アメリカン・ビーフの多彩な品種紹介

アメリカではアンガスやヘレフォードが代表的な牛の品種として挙げられますが、
そのほとんどが繁殖能力・成長能力・産肉能力などの向上を目的として改良され、現在では、約300を超える交雑種が飼育されています。

アンガス種

アンガス種マーク アンガス種

起源はイギリスのスコットランドのアンガス州で、全身を被う黒毛が特徴です。 柔らかくてジューシー、そして赤身とサシが適度にバランスのとれた牛肉として知られています。 アンガス・ビーフの品質は、アメリカン・アンガス協会(The American Angus Association = AAA)によって管理・運営されています。 AAAはアンガス牛の繁殖農家、ランチャー、フィーダーなど、2万5,000以上の会員で構成される非営利団体で、 1978年に米国農務省(USDA)の基準を上回る厳しい品質基準を設定し、 その許可のもとにサーティファイド・アンガス・ビーフ・プログラム(Certified Angus Beef Program = CAB)と名付けた認定制度を開始しました。
アンガス牛の中でも最高級品質のものだけを、CAB製品として品質保証し、安定供給を図っています。 アンガス牛の中でもCAB製品に認定されるのは2割弱なのです。

ヘレフォード種

ヘレフォード種マーク ヘレフォード種

イギリスイングランド西南部ヘレフォード州を起源とし、顔が白く体毛が濃赤褐色です。
ヘレフォード・ビーフの品質は、アメリカン・ヘレフォード協会(American Hereford Association = AHA)によって管理・運営されています。AHAによって厳密に策定された品質プログラムをサーティファイド・ヘレフォード・ビーフ(Certified Hereford Beef = CHB)といい、米国農務省(USDA)によって認められたものになります。CHBの表示によって、特定された高品質の牛肉であることが示されます。

シャロレー種

シャロレー種

シャロレー種(Old Franch breed)は大陸種の中でも筋肉質の品種なので脂肪分の少ない事が特徴です。また、この品種は家畜生産において、高い肉質と高割合の筋肉を混ぜ合わせた交配種を生産する際にも用いられます。シャロレー種の純血種はアメリカン・インターナショナル・シャロレー協会(American-International Charolais Association=AICA)によって登録・管理されています。

シメンタール種

シメンタール種

シメンタール種は様々な目的で活用されていますが、主に産肉量・増体能力や産乳能力、役畜としての能力が優れています。アメリカで飼育されている品種のうち、シメンタール種の家畜頭数は第4位にランクされます。シメンタール種の純血種はアメリカン・シメンタール協会(American Simmental Association=ASA)によって登録・管理されています。

ブラーマン種

ブラーマン種

ブラーマン種は主に気候が暑く厳しい地域、例えばフロリダ、テキサス、ニューメキシコ、アリゾナのような地域で飼育されています。 非常に気温が高い場所にも順応でき、病気への抵抗力が高いことでも知られています。 これらの特性が、アメリカ全土における家畜生産を可能にしています。 ブラーマン種の純血種はアメリカン・ブラーマン・ブリーダーズ協会(The American Brahman Breeders Association =ABBA)によって登録・管理されています。

ショートホーン種

ショートホーン種

ショートホーン種は高品質の肉牛としてだけでなく、乳牛としても用いられます。ショートホーン種の純血種はアメリカン・ショートホーン協会(American Shorthorn Association=ASA)によって登録・管理されています。

リムジン種

リムジン種

リムジン種は他の品種に比べ、産肉量に対する脂肪が少ないことが特徴です。リムジン種から生産された肉は脂肪分が少ない商品として販売されています。肉の脂肪分は少ないのですが、きわめて柔らかい肉質を持っています。リムジン種の純血種はノース・アメリカ・リムジン財団法人(North American Limousine Foundation=NALF)によって登録・管理されています。