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TRADER'S Be & Po

vol.254 Oct.26.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、カットアウト価格ともに反発へ
輸出動向 8月の食肉輸出、ドル高と需要変化で不調
トピックス 雌牛の飼養頭数増加、高値更新の時代は終焉
ポーク関連ニュース 2016年の肥育豚供給は前年並み、価格は緩やかな上昇か
ワールドトレード 米国の豪州産牛肉輸入は2016年に減少へ
生産動向 10月のフィードロット飼養頭数前年並みか、出荷順調
USMEFインフォメーション 「ビーフといえば、アメリカン。」パワーアップキャンペーン
「アメリカン・ビーフでつくる、かんたんロースト・ビーフ」
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2015年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、カットアウト価格ともに反発へ

 
 

生体牛とボックスビーフの価格は、歴史的な暴落の後で反発に転じた。生体牛価格は10月第2週に7〜8ドル回復し、第3週も続伸。ボックスビーフ価格の反発は生体牛より遅れているが、カットアウト価格は10月12日から上昇し始めている。

現金取引価格の大幅な回復は、先物価格の上昇にも繋がった。先物の10月契約は、8日(木)の終値が131.17ドルまで上昇。10月第2週の平均価格(USDAの主要5州平均)は125.35ドル、前週比7.64ドル高。枝肉の平均価格は195.92ドル、同8.44ドル上昇した。一方で13日までの週間平均の枝肉重量は去勢牛924ポンド、未経産牛838ポンドで新記録を更新した。

アナリストは「平均重量は第3四半期から第4四半期にかけて13%の増加が予想される。第3四半期の週間最安値は120.14ドルであり、重量増加で135.75ドルと同等の収益が得られる。出荷が適正なら、12月に向けて供給が減少し、価格は上昇するだろう」という。カットアウトは8月中旬以降で初めて上昇に転じ、10月9日から15日にかけてチョイスは7.61ドル、セレクトは9.77ドル上昇した。

「チョイスが211.22ドルと当面の目標であった210ドルを超えたことで、次なる目標は223ドル」との見方もあるが、第4四半期の牛肉生産量は前年同期比1.3%増と予測され、8月中旬のレベルには届かないだろう。

 

※2015年10月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
輸出動向

8月の食肉輸出、ドル高と需要変化で不調

 
 

USDA発表の8月の食肉輸出量によると、豚肉の総輸出量は11万3976トン(前年同月比7.6%増)。前年比では増加しているが、2013年、2012年対比では10.5%減と落ち込んでいる(チャート参照)。例年ならば、と畜頭数が年間で最も多くなる今後6〜8週間で輸出は増加するが、今年は大きな例外がある。期待された中国への輸出が伸びず、2012年とは全く異なった様相を呈している。8月の中国向け輸出量は9729トンで、7月よりも約3000トン少ない。

牛肉の総輸出量(調理済み含む)は5万894トン(同23.2%減)。アジア向け輸出は苦戦が続いており、日本、香港向けがそれぞれ39%、56%の減少。

輸出業者によると、香港の低迷は①反収賄運動の強化によって香港と中国本土間のグレーな取引に大きな影響が出ている②中国の牛肉需要は依然とても強いが、ブラジル産牛肉の輸入解禁など米国よりも価格が安い南米へのアクセスを強めている。

メキシコ向けの米国牛肉輸出も苦戦し、8月は18%減少、1〜8月でも23%減少している。米国産の豚肉価格が急落したことで牛肉よりも豚モモ肉や豚くず肉に需要がシフトした。

 

※2015年10月5日 NPB Pork Merchandiser`s Profit Maximizer

  米国の豚肉輸出量の推移 米国の牛肉輸出量の推移
 
トピックス

雌牛の飼養頭数増加、高値更新の時代を終焉

 
 

近年、米国の牛肉産業では、雌牛の飼養頭数が過去62年間で最低レベルまで減少し、供給不足によってあらゆる高値記録を更新してきた。しかし2014年から2015年にかけて雌牛が440万頭ほど増加したと推定されることから、記録更新の時代は終わった。今後は子牛、素牛、肥育牛ともに価格が低下、2016〜2017年には大幅な下落が起こるかも知れない。

2016年の牛肉生産量は推定4.4%増、牛肉の卸売価格と小売価格は低下するだろう。安価な豚肉と鶏肉との競合で牛肉販売は苦戦してきたが、このところのカットアウト価格の大幅下落により、牛肉と豚肉のカットアウトの価格差は劇的に縮小した。カットアウトは多少なりとも反発の兆しを見せているが、長期的には豚肉と競合可能な価格帯へと進んでいくだろう。

2014年は、子牛の記録的なマージンと良好な牧草状況が雌牛の拡大開始を後押しした。全体の雌牛飼養頭数は2014年1月1日の8852万6000頭(1952年以来で最低)から、今年1月1日には8980万頭まで拡大。2016年1月1日には約9290万頭と、1年間で300万頭以上の増加が予想される。

子牛生産者は良好な収益を続けるだろうが、過去数年間よりも1頭当たりで500〜600ドル低下するだろう。肥育業者は肥育コストと生体牛価格を注視しながら、入れ替えコストのさらなる軽減を図る必要があろう。

 

※2015年10月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

2016年の肥育豚供給は前年並み、価格は緩やかな上昇か

 
 

USDAの最新レポートでは、2016年の生体豚供給は2015年とほぼ同水準で、豚肉価格は2015年よりゆるやかに上昇すると予想される。9月1日時点の豚飼養頭数は6839万5000頭(前年比3.7%増)で、2013年比では2.2%増。これは過去最高で、2008年9月1日の6819万6000頭をはるかに超える。

増加の要因は、肥育豚の増加と一腹当たりの生産性がPEDv以前の水準に回復していること。肥育豚は6241万頭(同3.9%増)で、出荷頭数も今年第4四半期から2016年の初めまでは前年を上回る見込み。10月後半から11月初めにかけての週間と畜数は240万頭、12月中旬までは230万頭と予想される。

生体豚価格はここ数週間で回復しているが、その一因はと畜頭数が初期の想定ほど多くなかったことだ。季節的な供給増によって、10月後半と11月は例年と同じく価格が低下するだろう。

9-11月の分娩見込み頭数は、やや低めの292万頭(前年同期比2.5%減)。現時点で先物は2月68ドル、4月は72ドルを付けているが、分娩頭数、子豚生産頭数の予想が上方修正されると、値下げ圧力となるだろう。

9月1日時点の繁殖頭数は598万6000頭(同1.1%増)。レポート発表前、アナリストは生産者が肥育豚の供給回復以前に繁殖豚の増頭を決断したことの表れであり、また生体豚価格の安値にもかかわらず、飼料とエネルギーコストの値下がりが損益分岐点を下げる手助けとなり、利益が確保できている生産者がいることを示している。

繁殖豚の増加に加えて、一腹当たりの産子数も回復している。6〜8月の一腹当り平均産子数は10.39頭(同2.3%増)。このため、分娩母豚数が減少しても子豚生産頭数の増加に繋がっている。

 

※2015年10月5日 NPB Pork Merchandiser`s Profit Maximizer

  米国の豚と畜頭数と子豚生産頭数の前年比増減(4半期毎)
 
ワールドトレード

米国の豪州産牛肉輸入は2016年に減少へ

 
 

米国の牛肉輸入量は2015年1〜7月で32.5%増と、2014年の31%増に引き続き増加している。2014年の総輸入量は2007年以来の最高水準で、このペースで行けば、2015年には新記録を更新する可能性がある。

牛肉輸入量の増加要因は、①米国の牛肉価格の記録的高値②牛肉生産量の減少(特に加工用牛肉の不足)③ドル高が輸入を促進した―など。だが、米国の市場状況と対米国輸出国の変化を見ると、牛肉輸入量は2015年後半から2016年にかけて減少しそうだ。

2014年は米国の牛肉生産量が減少し、豪州からの牛肉輸入が劇的に増加する状況を作った。豪州では2012年から主要生産地域が干ばつによる深刻な影響を受けており、これがと畜頭数と牛肉生産量の増加となって生体牛と牛肉の輸出を増加させた。

豪州の2014年のと畜頭数は991万頭で、過去35年間で最高。生体牛輸出(主にインドネシア、ベトナム、中国向け)は130万頭に及び、牛肉生産と輸出のいずれも新記録を更新しが、この生産力は継続しそうにない。2016年の豪州の牛飼養頭数は2630万頭、2014年に比較して10%以上減少する見込みだ。これは1995年以来の最低水準となる。牛飼養頭数の減少は、2016年のと畜頭数、牛肉生産量、輸出量の全てが確実に減少することを示している。

米国の2014年の豪州からの牛肉輸入量は74%増加。豪州の輸出量の30%を占め、それまで最大の輸出先国であった日本を上回った。この傾向は2015年も続いている。だが、米国の豪州産牛肉の輸入は、2015年後半から2016年にかけて減少すると予想される。豪州の牛肉生産と輸出は2014年をピークとして2015年から減少に転じ、2016年はさらに減少する。牧草状態の改善の兆候があり、と畜頭数は安定するだろうが、飼養頭数はすぐには増加しそうにはない。

一方で、米国の牛肉生産は拡大期に入った。豪州ドルに対する米ドルの強さは豪州産牛肉の輸入の支えになるが、米国の牛肉価格も2016年には低下する見込み。2015年も残りの期間は輸入割当枠との関連もあり、豪州からの輸入は低下するだろう。

 

※2015年10月19日 Meating.com
by Derrell Peel, Oklahoma State University Extension Livestock Marketing Specialist

 
生産動向

10月のフィードロット飼養頭数前年並みか、出荷順調

 
 

9月の肥育牛出荷が順調であったことから、10月1日現在のフィードロット飼養頭は前年並みから2%増と予想される。アナリストの予測によれば、出荷頭数は依然前年を下回っているが、減少率の差は3%ほど。問題は9月の導入頭数で、予想では91.2〜104.4%と幅がある。今夏は長く牧草地にいた牛が多く、10月の導入素牛は重量の重いもの(800ポンド以上)に偏るかもしれない。

アナリストは、フィードロット以外にいる肥育素牛と子牛の頭数は10月1日時点で前年より90万9000頭多いと予想する。この大半は繁殖待ちの未経産牛だろう。肥育牛の収益低下と放牧地の良好な牧草状態により、フィードロット外の素牛と子牛は増加している。

 

※2015年10月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「ビーフといえば、アメリカン。」パワーアップキャンペーン
「アメリカン・ビーフでつくる、かんたんロースト・ビーフ」

 
 

USMEF(米国食肉輸出連合会)は11月1日〜12月31日まで、2015年冬アメリカン・ビーフプロモーションとして①「ビーフといえば、アメリカン」パワーアップキャンペーン②「アメリカン・ビーフでつくる、かんたんロースト・ビーフ」プロモーションを展開します。

「ビーフといえば、アメリカン。」パワーアップキャンペーンは現在実施中の毎月200人にアメリカン・ビーフが当たるキャンペーンに加え、11、12月はロースト・ビーフ用リブアイロール(700g)が毎月300人に当るクローズドキャンペーンを追加し、既存との合計で毎月500人、2カ月で1000人に景品をプレゼントします

メディア展開については11月と12月の上中旬に2つの山場を設け、新たなショートムービーを電車内ビジョン、テレビスポットCMを放映。駅貼りポスターや新聞、雑誌に広告を掲出します。

ロースト・ビーフのプロモーションでは、人気レストラン「マルディ・グラ」の和知徹シェフの協力により、ご家庭のフライパンでできる、かんたんロースト・ビーフのレシピを開発。手書き風POPを作成配布するとともに、USMEFのWebで「ローストビーフ アレンジ・レシピ」のサイトを設けて普及を図ります。

アメリカン・ビーフのロースト・ビーフが「もっとおいしくなる」シーズニングも用意し、冬の牛肉需要期に向けて、このシーズンにぴったりのロースト・ビーフを訴求することで店頭の活性化をサポートします。

各種POSツールの送付は10月23日からを予定しています。詳細はUSMEFのWebをご参照下さい。

 
キャンペーンビジュアル 4連バナー(W350×H265mm)※1枚当たり
テーブルスカート(W600×H600mm)※1枚当たり
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Webアレンジレシピ集 手書き風POP
   
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート