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TRADER'S Be & Po NEWS CONTENTS
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 9/1〜5)
豚肉(豚肉市況 9/1〜5)
市況ニュース ボックスビーフようやく安定か
出荷可能牛は減少傾向
セーフティ関連ニュース 畜産業界、原産地表示で書式統一
業界ニュース 海外市場動向
impressions 第24回「日本市場の国際化」
米国食肉市場ニュース  
牛肉
牛肉市況
(9月1日〜5日)
週間と畜頭数 : 59.0万頭(前年比2.6%減)。
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  主要5市場では平均97.00ドル(前週比1.85ドル安)。
  枝肉価格は平均154. 40ドル(同1.30ドル安)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  歩留まり等級3(YG3)のチョイスは156.26ドル(前週比4.03ドル安)。Y2〜3のセレクトは 152.22ドル(同1.61ドル安)。
※2008年9月5日 Cattle Outlook (Glenn Grimes & Ron Plain)
豚肉 豚肉市況
(9月1日〜5日)
週間と畜頭数 : 205.5万頭(前年比6.4%増)。
肉豚の現金取引価格 : 前週比で2.00ドル〜4.50ドル安で推移。
   
市況ニュース
ボックスビーフようやく安定か
 

8月末から2〜3 週間低迷気味だったボックスビーフ価格が、やっと安定しそうだ。レーバーデー(祝日)前週の処理頭数は若干増えたのに対し、連休中の牛肉売り上げは平年並みに終わった。そのため9月1週、パッカー各社はミドルミートを値下げして、だぶついた在庫の消化につとめた。カットアウトバリューは下落したが、加工済みカットのコンテナ数は前週比で2.2%伸びた。

肥育牛の頭数が減り始めたように見えたため、業界関係者はボックスビーフ価格はレーバーデー前に落ち着いて上昇し始めると期待していた。牛肉の卸売価格は総体的には前年より10%高くなっているが、アイテムによって価格に大きなばらつきがあり、9月1週のチョイスリブは前年比2%安、一方チョイスラウンドは13%高だった。

輸出需要の影響で値上がりしたアイテムもある。国内向けのロインやリブの価格は下がっているが、チャック、ラウンド、ショートプレートは前年より大幅に上がっている(USMEF談)。

今年は昨年より出荷可能牛の頭数が少なく、今後年末までは牛肉生産量は減少するだろう。9〜11月のビーフ供給量(国内生産分+輸入?輸出)は、昨年比で5%減というアナリスト予測もある。

今年の市場の注目点は、肥育牛は枝肉重量が多いため、頭数が減っても牛肉生産量は増えていることだ。1月1日から8月23日までの去勢牛・未経産牛の総処理頭数0.7減少に対し、ビーフ生産量は0.8%増加した。対照的に、雌牛は枝肉重量が軽いため、総処理頭数は8.5%増加したが、カウ・ビーフ生産量は7.5%の増加にとどまった。

※2008年9月8日 Cattle Buyers Weekly
出荷可能牛は減少傾向
 

出荷可能牛の頭数が減っている。去勢牛と未経産牛の週間処理頭数はともに昨年を下回り、今月、来月も減少が続くだろう。しかし、6・7月の出荷可能牛頭数が予想より少なかったことや先物相場の大幅なプレミアムを考えると、10月は出荷頭数が増えるかもしれない。7月の出荷頭数が少なかったため、去勢牛と未経産牛の枝肉重量は昨年に比べて多い期間が長引いている。

HedgerEdge.comのゴッチョーク氏は、「3〜6月まで導入頭数が少ない月が続いたことから、当面の供給量は少ないはずだ。牛肉生産量が激減しない限り、現金取引最高値は年末までは104ドルで推移する」と予想している。

フィードロット導入頭数はここ2ヵ月予想を下回り、その結果、第4四半期の予想出荷頭数が下方修正された。導入頭数の少なさをプラス効果とするには、肥育業者は先行の頭数を減らす必要がある。枝肉重量や優良等級の牛の割合の多さからもわかるように、フィードロットの飼育が120日を超える牛も、計算上のキャリー・オーバー分の牛も頭数が多くなっている。

