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TRADER'S Be & Po

vol.259 Jan.18.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 2015年肥育業者トップ30、収容能力は前年並み
市況ニュース 年末の生体牛価格、寒波で歴史的な急騰
ポーク関連ニュース 繁殖豚増加も先物価格は夏場に向け強気に
冷凍豚肉在庫の消化進む、モモは半減
業界ニュース 日本企業がオーロラパッキングを買収
リテール 小売業の食肉販売における2016年の展望
USMEFインフォメーション 焼肉ビジネスフェア(1月20〜21日)に出展
山庄司岳道をジャパン・ディレクターに任命
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2015年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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年頭のごあいさつ
2016年「新たな挑戦の年に向けて」

米国食肉輸出連合会(USMEF)
会長兼CEO フィリップ・M・セング

米国食肉業界を代表し、日本のビジネス・パートナーの皆様の旧年中のご愛顧ならびにご指導を頂きましたことに対して深く感謝申し上げます。

2015年は、アメリカン・ビーフ、ポークのロゴを刷新し新たなメッセージでのマーケティングをスタートしました。アメリカン・ビーフは、『American Beef For You』とロゴも黒と金のエンブレムを使い、アメリカン・ビーフの品質の高さ、おいしさを訴求しました。『ビーフといえばアメリカン』というメッセージでアメリカン・ビーフを強調し消費者に伝えてまいりました。また、赤身肉ブームを牽引すべく『アカミニスト』という造語を使用PRすることで、アメリカン・ビーフのヘルシーさを紹介しました。さらに昨年は、業界向けに各主要都市でのセミナーなどの活動を実施し、皆様と意見交換をさせていただきました。

アメリカン・ポークについては、ごちそうアメリカン・ポークの『ごちポ』という新しいロゴを考案し、今までにない親しみのあるキャラクターごちポ君を登場させました。熟成されたアメリカン・ポークのおいしさをごちポ君が消費者にわかりやすくそして楽しくお伝えしてきました。また、メニュー提案、新たなブランド紹介などセミナー、ウェブサイト、店頭施策を連動させる広報も強化しながら行ってまいりました。

新たなアメリカン・ビーフ、ポークのプロモーションとしてアメリカンBBQキャンペーンを夏に実施、4500店を越える店舗に参加していただきアメリカの文化であるBBQをそのライフスタイルも併せて、日本に紹介いたしました。来年も継続して実施する計画です。また、引き続き、消費者の皆様にアメリカン・ビーフ、ポークをより美味しく楽しんでいただき、消費向上につながる様々な施策をご提案してまいります。

2016年が日本の消費者ならびにビジネス・パートナーの皆様にとりまして、繁栄に満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げます。本年もおいしいアメリカン・ミートをよろしくお願いいたします。

  アメリカン・ビーフ及ごちポロゴ画像
 
トピックス

2015年肥育業者トップ30、収容能力は前年並み

 
 

CBWが毎年行っている肉牛肥育業者トップ30社の2015年調査によると、上位30社の収容能力は120フィードロットで594万頭だった。施設数、収容能力ともにほぼ前年並み。30社合計で米国内のフィードロット(1000頭以上)が保有する55%の肉牛を肥育する能力を持っているということになる。

調査対象の多くの肥育業者には、昨年、市場の不安定さと資産の損失が大きな問題となった。肥育業者の中には不安定さの原因は高頻度の取引にあると指摘するものもあり、また価格の見極めが難しいことも上げている。

Cattle Empire社のロイ・ブラウンCEOは「肥育牛、肥育素牛ともに振れ幅が大きく、利益を予測することができない中で、安定した牛の売買は非常に難しかった」という。市場の激しい変動は肥育ビジネスの経営維持を困難にし、銀行や外部株主からの重圧を受けることに繋がったようだ。

 

※2015年12月21日 CATTLE BUYERS WEKKLY

  2015年 肥育業者ランキング上位30社(上位20社まで抜粋)
 
市況ニュース

年末の生体牛価格、寒波で歴史的な急騰

 
 

生体牛価格はしばしば天候によって予想外の上昇をみせるが、この2週間の動きは歴史上最大の急騰だった。この急反騰はクリスマスの週に現金取引価格が前週から100ポンド当たり7ドル近く上昇したことから始まった。次の週はさらに劇的で南部プレーンズでは11ドル上昇。12月30日の生体牛価格は100ポンド当たり135ドルと高騰し、10月最終週以来の高値となった。

18ドルという前例のない急騰は、冬季の厳しい寒波が主な理由だ。数週間前から寒さが厳しくなり、生体牛市場は肥育業者に有利な方向に反発した。肥育業者は11月〜12月初旬に、最重量級の肉牛を一掃しようと大幅な値引きを受け入れてきた。そこに寒波の影響で値上がりが始まり、枝肉重量は急激に減少し始めた。加えて祝日までの2週間でと畜頭数が大幅に減少したにもかかわらず、一部のパッカーは短期的な買付を増やした。

過去の寒波による価格上昇では、1992〜93年に11月から4月まで続いた極端な気候が思い出される。現在の状況はそこまで深刻ではないが、3月まで続く可能性がある。肥育環境の悪化は第1四半期の肥育効率、枝肉重量、そして肥育牛価格に大きく影響しそうだ。

 

※2016年1月4日 CATTLE BUYERS WEKKLY

 
ポーク関連ニュース

繁殖豚増加も先物価格は夏場に向け強気に

 
 

USDA(米国農務省)の最新報告によると、豚の総飼養頭数は、6829万9000頭、前年同月比0.8%増となった。事前のアナリストの平均予想は1.4%増。軽量級の生体豚が予想外に少ないことが要因で、50ポンド未満(4月下旬から5月の出荷予定)は1950万8000頭(前年同月比1.5%減)。微増が予想されていた50〜120ポンドも1728万2000頭(同0.1%減)と前年を下回った。

この発表以降、生体豚の先物取引価格は上昇に転じたが、報告の中で注目される数値の1つは繁殖豚の多さだ。アナリストは0.9%増と予想していたが、実際には1.1%増で、2008年の第4四半期以来最多となった。生産者は飼料コストの安さから繁殖豚を拡大しており、今後12〜18ヵ月間の出荷頭数と豚肉生産量が増加を続ける素地となる。

ただ、2015年12月〜2016年2月までの分娩頭数の予想は少ない。繁殖母豚数に対する12〜2月の分娩見込み頭数の割合は47.3%ときわめて低く、夏季に向けた先物取引を強気に転換させた要因となった。もし分娩頭数が増加すると、先物取引が示している夏場の強気展開は実現しないかも知れない。

分娩頭数の割合が低くても、一腹当たりの産子数の増加により、今春から夏場にかけての供給が大幅に増える可能性もある。9〜11月の産子数は10.53頭(前年同期比2.9%増)で空前の新記録となった。

報告書の全体的な傾向は、先物取引にとって強気材料が多いが、目下進行している繁殖頭数の拡大は、生体豚の供給が引き続き潤沢であることを意味する。繁殖豚と一腹当たりの産子数の増加、また記録的な枝肉重量から判断すると、2016年の豚肉供給は、週間と畜頭数で過去最高を記録した2015年レベルに匹敵し、それを上回る可能性もある。いずれにしろ、2016年は豚肉価格の上昇はかなり緩やかなものとなろう。

 

※2015年12月28日 Pork Profit Maximizer

   
 

冷凍豚肉在庫の消化進む、モモは半減

 
 

11月末の豚肉在庫は5億6190万ポンド(前年同月比14%増)で、過去5年間平均比では9.7%増となった。ただし前月比では6.9%の減少で、このところの週間と畜頭数が240万頭以上であることを考えると、この時期としては通常より消化量が多い。通常10月末から11月にかけての減少はおよそ4%減である。

10月の在庫量も前月比で7.9%減少しており、2カ月連続の大幅減となった。特にモモの在庫は前月比44.5%減とほぼ半減し、過去5年平均比ではわずか7.8%増の水準となった。1〜2月にモモの価格が長期低迷から脱却するためには、11月の在庫消化が必須条件だっただけに、モモの価格はこの先持ち直すかも知れない。

ただ鶏肉の供給が依然として多く、これが食肉価格全体を引きずり続けることになりそうだ。鶏肉の冷凍在庫は計8億8230万ポンド(同26.6%増)、過去5年平均比でも27.9%増と多い。

 

※2015年12月28日 Pork Profit Maximizer

  豚肉の在庫量の推移
 
業界ニュース

日本企業がオーロラパッキングを買収

 
 

日本のエスフーズ社は、米国の食肉加工会社・オーロラパッキングカンパニー(イリノイ州ノースオーロラ)を買収した。オーロラ社は1939年の創業で、牛肉の加工能力では全米21位。1日当たりの加工能力は630頭で、2014年の年間処理頭数は13万2000頭、売上高は2億9000万ドル。エスフーズ社はネブラスカ州で1990年に創業したフリモントビーフカンパニー(FBC)のオーナー企業でもあり、米国への和牛輸出も行っている。

 

※2016年1月4日 CATTLE BUYERS WEKKLY
編集部注釈:オーロラ社を買収、100%子会社としたのはエスフーズの米国子会社であるSFA INCです。

 
リテール

小売業の食肉販売における2016年の展望

 
 

小売業の販売動向の大部分が季節的な変化で決まるにもかかわらず、近年ではこれまでに経験したことのないような気候や家畜の疾病、予想外の消費傾向や卸売業界での変化が、小売業の食肉販売に影響を与えてきた。2016年の小売業界において、考慮すべき要因を見てみよう。

【消費傾向】

2015年、食肉の価格は多くの品目で前年を下回って推移しため、需要はまずまずだったが、食肉間(牛肉、豚肉、家きん肉)の競合が激しくなった。この傾向は2016年も続く見込みだ。

2015年も、タンパク質は食事の主力商品であり続けた。2016年もパレオ・ダイエットのようなタンパク質を豊富に摂るダイエットの伸びが予想され、食肉の需要増にも繋がるだろう。

また消費者の間では、農場から食卓までの透明性を求める傾向が強まっており、より多くの情報を欲している。すぐに入手可能な仕組みで情報を提供する必要性は、食品業界の各分野、特に小売とフードサービスで強まっていくだろう。

オンラインサービス、モバイル機能の増加、自宅への宅配など、小売業界での利便性への対応は進んでいる。加えて、伝統的な小売業にとって有効なのは、近年の成長分野である軽食部門の強化である。フードサービスやCVSから消費者を取り戻すために、素早く手軽なランチやディナーを店頭で提供することだ。調理済み食品、ビュッフェ、デリなどの人気が高まるだろう。

【牛肉】

牛肉卸売価格は前年比20%近くダウンした。牛肉価格は2015年8月中旬から急降 下を始め、以来その傾向が続いている。牛肉の小売価格はこのところ前年比約7%減で推移しており、2015年9月中旬以降はほぼ2014年の実績を下回っている。

2015年第4四半期の牛肉価格は、供給増と輸出の低調により下落した。最新予測では、2016年の牛肉供給は引き続き拡大基調が予想されており、輸出の改善がなければ2016年の牛肉小売価格は右肩下がりとなるだろう。

【豚肉】

2015年、豚肉の生産量は記録的に多く、卸売価格はここ数年間の底値に沿う水準で推移した。2015年第4四半期の週当たりの豚肉生産量は、過去最高を記録した。潤沢な生体豚の供給、枝肉重量の増加、そして輸出不振によって国内向けの豚肉供給量が増大した。これにより、小売業者は豚肉価格の安値に着目し、販促頻度と販売量が増加した結果、食肉間の競合が強まった。

豚肉の小売価格は、2015年春以降は概ね前年水準以下で推移し、消費者にとって魅力的な価格で提供されている。比較対象となる多くの豚肉品目が、鶏肉の価格を下回る水準で売り出されることも多かった。2016年を通して、もし生産量が前年を上回るなら、卸売価格はここ数年間の底値付近で推移する可能性がある。その結果、豚肉は食肉売場で競合する他の食肉の価格に比べて、依然として優位な位置にあり続けるかも知れない。

 

※2016年1月4日 FOODMAERKET.Com

 
USMEFインフォメーション

焼肉ビジネスフェア(1月20〜21日)に出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月20〜21日に東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館で開催される「焼肉ビジネスフェア2016」に出展します。

「焼肉ガイドブック」はじめ「アメリカンBBQガイドブック」「ショートプレート活用術」や「ポークバイヤーズガイド」など各種ガイドブックの配布とともに、USMEFの推奨部位、メニューの展示や実演調理を交えた試食などを通じて、アメリカン・ビーフ、ポークの焼肉商材としての活用アイデアを提案します。

試食は以下を予定していますので、同フェアにご来場の際は是非ともUSMEFブース(小間番号TD-23)にお立ち寄り下さい。

【ビーフ】

カルビ焼肉(ショートプレート・カルビアイプレート)、ユッケジャン(ショートプレート・プレートエクステンション)、ザブトン焼肉(チャックアイロール・チャックフラップ)、プルコギ(チャックアイロール・リーンキュービング)。

【ポーク】

肩ロース焼肉(CTバット)、サムギョプサル(シングルリブベリー)。

   
 

山庄司岳道をジャパン・ディレクターに任命

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF、フィリップ・セング会長兼CEO)は2016年1月1日付けで、山庄司岳道(やましょうじ たけみち)をジャパン・ディレクターとして任命いたしましたことをご報告いたします。

山庄司は平成11年以来、シニアマーケティングディレクターとしてトレード向け広報・販促活動に幅広く貢献し、国内外共に高く評価されております。日本市場において、米国食肉業界がさらに発展していくために同氏のリーダーシップは不可欠と期待するところであります。

就任にあたり同氏は次のようにコメントしています。「米国食肉業界の発展に力を注ぐとともに、日本の業界および消費者の皆様のご期待に添うべく鋭意努力する所存でございます」。

今後とも一層のご厚誼ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

   
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
   
 

ポーク・ファクト・シート