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TRADER'S Be & Po

vol.301 Nov.20.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 11月の生体牛・牛肉価格は強含みか
生体豚は現金取引堅調で先物も反発、需要は好調
供給動向 フィードロットの導入増、来春まで肥育牛供給は潤沢
ポーク関連ニュース 9月の豚肉在庫、前月比7%増、モモ13%増
USMEFインフォメーション 「ポンドステーキ」プロモーション
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2017年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

11月の生体牛・牛肉価格は強含みか

 
 

例年なら、ホリデーシーズンに向けてリブやテンダーロインを中心に牛肉のフォワード取引(先渡取引・予約相対取引)が増加するが、今年の10月は正反対のことが起こった。10月最終週のフォワード取引は前年同週比で29%減少。10月全体では週平均で9月より20%も減少。牛肉の取引量は多くの品目で前月比、前年同月比とも大幅に減少した。

アナリストは「これはパッカーがバイヤーに対してフォーミュラ取引を増やすように促し、と畜頭数を減らしたことが一因だ」と指摘する。USDAのレポートでは、10月のボックスビーフの総取引量は前月比6%減、前年同月比5%減。21日以内受渡しの相対取引は同4%減、同12%減。一方でフォーミュラ取引は前月並み、前年同月比では1%増加した。

10月第4週のと畜頭数は61万7000頭。前年同週よりわずかに多いが、枝肉重量がかなり低下していることを加味すれば、実質的な牛肉生産量は前年より少ない。最新の枝肉重量データから計算すると、昨年と同じ量の牛肉を生産するには、週当たりと畜頭数を1万3800頭多くする必要がある。昨年11月の通常稼働週の週当たりと畜頭数は平均61万5000頭。これと同等の牛肉生産量を確保するには、62万8000頭をと畜する必要がある。

このような背景から、ビーフのカットアウト価格および生体牛価格は、感謝祭(11月第4木曜日)の週に値上げ圧力が強まるだろう。昨年より需要が2%増加すれば、それに対応するには64万1000頭程度のと畜が必要となる。現在、小売業者の牛肉マージンは非常に高い。牛肉の平均小売価格から考えると、カットアウト価格があと10%上昇するまではマージンを確保できる。

先週のチョイスのカットアウト価格は、週初めの4日間で100ポンド当たり4.95ドル上昇した。セレクトは0.68ドル高で変わらず。チョイスとセレクト間の価格差は、前週の10.46ドルから15.09ドルにまで拡大した。8月末時点では、その差はわずか0.57ドルだった。パッカーはリブとテンダーロインの販売希望価格を大幅に値上げしたが、バイヤーはエンドミートの値上げには少なからず抵抗を示したようだ。

 

※2017年11月6日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体豚は現金取引堅調で先物も反発、需要は好調

 
 

生体豚の現金取引価格が堅調に推移し、先物価格を下支えしている。アイオワ・ミネソタの現金取引価格は、前年水準の45%高で推移。新設の2つの処理工場がパッカーと生産者のマージンと市場マインドに明らかな影響を与えている。

昨年は生体豚の供給が一日当たりの処理能力を超えたことで、生産者は販売価格の値下げを余儀なくされ、パッカーは稼働時間の延長や土曜日の稼働を迫られた。スーシティとコールドウォーターの2工場はまだフル稼働には至っていないが、この地域の生産者が出荷タイミングを調整できるゆとりを生み出している。

10月最終週の土曜日のと畜頭数は20万頭、前年同週比30%減。2015年同週の23万2000頭も下回る。過去3週間の土曜日のと畜頭数は、前年水準の35%減で推移。枝肉の重量は前年並みを維持しており、これが現金価格を支える一因になっている。

生体豚の供給は、今後も記録的な水準が年末まで続く見込みだ。と畜能力が拡大したこともあり、生産者は出荷の制約に向き合わずに済んでいるが、豚肉の販売価格には新設工場の影響はほとんどない。10月第4週のカットアウト価格は100ポンド当たり76.7ドル。生産量が4.6%増加する中にあって前年同週比4.9%高をつけた。

豚肉の需要は好調だ。一部にはスポット市場での販売量が13%減少したことで、需要が停滞し始めたと見る向きもある。しかしスポット市場の減少は、パッカーがフォーミュラ取引やフォワード取引での予約販売を増やそうと尽力してきたこと、また9月の輸出量が急増したことで、結果的にスポット市場の流通量が減少した。

とはいえ、ハム、ピクニック、トリム等の一部の製品は予想されていた価格よりかなり高値になっており、今後数週間は注視する必要がある。海外市場での売れ行きとともに、年末のホリデーシーズンへ向けた販促にも影響を及ぼす可能性がある。

MPR(パッカーの義務的価格報告制度、メキシコとカナダ向けは対象外)による輸出量は、過去4週間の平均で前年比21%減。ただ10月28日までの週で輸出量は急回復しており、年末に向けた輸出需要が動き始めたとみることもできる。いずれにしろ、現状は急増する食肉生産量を吸収できている。需要が予想以上に良好で先物市場も回復している。今後の鍵は輸出市場が停滞の兆候を見せるかどうかにかかっている。

 

※2017年10月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の豚肉類の輸出量の推移(週当たり・各月4週当たり平均)
 
供給動向

フィードロットの導入増、来春まで肥育牛供給は潤沢

 
 

USDAが公表した最新のフィードロットの飼養動向調査で、2018年第2四半期の肥育牛供給は、去勢牛・未経産牛ともに潤沢になることがわかった。フィードロットの9月の導入頭数は215万頭。前年同月比で13.5%、25万5000頭も多い。導入頭数は7カ月連続の増加で、アナリストの平均予測(107.3%)をかなり上回っている。

一方、9月の出荷頭数は178万3000頭(同2.9%増)。10月1日現在の飼養頭数は1081万3000頭(同5.4%増)となった。導入頭数の重量別区分をみると、800ポンド以上は91万6000頭で全体の42.6%を占めた。800〜899ポンドは前年同月比7万5000頭増の51万5000頭、900〜999ポンドは3万5000頭増の28万5000頭、1000ポンド以上も5000頭増の11万5000頭。

飼養頭数が最多の州はテキサスで260万頭。昨年より15万頭増加した。次いでネブラスカが229万頭(13万頭増)、カンザス225万頭(3万頭増)。飼養頭数が前年を下回ったのはアリゾナのみ。導入頭数が前年を下回ったのはアイダホとワシントンの2州のみ。

これらを基に予測すると、2018年の第2四半期の肥育牛供給は潤沢だ。10月の出荷頭数は季節的に9月より増加するが、肥育業者は先物市場の利益を見越して導入を増やすとみられ、結果的に全体的な供給余力が膨らむことになるだろう。

肥育日数150日以上の肥育牛頭数は、来年4月末まで前年を上回る見込みだ。10月1日から来年4月1日までの期間で、前年同期に比べて60万4000頭増えると予想される。2016年の同期間はわずか3万5000頭増だった。肥育業者が積極的な出荷を維持できれば、2018年に入るまでにこのカテゴリーの頭数は、過去5年平均を下回る可能性もある。それによって、肥育牛の在庫過多が避けられれば、2018年の生体牛価格は概ね100ポンド当たり98〜101ドルで支えられるかも知れない。

 

※2017年10月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

9月の豚肉在庫、前月比7%増、モモ13%増

 
 

ここ2カ月の食肉・家きん肉類の冷凍在庫は、例年より速いペースで増加している。9月末の在庫は前月比2.5%増。過去5年間の平均増加率は0.6%。だが、これは必ずしも弱気要因とはいえない。食肉の生産増加は米国の食肉輸出を下支えしている。つまり、牛肉、豚肉、鶏肉が輸出コンテナに積まれる前に在庫として蓄積されるため、在庫情報を幅広い視点でとらえる必要がある。

9月末の牛肉在庫は4億8780万ポンド、前月比では2.4%増加した。過去5年平均の前月比増加率は5.1%で、牛肉需要は良好な曲線をキープしている。

豚肉の冷凍在庫は6億1630万ポンド、前月比で7.1%増加した。過去5年間の前月比増加率は3.6%。増加要因は特にモモの在庫が前月比13.8%増加したこと。モモの過去5年平均の増加率は7.8%。ただ、モモの在庫は8月の増加率が通常より少なかった。一つの見方として、例年モモを8月に購入するエンドユーザーが、9月の供給増加と価格低下を見越して、買い付けを遅らせたと考えることができる。7月〜9月間のモモの在庫増加率は、過去5年間平均が28%増であるのに対し、2017年は19%の増加にとどまっている。モモの在庫はエンドユーザーがホリデーシーズンへ向けて準備を行う10月〜12月間に激減する。

バラの在庫は来年の第1四半期の小売の拡販に向けて、第4四半期中にある程度積み増しておく必要がある。昨年は、在庫が制限される中で第1四半期に積極的な販促が行われたことで豚肉価格が高騰した。

冷凍在庫の多さに加えて、第4四半期は豚肉生産量が記録的に増加することを考えると、今後の大きな鍵は輸出需要になる。

 

※2017年10月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉の冷凍在庫量の推移
 
USMEFインフォメーション

「ポンドステーキ」プロモーション

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は新たな厚切りステーキの販促企画として「ポンドステーキ」プロモーションを実施します。近年、外食産業における「肉ブーム」の高まりとともに、肉料理をメインに提供するレストランが増え、またインスタグラムに代表されるSNSの普及に伴い、「フォトジェニック」なメニューがトレンド化しています。

こうした傾向を背景に、USMEFではアメリカの重量単位である「ポンド」をキーワードにアメリカン・ビーフの厚切りステーキの提案・訴求します。1ポンド≒453.592gは、お客様に「ボリューム」と「満足感」を提供できます。肉を肉らしく、1人でも家族でもみんなで満足できる「ポンドステーキ」の拡販に向けて、「ポンドステーキ」トレイパックシール、同・焼き方リーフレット、同・店頭用B5POP、同・レールPOPを新たに作製しました。

パーティー・クリスマス等で牛肉需要が高まる季節での、アメリカン・ビーフの大量目販売に活用下さい。

なお、「ポンドステーキ」プロモーションに連動し、USMEF生活者部門では【アメリカン・ビーフ1ポンドが当たる! マイポンドステーキ インスタグラムキャンペーン】を11月1日〜2018年1月10日まで実施します。詳細はUSMEFホームページをご参照下さい。

   
  ポンドステーキPOP
 
 

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ポーク・ファクト・シート