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TRADER'S Be & Po

vol.253 Oct.13 2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、カットアウト暴落、大型牛の出荷増で
ポーク関連ニュース カットアウト、先物価格ともに上昇
業界ニュース 肥育業者の損失拡大、2012年7月以来で最悪
販売動向 牛肉需要弱まる―3大祝日後の価格下落が顕著
生産動向 フィードロットの導入と出荷は過去最低
USMEFインフォメーション 10月30日から「ごちパ」店頭キャンペーン展開
アメリカン・ポークとワインのパーティセット
マーケット・データ 生体牛・豚価格、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2015年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、カットアウト暴落、大型牛の出荷増で

 
 

8月から9月にかけて肥育牛の価格が急落し、懸念されていた値崩れが現実のものとなった。生体牛の現金市取引価格(100ポンド当り)は8月第1週に比べ、22ドル以上も値下がり。チョイスのカットアウト価格(同)は8月26日から29ドル以上の値下がりとなった。

今回の急落はアナリストたちの予想をはるかに上回る衝撃的なものだ。最も低い予想でも生体牛は140ドル以上、カットアウトは230ドルを維持するとみられていた。それが9月第3週に生体牛は134.94ドル、第4週にはさらに5〜7ドル下落。カットアウト価格は212.63ドル(主要5州の去勢牛平均)まで急落した。生体牛は127ドル、カットアウトは210〜212ドルを維持できるどうかも危ぶまれる状況だ。

例年、9月の生体牛価格は8月を上回るため、この事態にアナリストは困惑している。8月の生体牛価格は4週間の単純平均で148.45ドル。9月1〜3週の平均は138.62ドルで、第4週はこれより3〜4ドル低かった。近年で、8月より9月の価格が安いのは2004年と2008年だけ。アナリストは「生産者にとってベストのシナリオは西カンザスの127ドルが価格の下支えとなり、8月の最高値(第1週の151.13ドル)まで市況が回復することだか、9月初旬から始まった在庫一掃の動きはまだ一巡していない。もう数週間にわたりこのプロセスは継続しそうだ」という。

生体牛の現金価格が続落している要因は、去勢牛の枝肉重量が過去最高水準にあり、未経産牛の重量も極端に重い中で、牛肉需要が弱まっていることだ。9月第2週の去勢牛の平均枝肉重量は919ポンドと過去最高を更新。未経産牛も826ポンドと過去最高よりわずか4ポンド軽いだけだ。これは前年同期比でそれぞれ30ポンド増、22ポンド増。去勢牛の重量は今後8週間でさらに重くなる可能性がある。

枝肉は重量が増大しているだけでなく、背脂肪が昨年よりもはるかに厚い。このため歩留まり等級Y4またはY5の格付頭数数が顕著に増加しており、これが50CL(機械測定赤身率50%のひき材)の価格が暴落した要因。これらのヘビー級の牛は大幅に値引きされつつあり、一部のパッカーは最大級の牛はと畜フロアの床を引きずるため、扱うことができないという。

大きな疑問は、これらの牛がいつまでに消化され、再び供給がタイトな状況に戻るかだが、一部のパッカーは「現在の大型の牛が消化されれば、供給はかなりタイトになり、価格は11月初旬までに150ドルに戻るだろう」と予想する。

 

※2015年9月29日 CATTEL BUYERS WEEKLY

  チョイスビーフカットアウトの推移(週間)
 
ポーク関連ニュース

カットアウト、先物価格ともに上昇

 
 

生体豚市場はこの数週間、上昇傾向にあり、カットアウト価格も当初の予想を上回っている。今秋の需要が季節的なと畜頭数の急上昇を支えるのに充分であろうとの予想が強まりだした。期近(10月)の先物取引も100ポンド当り71.05ドルで6月初旬以来の最高ポイントをつけ、7月中旬に予想されていた生体豚価格50ドル半ばの予想は完全に消え去った―。

生体豚の先物価格が上昇したのは、現金取引価格の上昇を受けてのことだ。アイオワ、ミネソタの枝肉価格は9月18日に、100ポンド当り68.75ドルと前週より1.70ドル上昇した。それ以前は供給増により値下がりが続くと予想されていた。

生体豚市場の先行きに影響を与えそうことはモモとバラの需要だ。モモの価格は100ポンド当り56.37ドルで、月初めに比べて約14ドル安い。9月にモモの価格が落ち込むことは珍しいことではないが、在庫量が多いこと、またこれまで好調だったバラの需要が季節的に低下することを考慮すると、重量構成で約4分の1を占めるモモの回復が重要なポイントだろう。

バラ肉の小売需要はこれから11月に向けて落ち込む。カギを握るのはフードサービスにおける需要で、とりわけ大半が米国内で消費されるベーコンの需要だ。バラの価格が9月に入っても比較的堅調な理由の一つは、マクドナルドが朝食メニューを終日実施していることだともいわれる。

ただ、バラの堅調な需要は今春の極端な安値で需要が開発されたとの見方もある。当時、フードサービス経営者はベーコンの売り込みを増加させるチャンスだと捉えた。秋になればと畜頭数が大幅に増加に反し、バラの需要は季節的に落ち込むことを予測したからだ。結果的にバラの需要が急増し、枝肉価格に対するバラの評価割合は劇的に上昇した。しかし、バラの売り込みは永遠には続かない。ひとたび波が去れば、大量のバラ肉が 余ることになる。

輸出需要もまた不安定要因の一つだ。中国からの大量購買の話題は沈静化したが、第4四半期に復活するかも知れない。もしそうなれば12月の先物取引にはプレミアがつく。輸出の回復がなければカットアウト価格は現状の70ドル台前半が12月先物価格の1つの目安となるだろう。

 

※2015年9月21日 NPB Pork Profit Maximizer

  2012〜2015年の豚枝肉とカットアウト価格の推移 毎日の価格、豚枝肉はアイオワ、ミネソタの平均、先物は9月17日の終値
 
業界ニュース

肥育業者の損失拡大、2012年7月以来で最悪

 
 

肥育牛ビジネスはこの1年間で激変した。1年前、肥育業者は好調に利益を確保し、資産を蓄積してきた。しかし、現状は1頭当りで350ドルもの損失となり、蓄積してきた利益が枯渇しかねない状態だ。家畜取引情報センター(LMIC)によると、現在の1頭当たりの損益は、300ドル以上の損失を出した2月よりもさらに悪化している。

同センターのジム・ロブ氏は「8月のロスは2012年7月以来で最悪。9月はさらに50ドル程度膨らむ見込みだ。現状の損益分岐点が170ドル周辺であるため、この大幅な損失は今後も数週間は続きそうだ。8月第1週からの生体牛の現金取引価格は15%低下したが、これはUSDAが主要5州の取引情報を初めた1990年以来で最大の値下がり」という。

ロブ氏によると「今年は今までになかった別のパターンが起こっている。肥育業者は毎 月800ポンド以上の素牛を導入する一方では軽量のホルスタインも多く導入されてきた。1〜8月までにこれらの区分の導入数は前年同期より35万頭以上も多い。牛肉供給全体の20%がホルスタインの肥育牛によるものだ」という。9月1日現在のフィードロット飼養頭数に占めるホルスタインの頭数は150万頭と推測され、前年同期比よりも15万頭増。2年前に比べると25万頭増となり、全体の肥育頭数の15%に達している。

 

※2015年9月29日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
販売動向

牛肉需要弱まる―3大祝日後の価格下落が顕著

 
 

牛肉需要は前年より落ち込んでいるが、一部には「まだ需要は良好だ」との見方もある。しかし、牛肉拡販の好機である3大祝祭日に起こったことを分析すると、その見方が誤りでるとことがわかる。メモリアル・デー(戦没将兵記念日、5月25日)、インデペンデント・デー(独立記念日、7月4日)、レイバー・デー(9月7日)の週間の牛肉販売はいずれも不調であり、いずれの週でもボックスビーフ価格が暴落した。

アナリストは「同様のパターンが3度繰り返されたことは興味深い。これら祝祭日の牛肉販売が牛肉の価値に反映されるが、今年は安価な豚肉と鶏肉との競合により、牛肉の販売が思わしくないことが明らかだ。とくに、レイバー・デー以降、他の2つの祝祭日よりさらにボックスビーフ価格が下落したことはきわめて深刻だ」という。

祝祭日前後のカットアウト価格の値動きをみると、牛肉需要の弱まりはメモリアル・デーから進行していることを裏付ける。メモリアル・デー後のチョイスのカットアウト価格は、5月26日から6月12日にかけ100ポンド当りで15.35ドル下落した。これは5月19日の最高値265.59ドルから19.87ドルの値下がり。独立記念日以降のカットアウト価格は、7月6日から7月28日の間に15.50ドル下落。6月24日に比べ23.97ドル安。レイバー・デー後のカットアウト価格は9月8日から17日にかけて24.31ドル下落し、8月26日に比較すると29.39ドル安い。

一方で、50CL(赤身率50%の牛ひき材)の価格は過去3年間で最低レベルまで落ち込んでいる。9月第2週の平均価格は50.55ドル。これは2012年8月第3週以来で最低価格。9月第3週の平均はさらに5ドル低下した。50CLの週間平均の高値は昨年3月第3週の159.08ドル。つまり、現在の50CL価格は当時のわずか28%、前年同期比でも42%と半値以下である。

 

※2015年9月29日CATTEL BUYERS WEEKLY

 
生産動向

フィードロットの導入と出荷は過去最低

 
 

フィードロット(収容能力1000頭以上)の8月の素牛導入頭数は163万2000頭(前年同月比5.4%減)で、USDAが公表を開始した1996年以降で最も低い水準となった。しかし、出荷頭数も158万8000頭(同6.1%減)とデータ公表後で最も少ない頭数となり、結果的に9月1日現在の総飼養頭数は998万6000頭(同2.7%増)と前月よりも増加した。

肥育頭数が最も多いのはテキサス245万頭(前年と増減なし)。次いでネブラスカ220万頭(同4.3%増)、カンザス195万頭(増減なし)。カリフォルニア、アイダホ、アイオワ、ミネソタなどで導入頭数が前年同月を上回り、導入頭数が減少したのはアリゾナ州のみ。

重量別の内訳では、前年より増加したのは800ポンド以上だけ。800ポンド以上は66万頭(前年同月比3.9%増)で前年より2万5000頭増加。700ポンド以下は12.2%減、8万5000頭の減少で、うち700〜799ポンドは8.4%減、3万3000頭の減少。アイダホ、オクラホマ、ワシントン州では出荷頭数が前年を上回ったが、テキサスは13.3%減と大幅に減少した。

USDAレポートによると、9月1日時点で出荷可能もしくは出荷間近(肥育期間120日 以上)の牛は前年より18%多く、重量も重い。春から夏にかけてのと畜頭数が低レベルで推移したことで、フィードロットに保留された牛が多い。肥育業者が今、積極的に出荷しなければ、先行きさらに安くなる危険がある。

 

※2015年9月29日CATTEL BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

10月30日から「ごちパ」店頭キャンペーン展開
アメリカン・ポークとワインのパーティセット

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は10月30日〜12月31日まで、ごちポと肉専用黒ワインでパーティしよう!「ごちパ」店頭キャンペーンを展開します。11月から年末にかけての様々なイベントやパーティーシーンに照準を合わせたプレゼントキャンペーンで、期間中いつからでも参加できます。

店頭キャンペーンの仕組みは、商品にキャンペーンステッカー「ごちクジ」を添付していただくだけで、購入者がステッカー裏面に記載されたシリアルコードをスマホなどで入力すると、その場で当たりがわかるクロースドキャンペーンです。抽選で計300名に賞品=アメリカン・ポーク(1kg)と肉専用黒ワイン「カーニヴォ」のパーティセット=をプレゼントします。

キャンペーンのフックとして、クックパッドで「殿堂入りレシピ」となった「120℃かんたんロースト」をご紹介する店頭販促ツールも活用いただけます。また新たにアメリカン・ポークヒレ肉でつくるごちそうレシピ「豚ヒレ肉の120℃かんたんロースト」の販促ツールも作成配布します(10月26日以降出荷)。

さらに、アメリカン・ポークのバラかたまり、肩ロースかたまりの提案用に「ごちポのガリバーソース」(小袋)もタレメーカーと共同開発しました。食欲をそそるガーリックと香り立つバターの風味が絶妙で、バラや肩ロースとの相性がピッタリ!です。

ホームページでは10月26日から12月31日まで、どなたでも参加でき、毎日賞品が当たるプレゼント企画「ごちポのスロットン」も実施します。期間中、アメリカン・ポーク(1kg)を200名、トートンバックを1万名にプレゼントします。インターネットメディアを中心に新聞、交通広告なども実施し、店頭販売をサポートします。

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マーケット・データ

 
 
 
   
 

ポーク・ファクト・シート