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TRADER'S Be & Po

vol.245 May.18.2015
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉カットアウト価格は苦戦続く
トピックス 鳥インフルエンザが食肉市場に与える影響
供給トレンド フィードロットの飼養頭数は前年並み回復
消費トレンド 牛肉は記録的高値でも買い渋りはない
USMEFインフォメーション アメリカンビーフ&ポークBBQキャンペーン7月3日〜
400名に賞品プレゼント、各種POS、BBQソースも提供
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2015年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉カットアウト価格は苦戦続く

 
 

4月の牛肉のカットアウト価格は、チョイス・セレクトともに例年のような価格上昇は見られず、苦戦している。4月20日の週のチョイス平均価格は、100ポンド当たり257.57ドル。前年同週比では13%高、29.43ドル高となるが、これは前年4月が3月の最高値更新の反動で値下がりしていたため。

逆に豚肉のカットアウト価格は前年同週比41.4%安と、前年よりはるかに安い。この価格差は6〜7月の小売業者の牛肉の販売促進に影響を与える。小売業者は豚肉と鶏肉をチラシ特売の主役にするかもしれない。

チョイスのカットアウト価格は4月に入った3週間で6.43ドル上昇した。だがスポット市場では、2、3日しか260ドル台を維持できなかった。前年4月の週間当たり平均価格は228.58ドルだったが、今年はパッカーの4月の生体牛購入価格が100ポンド当たり約163ドルと試算され、前年同月の148ドルを大幅に上回っている。

加えて、副産物価格は前年より大幅に値下がりしている。4月20日の週の平均価格は100ポンド当たり13.80ドルで、前年同週比15.91ドル安。これは1頭当たりで30ドルの収益低下に相当し、パッカーのマージンは依然プレッシャーを受けている。

アナリストは「通常、カットアウト価格の4月の季節的な上昇率は8%だが、今年はわずか4.4%の上昇に留まり、前年9月から始まった牛肉需要の低下が続いている」という。牛肉需要はこれからベストシーズンを迎えるが、需要が急激に改善しない限り、5月のと畜頭数も抑制されるだろう。

 

※2015年5月4日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
トピックス

鳥インフルエンザが食肉市場に与える影響

 
 

4月1日以降、18例のHPAI(高病原性鳥インフルエンザ)の発生が確認された。多くは七面鳥農場での感染だが、最新のケースはウィスコンシン州の商業用ブロイラー施設で発生した。商業用鶏肉施設では2例目だが、ミシシッピフライウェイ(渡り鳥の経路)での発生は初であり、他の施設への拡大が懸念される。

USDA(米国農務省)とAPHIS(環境保護庁)は、地方政府や家禽産業とともに、綿密な調査と処理場の隔離によって感染拡大を防ごうとしている。今回の発生拡大について、市場関係者の懸念事項は以下の通り。

HPAIの拡大は家禽の供給に影響を及ぼすか?

供給への影響は少ないと考えられる。発生施設にとっての経済的被害は著しいが、2014年のブロイラーの処理羽数は85億羽で、少数の施設で発生しても全体の供給に与える影響は極めて限定的だ。この点では、昨年に生体豚のと畜頭数を数パーセントも減少させたPEDvとは比べ物にならない。

HAPIの症例はアメリカの消費者需要に影響を及ぼすか?

これは過去の発生でも問題にはならなかった。アメリカの消費者は鳥インフルエンザに対して過剰な反応をしておらず、大きな影響は考えられない。消費者の反応がアメリカとアジアで異なる大きな理由は、家禽の消費方法にある。アジアの一部では消費者が生鶏を購入しており、ヒトへの感染を引き起こすH5N1やH7N9といったHPAIの変異も確認されている。アメリカではヒトに感染したことは証明されていない。加えて、アメリカの消費者は政府・業界双方のコントロールシステムを信頼していると考えられる。

HPAIによる輸出制限、鶏肉価格への影響は?

2月のブロイラー輸出量は17.4%減。この要因の一つは、以前からのHPAI発生を受けて多くの国で輸入停止措置が取られているため。特に顕著なのは中国で、米国産の全ての鶏肉の輸入を禁止している。

前年の鶏肉輸出量は生産量の19%を占めており、輸出の減少はHPAIによる供給減よりはるかに大きな影響を及ぼすだろう。USDAは2015年の鶏肉輸出量を前年比8.5%減と見込んでいるが、その減少の半分はロシア市場へのアクセスがないため。もし中国が6月まで輸入を停止しても年間では2%程度の減少である。

米ドルの高値、他の大規模輸出国との競合などHPAI以外にも輸出を減少させる要因があり、輸出の下方修正は国内市場への供給増加に繋がる。現状でも2015年の1人当たり食肉消費量は6%増の予測。供給増による価格低下を防ぐには、国内の消費者により多くの豚肉と鶏肉を消費するよう訴えていく必要がある。

 

※2015年4月20日 NPB Pork Merchandiser`s Profit Maximizer

  鶏肉の輸出量の推移
 
供給トレンド

フィードロットの飼養頭数は前年並み回復

 
 

今年4月11日までの肥育牛のと畜頭数は、前年同期比5.7%減、35万4000頭の減少。枝肉重量は記録的な重さで、依然として前年同期を上回っている。4月第3週の去勢牛の平均は872ポンドで前年同週比28ポンド増、未経産牛は812ポンドで同30ポンド増。今後もタイトな供給が続くのは確かだが、短期的には今夏の供給不足は予想よりわずかに減少する可能性がある。

1〜3月のフィードロットへの素牛導入では、前年の第1四半期と比べて800ポンド以上が13万頭以上多い。3月の800ポンド以上の導入は前年同月比16.1%増で、3月全体の導入頭数を180万9000頭まで押し上げた。

3月の出荷は163万1000頭、と畜日が1日多いものの、同6.2%の減少となった。この結果、4月1日現在のフィードロットの総飼養頭数は1079万7000頭で、当初予測を1.2%上回り、前年同月とほぼ同じ頭数まで回復した。

アナリストが注目するのは、3月の出荷率(肥育頭数に占める出荷頭数比率)が記録的に低かったことだ。出荷頭数は過去5年平均を13万9千頭下回った。大方の予想に反して、牛肉産業の肥育牛蓄積は着々と進んでいるようだ。

 

※2015年5月4日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
消費トレンド

牛肉は記録的高値でも買い渋りはない

 
 

牛肉産業ではこの16カ月間、小売価格の記録的高値が課題になっている。牛肉の小売価格は毎月のように上昇し、豚肉との価格差が拡大してきた。だが、消費者にはまだ好みの食肉を選択購入するゆとりがあり、牛肉を買い続けている。

5月に入っても、小売業者が牛肉を販促している間はこの傾向が継続できそうだ。豚肉や鶏肉は販促をしやすい価格にあるが、精肉全体の売上高を確保する上では牛肉の重要性が高い。

主要な小売チェーンでは、牛肉の安売りは販売戦略全体に逆効果であるとして、品質や価値に焦点を当てた取り組みを行っている。ベテランバイヤーは「牛肉は品質(特に柔らかさ)を向上して提供すれば購買も向上することに多くの小売業者が気付いた。CAB (サーティファイド・アンガスビーフ・プログラム)の成功は、品質が価格に勝る象徴的な例だ」と指摘している。

◎フードサービスで牛肉販売も好調◎

牛肉にとってのもう一つのプラスは、フードサービスでの需要が前年よりも強いことだ。1月からのガソリン価格の値下がりによって、外食支出が増えている。他の要因は、高炭水化物の加工食品から高タンパク食品へのシフトだ。ニールセン社の調査では、過去4年間で高炭水化物食品の消費量は5%減少している一方、高タンパク食品は7%増加しているという。

全米レストラン協会は、この数年でレストランの全体売上は3.8%伸びると予測している。ミンテルグループのフードアナリスト、パトリシア・ジョンソン女史はNAMA(北米食肉協会)の会合で、「この成長はファスト・カジュアルそしてクイック・サービス分野が先導する。この分野と表裏一体のミレニアム・コンシューマー(2000年代生まれの消費者)がけん引役となるが、メニューのトレンドではファスト・カジュアルとファイン・ダイニングの両方で牛肉需要が増加している。これにはサラダの材料としての牛肉使用や、バーガーチェーンの店舗数増加も含まれている」と説明した。

牛肉を中心メニューとするフードサービスでは、栄養学的な情報とマーケティングが強化され、グリル・スモークなどの調理方法も盛んに強調表示されている。記録的な高値の影響で、牛肉メニューのサイズ減少も見られるが、アメリカの消費者の多くはこの傾向が早く改善されることを望んでいる。

 

※2015年4月27日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

アメリカンビーフ&ポークBBQキャンペーン7月3日〜
400名に賞品プレゼント、各種POS、BBQソースも提供

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は7月3日から8月31日まで「アメリカンビーフ&ポークBBQキャンペーン」を展開します。お肉の需要が盛り上がる夏、BBQシーズンの到来に合わせて、かたまりで食べるアメリカンBBQスタイルを提案し、消費者の購買意欲を喚起するキャンペーンを展開します。

 「おそとでワイルドBBQ・おうちでゴージャスBBQ かたまりで食べるアメリカンBBQ」をタイトルに、USMEFのWebサイトでの応募で抽選により計400名様にアメリカンポーク、ビーフ(各1kg)が当たるクローズドキャンペーンとして展開します。

店頭プレゼントの抽選は、商品に貼付する専用シール裏面のシリアルコードをスマホ、PCから入力すると、その場で当落がわかるインスタントウィン方式で実施します。キャンペーン参加店の売り場を飾る各種POSツールや商品パックに添付できるBBQソース(ビーフ用とポーク用の2種、モランボン社共同企画)も用意しました。

キャンペーンには期間中、いつからでも参加いただけますが、POSツールは在庫がなくなり次第、提供終了となりますので、お早目にお申込み下さい。

  かたまりで食べる AMERICAN BBQ / B5 POP
  かたまりで食べる AMERICAN BBQ / シール・ラベル
  かたまりで食べる AMERICAN BBQ ごちスパイス/ BBQソース
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート