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TRADER'S Be & Po

vol.337 Aug.05.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格が回復、カットアウトは続落
ポーク関連ニュース 豚肉供給増は生産性向上が一因、一腹産子数2.8%増
業界ニュース 牛群の拡大は頭打ち状態に
輸出動向 牛肉輸出、韓国向けが記録的ペース維持
6月の豚肉輸出、メキシコ向け回復、中国は減少
USMEFインフォメーション 「アメリカン・ビーフはパティがうまい。」インスタ・キャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2019年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格が回復、カットアウトは続落

 
 

生体牛の現金取引価格は、7月に入って回復基調に転じた。6月最終週に今年の最安値(100ポンド当たり週間平均110.13ドル)を付けた後、7月第1週には1ドル余り回復。第2週も続伸気配を見せ、木曜午前の取引ではコーンベルト地帯で数ドル上昇した。昨年7月も最安値から一転し、第1週で6ドル近く回復し、月末までに112.61ドルまで続伸したが、今年7月も同様の展開が見込まれる。

一方でボックスビーフ価格は依然として下落している。6月最終週のカットアウト平均価格は213.74ドル。前年同週比3.0%高だが、これは50CL(赤身率50%のひき材)の平均価格が92.89ドルと同50%高をつけたことによるもの。

50CLの大幅高は、昨年の価格が落ち込んでいた反動もあるが、枝肉重量が前年水準を大きく下回っているため(去勢牛で11ポンド減)、1頭から取れる50CLの供給が減少していることも要因。

ひき材は、スーパーやクイックサービスレストランの双方で売れ行きが好調だ。アナリストによると「第2四半期のひき材価格は全体平均で3%高だが、小売店の販売量は前年同期比7%増。7月4日の祝日週は、ひき材とリブの売れ行きが最も好調だった」という。テクノミック社の最新報告によると、ハンバーガーを自宅やフードサービス店で週に1回以上食べる消費者は55%と上昇している。

生体牛価格はコーンベルト地帯に大幅なプレミアムが付いている。春季まで寒波が長引いたことが影響している。7月第1週は南部平原が109〜110ドルであったのに対し、コーンベルト地帯は112〜114ドルで取引された。第2週はアイオワ・ミネソタで9300頭余りが生体牛平均114.43ドル、枝肉平均183.08ドルで売買され、ネブラスカで3000頭が枝肉平均184.28ドルで取引された。

7月第1週のカットアウト価格は前週比でチョイスが3.90ドル安、セレクト4.01ドル安。祝日後の在庫補充が予想より少なかったため、値下げを余儀なくされた。ただ注目されるのは、プライムのミドルミート(ロイン系)が上昇していることだ。コストコとサムズクラブが大量買い付けを行ったことが主因で、プライムの在庫は不足している。

 

※2019年7月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚肉供給増は生産性向上が一因、一腹産子数2.8%増

 
 

USDAが公表した6月1日現在の豚飼養動向調査によると、総飼養頭数は7502万6000頭(前年同期比3.6%増)。3%増とするプレレポートの予想を上回り、6月としては最多の飼養頭数となり、4年連続で記録を更新した。

肥育豚は6911万頭(同3.9%増)。うち180ポンド超は1305万9000頭(同7.5%増)。この区分は30〜45日以内に出荷されるため、6月のと畜頭数が週間平均で約7.6%増していることと符合する。問題は今後の供給がどうなるかだ。

120〜179ポンドは1443万頭(同3.1%増)でアナリストの予想と一致する。これらは7月中旬から8月中旬に出荷される。このため、6・7・8月期のと畜頭数は5%強増加する見込みだ。50〜119ポンドは1961万頭(同2.7%増)、50ポンド未満は2202万頭(同3.2%増)。このことから、今後4〜6カ月後のと畜は約3%増となりそうだ。

繁殖豚は641万頭(同1.4%増)。繁殖豚は2010年以降、一貫して拡大を続けている。将来的な需要の高さに対する楽観と春季の先物価格の高値から、生産者は未経産豚の保有を若干増加させた。予想よりは若干少ないが、生産者が依然として拡大モードにあることは明確だ。

3〜5月期の子豚生産頭数は3418万頭(同3.7%増)。アナリスト予想の2.5%より多く、また一腹当たりの分娩頭数が2.8%も増加している。この生産性の大幅な向上が生体豚・豚肉の供給を増加させてきた主因である。3〜5月期の子豚生産頭数は、9〜11月期の出荷に相当する。

6〜8月期の分娩見込み頭数は318万5000頭(同0.5%増)。これは6月1日現在の繁殖豚頭数の49.7%に当たる。しかし昨年は50.6%、過去3年間の同四半期平均は50.9%であり、実際の分娩頭数は見込みより多くなることが予想される。次回の調査結果では、実際の子豚生産頭数が約1.5%増になる可能性がある。

 

※2019年7月6日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  1腹当たりの産子数に推移(四半期ごと)
 
業界ニュース

牛群の拡大は頭打ち状態に

 
 

USDA(米国農務省)の最新の牛飼養動向調査を考察し、多くのアナリストが牛群の拡大期が終わりを迎えつつあることを指摘している。デイリーライブストックレポート(DLR)を発行するリサーチシュタイナーコンサルティンググループは、最新報告書で「全米の牛群の拡大期は終わった」と記述。それを裏付ける数値として、肉用牛の繁殖用に保留されている未経産牛の頭数が前年比で4%減少したこと。また「その他の未経産牛」(フィードロット保有等)の頭数が同5%増となったことを指摘している。

DLRアナリストは「フィードロットにおける未経産牛の割合が上昇を続け、7月1日現在で38.9%までに達している。フィードロット内の未経産牛・未経産子牛の頭数は前年同期比7.7%増の一方で、去勢牛は1.7%減となっており、2018年の子牛生産頭数が過大に見積もられていた可能性がある」という。

オクラホマ州立大学のダレル・ピール氏は、ニュースレターの牛・子牛コーナーで「USDA報告書は米国の牛群拡大が頭打ちになったことを示している。現状の飼養水準と典型的なキャトルサイクルのピークを比較した結果、今のところは牛の飼養頭数が減少に転じることの必然性は読み取れないが、子牛生産頭数に変化がなければ、2020年まで牛肉生産量はほとんど増加しないだろう」と予測している。

 

※2019年7月22日 Meatingplace.com

 
輸出動向

牛肉輸出、韓国向けが記録的ペース維持

 
 

米国産牛肉の韓国向け輸出は、5月も記録的ペースを維持した。日本向けもバラエティーミートの大幅増により回復。台湾を含めた3国向けが輸出全体を牽引し、5月の輸出量は11万7541トン、輸出額は7億2760万ドル(前年比1%増)と史上2番目の高い記録となった。

米国食肉輸出連合会(USMEF)のデータによると、5月の韓国向け輸出量は2万3004トン(同11%増)、輸出額は1億6500万ドル(同13%増)。1〜5月累計は10万1761トン(同11%増)、7億4350万ドル(同15%増)。チルドビーフが2万2268トン(同8%増)と小売・フードサービス向けに好調で、韓国の輸入チルドビーフ市場におけるシェアは61%にまで達している。昨年は57%、2017年は52%だった。

台湾向けは5873トン(同27%増)、5260万ドル(同28%増)と2カ月連続の増加となった。主要市場である日本向けは2万9749トン、1億9080万ドル。1〜5月累計は12万8045トンと前年並みを維持し、輸出額は1%増の8億2800万ドルに達している。日本の牛肉輸入における米国のシェアは、関税面で不利な状況にあるものの、41%とほぼ横ばいで推移している。

しかし、TPP11加盟のカナダ・メキシコからの牛肉輸入はそれぞれ76%と39%増加しており、USMEFは「平等な条件下であれば、拡大の機会はまだまだ大きい。韓国・台湾で爆発的な成長を遂げているのは、米国産牛肉製品の品質と長年にわたって築いてきた確固たる顧客基盤の証だ。同じことが日本ではより大規模に推進されてきたが、成長を持続するためには米国が主要競合国と同等の市場アクセスを得ることが重要だ」とコメントしている。

 

※2019年7月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

6月の豚肉輸出、メキシコ向け回復、中国は減少

 
 

メキシコ向け豚肉輸出の急減により、5月の米国産豚肉の総輸出量は17万2170トン(前年同月比1.1%減)と前年割れとなった。中国向けは1万9310トンと前年の2倍以上となった。コロンビアやオーストラリアなど多くの小規模市場向けも大幅に増加したが、4・5月の価格上昇により、従来市場向けは制限され、中国向けの増加分を相殺した。

最大市場であるメキシコ向けは4万357トン(同32%減)、韓国向けは2万276トン(同3.9%減)。メキシコ向けの激減は関税交渉を反映した短期的なもの。週間輸出データによれば、6月4週間のメキシコ向けは78%増加している。

一方で6月の中国向けは急減している。中国は今年後半の受渡しで豚肉の大量購入を表明しているにもかかわらず、最近数週間の輸出が鈍化しており、これが生産・供給増と相まって、生体豚先物価格に悪影響を及ぼしている。

 

※2019年7月6日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 
USMEFインフォメーション

「アメリカン・ビーフはパティがうまい。」インスタ・キャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は「アメリカン・ビーフはパティがうまい。撮って、食べて、当てよう! BURGER IS AMERICAN BEEF INSTAGRAM キャンペーン2019」を9月23日まで実施します。

昨年に続く展開で、今回は関東地区(7月21日〜)と関西地区(8月1日〜)でそれぞれアメリカン・ビーフにこだわるグルメバーガー店10店舗を紹介。対象店舗でアメリカン・バーガーの写真を撮って、インスタグラムに投稿すると、抽選で10名にアメリカン・ビーフ1ポンドをプレゼント。さらに、今回は新たに「コンプリート賞」(10名)も設け、各地区で対象10店舗すべてを制覇された応募者に、抽選でアメリカン・ビーフ3ポンドをプレゼントします。

キャンペーンでは、アメリカン・ビーフはパティがおいしい理由として、次の3つを訴求しています。@ジューシーで、おいしい!=良質なトウモロコシを食べて育ったアメリカン・ビーフは赤身がもつ力強い旨み、そして適度な脂の甘みがパティのクオリティを高めますA理想のパティができる!=肉のグレード、部位の選び方、ブレンドのバランスにより、お店が理想とする味わいのパティを実現していますBミンチで魅力が一層引き立つ!=あえて挽く・叩くことによって、ステーキとはひと味ちがう食感とおいしさが生れます。

キャンペーンの詳細と紹介店舗などは下記をご参照下さい。https://www.americanmeat.jp/csm/topics/american_burger2019/

  アメリカン・ビーフは、パティがうまい。
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート