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TRADER'S Be & Po

vol.228 Jul.14.2014
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、牛肉価格ともに再び最高値更新へ
繁殖豚の飼養頭数増えず、豚先物は強気へ
ワールドトレード 中国が豪州産チルド・ビーフの輸入を再開
月齢撤廃でアメリカン・ビーフの拡販意欲強まる香港
ポーク関連ニュース PEDvの発生件数減少、週当たり100件以下に
フードサービス レストラン業界はメニュー価格の値上げでコスト増に対処
リテイル 食肉卸価格の高騰、小売価格への反映はまだ不十分
USMEFインフォメーション U.S. Meat Trade Seminar & Tasting Session 参加者募集
福岡(7月18日)、大阪(7月24日)、名古屋(8月1日)で開催
マーケットデータ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2014年5月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、牛肉価格ともに再び最高値更新へ

 
 

生体牛とボックス・ビーフの価格は、3月最終週に付けた高値を更新する勢い。6月の高騰が強い需要に支えられたことを考えると、年間を通じた高値相場の可能性も現実味を帯び始めている。

6月は肥育牛の供給量が予想よりもタイトであった半面、小売と外食業界ともに牛肉の売り上げが堅調だった。高値にも関わらず、第2四半期(4−6月)の牛肉の小売需要は前年同期比4.8%増加し、アナリストは「外食と輸出を含めた全体需要は予想以上に力強く、今年の第2四半期は歴史的な展開になった」と評する。

6月第4週に生体牛の先物価格は100ポンド当たり153.75ドルを付け、現金取引市場でも152〜154ドル、枝肉価格は239〜243ドルに上昇した。8月契約は152.75ドル、10月は155.52ドル、12月は155.80ドルといずれも先物契約の新高値となった。

牛肉カットアウト価格も上昇続く

ボックス・ビーフの価格は、例年の季節的な傾向に逆行して高値を続けている。6月第4週のカットアウト価格は、全体で100ポンド当たり231.37ドル、前年同週比19%高。チョイスは232.13ドル、同17%高。これまでの週間平均の最高値は3月24日の週で全体が238.21ドル、チョイスは238.54ドルだった。

チョイスの価格は、6月24日にこれまでの単日最高値(3月18日付の244.06ドル)を上回り、翌25日には245.01ドルと最高値を記録。5日間で4.55ドル、6月の月初めからでは12.58ドルも値上がりした。セレクトも同様に値上がりし、25日に新高値の237.56ドルを付け、5日間で4.47ドル、月初めから16.08ドルも上昇。

パッカーは肥育牛のと畜頭数をコントロールすることで牛肉価格の高値を維持した。前週のと畜頭数は約61万5000頭と推定され、前年同週(65万4102頭)をかなり下回った。6月最終週から7月第1週にかけてのと畜頭数も、前年同週より2万頭以上少ないと予想される。

 

※2014年6月30日 CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
 

繁殖豚の飼養頭数増えず、豚先物は強気へ

 
 

USDA(米国農務省)の最新レポートにおける豚の総飼養頭数がアナリストの平均予想よりかなり低かったため、豚肉の先物市場は今冬から来春まで強気展開が続く可能性が高まった。

6月1日現在、豚の総飼養頭数は6212万8000頭で前年比4.7%減。2012年6月との比較では6.7%も少ない。肥育豚の飼養頭数は5627万3000頭で前年比5.1%減。これはアナリストの平均予想より2%少ない。ただ、期近の先物相場はすでに100ポンド当たり130ドル程度の高値を付けており、出荷頭数の減少は枝肉重量の4〜5%増で相殺されると予測されることから、アナリストの予想は報告書よりも弱気である。

最も注目されるのは、繁殖豚の頭数が585万5000頭で前年同期よりも0.5%少なく、3月1日とほぼ同水準であることだ。アナリストの予想は平均で1.6%増、一部では2.5%増加も予想されていた。繁殖母豚数の減少は、年間生産量の制限に繋がる。

グラフが示すように、近年の米国の豚生産は、主に分娩母豚の産子数を増やすことで供給量を拡大してきた。2009〜2013年の5年間で、産子数は年間平均で1.5%増加し、分娩母豚数は同じでも子豚の生産頭数は確実に増加してきた。

だが、PEDvの拡大によって子豚数は激減。3〜5月の子豚生産頭数は前年同期比で5.1%減と、前の四半期(12〜2月)に比べると5.5%も減少している。これは、12月から5月までの間に、約450万頭の子豚が市場に出回らなかったことを意味する。

繁殖母豚と産子数の減少は、2014年を通して子豚の生産頭数が回復せず、2015年の前半を通して出荷頭数が制限されることに繋がる。生産基盤の回復遅れが先物相場を強気にした要因だが、生体豚の供給が増加して豚肉価格が低下するのは、当初予想されていた時期よりもかなり先になる見込み。

 

※2014年6月30日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
  アメリカの豚肉生産量の四半期予測
 
ワールドトレード

中国が豪州産チルド・ビーフの輸入を再開

 
 

中国は6月30日付で豪州の牛肉10工場に輸入資格を与え、チルド・ビーフの輸入を再開した。中国は2013年8月に豪州からの輸入を停止しており、約10カ月ぶりの再開となる。中国にとって豪州は最大の牛肉供給国で、輸入停止以前の豪州産チルド・ビーフの輸入量は月間平均で約1600トンだった。

5月8日以降、中国向けには成長促進ホルモンを使用していないこと、または、通常の生理学的レベルの残留を超えていない牛から生産されたことを証明する書類添付が条件付けられた。

 

※2014年7月1日 USMEF Exporter Update

 
 

月齢撤廃でアメリカン・ビーフの拡販意欲強まる香港

 
 

既報(6月30日付)のとおり、香港は6月17日付で米国産牛肉の輸入条件から月齢制限を撤廃し、30カ月齢以上の牛由来の牛ひき肉、牛内臓、骨付き牛肉などの輸入も認めることを発表した。

この発表直後の6月24〜25日にUSMEF香港事務所が開催したアメリカン・ビーフセミナーでは、アメリカン・ビーフへの期待の高まりを反映し、当初の予定を大幅に上回る200人以上が参加した。

セミナーでは、在香港の米国総領事のあいさつに続き、USMEFのジョエル・ハガード副会長とUSMEF日本事務所の山庄司岳道シニア・マーケティング・ディレクターが、講演とカッティングデモを通して、焼肉商材を中心にアメリカン・ビーフの優位性と活用方法を解説(写真)。

香港のアメリカン・ビーフ輸入量は、今年前半、前年の倍増ペースで増加しており、輸入条件の緩和で輸入可能な製品も拡大することから、参加者は日本の焼肉市場における部位の活用例などを学ぼうと熱心に聴講し、会場内は熱気に包まれていた。

 
 
 
ポーク関連ニュース

PEDvの発生件数減少、週当たり100件以下に

 
 

AASV(全米繁殖豚獣医師協会)のまとめによると、6月第3週のPEDvの発生件数は98件となり、前週に引き続き100件以下となった。これにより6月の週当たり平均の発生件数は112件と、5月の171件から減少している。

このウィルスは低温で湿気の多い状況を好むため、気温が上昇するにつれて、予想どおり発生件数は減少しつつある。家畜衛生当局は、気温が低下する秋口以降に再び発生件数が上昇しないように、豚の生産者と母豚の管理者に農場でのバイオ・セキュリティー対策の徹底を促している。

PEDvはヒトには影響せず、食品の安全性には問題がないが、生後間もない子豚が感染すると重度の下痢と嘔吐を引き起こし、致死率は50〜100%に達する。成長した子豚と母豚にも影響はあるが、一般的には回復するケースが多い。

 

※2014年6月26日 FOODMARKET.com

 
  冷凍豚肉の在庫量の推移
 
フードサービス

レストラン業界はメニュー価格の値上げでコスト増に対処

 
 

レストラン・サプライチェーン協同組合によると、米国の外食産業は今年、予想外の食材原価の高騰に直面し、チェーン・レストランはメニュー価格の値上げを余儀なくされそうだ。

牛肉とチーズの価格が過去最高水準にある他、豚肉もPEDvの影響で高騰。消費者の食品インフレ率は、年末までに3%に達することが懸念されている。レストラン業界も食材コストの高まりに対応し、徐々にメニュー価格を引き上げ始めている。

同組合のメニュー価格調査では、加盟チェーン店の半分以上が第1四半期の間はメニュー価格を据え置いていたが、ここにきて93%のチェーン店が今年の後半には値上げを計画しているという。

主要食材別に見ると、チーズ、バター、ホエー(乳清)、牛肉は前年同期比で15%以上も上昇、ソーセージ原料用の豚肉は21%高。ベーコン用の豚バラ肉価格は2%高だが、すでに前年に記録的な値上がりをしている。液体卵白は2013年を通して57%も値上がりした。

とうもろこし価格の低下により、ブロイラーの供給増が見込まれるため、レストラン運営者はメニューの食材比率を変え、牛肉、豚肉から家禽肉にシフトする動きもある。その他にも、食材の規格変更、生鮮から冷凍食材への切り替え、あるいは食材の量をわずかに減らすなどの対応も見受けられる。

 

※2014年7月1日 FOOD MARKET.com

 
リテイル

食肉卸価格の高騰、小売価格への反映はまだ不十分

 
 

供給不足により、食肉卸価格は予想外の高値となっている。これまでのところ、牛肉の生産量は前年比で5.8%低下し、卸売価格も前年比17%高。豚肉はさらに上昇率が高く、生産量の0.7%減に対して、卸売価格は21%高となっている。

だが、この高値にもかかわらず需要は堅調だ。アナリストは「この背景には、タンパク質ダイエットへの関心の高さや、賃金の上昇で可処分所得が増えている消費者が予想外に多いことがある」という。

ただ、小売の粗利は明らかに前年よりも低い。牛肉の卸売価格は3月に前年比20%高と記録的な高値を付けたものの、小売価格にはまだ反映されていない。4月の生鮮牛肉の価格はポンド当たり平均5.50ドル、前年同月比13.2%高。豚肉の卸価格は4月第1週に記録的な高値を付け、年初に比べて64.1%も上昇しているにもかかわらず、4月の豚肉小売価格は12.5%しか上がっていない。

アナリストによれば、この需給のアンバランスと供給不足による価格高騰は限界に達しつつある。素牛価格は記録的な高値に押し上げられ、季節に逆行して肥育牛価格を引き上げ、枝肉価格は前年比21.3%も高くなっている。小売での売れ行き次第では、先行きの価格動向にも変化があるだろう。

 

※2014年6月23日CATTEL BUYER'S WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

U.S.Meat Trade Seminar & Tasting Session 参加者募集
福岡(7月18日)、大阪(7月24日)、名古屋(8月1日)で開催

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は7月18日の福岡会場を皮切りに、7月24日に大阪、8月1日に名古屋で「U.S. Meat Trade Seminar & Tasting Session」を連続開催します。

このセミナーでは米国のポークとビーフの現状と食肉需給動向、USMEFのプロモーション計画をご提案するとともに、テイスティングセッションではアメリカン・ビーフ、ポークのおいしさをご確認していただくために、USMEFが推奨するアメリカン・ビーフ、ポークの提案料理をはじめ、さまざまな試食メニューを提供します。

開催概要と主なプログラムは下記のとおりです。参加希望(無料)の方は①会場名②社名③参加者氏名・所属部署名④会社所在地⑤参加する代表者のご連絡先(電話、FAX、Eメール)を明記の上、FAX(03-3470-3084)にて同セミナー事務局・担当岩上まで。


セミナー開催概要(名称、主催、後援は3会場共通)

【福岡会場】
開催名称 「U.S.Meat Trade Seminar & Tasting Session」

主催 米国食肉輸出連合会(USMEF)
後援 アメリカ大使館アメリカ農産物貿易事務所(ATO)
開催日時 2014年7月18日(金) 15:30〜20:00(受付開始は15:00〜)
会場 ヒルトン福岡シーホーク(福岡市中央区地行浜2-2-3)
プログラム セミナー15:30〜17:45、
ティスティングセッション18:00〜20:00
講演 「2014アメリカン・ビーフ&ポークマーケット動向」
(講師:山庄司岳道USMEFシニア・マーケティング・ディレクター)
講演 「アメリカン・ポーク2014キャンペーン販促などについて」
(講師:加藤悟司USMEFマーケテイング・マネージャー)
講演 「アメリカン・ビーフ2014キャンペーン販促などについて」
(講師:山庄司岳道USMEFシニア・マーケティング・ディレクター)
講演 「行正り香 クッキングセミナー(ビーフ&ポーク)」
(講師:料理研究家 行正り香)
【大阪会場】
開催日時 2014年7月24日(木)15:30〜20:00(受付開始は15:00〜)

会場 帝国ホテル 大阪(大阪市北区天満橋1-8-50)
プログラム  
講演 〜 ③は福岡会場と同じ
講演 「精肉の課題およびカッティングデモ」
(講師:毛見信秀(株)マオ・インターナショナル代表取締役)
【名古屋会場】
開催日時 2014年8月1日(金) 15:30〜20:00(受付開始は15:00〜)

会場 名古屋東急ホテル(名古屋市中区栄4-6-8)
プログラム  
講演 〜 ④は大阪会場と同じ
 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート