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TRADER'S Be & Po

vol.297 Sep.25.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 連休の売れ行き好調、牛肉価格は緩やかに回復か
ベリー急落、生体豚とカットアウトの値下げ圧力に
業界ニュース 豚のと畜能力拡大、新工場稼働で
ワールドトレード 米韓FTAの破棄検討に食肉業界が抗議
ポーク関連ニュース 豚肉冷凍在庫、モモとロインが増加
USMEFインフォメーション 毎月500名に賞品が当たる
アメリカン・ビーフ2017年秋冬キャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2017年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

連休の売れ行き好調、牛肉価格は緩やかに回復か

 
 

生体牛と牛肉の季節的な供給増が見込まれる中で、今後の市況のカギを握るのは小売市場の動向だ。レイバー・デー(9月第1月曜日)の連休における牛肉の販売は好調で、これが弾みとなって生体牛とカットアウト価格は9月末まで上昇する可能性がでてきた。7月下旬からの下落分をすべて回復するのは難しいとしても、小売での販売が好調なら穏やかな回復が望めるだろう。

市況が上向く材料を挙げると、①牛肉業界の利益は最終的には末端消費から生み出される②牛肉、特にグリル品目の消費が増加しているのはアメリカ人の牛肉に対する支出金額が上昇している表れ③牛肉の卸売・小売価格は依然として競争力があり、牛肉以外の食肉も生産増となる第4四半期に、これらの要素はさらに重要性を増すこと。

レイバー・デーに向けた3週間、牛肉卸売価格は前年水準を下回って推移した。そのため、9月末までにカットアウト価格が緩やかに上昇したとしても、小売業者は引き続き牛肉の販促に力を入れることができる。8月第3週のカットアウト価格は、カットとひき肉・トリムを含む全体平均で100ポンド当たり193.85ドル、前年同週比2.5%安だった。

チョイスのカットアウトは190.91ドル、同2.8%安とさらに割安であることも小売業者の販促を促進するだろう。チョイスの安値は、去勢牛・未経産牛ともにチョイスの発生率が高まっていることが強く影響している。8月25日までの週のチョイスの格付割合は74.00%、プライムは5.98%。逆にセレクトは16.16%と少なく、チョイスとセレクトの価格差は1ドル未満までに縮小している。

 

※2017年9月11日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ベリー急落、生体豚とカットアウトの値下げ圧力に

 
 

肥育豚出荷の季節的な増加と、小売でのベリーの販促見直しにより、ここ数週間、肥育豚の現金取引価格は大幅な値下げ圧力にさらされている。ベーコンの小売価格が高騰した反動で、豚肉の販促は鈍化。パッカーは物量維持のためにベリー価格を大幅に値下げした。

ポークベリーのプライマル価格は、7月末時点で100ポンド当たり212ドルと前年同期の二倍以上だったが、8月末は126ドルとなり、4週間で87ドル、41%の急落となった。

ベリーの急落はカットアウト全体の下落を引き起こした。8月末のカットアウト価格は83.58ドルと、7月末に比べて16ドル安に。このうちベリーの下げ幅は13.7ドル、残りはロインとハム(モモ)の値下がりである。

肥育豚のと畜頭数は、USDA調査(6月の飼養動向)の予測を下回っているが、飼養頭数は7月から著しく拡大し、9・10月とさらなる拡大が予想される。7月29日までの週のと畜頭数は223万4千頭、その前週は234万4千頭で、この時期としては新記録だ。

レイバー・デーの週は例年、と畜は減少する。昨年のレイバー・デー後4週間のと畜頭数は平均243万頭だが、今年は確実にこの数値を超える。9月のと畜頭数は最近(過去4週間)のトレンドからすると、最低でも前年比2.5%増、週間平均で約249万頭と予想され、6月調査の予想水準に近づくとすれば252万5千頭近辺に達するだろう。

新設の2工場がこの増加分を吸収すると見込まれているが、生体豚の重量が増加傾向にあり、生産者はタイムリーな出荷を続けることが重要だ。11月に枝肉重量が215ポンドを超えるか、それより数ポンド軽い水準を維持するかによって、市況予測のシナリオは大きく変わってくるかもしれない。

 

※2017年9月5日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  肥育豚の現金取引価格の推移
  ポークカットアウト価格の対比2017年7月31日 Vs 2017年8月31日
 
業界ニュース

豚のと畜能力拡大、新工場稼働で

 
 

米国の豚肉業界では最新のと畜処理工場が相次いで操業を開始し、と畜能力が拡大する。シーボード・トライアンフフーズ社のアイオワ州スーシティの新施設は1シフトで操業をスタート、1日当たりの最大能力は1万頭。同施設の稼働により、全米の1日当たりと畜能力は約45万8000頭から46万8000頭に増加した。

次いで操業を開始するミシガン州コールドウォーター・タウンシップの新施設を所有するのは、クレメンスフードグループだ。さらに来年はプレステージファームズがアイオワ州ライト・カントリーに新施設をオープンする予定で、これら3施設がフル稼働を始めた場合、全米の1日当たりと畜能力は49万頭まで拡大する。

アイオワ州スーシティに豚肉処理施設がオープンするのは、2010年にジョン・モレルの工場を閉鎖して以降初めてのこと。シーボード・トライアンフによれば、新施設はフレッシュポーク製品のフルラインを生産し、小売、外食、輸出、さらに加工業者向けの原料肉も出荷するという。製品は「プレイリーフレッシュ プレミアムポーク」「シーボードファームズ」等のブランドで販売される。また、同施設では「デイリーズ・プレミアム・ミート」の生ベーコンや加熱処理済みベーコン用の加工原料肉も提供する。

シーボード・フーズはオクラホマ州のガイモンに、トライアンフフーズはミズーリ州セントジョセフに豚肉加工工場を所有。スーシティ工場でと畜される肉豚のうち30%は地域の生産農場から集荷、残りは両社それぞれの系列生産農場から出荷される。

 

※2017年9月11日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

米韓FTAの破棄検討に食肉業界が抗議

 
 

米国政府がKORUS(米韓自由貿易協定、以下米韓FTA)の破棄を検討していることに対して、農畜産業界団体から抗議が相次いでいる。韓国は、米国にとって5番目に大きな農産物輸出市場。米国産牛肉の輸出先としては2番目に大きく、米国産豚肉においても非常に価値のある市場であり、協定を破棄すれば、韓国は米国産牛肉と豚肉製品に対する関税を引き上げる可能性があり、今後の輸出に影響を及ぼすとして、業界団体は議会議員らに対し、トランプ大統領と他の政府高官を説得して破棄を取りやめるよう要請している。

一方、政府は多額の対韓貿易赤字を問題視しており、米国のサービス輸出が伸びない原因となっている非関税障壁について、韓国に対応を求めている。米国が協定破棄の検討を表明したのは、8月22日のKORUSの見直しをめぐるビデオ会議でのこと。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、韓国産業通商資源省の通商交渉本部長の金鉉宗氏が出席した。

ライトハイザー氏は米韓FTAをめぐる米政府の懸念を強調し、見直しの可能性について言及。米韓の経済関係は非常に重要だが、残念なことに米韓FTAから米国民は多くの恩恵を受けていないと述べた。2012年3月に米韓FTAが発効して以降、米国の物品の輸出は減少し、対韓貿易赤字は3倍近くに膨らんだ。

北米食肉協会(NAMI)会長兼CEOのバリー・カーペンター氏は先週、米国の第5位の農産物輸出相手を失うことは大きな過ちだとして、議会議員に書簡を送り、トランプ大統領、ライトハイザー氏やソニー・パーデュー農務長官に破棄を取りやめるよう要請した。

書簡では、FTA発効後に食肉業界が得た利益が強調された。米国が米韓FTAを破棄すれば、国内の生産者や処理業者は直接的かつ即座に損害を受けることになること、また米韓FTAの下で韓国向けの牛肉の年間輸出が82%増加し、2012年の5億8200万ドルから2016年には10億6000万ドルに増加、韓国市場ではショートリブやチャックロールなどが米国市場より明らかな高値で取引されていること、さらに科学的根拠に基づいた貿易ルールを確立し、米国産牛肉に対する関税40%の撤廃など、米国産牛肉業界が韓国で競争力を増す条件を揃えてきたことを訴えている。

USMEFの最新データによると、今年1〜7月の韓国向け牛肉輸出量は9万8944トン(前年同期比9%増)、輸出額は6億2940万ドル(同19%増)。豚肉輸出量は10万3142トン(同30%増)、輸出額は2億8260万ドル(同36%増)。ソーセージ、フローズンベリー、およびその他の製品に課される関税は、2014年と2016年に段階的に撤廃された。FTA以前、米国産チルドポークには22.5%、フローズンポークには25%の関税が課されていた。

 

※2017年8月17日 Meating place.com

 

編集部注:北朝鮮のミサイル発射の影響で米韓FTAの破棄は当面見送られることになりました。

 
ポーク関連ニュース

豚肉冷凍在庫、モモとロインが増加

 
 

7月末の牛肉・豚肉・鶏肉・七面鳥肉の冷凍在庫は合計23億7200万ポンド(前年同月比2.1%減)。過去5年平均比では5%増、前月比で0.9%増。このうち、豚肉は5億5620万ポンド(同7.1%減)、過去5年平均比2.7%減。前月比1.2%減で、7月の減少率としては例年とほぼ同じ。

7月の豚肉生産量は週間ベースで前年より平均2%多かった一方で、豚肉輸出は鈍化傾向にあり、在庫の増減は部位によってまちまち。モモは1億9510万ポンド(同3.6%増)、過去5年平均比10.7%増。ここ数週間、モモはアジア向け輸出が増加している。

ベリーの在庫は引き続き少ないが、この調査は生肉のみが対象で、ベーコン等に加工・処理された製品は含まれていないことを留意する必要がある。リブは7710万ポンド(同14.5%減)だが、過去5年平均比では12.9%増と依然として多め。前月比は10%減と例年より大幅に減少した(過去5年の7月の前月比平均は2%減)。

ボンレスポークロインは前月比10%減だが、前年比では7.3%増加、過去5年平均比では25.2%増。今秋は豚肉生産量が記録的水準に増加すると予想されており、今後、このロインとモモの在庫増が重荷となるかもしれない。

ボンレスビーフの在庫量は3億9670万ポンド(同8.4%減)。前月比3.4%増。ボンレスビーフの在庫は過去5年平均では6月より減少するが、今年は7月の週間牛肉生産量が平均で4%増加したことから、在庫が積み増しされた。

 

※2017年9月5日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 
USMEFインフォメーション

毎月500名に賞品が当たる
アメリカン・ビーフ2017年秋冬キャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は「アメリカン・ビーフ2017年秋冬キャンペーン」として、毎月500名にアメリカン・ビーフやオリジナル賞品が当たるクローズド・キャンペーンを実施します。キャンペーン期間は2017年12月31日まで(参加はいつからでも可能)。キャンペーンシール、店頭用レールPOP等の資材発送は9月25日より開始します。

応募方法は、アメリカン・ビーフのトレイパック商品に二層式のキャンペーンシールを貼付。購入されたお客様がシールに記載されたシリアル番号をキャンペーンサイトで入力すると、その場で当落がわかります。賞品はA賞がアメリカン・ビーフロースステーキ500g・毎月100名、B賞はアメリカン・ビーフ オリジナルTシャツ・同200名、C賞アメリカン・ビーフ オリジナルトートバッグ・同200名。

キャンペーンに関するお問合わせはUSMEF笠谷(tkasatani@usmef.org)まで。

 
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート