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TRADER'S Be & Po

vol.265 Apr.25.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
   
市況ニュース 牛肉カットアウト上昇、チャック、ラウンドも好転
生体牛はジリ高気配も先物安に不安感
ポーク関連ニュース 生体豚は短期的に値下がり、夏季には上昇
飼料関連ニュース トウモロコシの作付け拡大、食肉の生産増に煽り
フードサービス ボストンマーケットがセントルイススタイルBBQリブ
トレンド マコーミックが「最高な」5つのグリルトレンドを紹介
USMEFインフォメーション アメリカン・ポーク「ごちポアドトレイ」を開発
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2016年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉カットアウト上昇、チャック、ラウンドも好転

 
 

チョイスのカットアウト価格が急上昇し、生体牛価格も強含みで先行き値上がりすることが予想される。東部では一部にまだ寒波があり、グリル需要が本格化するのは4月末以降になるとの予想もあるが、グリルシーズンに向けて小売での需要増が期待される。

4月第1週はと畜頭数が前年より多く、カットアウト価格はチョイスが前年比12.3%安、スポット市場では16%安だったが、第2週に入って価格が上昇気配を見せたことで、小売りのバイヤーの買い気が強まった。昨年の4〜5月にチョイスのカットアウトが急騰し、5月第3週には100ポンド当たり259.70ドルの記録的高値となったことから、今年は早めの手当てに向けた動きが出たようだ。

チョイスのカットアウト価格は、まだ前年同期の水準をかなり下回っているが、価格の急上昇が続くと、小売業者が6月の牛肉の販促を控えめにするのではないかとの懸念もある。

昨年の大きな教訓は、メモリアル・デー(5月の最終月曜日)の連休での牛肉の売上が期待外れで、カットアウト価格が急落したことだ。昨年のチョイスのカットアウト価格は、6月中旬までに244.14ドルまで下落し、一時的に回復したが7月4日の独立記念日の週も売れ行きが好転せず、7月最終週に231.94ドルまで下落した。

パッカーや小売業者は、今年はこうしたパターンにはならないだろうと予想している。2〜3月の販促ではステーキの売れ行きが好調で、4月第1週も積極的な販促がみられた。コロラド州のセーフウェイでは、ボンインのストリップステーキがポンド当たり4.99ドル、キングスーパーではチョイスのボンインリブアイが同6.88ドルなどで特売され、消費者から強い支持を得たようだ。

4月第2週にカットアウト価格はチョイスで9.69ドル、セレクトで8.92ドル上昇した。これは、今まで過小評価されていたエンドカット(チャックやラウンド)の価格が上昇したことも要因。ミドルミート(ロイン系)の価格は高値になっていたが、スソ物の引き合いが強まったことで全体の価格が押し上げられた。ただ第2週のスポット市場の取引量は、前週の506ロード(≒コンテナ)に対して406ロードと少なく、特に週後半はバイヤーが価格上昇に反応し、買付量を極端に減らしたようだ。

4月に入ってから、と畜頭数は前年をかなり上回っている。アナリストは、この水準のと畜頭数が続く中で小売の需要が伸びないと、供給過多に陥ることもあると指摘する。昨年4月の総と畜頭数は週当たり平均で53万5600頭、第1〜2週は51万4500頭だった。今年は第1週が53万5000頭で、枝肉重量が増加していることを加味すると、週間の牛肉生産量は前年をおよそ9%上回ったとみられる。

 

※2016年4月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

   
 

生体牛はジリ高気配も先物安に不安感

 
 

生体牛の現金取引価格はじわじわと上昇しつつある。4月第2週の取引は、ネブラスカで5024頭が100ポンド当たり135.89ドル、枝肉213.13ドル、アイオワ・南ミネソタで1184頭が135ドル、枝肉215.36ドル、ネブラスカでは3700頭が131.29ドル、枝肉215ドルで販売された。第1週の主要5州の平均価額は133.90ドル、枝肉214.81ドルと全体的に上げている。

だが、今後も値上がりが続くと判断するのは早計だ。先物取引は依然として低迷している。カットアウト価格が上昇し、グリルシーズンの幕開けで牛肉の販売量が増加するにもにもかかわらず、4月契約分は262ポイント低下の131.75ドル、6月分は227ポイント低下の121.75ドル、8月、12月分の取引は117ドル前後と低迷したままだ。

この要因の1つは、6月以降の生体牛出荷が増加し、年間の供給頭数が前年をかなり上回ると予想されていることだ。現在の現金取引価格と比較して、6月の先物が10ドル以上も安いことで、肥育業者は4〜5月の出荷を増やすかも知れず、当面の間、生体牛の取引価格は波のある状態が続きそうだ。

 

※2016年4月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

生体豚は短期的に値下がり、夏季には上昇

 
 

生体豚の現金取引価格は上昇予想が強かったものの、卸売価格は過去2カ月の反動もあり3月中旬までの勢いがない。4月第2週のカットアウト価格は100ポンド当たり78.16ドルで前週比1ドル高と、2月中旬に比べてわずかに高いだけだ。

一部では、3月初旬にカットアウト価格が80ドルを超え、豚枝肉価格は70ドル以上になると予想されていたが、枝肉価格は60ドル台半ばで行き詰まりつつある。生体豚と豚肉の大幅な価格差の一因は、出荷が後手に回ったことだ。2月28日〜4月16日までのと畜頭数は1534万7000頭で、前年より1.4%少ない。

4月下旬から6月上旬にかけての出荷頭数は、前年を上回ると予想される。最新の飼養動向調査では、4月中旬から5月中旬にかけて出荷される120〜179ポンドの肥育豚は前年比1.2%増。これはメモリアル・デーに向けて週間と畜頭数が210万頭以上になることを示唆するもので、生体豚価格は短期的に値下がりするだろう。

【5〜8月見通し】と畜頭数は夏季に向けて低下し、季節的な需要の改善とともに豚肉価格は上昇するだろう。問題はどこまで上昇するかだが、注目点はベリーの価格だ。ここ4週間落ち込んでいるベリーは6〜7月に上昇すると予想され、7月末までに100ポンド当たり165ドル近辺になる見込み。昨年は174ドルの高値をつけたが、供給が緩やかに増加する中で、積極的な販促がないと価格は抑えられてしまう。モモおよびロインの価格は、これまでのところ通常の季節的トレンドに沿っている。5〜6月に上昇するが、昨年の水準よりはわずかに低いだろう。

今夏の相場展開の鍵は、輸出と天候の状況だ。第1四半期の輸出量は前年を上回ったが、7・8月まで持続するかどうかが問題だ。中国向けは増加しているが、メキシコ、韓国、日本など他の市場は大きく期待できない。アイオワの天候は生体重量に影響を及ぼしかねず、7・8月の豚肉価格は弱気となるかも知れない。

【9〜12月見通し】秋から冬の価格は前年よりも高くなる予想だが、大きな下降リスクがある。輸出が予想どおりに伸びなければ、生体豚の供給増が市場に重くのしかかる。昨年の週当たりのと畜頭数は250万頭に達したが、今年の9〜11月には昨年を1〜2%上回ることも予想され、第4四半期は大きな下降リスクを内包している。

 

※2016年4月18日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  四半期毎の豚と蓄頭数と価格の推移(アイオワ、ミネソタ)
 
飼料関連ニュース

トウモロコシの作付け拡大、食肉の生産増に煽り

 
 

USDA(米国農務省)が3月末に公表したトウモロコシの需給見通しによると、1月時点の見通しに比べて作付面積が9360万エーカーと大幅に増えている。これは前年度よりも560万エーカーも多く、この公表を受けてトウモロコシの先物取引は急落した。

実際にすべての面積に作付けされたのか、一部の生産者は大豆に切り替えたのではないかとの見方もあるが、いずれにしろ、調査数値ではトウモロコシの生産増が確実され、飼料供給も増加することが見込まれている。

  四半期毎の豚と蓄頭数と価格の推移(アイオワ、ミネソタ)
 
フードサービス

ボストンマーケットがセントルイススタイルBBQリブ

 
 

アウトドアシーズンの到来が目前に迫る中、ボストンマーケットはバーベキューリブ&チキン(サイドメニュー付きで12.99ドル)で一足早く季節の味覚を提供し、話題となっている。セントルイススタイルのリブにコショウの効いたバーベキューソースをたっぷり塗り、じっくりと焼いたこのメニューは、家庭料理のエキスパートの監修によるもの。

「おいしいリブ料理を頻繁に楽しむことができないのは、調理に時間がかかるため。ボストンマーケットに来るだけで手軽においしいリブが味わえる」と、同社のCEO、ジョージ・マイケル氏は自信作であることを強調する。

同社はこのメニュー開発に当たって、リブに関する全国調査を行った。その結果、リブ好きの消費者はリブとプルドポークの組み合わせ(21%)やリブとグリルバーガーの組み合わせ(21%)よりも、リブとチキンの組み合わせ(54%)を好むことが分かった。

また、最もよく注文されるサイドメニューを調べて、スイートコーン(34%)とマック&チーズ(20%)をセットしてリブ&チキンを完璧に仕上げたとし、「素晴らしい組合せと価値ある価格でサマータイムの人気の2品、リブとロティサリーチキンを一緒に提供することを実現できた」という。

使用されるリブは、競合する他のファストカジュアルが使用するベビーバックリブの1/2ラックよりも約2オンス重いセントルイスバラエティーの1/4ラックで、肉付きが良く丹念に調理されており、同社の理念の結晶といえるものだ。

 

※2016年4月15日 RestaurantNewsRelease.com

 
トレンド

マコーミックが「最高な」5つのグリルトレンドを紹介

 
 

マコーミック社は、年次マコーミック味予想2016年グリル編を発表した。グリルに特化した同レポートでは、濃厚なブラジリアンソースから大胆なラブイン(揉み込み)バーガー、日本式マリネに至るまで、オールシーズン活用できる味付けと技術を紹介している。それぞれのPRポイントは以下のとおり。

◇濃厚ブラジリアンソース:この夏はブラジルに大注目、フルーティーからピリ辛まで、串刺し肉を盛り上げる力強いソースを発見―赤チミチュリソース(アルゼンチン発祥のソース)―伝統的なチミチュリソースのレッドホットバージョンは、クミン、燻製のパプリカと砕いた赤トウガラシで下味をつけ、ブラジリアンステーキハウスマリナーデ(同社の製品)で味付けすれば串刺し肉の仕上げは完璧。

◇大胆ラブイン(揉み込み)バーガー:ステーキとリブ全体に揉み込んで外側にカラメル層を作る風味豊かなスパイスで、バーガーに思い切ったノックアウトパンチを加えて。スモークメープルとセージの朝食ポークバーガー―燻製したハーブとコショウのブレンドを揉み込んだポークバーガーは、シロップのかかったベルギーワッフル二枚に挟んで、溶かしたチェダーチーズ、カリカリベーコンとフライドエッグをトッピング。

◇風味豊かな“ステーキ”:フルーツと菜食主義の“ステーキ”で、あなたのグリルゲームを本物に。マリネして焼いた後、ベーコン、焼きココナッツ、チーズ、ナッツなどの珍しい付け合わせを添えて、肉なしメインディッシュをシェア。ベーコンとブルーチーズとの焼きキャベツ・ステーキ―キャベツをスモーキーアップルウッドマリナーデ(同社製品)に浸して、ベーコンチップとブルーチーズで「肉感」をアップすれば、口当たりの良いキャベツが大胆に変身。

◇熱+辛+スモーク:新鮮な唐辛子をつんとくるビネガーやマスタードと合わせてスモークし、大胆な味のコントラストを演出。グリルチキンのポーボーイサンドイッチ、ピリ辛クレオールマスタードソース添え―グリルチキンとクレオールマスタード、焦がしたオレンジビネガーとホットブラックペッパーのコンビをサンドイッチに挟めば、舌鼓を打つこと間違いなし。※編集部注=ポーボーイ(またはプアボーイ)サンドイッチとは、細長いパンに薄切り肉、野菜、チーズなどを挟んだニューオーリンズ地方の名物料理。

◇オリエンタル風味とグリルの融合:フライにかける刺激的なアジアンマリネードソースに必要なのは、シンプルな方程式―甘さ+大豆+スパイス。いつものスパイスを、日本、マレーシア、タイ、韓国風味に変えて。スパイス照り焼きエビ、スパイシーシトラスの激旨ソース添え―伝統的な照焼きに日本風スパイスを加えてマリネし、クリーミーな激旨ソースにつければ、エビが格段に美味しい本物の味に変身。

 

※2016年4月15日 FOODMARKET.Com

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ポーク「ごちポアドトレイ」を開発

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、アメリカン・ポーク「ごちポアドトレイ」と銘打ち、流通様向けの新たなデザイントレイを開発致しました。トレイデザインは2種類(トレイサイズは4種類)あり、アメリカン・ポークのかたまり肉を使ったローストポークと厚切りステーキの調理法がイラスト形式で印刷されており、アメリカン・ポークを購入して頂いたお客様に、より美味しい調理法でアメリカン・ポークをお楽しみ頂けるような仕組みになっております。

デザインは、美しい青空のもと食卓をひろげてアメリカン・ポーク料理を食べるシーンを描きました。トレイにアメリカン・ポークが入って、陳列された状態でもお客様の目を引くことは間違いないデザインとなっております。

是非みなさまの販促活動にお役立て頂ければありがたく存じます。トレイは有償です。発注書その他のお問合せはUSMEFまで。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
   
 

ポーク・ファクト・シート