。アイオワ・ミネソタでは現金取引は5123頭が生体牛113.55ドル、枝肉価格179.45ドルで取引された。

 

※2018年11月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ランキング

養豚企業トップ40社、母豚数さらに19万頭増加

 
 

Successful Farming誌はこのほど「ポークパワーハウス2018」(保有母豚数に基づく全米の養豚企業トップ40)を発表した。上位40社は前年と同じだが、合計の母豚数は前年より19万2980頭多い423万6630頭に達した。2017年(前年比24万6850頭増)に引き続き大幅に増加した。

上位40社のうち、22社で母豚数が増加。13社が前年と同数、減少したのは5社のみで、同誌は「貿易戦争、公害訴訟、ASFなどの疾病の脅威などにもかかわらず、全米の豚肉生産基盤は顕著な拡大を続けている」とし、個々の戦略や業界の今後をさまざまな視点から分析している。

母豚数の増加が目立つのはスミスフィールド・フーズ(4万頭増)、アイオワ・セレクト・ファーム(2万8000頭増)、ザ・ハノー・カンパニー(2万頭増)、AMVCマネージメント・サービス(1万8000増)、タイソン・フーズ(1万6000頭増)、シーボード・フーズ(1万5000頭増)、パイプストーンシステム(1万1000頭増)など。

養豚最大手で中国のWHグルーブが所有するスミスフィールドは、 2017年1月に買収したClougherty Packing(Farmer John)に関連して拡張したが、米国以外でもこの1年間にメキシコで約1万3000頭を追加し、世界計では120万頭以上の母豚を有している。

第2位のシーボード・フーズ社は過去3年間で12万3000頭を追加した。同社は昨年秋にアイオワ州スーシティに新しい加工工場(シーボード・トライアンフ・フーズ)を開設、今秋には処理能力を2シフトで一日当たり2万1000頭に拡張することに備えて供給力を拡大している。トライアンフフーズは、9位のクリステンセンファームズをはじめ、5つの独立した豚肉生産者によって所有されている。

プレステージファームは7300頭を増加した。同社はアイオワ州イーグルグローブに新しい加工工場(プレステージフーズ)を建設中で、12月にテスト稼働、2019年1月には商業処理が開始される。クレメンスフードグルーブは、昨年ミシガン州コールドウォーターに新しい豚工場を開設。中西部の12社の生産者と提携して、同工場への供給を確保しており、3〜5年の間に同工場を2シフトに移行する計画。

  全米の養豚企業トップ40(20位まで抜粋)
 
業界ニュース

プライムの発生率、過去最高

 
 

牛肉需要でプライム製品に人気が集中する今、米国の牛肉業界はまさに“プライム・タイム”(最良の時)だ。11月第2週のUSDAプライムの格付け割合は9.81%に達し、前週の記録8.96%を塗り替えた。過去10年間にわたって、プライムの格付け割合は少しずつ増加してきたが、この1年間の増加率は過去に類を見ない。

第2週の9.81%は、前年同週の6.57%をはるかに上回る。2008年の同週の割合はわずか3.21%だった。プライムの格付割合の劇的な向上は、遺伝学の進化、洗練されたフィードロット経営と飼料管理、そして未経産牛のと畜割合が増加していることが要因だ。未経産牛は去勢牛に比べ、背脂肪を増やすことなく、より多くのマーブリング(脂肪交雑)をつけることが可能となっている。

プライムの割合が増加した半面、セレクトの割合は16.16%にまで低下。チョイスの割合は前週比微増の71.09%で、プライム・チョイスの合計は80.9%と、今年3月第4週に記録した81.1%に次いで多い。

プライムの増加により、プライムと(パッカーの)ブランドビーフ、USDAチョイスビーフ間の価格差はかなり狭まった。プライムは長年、ブランドビーフより最低でも100ポンド当たり20ドルの高値がつけられてきたが、USDAの11月第2週のボックスビーフ総合レポートによれば、プライムとブランドビーフの価格差は同7.23ドル、チョイスとの価格差は13.07ドル、セレクトとは25.53ドル。プライムの増加と価格低下は、最高級の牛肉を求めている外食産業や小売業者に恩恵をもたらしている。

 

※2018年11月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

アジアの肉ブームが輸出増に寄与、日本は関税に課題

 
 

韓国は今まさに牛肉ブームで、米国産牛肉の韓国向け輸出は今後も大幅な増加が期待できる。この輸出成長の背景には、韓国の消費者が牛肉購入を増やしていることに加え、米国産牛肉が関税面で他国より有利な状況にあることも要因だ。しかし、米国産牛肉の最大の輸出先である日本では、逆の現象が懸念される。

