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TRADER'S Be & Po

vol.263 Mar.28.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛ひき材の高騰で、チョイスのカットアウトも上昇
生体豚、豚枝肉価格は6〜7月に強含み
生産動向 2月のフィードロット導入頭数、前年を上回る
ポーク関連ニュース 1月の豚肉輸出、中国向け回復もメキシコ向けは減少
リテール イースターに向け活気、ハムの販促は1.27〜2.69ドル
フードサービス チポトレが安全性向上のため新たな調理法を導入
USMEFインフォメーション United Tastes Of Americaアジア大会、優勝は北京チーム
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2016年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛ひき材の高騰で、チョイスのカットアウトも上昇

 
 

安値だった50CL(赤身率50%の牛ひき材)の卸売価格が急反発に転じたことを受けて、チョイスのカットアウト価格は3月4日から10日までに100ポンド当たり5.49ドル上昇した。50CLの価格は同期間に40.12ドルも上昇し、107.02ドルまで急騰した。5日間で約60%の値上がりで、2月22日のほぼ2倍となり、昨年5月初旬の水準までに戻った。

この凄まじい価格上昇は、カットアウト価格を少なくとも1.50ドルは押し上げた。ただ、ミドルミート(ロイン系)の価格に比較して、エンドミート(スソ物)の価格は依然として弱い。50CLの価格上昇も供給減が要因で、需要が改善したわけではない。

バイヤーはカットアウト価格が前年同期より10〜12%低いため、購入の好機ととらえていたが、去勢牛・未経産牛のと畜頭数が大幅に減少し、スポットマーケットでの90CLの供給がタイトになり、50CLの高騰を誘発した。

生体牛価格は主要五州の去勢牛平均(100ポンド当たり)で135.76ドル、前週から0.26ドル値下がり。枝肉平均価格(同)は213.91ドルで0.70ドルの上昇。週当たりのと畜頭数はおよそ53万3000頭で当初予想をわずかに上回ったが、肥育牛(去勢牛・未経産牛)のと畜頭数は41万8000頭にとどまった。

リブ、ショートロイン、ストリップロインは、この時期としては記録的な高値で販売されたが、エンドミートは依然として安い。1月の牛ひき肉の売上が低調だったため、小売業者は年間で最も需要の弱い2〜3月にもかかわらずステーキの販促を強化している。ロイン系の価格は昨年よりはまだ割安であり、「ひき肉に飽きた消費者が自宅でステーキを楽しんでいる」と反応も良いようだ。

エンドミートの価格の弱さは、ひき肉市場の停滞によってロースト商材の売れ行きも不調なことによる。通常なら、ひき材以上にチャックやラウンドが売れる時期だ。90CLの価格が急上昇した理由の一つには、豪州からの輸入量が減少していることもある。

 

※2016年3月14日 CATTLE BUYERS WEEKLY

   
 

生体豚、豚枝肉価格は6〜7月に強含み

 
 

歴史的な週間と畜頭数(225万頭以上)と枝肉重量の増加を反映して、肉豚の枝肉現金価格(100ポンド当たり)は60ドル周辺で推移している。昨年は、と畜頭数の急増や輸出の停滞、小売価格の高値から、肉豚価格は3月から4月上旬に暴落した。

今年の生体豚価格は、今のところ横ばいを保っている。大きな要因の1つはバラの価格回復だ。バラ(同)の取引価格は3月初めに昨年より56ドル高い129.32ドルとなり、この上昇分だけで、枝肉価格を約9ドル押し上げた。

肉豚の週間と畜頭数は、3月末までに220万頭以下、6月には210万頭前後に落ち込むと予想されている。枝肉重量は213ポンドと依然として歴史的な高さにあるが、5月上旬までは現状水準で推移するものの、その後は下降し始めると予想される。このため、肉豚価格は6月下旬から7月上旬に強含む可能性がある。現状の予想では、6月から7月上旬の生体豚価格は低くても80ドル、豚カットアウト価格は90ドル付近だ。

輸出動向も価格を左右する主要な要因の1つ。今年の輸出量は前年よりは回復するが、ロシアの禁輸と欧州・ブラジルとの競合拡大により、2011年および2012年に匹敵する水準まで回復するのは困難だろう。

肉豚の飼養頭数は拡大が見込まれる。今冬はPEDvなどの疾病がなく、飼料コストも安い。2015年12月1日時点の繁殖雌豚の飼養頭数はおよそ600万頭で、2009年12月以降で最も多い。近く公表される3月1日時点の飼養頭数はこれを上回る可能性がある。

12月5日から2月13日までの期間の週当たりの雌豚と畜数は60万3009頭で、前年同期比0.2%減。USDAの統計では未経産豚のと畜頭数は把握されていないが、ミズーリ大学の調査では、年初から2月13日までの未経産豚のと畜数は前年同期より1.2%少ない。雌豚と未経産豚のと畜頭数の減少は通常、飼育豚の増大を意味する。

 

※2016年3月7日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  四半期毎の豚と蓄頭数と価格の推移(アイオワ、ミネソタ)
 
生産動向

2月のフィードロット導入頭数、前年を上回る

 
 

2月のフィードロット導入頭数は、前年同月を大幅に上回る見込みだ。飼料価格などから判断すると、入れ替えコストが良化して損益分岐点が低く見積もられていることから、USDAのCOFレポートでは前年を13%程度上回る可能性がある。

肥育牛の供給市場は、二つの重要な課題に直面している。1つ目は、今後どれほど多くの重量級の牛が出荷されるか。2つ目は、4月以降の供給がタイトになるのか、それとも6月先物の大幅な値下がりを受けた早出しで供給が増えるのかという点だ。

最新の枝肉重量から推測すると、肥育業者はまだ充分に重量級の牛を保持していることがわかる。2月最終週の去勢牛の平均重量は887ポンドで、前週比1ポンド増、前年同月比では12ポンド増。未経産牛は平均834ポンドで、それぞれ5ポンド、23ポンドの増加。全体重量は平均827ポンドでそれぞれ4ポンド、9ポンド増。アナリストは「この重量増加は、2月後半からフィードロットが出荷を遅らせたことを意味している」という。

プロフェッショナル・キャトル・コンサルタント(PCC)の推定では、3月1日現在の肥育中の去勢牛のうち5%近くが1400ポンド以上と見積もられている。これは2015年比ではわずかな増加だが、2014年比ではほぼ2倍だ。1300ポンド以上の牛も同様に多く、重量増加は今年中旬まで続くと予想している。

 

※2016年3月14日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

1月の豚肉輸出、中国向け回復もメキシコ向けは減少

 
 

1月の豚肉(調製品含む)の総輸出量は13万1034トン(前年同月比9.7%増)。伸び率は高いようにみえるが、これは昨年1月の輸出量が低かったためで、数量自体は2012年、2013年水準と比較してまだ少ない。豚肉(冷蔵・冷凍)のみでは10%増だが、USDAの週間輸出データによると、船積み量は前年のおよそ4〜5%増となるだろう。

輸出動向における重要な傾向の1つは、中国向けが回復した一方で、メキシコ向けがかなり停滞していること。1月の中国向け輸出量は9496トンで、前年同月比1546トン増。香港向けを加えた中国・香港向けの合計は1万3014トン、同9000トン増で全体の増加量のおよそ80%を占める。日本向けは2万9042トン(前年同月比9.6%増)、同2549トン増。メキシコ向け前年より5.3%減少した。

 

※2016年3月7日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
リテール

イースターに向け活気、ハムの販促は1.27〜2.69ドル

 
 

スーパーではイースター(2016年は3月27日が該当)を間近に控えて活気づいている。特売用のチラシでは伝統的な主要商品の販促が強化されており、多くがイースターの日曜まで価格を固定している。

レント(四旬節=イースターの46日前の水曜日から聖土曜日までの期間)が始まってから、ここ数週間続いてきたシーフードの販促は一巡した。米国のイースター・ディナーで主要なメニューの一つはハム。モモ肉の販促は今週からチラシ掲載が増加しており、販促価格はポンド当たり1.27〜2.69ドルが中心。

卵の小売需要は国中で上向いている。ポピュラーなシェルエッグが祭日を彩る販促広告が多く、1ダース1ドル以下で鶏卵を売り出している。鶏卵全体の平均小売価格は昨年より13%安い。ラム肉もイースターに向けてほとんどのチェーンで販促商材に取り上げている。伝統的なラムの骨付きレッグは平均4.80ドル、ラムラックは8.99〜12.99ドルのレンジで販促されている。

今週の広告では、イースターに先立ち、豚モモ肉、ラム、七面鳥に代わって牛肉と豚肉ロースト商材の値引き販売も増加。骨なしポークロインは平均2.28ドル。ロンドンブロイラー用のトップラウンドは4.37ドルで、昨年より7%安で拡販されている。

イースターは食肉需要が拡大シーズンに向かう春季のキックオフだ。気候が温暖になるにつれ、小売の販促商材もシフトし始める。街中がマーチ・マッドネス(全米大学バスケットボールトーナメント)の雰囲気に満ち、ハンバーガーなどのゲームデー・フードにあふれる。いよいよグリルシーズンがその先に控えている。4月は主要な祝祭日がないため、来店客の増加は販促企画の優劣に左右されるだろう。

 

※2016年3月17日 FOODMARKET.Com

 
フードサービス

チポトレが安全性向上のため新たな調理法を導入

 
 

メキシカングリルの「チポトレ」は、自社レストランが関連した過去の食中毒の発生を受け、安全性を満たす新たな手段の一つとして、ステーキの下ごしらえに真空調理技術を利用していると発表した。ステーキをかなりの低温で長時間調理するこの方法は、殺菌によってバクテリア・ウィルスのリスクを削減するだけでなく、味も向上させるという。

同社のスティーブ・エルス最高経営責任者は、アメリカ銀行会議の投資者向けプレゼンテーションで「「これを行った結果、当社のステーキはより柔らかくなっている。ステーキは下準備された状態で店舗に届くが、マリネやグリル、チョップは今も店内で行っている」と述べ、食中毒の再発防止のための食品安全計画全体の強化に取り組んでいることを強調した。

また現在のところ発生源は特定できていないとした上で、「すべての食材を精細に検査し、調理法も徹底的に調べている。新たに食品安全の執行役員を設け、食品安全のエキスパートであるジム・マースディン氏を任命した」と説明。第1四半期は1株当たり1ドル以上の損失を見込んでおり、上場以来初の四半期赤字となる。同チェーンは顧客を呼び戻すためにブリトーを無料で提供しており、売上は回復を始めているという。

 

※2016年3月16日 Meaatingplace.com

 
USMEFインフォメーション

United Tastes Of Americaアジア大会、優勝は北京チーム

 
 

アメリカ農産物事務所(ATO)主催、米国食肉輸出連合会(USMEF)などの協賛による「第2回United Tastes Of Americaアジア大会」(以下UTOA)が3月23日、東京・渋谷区の服部料理専門学校で開催され、アジアの各地区大会で優勝した5チーム(東京、北京、香港、台北、ソウル)が腕を競い合った結果、優勝は北京チーム(YⅠHouse Art ホテル・レストラン「ジョージ・ジャンセン」)に決定した。

東京チーム(東京ディズニーランドホテル・レストランCanna)は惜しくも準優勝だった。東京チームにはUSMEFのフィリップ・セング会長兼CEOよりベストメイン賞も贈呈された(写真・上)。3位は香港チーム(シェラトン香港ホテル&タワーズ)。

UTOAは世界のスターシェフを目指すアジア各国のシェフによる競演を通して、新鮮で高品質な米国産の食材を用いて、最高の料理を作り上げることを目的としたシェフコンテスト。審査委員長はアラン・パーマー氏(グローバル・カリナリ・コンペティション・コーディネイター)が務めた。

今回のテーマ食材はアメリカン・ビーフ(リブアイロール)、アメリカン・ポーク(テンダーロイン)、骨付き鶏モモ肉、アラスカ産真だら、カルフォルニア産米「カルローズ」、アーモンドミルク、クリームチーズ、オレゴン産玉ねぎ、カルフォルニア産くるみ、同プルーンなど米国産の食材19品目を指定食材として、コース料理(前菜、スープ、メイン、デザート)で競い合った。

優勝した北京チームは「今回、アメリカン・ビーフを初めて使用したが、非常に素晴らしい食材であることを実感した」とコメント。副賞としてアメリカ往復航空チケット(ペア)が贈呈された(写真・下)。

 
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
   
 

ポーク・ファクト・シート