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TRADER'S Be & Po

vol.266 May.16.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 主要食肉すべて供給増、価格競合強まる
供給トレンド フィードロットの出荷順調、と畜頭数も大幅増
市況ニュース と畜頭数の大幅増で牛肉のカットアウト急落
ポーク関連ニュース 輸出増で豚肉価格安定、中国向け急増
輸出動向 第1四半期の輸出量、牛肉、豚肉ともに2%増
セーフティ関連ニュース 抗菌剤耐性の研究に600万ドルを補助―USDA
USMEFインフォメーション アメリカン・ビーフ「父の日ステーキ」プロモーション
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2016年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピックス

主要食肉すべて供給増、価格競合強まる

 
 

主要食肉3品目の供給が大幅に増加したことで、今年のグリルシーズンは畜種間の競合が激化しそうだ。牛肉は、先物価格の安値と7〜8月の季節的な需要の弱さを見越して、フィードロット経営者はこぞって出荷を早めている。豚肉の生産も順調で、今週の週間と畜頭数は220万頭超と4月下旬にしてはきわめて多い。

2016年の国民1人当たりの消費量の見通しを見ると(図を参照)、鶏肉は2014年より7.6ポンド(9.1%)増える見込みで、同様に豚肉は3.8ポンド(8.2%増)、牛肉は0.9ポンド(1.7%増)の予想。

USDA(米国農務省)によると、今年のブロイラー生産は10億ポンドあまり増加、輸出は4億2100万ポンド増と予想されている。ただ、予測輸出量は67億ポンドで、2014年の実績(73億ポンド)に及ばない。2015年には、鳥インフルエンザとロシアの禁輸の影響で、輸出量は10億ポンド減少した。その分がいまだ回復できずにいる一方、国内供給は増加するため、他の食肉にも影響を与えるだろう。

 

※2016年5月2日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の国民1人当たりの主要食肉の消費量
 
供給トレンド

フィードロットの出荷順調、と畜頭数も大幅増

 
 

3月のフィードロット出荷頭数は174万7000頭(前年同月比7.1%増)と、2012年以降の月間最多頭数を記録し、4月も好調なペースを維持している。4月のと畜頭数は全品種で予想を上回り、前年同月とほぼ同数の235万頭に達する見込みだ。と畜稼働日が前年より一日少ないことから、日次換算では5%増に相当する。

4月18〜23日の週間と畜頭数は約58万7000頭で、2014年9月の第2週以来最も多い。5月のと畜頭数は251万頭(同7%増)と予想され、と畜稼働日を考慮すると2%の増加となる見込み。6月のと畜頭数は259万3000頭(同2%増)と予想される。

アナリストは「3月の出荷率(飼養頭数に占める出荷頭数の割合)は16.2%と、2012年以降で最も高く、積極的な出荷傾向がうかがえる。前年同期には出荷率は低下していたが、今年は過去5年平均に近いレベルまで回復。肥育業者はここ3週間を除いて黒字であり、今後も積極的な販売が続くだろう」と予想する。

肥育日数120日以上の飼養頭数が減少していることも、意欲的な出荷の表れだ。4月1日現在、120日以上の肥育牛頭数は、推定で前年同月比4%減。「順調な出荷が持続すると5月には同6%減、6月は同4%減、7月は同5%減となる見込み」とアナリストはいう。

第1四半期の導入頭数は前年よりも23万2000頭多かったが、積極的な出荷もあって、4月1日現在のフィードロットの総飼養頭数は1085万3000頭(同0.5%増)とわずかな増加。3月の導入頭数は189万2000頭(同4.6%増)で、重量区分ごとの増減では、600ポンド未満が1万3000頭減、600〜699ポンドは前年と変わらず、700〜799ポンドは4万6000頭増、800ポンド以上は5万頭増と大型の牛の導入が多い。

枝肉重量は依然として前年水準を上回っており、夏季から秋口にかけて肥育牛の供給が増加すると、肥育牛はもちろん肥育素牛の価格にも値下げ圧力が強まる。今秋に在庫過多になることを防ぐためにも、出荷率を向上する必要がある。

一方で、牛肉輸出は拡大が予想される。USDAは年間の牛肉輸出量を24億4500万ポンド(同7.9%増)と予想。世界的な需要増の中、豪州のと畜頭数と輸出量が低迷しており、海外のバイヤーにとっては米国産牛肉の入手が容易になるのは好ましいことだ。米国産牛肉に対する世界的な関心が強まることは確実で、一部には米国がトップシェアを獲得するチャンスとの見方もある。

 

※2016年5月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
市況ニュース

と畜頭数の大幅増で牛肉のカットアウト急落

 
 

4月第3週には、牛のと畜頭数が大幅に増加しただけではなく、パッカーの牛肉販売量も今年2番目に多い6542ロード(≒コンテナ)に達した。特に興味深いのは、期近先物(22〜90日)と事前契約販売の合計が総販売量の20.8%を占めたことだ。

同週の牛肉生産量は前週比6.6%増、前年同期比9.1%増。販売数量は同7.9%増、同0.6%増で、うち現金(0〜21日以内)取引は前年同期比7%減、フォーミュラ取引は同2%減少したのに対し、22〜90日契約分は2%増、事前契約販売は381ロードと前年同期の約3倍となり、今年最高を記録した。

と畜頭数の増加により、カットアウト価格は急落に値下がりした。週間のカットアウト価格は、チョイスとセレクトの混合で100ポンド当たり216.18ドルと、前週比4.50ドル安。チョイスは20〜21日の2日間で6.07ドル安、セレクトは同6.29ドル安となり、パッカーのマージンは低下したものの、販売には前向きだ。

カット別に見ても、多くの製品が事前契約販売で数量を伸ばしている。特に、リブアイロールリップオンと骨付きリブ、インサイドラウンド、トップバット、ショートロイン、ストリップロイン、テンダーロイン、インサイドスカート、ボールチップ、ピールドナックルなどの増加が目立つ。

 

※2016年5月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

輸出増で豚肉価格安定、中国向け急増

 
 

生体豚の現金取引価格と豚肉カットアウト価格の安定化に連動して、先物価格も回復基調に向かいつつある。肥育豚のと畜頭数が年間で最も多い時期にもかかわらず、トリミングの価格は4週間前に比べてポンド当たり20セント上昇。牛肉のトリミングが急落しているのとは対照的だ。

中国向けの輸出増が全体の輸出拡大を牽引するという期待感が強い。4月21日までの週の中国向け出荷量は5299トンで、今年最高を記録している。 しかし、同週の全体輸出量は2万2132トンと当初の予想通りで、4月の推定輸出量は前年同月を約6%下回る見込み(図を参照)。

今後の市況を左右するのは、生体豚の供給増がどの程度、そしていつまで続くかということだ。ここ2週間の週間と畜頭数は、平均で219万頭(前年同期比1.5%増)。ただ、これだけでは判断ができない。それ以前の3週間のと畜頭数が予想されたペースを下回っていたため、その反動の影響も含まれているからだ。

3月1日時点での飼養動向では、120〜179ポンドの肥育豚は前年同月比1.2%増。週間のと畜頭数は約216万頭で前年の平均214万頭を上回っている。これによって、豚肉の枝肉価格とカットアウト価格の差が広がりつつある。

中国向け輸出の急増に加え、メキシコ向けも改善しつつあり、ハム(モモ)の価格回復も見込まれる。ベリーの価格は下落傾向で、この時期にしてはまれなことであり、3月までの強気な見通しを修正する必要がある。牛肉と家きん類の価格が低下していることも、夏季の豚肉価格の値上がりを制限する要因になり、秋季にはさらに問題になってくるかも知れない。

 

※2016年5月2日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の豚肉輸出量の推移
 
輸出動向

第1四半期の輸出量、牛肉、豚肉ともに2%増

 
 

3月の米国の食肉輸出量(USDA発表・USMEF集計)は、牛肉・豚肉ともに前年を上回った。前年を下回ったものの、輸出額は上昇傾向にあり、牛肉・豚肉とも今年最高額に達した。牛肉の総輸出量は8万9482トン(前年同月比3%増)。これにより、第1四半期の輸出量は25万4986トン(同2%増)となった。輸出額は4億8330万ドル(8%減)で、第1四半期計は13億6000万ドル(同13%減)。

3月の豚肉輸出量は、過去11カ月で最大となる19万5898トン(同3%増)。第1四半期計は53万4321トン(同2%増)。3月の輸出額は4億8040万ドル(同3%減)と前年を下回ったが、2015年5月以降では最高額。第1四半期計は13億ドル(同9%減)。

USMEFのフィリップ・セング会長は、「3月の輸出にはアジア市場の改善が大きく貢献した。現在、米国の豚肉産業は中国からの強い需要に対応できる良い立場にいる。また欧州との競合が激化している日本への輸出も増加した。米国産牛肉は日本・韓国・台湾で良好な輸出実績を上げているのを始め、ほとんどの市場で改善への軌道に乗ってきた」としている。

 

※USMEFニュース、国別輸出の詳細はデータファクトページを参照下さい。

 
セーフティ関連ニュース

抗菌剤耐性の研究に600万ドルを補助―USDA

 
 

USDA(米国農務省)は、農業における抗菌剤耐性の研究に600万ドルを補助することを発表した。研究には、耐性が発達する仕組みと、それを除去する方法の研究が含まれる。USDAはこの抗菌剤耐性に関する研究で、抗菌剤の代替物の発見、抗菌剤の使用削減とその実行に関する人々の教育を先導するとしている。

対象となる調査には「動物、作物、食物あるいは養殖魚介類における耐性菌および遺伝子の生態学を調査する新たな方法」「家畜、作物、食物における耐性菌の発生、拡大あるいは持続を制限するための資源および戦略の開発、評価」などに関する研究、調査が含まれている。

 

※2016年5月5日 FOODMARKET.com

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ビーフ「父の日ステーキ」プロモーション

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、5〜6月にアメリカン・ビーフ「父の日ステーキ」プロモーションを実施します。今年の父の日は6月19日(日)ですが、実は「父の日」の発祥はアメリカです。

ワシントン州に住むある女性が、男手ひとつで6人の兄妹を育ててくれた父親への感謝から、牧師協会に嘆願して1916年に成立したのが始まりとされています。その後、アメリカでは1972年に「父親を尊敬し、称え敬う日」として国民の祝日に制定されました。

今回のプロモーションでは、アメリカ発祥の「父の日には、アメリカン・ビーフのステーキを!!」をキャッチコピーに、感謝を伝えるのにピッタリのメニューである「ステーキ」を全面に打ち出し、店頭プロモーションツールとしてステーキのシズル感あふれるPOP(B5両面印刷)と、トレイパックステッカーを用意しました。

このプロモーションに連動して、5月18日〜6月30日までWEBオープンキャンペーンも実施します。お父さんへの感謝の気持ちを伝えるコメントを投稿して応募いただくもので、賞品はアメリカン・ビーフ約1kgを100名にプレゼントします。

USMEFでは多数の「ステーキレシピ」も用意していますので、公式WEBを参照の上、ご活用ください。なお、店頭ツールの発送は5月26日以降の予定です。

  アメリカン・ビーフ「父の日ステーキ」プロモーション
  アメリカン・ビーフ「父の日ステーキ」プロモーション
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート