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TRADER'S Be & Po

vol.256 Nov.24.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格、先物の急落で現金取引も下落
生体豚価格が急落、先物とベリーの暴落で
業界ニュース JBS.USA社がカーギル社ポーク部門の買収を完了
消費トレンド ドライ、セミドライソーセージの消費が増加
リテイル 牛肉の販促少ない、感謝祭や豚肉強化月間で
10月の小売価格、牛肉はわずかに値下がり
USMEFインフォメーション 「バレンタインは、アメリカン・ビーフシチュー」プロモーション
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2015年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、カットアウト価格ともに反発へ

 
 

生体牛は先物価格が弱気に転じたことから、現金取引価格もこれに引きずられて値下がりした。10月第3週の主要5州の生体牛価格は、平均で100ポンド当たり136.22ドル、枝肉価格は209.88ドル。それぞれ前週比0.84ドル、1.39ドルの値上がりだったが、先物価格の急落により、肥育業者は安値を受け入れざるを得なくなった。コーンベルト地帯では、トウモロコシの収穫を終えた肥育業者が出荷頭数を増やすとの予測から、枝肉価格は2ドル安と予想されていたが、結果的には4〜5ドル低下した。アイオワでは7700頭が枝肉205.68ドル、生体牛131ドルで取引された。ネブラスカは枝肉価格204〜206ドル、生体牛130ドルで前週から4〜6ドル低下した。

先物取引価格は、12月契約分が10月第4週に840ポイント下落して134.40ドルと、昨年10月6日(133.22ドル)以来の低価格となった。2月分は742ポイント、4月分も668ポイント下落。過去2カ月を見ると、9月1日の12月取引は143.62ドル、10月1日は130ドルと上下動をくり返している。

現金取引市場では重量級の肥育牛の出荷処分が終わり、今年残りの期間は出荷可能な牛の供給がタイトになるとの見通しがあるにもかかわらず、先物価格の影響で大幅に下落した。予想では、生体牛価格は少なくとも141〜142ドルまで上昇、年末に向けて150ドルを超えると見られていたが、アナリストは「今回の急落で、このような期待は吹き飛んだ。現金取引は130ドル台を抜けるのに苦戦するだろう」という。

 

※2015年11月9日 CATTLE BUYERS WEKKLY

 
 

生体豚価格が急落、先物とベリーの暴落で

 
 

生体豚の先物取引がここ数週間で下落し、現金取引市場でも生体豚価格と豚肉の卸売価格が下落した。10月第4週のアイオワ/ミネソタの枝肉価格は100ポンド当たり60.97ドルとなり、前週から2ドル安、前々週比では7.5ドル安となった。先物価格の下落に連動した下落だが、季節的なトレンドでみると、過去5年平均と極めて近い傾向を示しており、11月中旬にはもう少し下がる可能性がある。

10月最終週の週間と畜頭数は225万3000頭、前週比2.6%減。予想された236万5000頭よりはるかに低い。と畜頭数が少ない中での生体価格の下落は、豚肉製品の価格低下が要因。市場関係者を驚かせた最大の値下げ圧力は、ベリーの急落だ。ベリーは2日間で100ポンド当たり27ドルも下落した。かつてない大幅な下落だ。

ただ、視点を変えると、ベリーは夏季のほとんどの期間、生体豚価格と比較して劇的に高かった。ベリー130ドル、生体豚62ドル、価格比2.17をベースに考えると、ベリーの値下がりは生体豚の急激な価格修正と一致している。ベリーの下落を需要の落ち込みと判断するのは早計だ。向こう3ヶ月間のベリー価格の推移が生体豚価格に大きな影響を与えるだろう。

ベリーの需要が本当に弱ったならば、価格比は2.0に近くに下がり、11月末までに120ドルになるだろう。フードサービスでのベリーの需要は堅調であり、仕入行動を変えるまでには時間がかかるため、これ以上価格が続落することはないと予想されるが、先行きベリーとモモの価格推移が注視される。

 

※2015年11月2日 NPB Pork Marchndiser’s Profit Maximizer

 
業界ニュース

JBS.USA社がカーギル社ポーク部門の買収を完了

 
 

JBS USA社は6月末に発表したカーギル社の豚肉部門の買収について、司法省を含む調整当局からの承認を得た。これにより、JBSのポーク部門は処理能力で全米第2位となる。5工場合計の1日当たり処理能力は9万頭。JBSとカーギル社の豚肉部門の売上高は、単純合計で63億8700万ドルとなる。今回の買収には、アイオワ州オタムワとイリノイ州ベアーズタウンの2つの豚肉工場、アーカンソー、アイオワ、ミズーリ、テキサス州の5つの飼料製造工場、そしてアーカンソー、オクラホマ、テキサス州の4つの養豚農場が含まれている。

 

※2015年11月9日 CATTLE BUYERS WEKKLY

 
消費トレンド

ドライ、セミドライソーセージの消費が増加

 
 

ドライソーセージ、セミドライソーセージカテゴリーの中で最も一般的な製品であるペパロニとサラミは、北米市場におけるソーセージ消費の2ケタ台成長をけん引している。これは最近出版されたe-bookのドライ・セミドライソーセージ製品についての調査で明らかになった。

米国内のペパロニ、カナダのペパレッツの成長に加え、固いイタリアサラミのジェノアのような他のドライソーセージや、サマーソーセージのようなセミドライ製品、スナック・スティックが近年、好調な売上を続けている。ロンドンの市場調査会社・Canadean社によると、このカテゴリーの市場規模は2018年にはおよそ190億ドルに達する見込みである。10年前の規模はおよそ160億ドルだった。

サンフランシスコに拠点を置くコロンブスサラミは近年、2800万ドル規模で自社の処理施設の拡大に着手し、顧客の拡大と、クラブチャンネル向けのバラエティパックや増量サイズを含む製品ラインの国内流通基盤の広がりにより、そのキュアードミート(塩漬肉)ビジネスはまさに「毎年2ケタ台の成長」を続けている。

北米のいくつかの小規模処理業者では、近年サマーソーセージの売上が好調だ。特にホリデーシーズンに行われた通信販売の販促や、ワインストアでの売れ行きが良い。サンフランシスコに拠点を置くガロサラミが売上を伸ばし続けているのはスナック類だ。シカゴの調査会社によれば、サラミ・カテゴリーは全体で売上高が伸びており、中でもドライサラミが最も高い伸びをみせている。ドライ・セミドライソーセージの成功は、米国のランチョンミート・カテゴリー全体の落ち込みと対照している。2013年の報告では、ランチョンミート・カテゴリーの売上規模は126億ドルで、2007ー2012年で8%しか伸びておらず、物価上昇率を勘案すれば2%減となる。

 

※2015年11月13日 Meatingplace.com

 
リテイル

牛肉の販促少ない、感謝祭や豚肉強化月間で

 
 

生体牛価格と牛肉の卸売価格は、サンクスギビングデー(感謝祭、11月の第3木曜日)を前に弱含みとなった。例年、感謝祭の2週間前から小売の販促がターキー主体になるためだ。ターキーは小売でポンド当たり0.69ドルという低価格で積極的な販促が行われ始めている。

短期間とはいえ、牛肉はこの価格帯では競合できず、主力商材の牛ひき肉が高値だったこともあり、ほとんど販促に取り上げられていない。このため、9月下旬から10月第3週まで100ポンド当たり280ドル〜303ドルで取引されていた90CL(赤身率90%のひき材)は52.40ドルも急落し、10月第4週には223.69ドルとなった。これは前年同週比24.4%安、昨年2月22日の週以来の最低水準だ。

第4四半期は牛肉以外の食肉の供給が増加し、競合が厳しくなっている。9月の豚肉の小売価格は平均で3.92ドル(前年同月比7.1%安)、鶏肉1.95ドル(同1.0%安)に対して、牛肉は6.8ドル(同2.9%高)。10月は豚肉産業が全米豚肉月間として積極的な販促活動を展開しており、価格はさらに低下するだろう。

祝日後から12月中旬までは、リブの価格次第で牛肉の卸売価格が上昇するとの見方もある。リブローストのクリスマス需要が期待できるからだ。しかし、リブや他のミドルミートは依然として高値にあり、さらに今年は枝肉重量が記録的な重さを続けていることから、ライトリブが非常に不足している。小売業者は無理して牛肉を特売しても利益を確保できないことから、販促には慎重になっている。

 

※2015年11月9日 CATTLE BUYERS WEKKLY

 
 

10月の小売価格、牛肉はわずかに値下がり

 
 

USDA(米国農務省)が11月17日に公表した食肉の主要カットの小売価格をみると、牛肉では季節需要が強まるチャックローストを除くと、全体的にわずかに低下。豚肉はベーコンがわずかに値上がり、そのほかはほぼ前月並となった。

  ビーフ、ポークの主要カット別小売価格の推移
 
USMEFインフォメーション

「バレンタインは、アメリカン・ビーフシチュー」プロモーション

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は2016年1月〜2月に「バレンタインは、アメリカン・ビーフシチュー」プロモーションを実施します。USMEFが行ったバレンタインに関する意識調査(20〜49歳の既婚/未婚のパートナーのいる男女420名)によると、バレンタインデートは、自宅でゆっくり過ごす「おうちバレンタイン」派が63.3%を占め、そのうち、女性がつくってあげたいレシピの第1位は「ビーフシチュー」です。

こうした調査結果を踏まえて、かんたんで失敗しない「アメリカン・ビーフシチュー」レシピを開発し、手書き風POPを制作、配布しますので、店頭の活性化にご活用下さい。資材発送は12月21日(月)以降となります。申込みは所定の申込書でUSMEF事務局・菱沼 chishinuma@usmef-ja.org まで。

 
「アメリカン・ビーフシチュー」レシピ手書き風POP
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート