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TRADER'S Be & Po

vol.201 jan 21.2013
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
2013年市場展望 牛肉は供給減から年間を通じて高値推移
豚肉生産量は横ばい、価格は4〜5月から回復へ
ポーク関連ニュース 12月の豚飼養頭数、予想に反し前年並みを維持
市況ニュース どこまで上がる?2013年の牛肉価格
牛肉の小売価格は夏から秋にかけてピークか
ワールドトレード ブラジルのBSEステータス変更せず―OIE
業界ニュース 肥育牛業者ランキング、トップ4社は不動
インフォメーション 2月はSMトレードショー、3月はFOODEXに出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2012年11月)
米国の輸出、と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本のアメリカ産ポークとポーク調整品輸入量
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年頭所感〜新たな挑戦の年に向けて〜

米国食肉輸出連合会会長兼CEO フィリップ・セング

米国食肉業界を代表し、日本の消費者ならびにパートナーの皆様の旧年中のご愛顧・ご指導に深く感謝申し上げます。

米国食肉輸出連合会は、日本のBSEに関する輸入制度見直しについて、専門的知見に基づき徹底した審議がなされたことを大変喜ばしく思っております。今回の審議結果により、日本へのアメリカン・ビーフの輸出増加が予想されることから、結論が待ち遠しいものであることは言うまでもありません。

今後は、高品質な穀物肥育のアメリカン・ビーフを、より幅広い層のお客様にお届けできるようになります。そして、アメリカン・ビーフが、現在のアメリカン・ポーク同様、日本市場において再びリーダー的存在としてご愛顧いただけることと期待しております。

昨年は、アメリカン・ポークにとっても皆様方からのご愛顧に支えられた年でもありました。特に日本の小売り、外食業界で主要な供給元として高品質なチルドポークをお届けできたことを誇りに感じています。将来は、日本市場へアメリカン・ラムを再びお届けできることを願っております。

本年は、家畜生産、加工、輸送コストの上昇が製品価格上昇への圧力となるだけに、業界として多くの挑戦に立ち向かわねばなりません。弊連合会は今年設立37周年を迎えます。今後も引き続き、日本の皆様に安全でお手頃な価格の食肉をご提供できるよう一層努力してまいります。

2013年が日本の消費者ならびにパートナーの皆様にとりまして、安全、繁栄に満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げます。本年もアメリカン・ミートをよろしくお願いいたします。

 
2013年市場展望

牛肉は供給減から年間を通じて高値推移

 
 

USDA(米国農務省)の見通しでは、2013年の牛肉生産量は前年比4%の減少と予想されている。2012年(1.3%減)に引き続き減少するもので、とくに第1四半期の供給はかなりタイトな状態となる見込み。チョイスグレードをはじめ、ほとんどの牛肉は季節的に1〜2月は比較的安値となるが、それが購入を促進し3月下旬から4月上旬に価格は戻すだろう。2013年のキーポイントは、供給量の減少を反映して年間を通して牛肉の価格は高値で推移し、それが豚肉の需要増加に繋がることである。

 
 

豚肉生産量は横ばい、価格は4〜5月から回復へ

 
 

2013年の豚肉生産量は、第1四半期には微増が見込まれるものの、年間では2012年とほぼ同水準であると予測される。豚肉価格は、軽量・早出し出荷により生産量の増加が抑えられたことに加え、強い輸出需要が底支えとなっている。季節的に、モモとカタの評価価格は低いものの、1〜2月に価格は緩やかに上昇することが予想される。夏場に向けて、4月〜5月には本格的な価格回復の動きが始まるとの見方が有力。

 

※USDA Reportより

 
ポーク関連ニュース

12月の豚飼養頭数、予想に反し前年並みを維持

 
 

USDAの生体豚と豚肉に関する最新のレポートでは、豚肉の供給と価格は少なくとも2013年の夏までは弱気展開が予想される。2012年12月1日現在の生産者調査では、成豚と育成中の子豚の飼養頭数は6,634万8,000頭で前年同期と同じであった。

USDAの最新の調査ではと畜頭数と生産量がわずかながら増加傾向を示している。10月に予想された水準より価格が低迷している要因もこの点にある。2013年の春から初夏にかけての市況展開は、当初の予想よりも悲観的になる可能性がある。

USDAは今回の報告にあたり、前の四半期についての分娩頭数と飼養頭数の双方を修正した。これにより、9月1日現在の飼養頭数は23万頭増え、6月1日に比べると約90万頭も上方修正された。

 

※2012年12月31日NPB「Pork Merchndiser’s Profit Maximizer」

 
市況ニュース

どこまで上がる? 2013年の牛肉価格

 
 

生体牛の導入と牛肉の供給量の縮小傾向は、2013年の小売業界と外食業界に大きな影響を与えるだろう。重要な問題は、価格の高騰が消費者の「牛肉離れ」を引き起こす懸念があることだ。USDAによると、牛肉の小売価格は2012年よりも5%高、最大では5.6%も高い状態まで高騰すると予測されており、2年前には想像もできないくらいのレベルに上昇するかも知れない。重要な事は、より多くの可処分所得が消費者に残るように経済が立ち直るかどうか。それによって、高値のビーフ価格に対しても消費者が購買意欲を持てるかどうかである。

いわゆる「財政の崖」問題は、とりあえず回避された。しかし大きな財政問題は先送りされ、今後の経済に大きな影響を及ぼす。賃金税(payroll taxes)の増加は、消費者の可処分所得を減らすことになるとアナリストはいう。小売業者は、消費者が特売価格でしか牛肉を買わないことを見据えており、これは牛肉マージンの圧迫に繋がる。この傾向は2013年の年間を通じて続くかも知れない。少なくとも、牛肉価格が豚肉と鶏肉の比較で値ごろ感が出るまでは続くだろう。

 
 

牛肉の小売価格は夏から秋にかけてピークか

 
 

2013年の牛肉産業にとって、最大の障害は高値に需要がついてくるかどうかであると、HedgersEdge.comのアンドリュー・ゴットシャーク氏はいう。消費者の牛肉需要は昨年9月から不調になり始めたが、2013年は年明けからここ数週間が大きな試練である。高い肥育牛価格を小売価格に転嫁して、牛肉需要を2012年レベルに維持することは「挑戦」に等しいことだと、同氏は指摘する。

同氏の予測では、2013年の肥育牛価格は120ドル〜143ドル(100ポンドあたり)、平均では130ドル。通常の出荷が維持されるならば、生体牛の供給が最もタイトになるのは4月〜5月になる。もしも、肥育牛価格の最高値が第2四半期間に出現するなら、小売価格は8月〜9月まではピークに達しない。小売価格のピークを肥育牛価格のそれよりも数カ月間遅らせることができれば、夏から秋にかけての牛肉需要には期待がもてる。

牛肉の小売価格が豚肉と鶏肉の混合価格より10.5%以上の値差がある場合、逆ザヤなしで需要が維持できたことは歴史的にないことだという。2010〜2012年は輸出の拡大により全体的な需要と利益を確保してきたが、今年は同様の期待はもてない。一つの明るい兆しは、国内経済の段階的な改善が進みつつあることだが、それにしても、回復のピッチは過去のケースや産業界が望む回復よりも遅くなるだろう。

 

※2013年1月7日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

ブラジルのBSEステータス変更せず―OIE

 
 

ロイター通信によると、OIE(国際獣疫事務局)のベルナール・バラ会長は、ブラジルからの牛肉の輸入停止措置を講じた国々に対し、規制を解除するよう呼びかけた。OIEがブラジルで死亡した牛からBSEを引き起こすと考えられるプリオンたん白を発見したと発表した後、中国、日本、南アフリカ、サウジアラビア、ヨルダンが同国からの牛肉輸入を規制した。OIEはブラジルで死亡した13歳の繁殖用雌牛のサンプル組織を検査し、プリオンたん白の存在を確認したが、この雌牛はBSEの症状を呈しておらずフードチェーンにも混入していない。

ブラジルの海外貿易担当相は、WTO(国際貿易機構)を通じて報復的行動を考慮していることを表明。バラ会長は、同国がWTOを通じて行動を起こす前に「OIE基準に基づいて輸入禁止を解除すべきである」と述べた。また、ロイター通信は、OIEが200万頭の牛のうちの1つのケースでブラジルのBSEステータスを変更することはないと伝えている。

 
業界ニュース

肥育牛業者ランキング、トップ4社は不動

 
 

キャトルバイヤーズウィークリー紙調査による「2012年肉牛肥育業者ランキング」によると、上位4社の順位は引き続き変わらなかった。ただ、1位のJBSファイブリバーズはフィードロット数が1箇所減り収容能力が1万頭減少。2位のカクタス・オペレーティングもフィードロットが1箇所減り、収容能力が35000頭減少した。キャトルエンパイアは収容能力が1万4000頭増強され、前年6位から5位にランクアプした。前年13位のオプリガー・フィードヤードは収容能力が3万頭増強され、トップ10入りを果たした。ゴッチ・キャトルコーポレーションは1万6000頭減少し、11位にランクを落とした。

 

 

  2012年 肥育業者ランキング上位30社(上位10社まで抜粋)
 
インフォメーション

2月はSMトレードショー、3月はFOODEXに出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月16、17日に開催された「焼肉ビジネスフェアin東京」に出展したのに続き、2月には「スーパーマーケットトレードショー」、3月には「FOODEX JAPAN」に出展します。それぞれの展示会でメンバーパッカーとともにパビリオンを設け、アメリカン・ビーフとアメリカン・ポークの2013年のキャンペーン内容を紹介するとともに、新しいメニューや販促アイデアをご提案します。各展示会の開催概要は以下のとおりです。

これからUSMEFが出展する展示会

「第47回スーパーマーケットトレードショー2013」

  • 主催=一般社団法人新日本スーパーマーケット協会
  • 会期=2013年2月13日(水)〜15日(金)
  • 会場=東京ビッグサイト

「FOODEX JAPAN2013」

  • 主催=一般社団法人日本能率協会
  • 会期=2013年3月5日(火)〜8日(金)
  • 会場=幕張メッセ
 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

 

ビーフ・ファクト・シート