※2008年9月1日 Cattle Buyers Weekly
セーフティー関連ニュース
畜産業界、原産地表示で書式統一
 

9月30日に発効する原産地表示義務制度(MCOOL)に対応するため、畜産業界の各種団体が合同で、標準的な原産地証明書を作成した。証明書は3種類あり、表示義務対象となる、肉牛、豚、羊、山羊の原産地証明に使用される。9月1週より、業界団体のホームページからダウンロードして利用可能になっている。この書式作成は、30を超える業界団体・企業の代表者75名が参加した畜産マーケティング協会(LMA)主催の会議で検討、決定された。証明書はサプライチェーンの全ての関係者に利用して貰えるよう、効果的でシンプル、使い安く低コストを考慮して作成された。

※2008年9月4日 Meatingplace.com & 2008年9月8日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
海外市場動向
 

【韓国、国産牛販売にてこ入れ】

韓国の農業協同組合連合は9月2日、2009年から2010年をめどに、国産牛肉・お米専門の販売会社を2社設立して、低価格の輸入品の流入で苦戦している農家の利益向上を支援する計画を発表した。中間業者を削減し、生産者と消費者を直結して流通の効率化をはかり、販売側には価格アップ、消費者側には手頃な値段を実現する。同連合会は「お米と牛肉は農家の収益のかなりの部分を占めるため、こうした対策が必要だ」と説明している。

韓国の肉牛飼育頭数は、2006年の184万頭から今年6月現在では227万頭に伸びているが、販売価格が下がる一方で生産コストが徐々に上昇している。販売価格下落の背景には、ショートリブなどの米国産骨付き製品の輸入再開がある。販売会社を運営することで、生産と流通をコントロールして、急激な価格変動を軽減するのが狙いだ。

※2008年9月4日 Meatingplace.com

【メキシコ、米国向け食肉輸出を中断】

年1回の米国農務省食品安全検査局(FSIS)による食品安全システム査察の結果を受けて、メキシコは自主的に米国向け食肉・鶏肉の輸出を中断した。FSISは6月24日から7月31日にかけて実施した査察の結果を検討した上で、8月11日に追加的な公衆衛生予防措置として、米国側通関手続き地でのメキシコ産食肉・鶏肉の再検査を強化した。その後に高官チームをメキシコに派遣して、査察結果と製品の安全を確保するための是正措置を話し合い、メキシコから提案されたコンプライアンス計画を承認した。

メキシコは昨年、9,141万6,497ポンドの食肉・鶏肉製品を米国に輸出している。これは米国が輸入する食肉・鶏肉製品全体の2.41%にあたる。

※2008年9月5日 Meatingplace.com

【中国、ドイツ産ポークの輸入解禁】

2年にわたる交渉の結果、中国はドイツ産ポークの輸入を解禁した。ロイター通信社によると、ドイツ農務省は9月1日、中国との獣疫協定に調印したと発表した。これに伴い、ドイツ産ポークの中国向け輸出の道が開かれる。獣疫証明書が作成され次第、輸入開始となる見込みだ。中国は豚コレラの不安から輸入禁止措置をとっていたが、ドイツ側は「発生頻度は他のヨーロッパ諸国と変わらない」と主張していた。

※2008年9月3日 Meatingplace.com
第24回
impressions

「日本市場の国際化」

第17回世界食肉会議に参加した。世界の動向は日本では実感できない程の速度で変化していることを痛感した。BSEはリスク管理できる疾病として解釈されており、参加者は日本や韓国のBSE対応については極めて冷やかな見方をしている。むしろ口蹄疫や人畜共通病撲滅が主要な国際的課題との認識が高い。その他には、南米やアフリカの生産能力の向上と動物疾病撲滅への国を挙げての取組みや、EU諸国での消費者の実質的利益を考慮したトレーサビリティー制度の導入と供給国の迅速な対応努力。動物愛護の観点からの生産方法の開発・導入努力。バイオ燃料生産増加への原料の分散対応による家畜生産コストの抑制努力。これまでは北半球中心で展開されていた食肉の生産と貿易が、今後はまさに南半球諸国の努力もあり、世界的な規模で展開されてくることは必至である。

今回は日本からの参加はスピーカー以外全くなかった。世界が日本の胃袋に物を運んでくれる時代は終わった。そして中東やロシアをはじめとする東欧もオイルマネーや穀物輸出による膨大な資金力を持って世界の食糧供給に影響を及ぼし始めている。すでに諸外国に「買い遅れ」や「買い負け」していることは否定できない。海外の情報収集能力がその国の購買能力を決定するといっても過言ではない。我々は情報戦争でも負けているのではないか。(差無)

米国食肉輸出連合会:〒107-0052 東京都港区赤坂1-6-19 KY溜池ビル5F Tel.03-3584-3911 Fax.03-3587-0078 URL http://www.americanmeat.jp