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TRADER'S Be & Po

vol.290 May.29.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 中国への牛肉輸出再開で合意―米中共同声明
牛肉輸出再開で中国との合意を歓迎―USMEFが声明
市況ニュース 牛肉価格上昇、7月の販売に悪影響か
豚肉価格は季節的上昇、牛肉高騰が需要刺激
輸出動向 第1四半期の牛肉輸出好調、豚肉は3月過去最高
行政ニュース 米農務省に貿易、輸出促進の次官ポスト新設
ポーク関連ニュース フードサービス市場の6年間動向―豚肉が最も成長
穀物関連ニュース トウモロコシ生産順調、食肉生産拡大を支える
USMEFインフォメーション twitterでアメリカン・ビーフ100kg山分けキャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2017年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピックス

中国への牛肉輸出再開で合意―米中共同声明

 
 

米中両国政府は5月11日、ドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席の会談により合意した総合経済対話の枠組みで実施される「100日計画」の合意内容を共同声明として発表した。

100日計画に基づく最初の公約として発表された10項目は、①米国と中国は技術的協議をもう1ラウンド行った後、中国は1999年の米中農業協定ならびに国際的な食品安全・動物衛生基準に沿った条件で、米国産牛肉の輸入を許可する。2017年7月16日を期限とし、できる限り早く輸入を開始する②米国と中国は、中国が生産する調理済み家きん類に関する未解決の課題について可能な限り早く貿易を再開できるよう解決をはかる。同意に至った後は、中国が家きん類を米国へ早く輸出できるよう、米国は規定の提案を遅くとも2017年7月16日までに発表する―など。

 

※2017年5月11日 USDA News releaseほか

 
 

牛肉輸出再開で中国との合意を歓迎―USMEFが声明

 
 

トランプ政権が中国と牛肉輸出再開で合意に達したことを発表したことに対し、USMEF(米国食肉輸出連合会)、NCBA(全米牛肉生産者牛肉協会)、NAMI(北米食肉協会)など米国の牛肉関係団体は歓迎するとのコメントを発表。このうち、USMEFは以下の声明を発表している。

◇13年以上の長きにわたる中断を経て、米国産牛肉が中国への輸出再開を許可されるという本日発表の両国政府のハイレベルな合意を歓迎する。USMEFとそのメンバーは、本日の発表にこぎつけたトランプ政権およびUSDAとUSTRの職員らの尽力に心より感謝する。

 

※2017年5月12日 USMEF News release

 
市況ニュース

牛肉価格上昇、7月の販売に悪影響か

 
 

生体牛とボックスビーフの大幅な価格上昇が、7月の牛肉販売に悪影響を及ぼすかもしれない。4月最終週の牛肉カットアウト価格は、平均で100ポンド当たり214.56ドル。チョイスは215.03ドル、セレクトは203.07ドルだった。5月第1週前半はスポット市場でチョイスがさらに13.80ドル上昇し、木曜日には235.58ドル、セレクトも9.16ドル値を上げて216.84ドルとなった。チョイス・セレクト間の価格差は、この時期としては2004年以降で最大。

アナリストは「総合カットアウト価格が214ドルでも小売の牛肉マージンは低下していたが、先週の上昇で完全にマージンがとれない水準となった。小売業者は確実に値上げを行うだろう。6月に牛肉小売価格が一斉に値上げされると、肥育牛価格の上昇の恩恵を最も享受するのは豚肉になるだろう」と予想する。

5・6月は牛肉の需要が年間で最も高まる2カ月間だ。その理由の一つは、メモリアル・デー(5月最終月曜日)による連休が年間で最も牛肉が売れる週だからだ。次に牛肉の売上が高い週は独立記念日(7月4日)の週、3番目はレイバー・デ−(9月第1月曜日)の連休週だ。

今夏の市況は小売の販売動向が特に重要になるだろう。6月分の牛肉納入価格はすでに大半が決定済みだが、7月引渡し分については未定分が多い。牛肉の小売価格の高騰と、それに伴い販促が豚肉にシフトする可能性がある。5・6月の牛肉販売が期待以上の売れ行きを見せないと、7月の牛肉卸売市場は混乱する可能性がある。

 

※2017年5月8日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉価格は季節的上昇、牛肉高騰が需要刺激

 
 

生体豚・豚肉価格はこの2週間で急上昇した。生体豚の現金価格は100ポンド当たり71.36ドルで、4月24日より11.36ドル(+19%)高い。出荷頭数が多いため、前年同期では7%低いが、このところの豚肉・生体豚価格の上昇は、季節的要因に加えて小売による販促増加が一因だ。

USDAの発表でも、5月12日までの週の豚肉販促指数は前年同期比22%増。サンプル調査対象の総店舗数に対して、豚肉を販促した店舗数の割合は93.9%と前年の86.8%を上回っている。現在、豚肉の小売価格レートは多くの品目で牛肉や鶏肉と比べて優位性があり、エンドユーザーは豚肉をより積極的に売り出すチャンスだ。

枝肉全体の約25%を占めるロインプライマルのうち、トリムドロインの価格はここ2週間で100ポンド当たり12ドル以上値上がり。ポークカットアウト価格より約3ドル高いが、牛肉価格の上昇はグリルシーズンに向け、ポークロイン価格に追い風となるはずだ。

牛ひき材価格も高騰している。50CLの先週の終値は100ポンド当たり200ドルと前年同期比280%のプレミアムをつけている。81CLの価格に対して、ポークロインの価格比率は47%だ。例年、この価格比率は5・6月に上昇するが、今年も同様に上昇すれば、ポークロインの価格はさらに高くなるだろう。ロインプライマル価格が4ドル上昇するとカットアウト価格は1ドル上昇する。

先週はポークベリーの価格も上昇し、6・7月にかけてさらに上昇することが予想される。依然として、ベリーの在庫は前年を下回っている。4月の値下がりにより、小売業者はベーコンの販促を再度強化することもあり得る。実際マザーズ・デーを前に販促の勢いが強くなっている。

マザーズ・デーの主力商品は、朝食系の全品目、特にベーコンだ。牛ひき材の価格高騰は、ポークトリミングの価格上昇にも繋がっている。トリミングの価格が上昇すれば、いずれモモの価格も連動して上昇するだろう。

 

※2017年5月15日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ポーク・ベリー(バラ)プライマルの価格推移
 
輸出動向

第1四半期の牛肉輸出好調、豚肉は3月過去最高

 
 

2017年第1四半期の牛肉輸出量は、2000年以降で最高を記録した。牛バラエティーミートを加えた総輸出量は2011年以降で最多。第1四半期の輸出量は29万2215トン(前年同期比15%増)、輸出額は16億1000万ドル(同19%増)。国別では日本と韓国向けの輸出が大きく増加し、全体の伸びをけん引した。メキシコ、カナダ、台湾への輸出も増加している。

一方、豚肉輸出も3月には史上最高を記録し、第1四半期計でも17%増を達成した。肥育牛と牛肉卸売市場、また肥育豚価格と豚肉卸売市場の双方にとって、生産増にもかかわらず第1四半期のパフォーマンスが良好なのは、こうした輸出の順調な拡大が要因となっている。

牛肉は豪州の生産が制限される中、日本市場での米国産のシェアがこの1年で38%から44%に拡大。韓国でも39%から43%へと成長し、両市場で豪州のシェアは減少している。

USMEFによると、3月の牛肉総輸出量は10万5310トン(前年同月比18%増)、輸出額は5億8820万ドル(同22%増)。3月の牛肉生産量に占める輸出比率は12.5%、正肉単体では約10%。3月の輸出額を肥育牛1頭当りに換算すると、平均270.14ドル(前年同月比11%高)、第1四半期では267.71ドル(10%高)。3月の日本向け輸出量は2万8135トン(同41%増)、輸出額は1億6770万ドル(同39%増)。

3月の豚肉の輸出量は22万7955(同16%増)で、2016年11月の月間最高記録を上回った。輸出額は5億8660万ドル(同22%増)。第1四半期では62万7647トン(同17%増)、輸出額は15億8000万ドル(同22%増)。生産量全体に占める輸出比率は28%、正肉単体では23.3%を占めた。輸出額の生体豚一頭当たり換算は54.93ドル(同15%高)。

輸出量はメキシコ向けが最も多いが、輸出額をけん引するのは日本市場だ。3月の日本向けは3万7806トン(同2%増)、輸出額は1億5520万ドル(同12%増)と2014年10月以降で最高となった。日本向けの第1四半期計は10万1581トン(同7%増)、4億1130万ドル(同13%増)。

 

※2017年5月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

※主要国別輸出データはビーフ・ファクト・シートを参照下さい。

 
行政ニュース

米農務省に貿易、輸出促進の次官ポスト新設

 
 

USDA(米国農務省)のソニー・パーデュー長官は、USDAに畜産物や農産物、食品の貿易、輸出促進を担当する「次官」を設置することを発表した。この職位は2014年の農業法案で承認されており、貿易関連団体はこの発表を称賛している。パーデュー長官は「このポストは米国の農業において高まる国際貿易の重要性を認識したものだ」としており、貿易担当次官は米国産食品、繊維、燃料の世界市場に向けたプロモーションを中心に行うとみられる。USDAのAMS(海外農業局)は、新設される貿易担当次官の下に置かれる。

 

※2017年5月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

フードサービス市場の6年間動向―豚肉が最も成長

 
 

テクノミック社が行った調査によると、2011年以降のフードサービス業界では、豚肉が最も速いスピードで需要を拡大していることが明らかとなった。過去6年間で、同市場における豚肉の使用量は、重量ベースで鶏肉の2倍以上の成長を見せている。

豚肉の使用量の増加は11億4500万ポンド。鶏肉は5億1500万ポンド増。成長率ベースでは、豚肉は3.6%増となり、七面鳥の1.2%増に対して3倍のスピードで成長した。6年間のフードサービス業界における食肉類合計の増加量は18億6700万ポンドで、豚肉がその61%を占めている。

豚肉類の使用量が2013年から2015年の間に1億1400万ポンド以上増加したことで、年間の合計使用量は59億ポンドにまで達した。豚肉類の伸びをけん引した5大品目は、ベーコン、ハム、ソーセージ、リブ、ペパローニ(サラミ)。これらを合わせると豚肉の総使用量の66%を占める。依然としてベーコンの人気は根強く、使用量全体におけるベーコンの割合は2015年から4%増の12億ポンドと、全体の20%シェアを占めている。

消費者の関心が特徴的な味わいや世界の料理に向けられる中、フレッシュポークの使用も拡大した。2015年以降、カーニタス(メキシコ料理)は年間成長率5%、ポルケッタ(イタリア料理の伝統的なローストポーク)は15%を記録。またフレッシュポークのバラ、チョップ、豚ひき肉も著しく増加した。

業態別では、リミテッドサービスのレストランで使用増が目立つが、これは主要チェーンが朝食メニューの終日提供を開始したこと、またパッカーなどが調理済み製品を高品質な状態で提供する技術革新に取り組んでいることなどが要因としている。

 

※2017年5月3日 NPB news release

 
穀物関連ニュース

トウモロコシ生産順調、食肉生産拡大を支える

 
 

トウモロコシの収穫量は、例年6月下旬から7月までの気候が大きく左右するが、米国中西部の天候状態は今のところきわめて良好だ。先物市場でも12月分取引に対する気候のリスクプレミアムはみられない。

一方、需要面はUSDAが2017/18年の国内消費量について飼料用、エタノールともに上方修正した。エタノールは国内での混合使用は頭打ちだが輸出需要は力強い。中国は在庫過多でDDGSの輸入を減少しており、中国の飼料用需要は2016/17年度を下回ると予想されている。

期末在庫は15%前後、トウモロコシの価格は4ドル以下のレンジで推移すると予想されており、これが今後12〜18カ月の食肉生産の拡大を支えるだろう。

 

※2017年5月15日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国のトウモロコシ需給見通し
 
USMEFインフォメーション

twitterでアメリカン・ビーフ100s山分けキャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は6月1日から8月31日までtwitterキャンペーン「アメリカン・ビーフ 100kg山分けキャンペーン」を実施します。

参加フローは①USMEF公式twitterアカウントをフォローし②既定のキャンペーンツイートをリツイートすると③当落をお知らせする動画がリプライで参加者に届く④当選者には更にDMが届き、個人情報を入力→プレゼント発送となります。

ツイッター広告のほか、東京・新橋駅にて動画を流しながらキャンペーンを告知。アメリカン・ビーフ100kgを200名(1人500g)にプレゼントします。当落を伝える動画には、USMEFが提唱している「URBAN BBQ」に関する情報を入れ込んだ動画を作成し、ツイッターで拡散しながらアメリカン・ビーフのおいしさと楽しみ方を拡散します。

  ベリー(プライマル)の価格推移
 

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート