暑中お見舞い申し上げます
平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。猛暑が続いておりますが、読者の皆様はお変わりなくお過ごしのことと存じます。
今後も業界最新情報をいち早く正確に配信すべく努力して参りますので、引き続きご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。
厳しい暑さはまだまだ続きそうです。ご自愛のほどお祈り申し上げます。
2008年8月11日 米国食肉輸出連合会
枝肉価格は平均151.00ドル(同3.27ドル安)。
Y2~3のセレクトは152.84ドル(同8.50ドル安)。
頭数の伸びが鈍い状況が4年続き、現在はさらなる頭数調整の段階に入っている。今年1月1日時点の肉牛頭数は前年比1.0%減。米国農務省(USDA)が7月25日に発表した中間報告では、上半期の肉牛頭数は3,300万頭(前年3,335万頭)だった。育成農家は今年前半、干ばつ、燃料等の経費の高騰、営業利益の不振を理由に、飼育頭数を減らしている。
しかし肉牛頭数が減少しても、2009年中盤までは肥育牛全体に影響はない見込みだ。3~6月期にフィードロット導入頭数を大幅削減したことで、7月1日時点でのフィードロット外の肥育牛頭数は数十万頭増加している。今年1月1日時点のフィードロット外の肥育牛頭数は10万頭(前年比0.3%)減。出産の条件が良好なため、今年の子牛出産頭数は昨年度より多い見込みだ。
6月のフィードロット導入頭数は、4ヵ月連続で前年実績を下回り、結果3~6月期の導入頭数は前年より約60万頭少なかった。7月25日付のCattle On Feedでは、6月度導入頭数は前年比5%減少で、ここ10年で最少としている。
しかし既報の各種レポートは、「7月は、昨年7月の導入頭数が極度に少なかったため、前年比で大幅増加」と報じている。こうした動きの中、牧場には飼育スペースがあり、トウモロコシ先物市場が大幅下落(7月3週終値は7ドルを下回る)したことから、肥育業者は導入頭数増加に期待を寄せている。また10月以降は105ドルを超える生体牛先物市場の動向も追い風になっている。
トウモロコシ先物相場の予測は非常に難しいとアナリスト達は述べている。事実、最新の開花状況を受けて、相場は気象予報が出るたびに変動している。今後は収穫が近づくにつれ、早霜の被害が出ないかが問題だ。「発育状況の好転」宣言を疑うアナリストもいる。最新のレポートによると、全国開花率は13%(昨年59%、5年平均36%)。USDAをはじめ、大学やエコノミストによる1エーカー当たりの収穫量の予測値には、143~152ブッシェルの幅がある。収穫に影響する全ての生育条件を考慮すると、収穫高を予想するには時期尚早で、今後ゆるやかな価格の下落とみる一部業界の予測は楽観的すぎるという指摘もある。
食品医薬品局(FDA)は、既に発表されている新飼料規制(2009年4月発効予定)に関する問い合わせに対し、修正事項をまとめた文書を発表した。新規制では以下の原料の使用が禁止される:
USDAは、今年9月30日に発効する原産地表示最終規則(COOL)の暫定版を発表した。対象製品は牛肉・豚肉・子牛肉・子羊肉・鶏肉・ヤギの肉、及び生鮮農産物等を含む一次産品。この規則は米国内で適用されるもので、国際貿易の原産地表示要件は、現行の輸出規則と輸出認証プログラムでカバーされる。
2008年7月15日時点で米国に存在する家畜由来の肉は、原産地米国と表示される。ただしその家畜が処理されるまで引き続き米国内にとどまることが条件。今後、食肉は次の4分類の家畜原産地に準じて表示される:
中国農林省(MOA)によると、飼料費の値上がりや南西部の自然災害にもかかわらず、このところ成豚の生産が急速に伸びているという。MOAが養豚が盛んな国内20地区の養豚場3,600ヵ所を対象に実施した調査によると、6月末時点の成豚の在庫は前年比10.6%、処理頭数は4.8%増加した。成豚の生産を支援する補助金として、中央政府は既に28億元(約4億2,000万ドル)の予算を確保している。
食肉加工では、食品衛生と製品品質が大きな課題だ。米国のジョージア工科大学研究所は、赤外線(IR)コンピューター視覚システムを活用して、食肉製品の安全性・味の改善、生産コスト削減が可能と考えている。
現在開発中のIRカメラの技術で、調理済み食品の加熱不足や加熱し過ぎを防止し、同時に食品加工業では、エネルギーコストと歩留まり損失の軽減が期待できる。最近のカメラはつい2~3年前と比べ、使いやすく格段に手頃な価格になっている。中には特殊な冷却装置が不要で、所有コストも大幅に下がったカメラもある。こうした進歩を受けて、研究所では食品加工工場のスクリーニングや温度管理の必要な作業に活用する可能性を模索している。研究ではまず製品をオーブンから出した時点で、IRカメラで中核温を計った。現在はさらに進んでオーブンの管理や生産ラインの技術者の補助ツールとして活用している。調理行程での使用も広がり、電子レンジによる加熱処理の実用化が進むかもしれない。
フランスの食肉加工業、ドゥヴィル社は、最新の真空パッケージ技術を活用した商品ライン、「テンダー・シェフ」を新開発した。やわらかで味わいのあるミートカットで、便利で食べやすい調理済み製品・インスタント食品だ。真空パッケージは、食品安全と品質の両方の要件を満たす、Sealed Air Croyovac社のDarfresh。MAP包装(調整気相包装)の2層の皮膜で、明るい肉色と品質が維持される。
真空パッケージのメリット:
同社はready-to-cut(切って焼くだけ)の業務用のミートポーションを、大手小売り会社、食肉加工業者、肉屋、フードサービス会社に納入している。従業員数90名で、年間平均1万トンの食肉(枝肉換算で36,400体の全枝肉と100万個のパッケージ入りマッスルミート)を生産している。