日本の今年第3四半期までの牛肉輸入額に占める米国産の割合は46.8%と、前年比微増で推移しているが、輸出量に占める米国産のシェアは42%弱で、豪州産の48.6%のシェアを下回っている。12月30日にCPTPPが発効することから、来年初めには競合はますます激化するだろう。日本へ輸出される米国産牛肉には38.5%の関税が課されているが、CPTPP加盟国の関税はこれよりはるかに低くなるだろう。

韓国では10月、豪州産牛肉に対してKAFTAによるセーフガードが発動され、米国産の関税面での優位性は5.3%から18.7%にアップ。年度内はこれが継続する。米国産牛肉の韓国向けの1〜9月累計輸出量は18万465トン(前年同期比37%増)、輸出額は12億9000万ドル(同51%増)。韓国の輸入牛肉に占める米国産のシェアは48.8%へと急上昇している。

USMEFでアジア太平洋地域を担当する副会長のジョエル・ハガード氏によると、食肉の消費量は韓国だけでなく、日本、台湾などアジア全体で増加。一部の人々はそれを肉ブームと呼んでいるという。高価な海産物の売上が減少し、食肉の消費が増加。特に食肉は若い世代に人気があり、台湾では外食産業で米国産牛肉を使ったビジネスが活況。台湾向けの1〜9月累計輸出量は4万3539トン(同32%)、輸出額は4億380万ドル(同36%増)に達し、台湾のチルドビーフ市場で米国産は75%のシェアを獲得している。

日本は米国との2国間の貿易協定を交渉するが、米国はCPTTP加盟国に比べて関税面で非常に不利な状況が続くことになる。CPTTPが発効すれば、豪州だけではなくカナダ産やNZ産の関税率もチルド27.5%、フローズン26.9%に下がる。2019年4月1日にはさらに両カテゴリーの関税率が26.6%に下がり、最終的には9%にまで下げられる。CPTPPの下では日本のセーフガード発動・関税率50%への上昇も免除される。米国産のフローズンビーフには昨年、同制度が発動された。

日本は米国にとって最も需要な市場だ。USMEFは今後、他の全ての国との競争が熾烈化するとして、早期の日米二国間協定の合意が重要であると指摘している。今年第3四半期までの日本向け輸出実績は25万2871トン(7%増)、輸出額は15億9000万ドル(同10%増)。

 

※2018年10月15日 Pork Profit Maximizer

 
 
食肉在庫

9月末の豚肉在庫、前年比・過去5年平均を下回る

 
 

9月の豚肉生産量は、ノースカロライナ州を襲ったハリケーン・フローレンスの影響と、と畜日が1日少ないことから減少した。9月の豚肉の冷凍在庫の消化量は推定5億8890万ポンドで前月比1.3%増、過去5年平均比3.6%増。

9月末の豚肉冷凍在庫は前年比4.8%減、過去5年平均比3%減。豚肉供給量の急増が予想される第4四半期を控えて、在庫の増加率が通常より遅くなっているため、今後の流通量が予想より少ない場合は、価格が上昇することも考えられる。

例年この時期には、ロイン、ショルダー、トリムの価格が下落することから、枝肉価格を下支えする重要な品目はハム(モモ)だ。9月末のハムの冷凍在庫は計2億1460万ポンド(前年比7.5%減)、過去5年平均比6.2%減。

牛肉の冷凍在庫は推定5億860万ポンド(同2.5%増)、過去5年平均比8.8%増。前月比では1.5%増。と畜日数が1日少なく、肥育牛の出荷も控えめだったことから生産量が前年水準を下回る一方で、輸入の減少と堅調な輸出が相まって在庫の増加率を抑制された。

牛肉および豚肉の生産量が予想されたほど増加していないことを一因に、在庫の増加ペースは低下しているが、鶏肉の冷凍在庫は依然として増加している。

 

※2018年10月29日 Pork Profit Maximizer

  Greg Ibach氏/Roel Andriessen氏
 
トピックス

日本の「アメリカン・ポーク広告」が賞を受賞

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)が日本で展開する「三ツ星アメリカン・ポーク」の販売促進の広告キャンペーンが、日本の広告業界で表彰された。3つの新聞広告で米国産豚肉のジューシーさと味わいの豊かさを訴求した「三ツ星アメリカン・ポーク」シリーズが2018年日経MJ広告最優秀賞を受賞した。

USMEFの宣伝シリーズは、米国産豚肉の「ジューシーさ、おいしさ、やわらかさ」を三ツ星で表したもので、USDAマーケットアクセスプログラム(MAP)および全米豚肉委員会からの資金が活用された。

