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TRADER'S Be & Po

vol.289 May.10.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛価格が急上昇、最高値を更新
肥育豚価格の回復期待も供給増で小幅上昇か
トピックス ソニー・パーデュー氏が第31代目米国農務長官に就任
供給トレンド フィードロット頭数は微増、積極的な出荷続く
ポーク関連ニュース 3月の豚肉在庫、モモは記録的な減少
リテール 牛肉の需要見通しは明るい
USMEFインフォメーション ごちポの日めくりスクラッチキャンペーンを実施
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2017年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

肥育牛価格が急上昇、最高値を更新

 
 

4月中旬から上昇に転じた肥育牛価格は、4月最終週に今年の最高値を更新するまで続騰した。南部平原では生体牛が平均で100ポンド当たり136.75ドル、北部では枝肉が同217ドルをつけた。前週比で生体牛が6ドル高、枝肉は7〜8ドル以上も高まった。南部平原の肥育業者は135ドルの入札を受け入れず、137ドルまで値を上げて取引が成立。最高値はネブラスカの140ドルだった。

例年、第2四半期の最高値は4月に記録されることが多いが、今年の上昇はまだ続く可能性がある。フィードロットが極めて活発な出荷を続けていることは、枝肉重量が前年同期比で25〜30ポンド低いことからも明らかだ。これは実質的に1万5000頭分のと畜頭数の減少に相当する。

春季のグリルシーズンの始まりに伴い、牛肉需要は高まることが見込まれる。肥育牛価格が過去13カ月で最高値を記録したことで、パッカーは牛肉の卸売価格を値上げしたいところだが、小売のバイヤーが受け入れるかどうかが今後の市況に影響するだろう。USDA公表の4月第3週の週間総合カットアウト価格は100ポンド当たり210.90ドル。前年同週比では2.4%低いが、過去3週間の平均からは4ドル高い。

第4週のカットアウト価格の上昇はチョイスが1.99ドル、セレクトは2.79ドルと小幅だった。主要5州の4月第3週の去勢牛平均価格も131.60ドルと横ばい(枝肉平均価格は209.23ドル)。先物相場は6・8月分取引がそれぞれ121.52ドル、117.77ドルと4月分や現金取引価格に対して大幅安のままだ。

しかし枝肉重量の減少は、生体牛価格にとって強い追い風だ。4月15日までの週の去勢牛平均は848ポンドで、前週比4ポンド減、前年比30ポンド減。未経産牛は平均795ポンドで、前週比3ポンド、前年比25ポンド減。チョイスグレードの発生率も季節的に減少する。先週のと畜頭数は推定62万4000頭。昨年11月19日までの週以来で最多だった。

 

※2017年5月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

肥育豚価格の回復期待も供給増で小幅上昇か

 
 

今春の肥育豚価格は非常に弱い。と畜頭数が前年比7%増と多く、さらにベリーの価格が反落していることが要因だ。しかし下図が示す通り、現時点で先物相場は夏季へ向けて回復することが見込まれている。季節的な供給減少とグリルシーズン入りに伴い、カットアウト価格も回復が予想される。以下、豚肉価格の季節的な上昇を後押しする主な要因をいくつか述べたい。

ロイン(枝肉重量構成26%):今春の豚肉生産量の増加を反映して、現在、ロインのプライマルカットの価格は前年比9%安だ。ロインはアジア向けの輸出需要に期待がかかる。現時点で価格は強い競争力があり、今後も継続する見込みだ。ロイン価格は昨年、4月末の100ポンド当たり84ドル前後から、6月中旬には98ドルと16%上昇した。今年も同様に上昇すれば、カットアウト価格は3ドル程度の上昇が見込まれる。

モモ(同25%):モモの価格は、メキシコの堅調な需要にも支えられ、他の部位より良い動きを見せている。現在、米国産モモの価格はメキシコの国内価格よりもかなり低く、今後も輸出は堅調だろう。昨年4月中旬のモモの価格は100ポンド当たり55ドル周辺で、供給の多い今年も同様の水準だ。昨年4月中旬から6月中旬までにモモの価格は約10ドル上昇し、7月にはさらに15ドル上昇した。モモの輸出需要は、トリミングの価格にも左右されるが、トリミング価格の5・6月の季節的な上昇はモモの価格を下支えするだろう。

ベリー(同16%):市場関係者が最も注視するのはベリーだ。過去2カ月間のカットアウト価格下落の主因はベリーの下落によるもの。言い換えれば、ベリーの価格が通常の水準まで回復すれば、カットアウト価格も例年並み水準まで回復する。通常、夏に向けてベリーの価格は上昇する。第1四半期はベリーの価格が極端に高かったことが小売の販促に悪影響を及ぼした。だが価格が低下したことで、今夏は小売にとってベーコン販促の好機が到来する。昨年のベリーの底値は、5月中旬の100ポンド当たり100ドル前後で、その後は7月後半までに約40%上昇した。今年も同様の上昇にすれば、カットアウト価格を6.5ドルの上昇に繋がる。

 

※2017年5月1日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  アイオワ/ミネソタの肥育豚(185ポンド、枝肉ベース)の価格推移
  豚肉カットアウト価格の対比(2017年4月28日Vs2017年2月24日)
 
トピックス

ソニー・パーデュー氏が第31代目米国農務長官に就任

 
 

4月25日、ソニー・パーデュー氏が第31代目の米国農務長官に就任した。新長官は「私は良き管理者となり、この国、故郷、大地、森林、そして農家をより良い形で次世代へ引き継ぐこと、農業で生計を立てるアメリカ人が繁栄できることを最優先事項として取り組む」と語った。

ドナルド・J・トランプ大統領は1月にパーデュー氏を指名した際、「ソニー・パーデュー氏は農務長官として偉業を成し遂げるだろう。農家に育ち、広大な農業国家の長官になるまで、彼は人生の全てをかけて農家が直面する試練を理解し、解決してきた。今後は農業で生計を立てる全てのアメリカ人に大きな成果をもたらすだろう」と述べている。

ソニー・パーデュー氏は1946年生まれの70歳。ジョージア州ボネール島の農家に生まれ、幼少期から長きにわたり農業を経験。農家、農業ビジネスマンを経てジョージア州の州議会議員、ジョージア州知事を歴任してきた。獣医師の資格も有し、同州の飼料穀物協会の会長などを務めた実績もあり、米国の畜産関係団体は同氏の農務長官就任を歓迎するコメントを発表している。

 

※2017年4月26日 FOODMARKET.COMほか

  ソニー・パーデュー氏第31代目米国農務長官就任
 
供給トレンド

フィードロット頭数は微増、積極的な出荷続く

 
 

今後5カ月間の生体牛の供給は、昨年とは全く違った展開となりそうだ。昨年の現金取引価格は、8月まで値上がりを続け、10月上旬に暴落した。今年は肥育業者が積極的な出荷を継続している限り、こうした動きはくり返さないだろう。

第1四半期の肥育牛の出荷頭数は2003年以降で最高だった。3月の出荷頭数は191万4000頭(前年同月比9.6%増)と2012年以降で最多を記録。肥育業者は4月中旬から始まった価格上昇のチャンスに乗り、4月も順調に出荷している。

第1四半期のフィードロット導入頭数は、前年同期より39万6000頭多かった。

3月の導入頭数は前年同月比11%増、21万頭多く、1996年の統計開始以来、3月として最多だ。導入の重量別内訳を見ると、800ポンド以上が83万7000頭で40%を占めるが、700〜799ポンドの区分も前年より13万頭多い62万頭が導入された。

出荷頭数が多いことから、4月1日現在のフィードロット総飼養頭数は1090万4000頭、前年同期比でわずか0.5%増、5万1000頭の増加にとどまっている。アナリストは「第1四半期は前年同期より約37万2000頭多く出荷された。第2四半期の出荷も前年同期をおよそ2%上回るだろう」と予想する。

牛肉の季節的需要が6月末までにピークを迎えれば、肥育牛価格は下降傾向に入る。だが、今年は積極的な出荷により、秋季の底値に向けた下落は通常より小幅になろう。過去10年間の平均価格を見ると、春季から秋季にかけての下落率は14.4%。アナリストは「今年の下落率は8〜10%程度にとどまる可能性がある」という。

 

※2017年5月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

3月の豚肉在庫、モモは記録的な減少

 
 

USDAの冷凍在庫報告によれば、3月末の鶏肉の在庫は依然として歴史的な高水準にある一方で、牛肉、豚肉の在庫は前月比で記録的な減少となった。牛肉の在庫は4億6446万9000ポンド(前年同月比4%減)で前月比3797万ポンド減。3月としては1970年代以来で最大の減少を記録した。

豚肉の全在庫は5億5505万2000ポンド(同10%減)。前月比では1690万ポンドの減少で、特にボンインハム(モモ)は同2100万ポンド減少し、過去20年間で最大の減少を記録した。ベリーの在庫は2057万ポンド(同68%減)と依然として少ないが、前月比では27%増。ロインは合計で3636万1000ポンド(同24%減)、同5%減。リブは1億4639万ポンド(同増減なし)、同5%増。バットは2450万7000ポンド(同12%増)で前月とほぼ変わらず。

 

※2017年4月26日 Meatingplace.com

 
リテール

牛肉の需要見通しは明るい

 
 

短・中期的な牛肉の需要、特に小売業界での需要見通しは明るい。小売での牛肉の売れ行きはイースター後も予想以上に良好で、グリルシーズンの本格的なスタートも近い。アナリストは「3月に牛肉卸売価格が急上昇したが、小売価格はそれほど上昇していない。5月、6月も引き続き牛肉の販促が活発になりそうだ。各種の経済統計も牛肉需要には追い風だ」という。

3月の牛肉小売価格は全体平均でポンド当たり5.52ドル。2月から2セントの上昇したものの、前年同月比比では5.5%安い。チョイスの平均価格は5.90ドル、前月比6セント上昇したが、前年同月比では5.1%低い。

予想以上に強いカットアウト価格が小売価格や消費者の牛肉購買にどのような影響を及ぼすか、先物市場関係者は動向を注視している。しかし小売業者は価格修正に時間を要するため、今夏の牛肉小売価格が著しく上昇することはないだろう。

夏季の牛肉需要は主要休暇(メモリアル・デー=5月最終月曜日と独立記念日=7月4日)の後に、他の食肉との価格競争や輸出動向の影響を受ける。今年これまでは国内市場の牛肉供給量は増加しているが、輸出も順調で、と畜頭数と枝肉重量から判断すると、国内供給の増加はそれほど多くない。

今後、季節的な需要増に向け、小売やフードサービスは本格的な準備を始める。消費者の可処分所得は景気後退前の水準まで増加し、消費者意識はここ10年で最高の水準にある。失業率は4.5%。これらの要因は牛肉の需要にとって大きなプラスとなる。小売業者は牛肉の販売収益が良好なことから、グリルシーズンの本格化に合わせて消費意欲を刺激するため、価格を据え置くことを選択するかもしれない。

 

※2017年4月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

ごちポの日めくりスクラッチキャンペーンを実施

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、5月の第3日曜日(今年は5月21日)を「ごちポの日」と制定(既報)したことを記念し、4月21日〜6月21日までアメリカン・ポーク「ごちポの日めくりスクラッチキャンペーン」を実施します。

このキャンペーンは一般消費者向けのWebオープンキャンペーンで、専用サイトのごちポの日めくりカレンダーにあるスクラッチくじに挑戦し、当たりが出ると素敵な賞品が当たるもの。今回より「ごちカツくん」「ごちテキくん」など、アメリカン・ポークで作れる多彩なメニューをキャラクター化した「ごちポオールスターズ」が登場し、おなじみの“ひとことン”のつぶやきで、料理ヒントがわかる楽しいキャンペーンになっています。

キャンペーン期間中毎日、1日1回スクラッチに挑戦でき、結果はその場でわかります。賞品はアメリカン・ポークかたまり肉を200名、ごちポのハンドタオルを2000名にプレゼント。「ごちカツ」「ごちテキ」「ごちしょうが」「ごちしゃぶ」の4種のおしゃれなレシピ動画や、東京メトロ銀座線の表参道駅壁面広告(掲出期間5月15日〜6月11日)に加え、Webバナー、Facebook等のソーシャルメディアを通してキャンペーンを盛り上げます。

キャンペーン資材ダウンロード用コンテンツ

https://www.americanmeat.jp/trd/publications/tool/download/

「ごちポの日」記念オープンキャンペーンサイト

https://cp2.americanmeat.jp/csm/present/170421_open_top

アメリカン・ポークのお勧めレシピ動画コンテンツ

https://cp2.americanmeat.jp/csm/present/170421_open_top/recipe

   
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート