ポーク : 生産の流れ

1.生産

大きな豚舎の中で、飼料から一貫して育てるのがアメリカ流

アメリカン・ポークの生産農家の多くが、「コーンベルト」と呼ばれる肥沃な穀倉地帯に位置し、自ら生産したトウモロコシや大豆を飼料に豚を育てています。そのため、必要以上の農薬を使用せず、また、生産者の顔の見えない飼料を豚に与えず、飼料の安全性に気を配って大切に豚を育てることができるのです。

アメリカでも日本と同じように、豚は豚舎で育てられていますが、アメリカの豚舎は規模がはるかに大きく、一般的な養豚農家には、交配用舎、分娩舎、育成舎、肥育舎など、豚の成長段階や目的に応じて整備された豚舎がいくつも並んでいます。各豚の肥育計画をするのも、養豚農家の大切な仕事になります。

ここで生まれた子豚は4週間ほど母豚の母乳を飲んで育ち、離乳後はトウモロコシなどの穀物に粉末大豆などを配合した飼料が与えられます。飼料はそれぞれの豚の健康状態に合わせられ、たんぱく質と炭水化物の比率などの栄養バランスも厳しく管理されています。

高い安全性を確保するHACCPシステムとPQAプログラム

アメリカでは生産者が自主的にHACCP※1の考え方に基づいた、豚肉品質保証プログラム(PQA)※2を開発し運用しています。豚の病気予防や飼料作物の使い方などを徹底的に学び、生産者自らが問題意識を持ち、豚の飼育に取り組むことで、品質の高いアメリカン・ポークが育てられるのです。

  • ※1HCCAP(ハサップ)
    1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の品質管理手法です。材料の入荷から加工、出荷の全行程において、安全を守るために重要なポイントを定め、そこに異常が認められるとすぐに対策をとることができるため、安全でない食品の出荷を未然に防ぐことができます。
  • ※2PQA
    豚の病気予防や飼料作物の使い方などを学び、徹底するための教育システム。アメリカでは、連邦政府や州政府が定めた規格基準のほかに、全米の豚牛生産者が独自に品質管理システムを定めています。これが豚肉品質保証「PQAプログラム」で、高品質で安全な豚肉生産のため、正しい飼育法を周知徹底させることに活用されています。