学識経験者とマーケティングエキスパートで構成された審査委員会は「USMEFの三ツ星アメリカン・ポーク広告シリーズは、アメリカン・ポークの高級イメージをメニューとワインの組み合わせで明確に表現。色使いが洗練されており、溢れ出るアメリカン・ポークのおいしさを感じることができる。また、USMEFのアメリカン・ポークのマスコット『ごちポ』が読者の親しみを引き出している。小売業界へ向けたメッセージは目を引き、クリエイティブかつ正確な情報提供で、この広告シリーズは流通広告としての完成度が高い」と評価された。12月4日に授賞式が行われ、USMEF日本事務所のスタッフが授与される予定だ。

三ツ星広告シリーズは、マーケティングと小売業に特化した日本の専門誌「日経MJ(Nikkei Marketing Journal)」に9月下旬に掲載された。

 

※2018年11月22日 MeatingPlece.com

  三ツ星アメリカン・ポーク
 
ポーク関連ニュース

ポーランド産豚肉の禁輸を解除―USDA

 
 

米国農務省(USDA)は10月18日、ポーランド産豚肉の全面的な輸入停止を発表した。ポーランドの一処理施設が、アフリカ豚コレラ(ASF)の侵入防止のために規定されている厳格な条件を守らずに製品を出荷していたことが明らかになったためだ。同国からの輸入条件の全面的な見直しが行われ、10月25日に輸入停止措置が解除され、出荷資格のある地域からの米国への輸出再開が許可された。ポーランドからはかなりの量のベリーが輸入されているため、ベリーの価格動向には注視が必要だろう。

そもそも、米国はなぜASF発生国から豚肉の輸入を許可していたのか。その答えは、米国・欧州間で同意した地域主義の概念に関係している。この概念は長い目で見ると、米国の生産者を救うことを理解しておくことも重要だ。もし、米国のどこかでこの疾病が見つかり、その抑制が論証できたとすれば、輸出相手国に清浄地域からの輸入継続を要請できる。

政治的境界線に基づいて輸入停止を主張する場合、ニュージャージー州の小規模農家で1件でも発生が確認されれば、何千マイルも離れたノースカロライナやアイオワ、オクラホマの豚肉が世界市場から締め出されることになる。米国産豚肉の2割超が輸出されている今、国内のいずれかでASFの発生が確認されても、輸出市場の開放を維持することが不可欠だ。

地域化の原則により、少なくとも同意国との間で、それを果たすことが可能になる。

この点でアジアでは、未だ多くの国が政治的境界線に基づいて禁輸を施行している。疾病の拡大を食い止めるために規定している条件に焦点を当てるべきだというのが米国の立場だ。これは政治的境界線とはほとんど関係せず、ASFが確認された地域との境界線との関係が大事だ。地域化の原則は、それぞれの国が自国の食品安全制度の統合を保証するべく実施している他の制度やプロセスと連携して推し進める必要がある。徹底した管理の下でなくては、地域化の採用はほぼ意味がない。中国の状況が良い例だ。

中国当局は疾病拡大の防止のため管理を行っているが、感染は山火事のごとく拡大を続けており、現在も中国南西部で多数報告されている。さらに混乱を招いているのは、中国からの旅行客が他国へ持ち込んだ豚肉からASFが検出されたことだ。中国当局の行う管理は、この恐ろしい疾病の拡大を阻止するには不十分である。食肉製品から検出されたということは、ASFが非常に広い範囲まで拡大していることを示している。

ポーランドの場合、実施されている食品安全制度は中国とは大きく異なっており、欧州は継続して拡大防止措置を強化している。しかしながら、米国の国境でASF感染国の消費者から持ち込まれる豚肉製品を注意深く阻止することは不可欠だ。米国でASFが発見されれば、世界の輸出需要に依存する豚肉業界にとって破壊的な影響を及ぼす可能性があり、この疾病の侵入防止は優先事項として取り組まなければならない。

 

※2018年10月29日 Pork Profit Maximizer

 
USMEFインフォメーション

ポンドステーキ・ローストビーフの新しい販促資材配布

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、12月31日まで「アメリカン・ビーフ2018年秋冬キャンペーン」(既報9月25日付け)を展開中ですが、この一環としてクリスマス・年末の需要期に向けて「ポンドステーキ」と「ローストビーフ」の新しい販促資材を製作しました。

今回、新たに作製配布するのは①「ポンドステーキの焼き方」リーフレット(リニューアル品)②「ローストビーフの焼き方」リーフレット③「USMEFローストビーフ小袋シーズニング」④「男のカタマリ肉トレーパック用シール」の4種で、店頭を盛り上げる資材として、ご希望の方に無償で提供いたします。

お問い合せは担当:笠谷( tkasatani@usmef.org )まで。

  ①「ポンドステーキの焼き方」リーフレット/焼き方ムービー
  ②「ローストビーフの焼き方」リーフレット
  ③「小袋 ローストビーフシーズニング」/④「男のカタマリ肉トレーパック用シール」
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート