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TRADER'S Be & Po

vol.250 Aug.17.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、カットアウト価格ともに今夏の底値か
ポーク関連ニュース 第4四半期の出荷増で生体豚市況は波乱含み
ワールドトレード 中国の豚飼養頭数減少、世界の豚肉貿易が加熱か
生産動向 牛総飼養頭数2.2%増、フィードロット頭数1.9%増
需給トレンド 7月第4週、カットアウトは豚肉小幅上昇、牛肉低下
6月の在庫、豚肉は過去最高、牛肉30%増
フードサービス フルサービスのステーキレストラン好調
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2015年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、カットアウト価格ともに今夏の底値か

 
 

生体牛の現金価格と牛肉のカットアウト価格は、いずれも当初の予想より低水準で推移し、今夏の底値となりつつあるようだ。アナリストの多くは、今夏の生体牛価格は週間最安値147〜148ドル(100ポンド当たり)と予想していたが、実際の価格は7月第4週にこの予想を下回った。

USDA発表による主要5州の生体牛価格は145.48ドル、枝肉価格は231.95ドル。それぞれ前週の147.96ドル、235.20ドルから下落した。生体牛の先物取引は依然として、今年後半の回復には極端に慎重だ。

多くのアナリストが、現金取引価格の第4四半期の底値は153ドルを割らないだろうと予想している。USDAの予想も155〜167ドルの範囲。にも関わらず、先物価格は7月30日の取引で10月契約分が146.45ドル、12月は148.12ドルと安いままだ。

7月第4週の145.48ドルを今夏の底値とすると、春季の最高値(4月第1週の167.57ドル)からの下落率は13.2%、22.09ドル。この下落幅は平年並みだ。しかし昨年は季節的な傾向に反して、春から夏にかけて価格が上昇した。

春季の最高値は3月最終週の152.21ドル。5月最終週までに8ドル近く下落し、7月最終週には163.25ドルへと反発。その後4週間続落し、10ドルも値下がり。10月11日から反騰に転じ、5週間連続上昇して11月末に最高値(171.38ドル)を更新した。

アナリストは「今年は肥育牛の出荷が前年より多く、また豚の出荷頭数が大幅に増加することから、前年のような乱高下は起こらない。パッカーは8月に6、7月より販売量を増加させる見込みで、現金取引価格は8月を通して5ドルほど回復するかも知れない」と予想する。

 

※2015年8月3日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

第4四半期の出荷増で生体豚市況は波乱含み

 
 

と畜頭数の増加や第4四半期の大幅な供給増を見込んで、生体豚の先物価格が急落している。USDAの最新報告では、7月1日現在の繁殖母豚数は予想より少なく、9〜11月の分娩頭数も当初の予想より少なくなる。

と畜頭数の多さに加え、枝肉重量も増加傾向にある。通常、夏季には生体重量は減少するが、今年は主要産地の気候が比較的涼しく、7月第2週の枝肉重量は211ポンドと前週の210.5ポンドを上回った。

今年後半の豚価を予想する上で、現在のと畜頭数および価格推移を2012年と比較することが必要だ。今年の第4四半期のと畜頭数は、3000万頭を上回ると予想されているが、過去にこれが起こったのは2012年だからだ。現在のと畜頭数と生体重量は2012年レベルを若干上回り、価格もそれに釣り合っている。

週間のと畜頭数は、現金取引価格が急落した3月に230万頭に近づいた。最終的に今年の週間と畜頭数は240万頭に近づくと予想しているが、これは通常の処理能力の範囲内だ。週間と畜数が240万頭を超えるのを避けるため、生産者は晩夏から秋口に出荷を増やすとの見方もある。

2012年にも同様のことが起こり、結果的に9月の生体豚価格は値下がりし、その後の3カ月間で回復した。今年と2012年で異なる点は、枝肉重量が2012年よりもずっと重いことだ。それがカットアウト価格の上昇を抑える要因となっている。

10月・12月の先物価格は安すぎるのではないか。もし11月と12月の週間と畜数が240万頭以下にとどまった場合、10〜12月の生体価格はポンド当たり62〜64セントと予想される。さらに、第4四半期のと畜頭数が3000万頭以下なら価格は65〜68セント周辺、クリスマス前週にはおそらく70セント近くになることも予想される。

現状のカットアウト価格は、ベリーの季節的な上昇に支えられている。9月から10月にかけてベリー価格も低下するだろう。その時に他の部位、特にハムの価格が下支えできるかどうかがポイントだ。ハムの需要は時として一気に上がることがある。週間と畜数が220〜230万の範囲であれば、供給薄になっているライトハム(小ぶりのモモ)が上昇することもあり得る。

気をつけるべきは輸出の動向だ。先物取引が弱気なのは、中国の動向と米ドル高による。しかし状況が多少なりとも変化すれば、今年後半の市場展望は明るくなる。輸出動向が今後の市況展開の鍵となるだろう。

 

※2015年7月13日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  豚の週間と畜頭数の推移/生体豚の週間平均価格の推移のグラフ
 
ワールドトレード

中国の豚飼養頭数減少、世界の豚肉貿易が加熱か

 
 

ラボバンク社の最新四半期レポートは、中国の豚飼養頭数の減少が世界の豚肉貿易を加熱させるだろうと予測している。第2四半期は供給の拡大が限定的であったことから、世界市場で需給バランスが改善され、主要な豚肉輸出国と輸入国のほとんどで価格が回復した。最も著しく回復したのはアメリカ、カナダ、中国。EUと日本は例外で価格が下落した。これには為替レートのドル高も影響している。

世界の豚肉市場は、第3四半期を通して回復基調が継続し、第4四半期は中国の輸入拡大によって、その動きはさらに加速すると予測している。そうなれば、大量供給が予想される第4四半期にアメリカからより多くの豚肉が輸出され、結果的に牛肉市場にとっても豚肉との競合が弱まり、ブラス材料になる。USDAの予想では第4四半期の豚肉生産量は牛肉生産量よりも4億8000万ポンド多くなる見込みだ。

 

※2015年7月20日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
生産動向

牛総飼養頭数2.2%増、フィードロット頭数1.9%増

 
 

USDAの最新報告では、7月1日現在のフィードロットの飼養頭数は1023万6000頭(前年同月比1.9%増)で、アナリストの予想を上回った。6月の導入頭数は148万1000頭(同0.9%増)でアナリストの予想よりも多いが、1996年まで遡ってみても、6月の導入頭数としては過去4番目に少ない水準。

出荷頭数が174万7000頭(同5.4%減)と落ち込んだことが、飼養頭数の増加に繋がった。出荷頭数は過去5年間平均(195万6000頭)との比較では10.7%減。昨年よりも休日が1日多かったことも影響しているが、1996年以来で最も少ない。

同時に発表された牛の飼養動向では、7月1日現在の総飼養頭数は9840万頭(前年比2.2%増)。肉牛価格の上昇、牧草地の状況改善などから、将来の利益見込みで繁殖牛更新用に未経産牛の保有頭数が増加。肉用牛の雌牛の飼養頭数は2.5%増。このうち未経産牛は6.5%増と推定され、牛群の再構築が着実に進んでいる。

 

※2015年7月27日 FOODMARKET.com

 
需給トレンド

7月第4週、カットアウトは豚肉小幅上昇、牛肉低下

 
 

USMEFのアナリストがまとめている週間レポートの7月第4週(7月20−25日)の要点は以下のとおり。

【豚肉】

今週の推定と畜頭数は2100万頭(前年同期比13%増)、2013年の同期比では6%の増加。豚枝肉価格はポンド当たり74セント。前週平均の78セントより低下した。豚肉カットアウト価格は週を通してわずかに上昇した。

カット別ではベリー、ハム、バットが上昇し、ロインはほぼ横ばい。ピクニックとリブは下回った。生体豚の先物契約価格(100ポンド当たり)は8月77.67ドル、10月64ドル、12月61.52ドル。

Agプレスがロシアとブラジルが小麦と豚肉の貿易を開始すると報道したこと、ラボバンク社が中国の豚肉生産が不足するとのレポートを発表したことから、第4四半期に大量の豚肉貿易が見込まれるとして、先行きの輸出を楽観視する見方もあるが、パッカーのチャートや週間輸出データなど、短期的にはまだバラ色の絵を描ける状況にはない。とくに中国関連のバラエティーミートの損失は全体のボトムラインにも大きく影響している。

  ポーク・カットアウト価格の推移の表
ポーク・カットアウト価格の推移のグラフ
 

【牛肉】

牛肉に関しての中国関連の影響は、他のアジア市場向けのカットや50%トリミングに分散している。チョイスのカットアウト価格は再びわずかに下がった。豚肉と鶏肉の生産増による安値や輸出の不調から、6月末以降、低いレベルにとどまっている。

こうした中での朗報は、上半期の牛の飼養頭数報告で牛群の再構築が着実に進んでおり、来年から牛肉の供給が増加することが明らかに示されたことだ。一部の部位の価格下落とパッカーの利益低下を映して、今週の生体牛価格は100ポンド当たり145〜146ドルと前週より3〜4ドル低下した。

これは、週間平均価格としては2014年6月以来で最も低い水準。生体牛の先物価格も8月144ドル、10月145ドル、12月148ドルと週初より3〜5ドル値下がり。

  ビーフ・カットアウト価格の推移の表
ビーフ・カットアウト価格の推移のグラフ
 

※USMEF WEEKY UPDATE 7月24日

 
 

6月の在庫、豚肉は過去最高、牛肉30%増

 
 

USDA(米国農務省)発表の6月末の食肉在庫は、牛肉、豚肉、鶏肉・ターキーの合計で21億2500万ポンド(前年同月比18.5%増)、前月に比べて0.8%減、2280万ポンド減少した。

豚肉在庫は6億3220万ポンド(同17.6%増)。前月より3.4%減少したものの、6月末の在庫量としては過去最高。このうちハムは1億8070万ポンド(同43.0%増)で前月比でも14%増加、過去5年間平均(1億3480万ポンド)に比べても37%も多い。

ベリーは4450万ポンド(同47.0%減)で、前月より2040万ポンドも減少した。アナリストは「通常なら5月から6月にかけてのベリーの在庫減少は970ポンド前後」という。

牛肉在庫は4億6710万ポンド(同30.4%増)、前月比では1.9%の減少。鶏肉は7億2250万ポンド(同22.2%増)、前月比2.2%減。ターキーは4億5810万ポンド(同1.0%減)で前月より4.3%増加した。

 

※2015年7月22日 FOODMARKET.com

 
フードサービス

フルサービスのステーキレストラン好調

 
 

市場調査会社のテクノミック社によると、フルサービスのレストランの年間売上高は3.5%増と好調で、中でもステーキハウスは5.5%増と同業態の伸びを牽引している。

牛肉価格が記録的な高値を更新する中でも、ステーキハウスの勢いは続いている。7月の生鮮牛肉の平均小売価格はポンド当たり6.114ドル、前年同月比0.60ドル高。今年3月に記録した最高値を0.05ドル上回り、記録を更新した。

もちろん、すべてのステーキハウスが等しく好調なわけではない。伸び率には格差もある。例えばダーデンレストランズ・ロングホーンステーキハウスは5月決算の売上高が4.8%増、高級レストランチェーンのザ・キャピタルグリルは同4.4%増。

一方で、別の高級チェーンのルースクリス・ステーキハウスは1%増。しかし同チェーンの営業利益は9%増加し、売上が3%以上伸びたのと等しい好決算。ブルーミンズ・ブランズのアウトバック・ステーキは3%増だが、この増収は値上げによるところが大。テキサス・ロードハウスは8%増を記録し、今期の第1半期はさらに16%増と高い伸びを続けている。

 

※2015年7月31日 FOODMARKET.com

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート