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TRADER'S Be & Po

vol.340 Sep.24.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 日米貿易協定の初期合意、締結を議会に通知
市況ニュース 生体牛・カットアウトともに続落
ポーク関連ニュース USMCAの批准、疾病の侵入阻止などで要請
ワールドトレード 中国、米国産豚肉への関税減免へ―新華社
リテール関連ニュース 米国産食肉は世界のコンビニ市場でも急成長
USMEFインフォメーション アメリカン・ラム日本向け部位ガイドを発刊
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2019年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピックス

日米貿易協定の初期合意、締結を議会に通知

 
 

トランプ大統領は9月16日、日本との貿易交渉において関税障壁に関する協定で合意に達し、数週間以内に署名すると議会に正式に通知、以下のように(要旨・仮訳)を発表した。

◇2018年10月16日、当政権は、日米貿易協定に関して日本との貿易交渉を開始することを議会に通知した。その後の協議で述べたように、我々は段階的に日本との交渉を進めることを提案した。そして日本と関税障壁に関する貿易協定の初期の合意に達し、今後数週間で協定を締結する予定だ。

さらに、日本とのデジタル貿易に関する行政協定も締結することになる。日米間により公正で相互的な貿易をもたらす包括的な貿易協定を達成するために、日本とのさらなる交渉について、議会の継続的な協力を期待している。

 

※2019年9月16日 White House release

 
市況ニュース

生体牛・カットアウトともに続落

 
 

生体牛の供給が潤沢な中で、レイバーデーの連休の牛肉の売れ行きが予想より控えめだったことから、生体牛価格とカットアウト価格は下降線をたどった。最大の要因は、ベーシス(現金取引と先物取引の価格差)がプラスであることだ。このため、ヘッジ取引を行う肥育業者は積極的な売りを続けており、値下がりを招く結果となっている。

ヘッジ取引業者が安売りによって黒字を出す一方、ヘッジ取引を行わない業者は1頭当たり100ドル以上の損失を出している。ベーシスのプラスがなくなるまではこの状態が続く見込みだ。ヘッジ取引業者が値下げを受け入れれば、非ヘッジ業者は損失を出し続けるだろうとアナリストは警告する。

レイバーデーの週の予期せぬ失速により、9月第1週のチョイスのカットアウト価格は右肩下がりとなった。最初の3日間で2.35ドル安の100ポンド当たり229.42ドル。週間と畜頭数は推定56万5000頭と少なく、スポット市場での取引量も少なかった。

8月最終週の主要5州の生体牛価格は100ポンド当たり105.59ドル、枝肉平均価格は171.52ドル。それぞれ前週比1.53ドル安、3.82ドル安。

 

※2019年9月9日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

USMCAの批准、疾病の侵入阻止などで要請

 
 

9月12〜13日、125人以上の豚肉生産者がワシントンD.C.に集まり、全米豚肉生産者協議会(NPPC)の年2回の立法措置の要請活動が行われる。このイベントは、生産者が議会のメンバーにロビー活動を行い、業界のさまざまな問題に対処する機会となる。

NPPCアシスタント・バイス・プレジデントで広報担当のジム・モンロー氏によると、今秋、生産者が議会に訴えるべき最優先事項は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の批准を進めることだ。

「メキシコとカナダは、昨年の米国の豚肉総輸出量の約40%を占めている。我々は長年にわたって、北米で豚肉の関税ゼロ貿易が確保されることを望んできた。メキシコは最大の豚肉輸出市場であり、カナダは毎年トップ5に入る市場だ。また両国は、米国の他の農産物にとっても重要な輸出市場である。我々は豚肉生産者を代表して、この協定が生産者にとっていかに重要であるかを理解してもらうことに注力する」(モンロー氏)。

トランプ大統領はNAFTAに替わる協定として、USMCAの承認を進めている。全体として共和党はUSMCAを支持しているが、下院民主党員は以下の問題が解決されていないことに不満を持っている。すなわち労働者の権利、環境保護、生物学的製剤の独占価格設定に対する10年間の保証、および提案されたUSMCAの規定を実施するための強力な措置などだ。彼らは9月または10月にボブ・ライトハイザー米通商代表と交渉し、変更案を検討する予定だ。

◎農業検査官600人増員の予算支援も要請

税関・国境警備局(CBP)は7月下旬、バイオセキュリティのさらなる強化を目指して、検査官の追加雇用を認める法案をUSDAと共同で上院の農業委員会に提出した。CBPは、米国の港湾・空港における1日100万人の検査に加え、USDAとともに1日7万8000台のトラック・鉄道車両・貨物コンテナを検査しており、全国で700人近くの農業検査官が不足しているという。

アフリカ豚コレラ(ASF)の世界的リスクの増加に伴い、米国の豚肉生産者はバイオセキュリティ強化に向けた検査員増加を求めている。「ベトナムでのASF発生が、この要望をより強めた。この疾病にはワクチンがないため、海港、空港、陸港の検査員を増強して、米国への侵入を徹底的に防ぐ」(モンロー氏)。

また、口蹄疫(FMD)も問題となっている。2018年の農業法案では、動物疾患予防のための義務的な資金提供、特にFMDワクチンバンクへの資金提供が定められている。「ワクチンはあるものの、FMDが発生した場合に迅速に対処して根絶させることができるほどの十分な量ではない。USDAの法案を批准すべく、議会メンバーに求めていく」(同)。

 

※2019年9月9日 drovers.com

 
ワールドトレード

中国、米国産豚肉への関税減免へ―新華社

 
 

中国国営・新華社通信の報道によると、中国政府は、米国製品の追加関税対象から豚肉と大豆を除外する方針だ。これは、米国が中国製品に対して10月1日より新たに施行予定だった関税を調整するとの決定に続いて発表された。トランプ大統領は11日、中国製品2500億ドル分への追加関税を、10月15日まで2週間延期すると発表した。

全国豚肉生産者協議会(NPPC)は、「今回の中国の動きが、米国産豚肉の輸入増加だけでなく、米中の貿易規制の解決につながることを期待する」とコメントした。

NPPCのデビッド・ヘリング会長は、「メディアの報道が正しければ、これは最も歓迎すべき展開だ。中国はほとんどの米国産豚肉製品に60%の報復関税を課し、実効関税率を72%に引き上げた」と述べ、アイオワ州立大学のエコノミストが算出したデータを引用して、「米国産豚肉に対する中国の報復関税によって、米国で販売されるすべての生体豚価格が1年以上にわたって8ドル値下がりした」と述べている。

中国では、アフリカ豚コレラによって国内の豚群が失われ、豚肉生産量が大幅に減少、豚肉の供給が不足している。CNNの報道によると、中国では豚肉不足により、一部の都市で備蓄用の冷凍在庫を放出せざるをえない状況になっている。

 

※2019年9月13日 MeetingPlace.com

 
リテール関連ニュース

米国産食肉は世界のコンビニ市場でも急成長

 
 

世界の消費者は、調理時間が短縮できる調理済み食品に対する需要を強めて、意外な場所へと向かっている―近隣のコンビニエンスストアだ(以下CVS)。CVSは、主食分野でも幅広い選択肢を取り揃えて消費者を取り込んでおり、また米国産食肉に対する需要も創出している。

この急成長分野の競争で一歩先を行くために、USMEFはいくつかの海外市場で、コンビニ食の主役となる米国産牛肉・豚肉、食肉加工品の拡販活動を行っている。ダン・ハルストロム会長兼CEOは、「USMEFはこの市場の可能性と需要の高さをしっかりと認識している。CVSが世界の様々な地域に浸透するにつれて、ミートスナックや調理済み食品に対する需要がいっそう高まっている。食肉のトレンドは高品質志向へと向かっており、これは米国産牛肉・豚肉にとって間違いなく有利に働く」という。

Euromonitor の2019年調査によると、世界のCVSでは、フードサービス製品への一人当たり支出額が2013〜2018年で14%増加しており、2023年までにさらに11%増加すると予測されている。これをけん引する市場の1つは韓国で、2013〜2018年の支出額は142%と爆発的に増加し、2023年までにさらに47%増加するとみられている。その他の急成長市場は日本、台湾、ASEAN諸国、メキシコだ。

アメリカの2018年のCVSにおけるフードサービス商品への平均支出額は44.50ドルで、世界で4番目に多い。1位は日本で平均240.80ドル、次いで台湾80.70ドル、ノルウェー72ドル。韓国は39.70ドルで5位にとどまるが、2023年までに58.40ドルに増加し、米国の54.60ドルを追い抜くことが予想される。

ハルストロム氏は「CVS市場には、米国産牛肉・豚肉の膨大な可能性があることがはっきりしている。だが競争も熾烈であり、米国産食肉製品の利点を生かす方法に焦点を当てた取り組みが必要だ。各国のUSMEFのスタッフは、調理済み製品における米国産牛肉・豚肉の品質と優位性を業界にアピールしており、米国産牛肉・豚肉は世界のCVS商品においてますます中心的存在となりつつある」という。以下、CVSの主要な市場トレンドとUSMEFの拡販活動をまとめる。

《日本》

一人当たりの支出額で世界第1位の日本だが、依然として拡大の余地がある。2013〜2018年の支出額は16%増、2023年までにさらに7%増加する見込みだ。包装済み食品やインスタント食品の類ではパイオニア的存在である日本のCVSは、スーパーとレストランが組み合わさったものに近い。日本には2万店舗以上のセブンイレブンがあり、大手チェーンのファミリーマートやローソンと競合している。

牛肉、豚肉のいずれも、弁当や牛丼、サンドイッチから麺類にいたるまで、日本のコンビニ商品ではよく使用されている。USMEFは、CVSに商品提供する業者に対して、米国産牛肉・豚肉の使用を長期にわたってプロモーションしてきた。これは米国の食肉業界が特定のカットや加工製品を提供する際の効率改善に役立っている。

USMEFジャパン・ディレクターの山庄司岳道は、ソーシャルメディアを使用することによって、CVSでの米国産牛肉・豚肉の存在を広めることが容易になったと話す。USMEFはチェーンと提携し、ソーシャルメディアプラットフォームを通じて情報発信することが多い。消費者が高い信頼を寄せているフードブロガーは、CVSで販売されている米国産牛肉・豚肉商品を紹介する上で重要な役割を果たしている。

《韓国》

2007年当初、韓国にはCVSが約1万店舗しかなかったが、その数は10年間で3倍に増加した。韓国ディレクターのジヘイ・ヤンは、「単身世帯の増加に伴うライフスタイルの変化により、CVSは急速に拡大し、2018年末には全国で4万店舗を超えるまでになった」という。また韓国のHMR市場は、2011〜2018年で2倍以上に拡大。スーパーや小売チェーン店のミールキット商品が、CVSでも提供されて人気を集めているという。

「ミールキットの人気が食肉製品の需要を増加させており、その主要原料としての米国産豚肉・牛肉も注目されている。韓国では調理不要のインスタント食品が求められており、新たなアイデアや新製品の開発に取り組んでいる」

この戦略の最近の一例として、USMEFは、すぐに食べられるコーンドッグのプロモーションを開始した。「以前ならこうした商品は冷凍食品コーナーにあったが、店舗と協力して、温かいまま提供できる商品を増やしたことで、消費者は購入してすぐに商品を食べられるようになった」

もう一つ力を入れているのは、ミレニアル世代のプロテイン・スナック・ブームだ。「韓国のコンビニは、ソーセージや加工食肉を使用したスナックを積極的に販売している。国産豚肉と米国産や欧州産をミックスしたものが原材料になることが多いが、USMEFは米国産のプレミアム・ブランドを立ち上げて、本物志向の消費者に受け入れられている」。牛肉では、国内第2位の大手チェーン及び米国産食肉のサプライヤーと協力して、サイコロステーキのプロモーションを開始。この「Cube Steak Lunch Box」は、1万2500店舗を展開するGS25で販売されている。

《台湾》

台湾には約1万1千店舗のコンビニがあり、2222人に1店舗の割合となっている。台湾の経済部によると、これは世界で2番目に高い密度だという。セブンイレブン(2018年中旬時点で5281店舗)、ファミリーマートと並ぶ大手コンビニチェーンは、Hi-LifeとO.K. Martだ。台湾のセブンイレブンは、消費者に「食品天国」と評されている。

USMEF台湾のマーケティングマネージャー、アレックス・サンは「CVSでは、ポークチョップライスやビーフヌードルスープといった、すぐに食べられる食品を購入できる。また、冷凍庫から出した商品を店内で温めることもできる。台湾の消費者は、素早く食べられてかつ新鮮なものを求めており、CVSでは様々な味付けのビーフスティックやビーフジャーキーなどのプロテイン・スナックの品揃えが強化されている」と述べ、CVSチェーンと共同して、米国産牛肉・豚肉の戦略的なプロモーション活動を行っている。

《中国》

最近のUSDAレポートによると、中国のCVSは10万店舗にのぼり、「中国で最も急速に発展している小売モデルの一つであり、2017年の売上は280億ドルを超えている」という。大手チェーンは美宜佳、ファミリーマート、セブンイレブン、ローソン。

これまでは加工食品の安さに焦点が当てられていたが、いくつかのチェーンが自社のプレミアム食品や輸入食品の品揃えを増やしている。一人当たり支出額は、2013〜2018年で50%増加、2023年までにさらに67%増加すると予想される。

USMEF中国のマーケティングディレクター、ミン・リャンは、「中国の多くの地域では、消費者は今も従来の市場で食肉などの食品を購入している。都市部になるほど、近代的なスーパーや肉屋が一般的になるが、新たな世代の台頭とともに小売のトレンドは変化しつつある」という。

ファミリーマートによると、中国のCVS市場の主な顧客は1980〜1990年代生まれの若年層で、全体の88.4%を占める。セブンイレブンによると、20〜40代の消費者は同社の顧客基盤の88%にのぼる。

USMEFの戦略は、米国産牛肉・豚肉に対する認知度を高め、中国の新たな世代の消費者が買い物の選択肢を広げる際に、高品質の米国産製品を見分けられるようにすることだ。

《アセアン》

利便性を求める消費者の動きは、東南アジアでも広がっている。東南アジア全域でCVSは約7万3000店舗ある。Nielsenの最近のレポートによると、CVSは前年比で10%増加。さらに、この地域のミニマーケット店の数は現在5万店舗にのぼり、毎年5%近く増加している。

マレーシアの1人当たり支出額は2013〜2018年で87%増加し、今後5年間でさらに139%増加すると予測される。フィリピンでは過去5年間で93%の増加が見られ、2023年までにさらに81%の成長が見込まれている。

アセアン地域のディレクター、サブリナ・インは、「特に若い世代の多忙な消費者が、自宅に近くてアクセスしやすい食品店を探していることから、CVSやミニマーケットの数が増加している。それぞれの国に独自のニーズがあり、利便性の要素は地域全体にそれぞれ異なる形で拡大している。USMEFの目標は、レストランやスーパーマーケットと同様に、こうした小売業者が競合他社と差別化しやすい米国製品を紹介してプロモーションを行うことだ」としている。

 

※2019年9月3日 FOODMARKET.COM

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ラム日本向け部位ガイドを発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、このほど「アメリカン・ラム 日本向け部位ガイド」を発行しました。アメリカン・ラムは、「おいしさ」において世界でも最高級のラムと評価されています。 その最大の理由は、肉用種(交雑種)の穀物肥育によるものです。日本で一般的に 流通している牧草飼育の羊肉(ラム・マトン)とは異なり、羊肉特有の臭いやグラス臭 が少なく、マイルドな風味とジューシーでやわらかな肉質が特長です。

出荷前の30〜45日間、良質なトウモロコシなどの穀物飼料が与えられるため、赤身質とマーブリング(脂肪交雑)のバランスに優れています。一般的な牧草肥育の羊肉に比べ、 臭みが少なく、やわらかいので、どの部位も焼肉・厚切り・かたまり調理に適しています。特にラックやロインは芯が大きく、メニュー化しても見栄えが良く、食後の満足感も十分です。本ガイドでは、ラック以外でもアメリカン・ラムの「おいしさ」「やわらかさ」「マイルドな風味」といった特長を活かせるカット規格として、以下の6アイテムとそれぞれのメニューアイデアを提案しています。

掲載部位=ボンレス・ショルダー(ネットなし) ◇ボンレス・ショルダー インサイド ボンレスロール ◇ボンレス・レッグ(シャンクなし) ◇ボンレス・ロイン(ダブル) ◇デンバーリブ ◇ハインド・シャンク(オッソ・ブッコ)。

本ガイドはUSMEFの公式HPで閲覧・ダウンロードができます。

アメリカン・ラム 日本向け部位ガイド(USMEF Webサイト:PDF)

  アメリカン・ラム日本向け部位ガイド
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

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