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ハードル高めの「揚げる」に挑戦!

LESSON08

ハードル高めの「揚げる」に挑戦!

一口ビフカツ

「茹でる」「炒める」「焼く」「煮る」「和える」「蒸す」などのお料理の基本的な調理法の中に出てくるもので、わりとハードルが高いのが「揚げる」という調理法です。
唐揚げやトンカツ、天ぷら、素揚げなどのお料理がこの「揚げる」という調理法に属するお料理なのですが、なかなかお料理初心者の頃は試すのにためらいがありますよね。

というのも、揚げ物というのは油をたくさん使いますし、高温に熱して食材を入れないといけませんから油断は厳禁、ほんのちょっとでも目を離す、などが出来ません。
また、食材に少しでも水分が残っているまま油の中に入れると、油がコンロ周りに飛び散り、コンロだけではなく手や顔にも飛び散ってくることもありますので、火傷する危険性もあります。
しかし、揚げるときの食材の状態、揚げるときの油の温度、コンロ周りに燃えやすいものを置いていないかなど、いくつかの注意点やお約束事などをしっかり守りさえすれば、揚げ物を必要以上に怖がることはありません。

今回はたっぷりの油を使う本来の揚げ物ではなく、少量の油を使って揚げ焼きにしていく方法で、揚げ物食感を楽しめるお料理に挑戦します。
(※ただ、少量の油を使って揚げ焼きにする場合、たっぷりの油を使った場合と比べると脂の温度が短時間で上がりやすく、数秒でも目を離したり、火が強すぎたりすると火事になる危険性も短時間で起きやすくなります。料理中は決してその場を離れないことが重要です)。

使うお肉は焼き肉用として売られている、アメリカンビーフ(アメリカ産牛肉)。
衣をつけて揚げ焼きにしていきますので、使うお肉は脂身が多いバラではなく、肩ロースなどの赤身の多い部位が良いと思います。
焼き肉用として売られているお肉をよく見比べて、赤身が多く、適度に白い脂肪分(サシ)が入っている柔らかそうなお肉を選びましょう。

アメリカンビーフの肩ロースのお肉は、ステーキとしてもよく食べられる部位ですが、焼いて良し、炒めて良し、煮て良し、揚げて良しの万能選手。焼き肉用のお肉もコクがあって柔らかくジューシー、とっても美味しいです。
衣のつけ方をこれでマスターすれば、トンカツも次は挑戦できますよ。

一口ビフカツ

材料(1人前)

  • アメリカンビーフ(牛肉)肩ロース(焼き肉用)150g
  • 塩、胡椒少々
  • 薄力粉大さじ1
  • パン粉1カップ弱
  • 適量

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  • 薄力粉大さじ5
  • 大さじ5

作り方

ちょこっとアドバイス

  • 焼き肉用にカットしてあるお肉ならそのまま切らずに使うこともできますが、縦に半分に包丁で切って細長いお肉にしてから衣をつけると、食べやすく、お弁当にも入れやすいです。
  • 塩、胡椒をしたあとに使う薄力粉は、お肉をしっかりと隙間なくコーティングしてあげる意味があるので、茶こしで振りかける程度ではなく、しっかり粉の中でまぶすようにしてつけてください。これをしないと、揚げているときに肉の水分が外に出てきて、油が跳ねやすくなります。
  • 揚げ物中は絶対にキッチンから離れないこと。目も離さないこと。油は少量ですが、衣が意外と油を吸ってしまいます。パン粉がフライパン内に落ちないように余分なパン粉は落としてから肉を入れるようにしましょう。1回目の肉を揚げ終わったときに、フライパンの中にパン粉が多少落ちていると思いますが、いったん火を消して丁寧にスプーンなどでパン粉のカスをすくいとってから、新たに油を足して2回目のお肉を入れるようにします。
  • 夜、少し多めに作っておいて、翌日のお弁当にも入れたい場合は、トースターで温めなおすと(ホイルを敷いてカツを並べる)さくっと感が復活します。
  • キュウリスティックの味噌マヨディップは、ビフカツにもとっても合うソースなので、きゅうりにも、ビフカツにも、両方つけながらお召し上がりください。

きゅうりスティックの味噌マヨディップ添え

スティック状に切ったきゅうりに、味噌1,マヨネーズ2の割合で混ぜ合わせたディップを添える。

〜母から1人暮らしを始めた娘への手紙〜

すぅさんへ

こう毎日暑いと食欲も無くなって、冷たくてのどごしが良い、お素麺や蕎麦、冷やしうどんなどを食べたくなるよね。母さんも夏場のランチにはしょっちゅう食べているよ。
麺類はつるんと食べやすくてしかも美味しくてとても良いんだけど、注意しないといけないのは栄養バランスのこと。

いくら食べやすいからって、素麺とネギとめんつゆだけでおなかを膨らませてしまっては、野菜もたんぱく質もとれないよね。夏の暑い時期だからこそ、きちんとたんぱく質をとらないと、まだまだ続く長い夏を乗り越えられるだけの体力はもたないとおもう。

食べ物はただお腹をいっぱいにすればいいだけのものじゃなく、ちゃんと栄養のあるものを自分で選ばないといけないの。素麺にするなら、麺を茹でるときに一緒に薄切りのお肉も茹でてたんぱく質をプラスする、そのまま切って食べられるキュウリやトマトも一緒に盛り付ける。母さんはスーパーで手軽に天ぷらを買ってくることもあるよ!野菜の天ぷらもいいし、エビやちくわ、カニカマや卵ならたんぱく質もとれるね。

小さい頃から「ちゃんとお野菜も食べなさい」ってよく言ってきたから野菜を食べる習慣は多分もう身についているはずだけど、実はたんぱく質ももっと大事。お肉やお魚だけじゃなく、卵、納豆、豆腐、ハム、ウインナー、ベーコン、魚の缶詰など気軽にパッと食べられるたんぱく質も組み合わせて、しっかり栄養をつけてね!

こないだ送ってくれた写真が、家にいたころよりも痩せた気がして、母さんは少し心配しています。

2025年 8月 母より