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TRADER'S Be & Po NEWS CONTENTS
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 3/17〜21)
豚肉(豚肉市況 3/17〜21)
市況ニュース 経営難で売りに出されるフィードロット
業界ニュース 米経済の低迷が牛肉業界に影響
関連コストを押し上げるエタノール
韓国外相、訪米し米韓首脳会談の議題調整へ
米国産牛肉・豚肉輸出の動向
ポーク関連ニュース 免疫学的去勢法で豚の肉質向上
トレンドニュース 消費者動向 -価格重視と外食減少-
珍種の豚で人間の疾病治療を研究
米国食肉市場ニュース  
牛肉
牛肉市況
(3月17日〜21日)
週間と畜頭数 :64.8万頭(前年比1.9%増)。 オクラホマシティーにおける去勢牛の体重別100ポンド当たりの価格
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  主要5市場では平均89.20ドル(前週比0.07ドル高)。枝肉価格は平均143.40ドル(同2.20ドル安)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり):
  歩留まり等級3(YG3)のチョイスは141.56ドル(前週比0.83ドル安)。Y2〜3のセレクトは139.54ドル(同2.48ドル安)。
 
豚肉 豚肉市況
(3月17日〜21日)
週間と畜頭数 : 230.6万頭(前年比9.8%増)。
肉豚の現金取引価格 : 前週比で1.50ドル安〜2.00ドル安で推移。
 
 
市況ニュース
経営難で売りに出されるフィードロット
 

昔からの取引先(肉牛肥育業者)の減少、トウモロコシ価格の高騰、肉牛の供給薄といった経営の圧迫で、多数のフィードロットが売りに出されている。大規模フィードロットは売却で所有者が変わっても経営は続くが、小規模では、現在25〜30%の余剰生産能力が更に拡大しているため、廃業が多発しそうだ。飼育頭数4,000頭以下の小規模フィードロットは稼働率が低いところが多く、大規模な商業フィードロットのような通年肥育はしないものの、同じように他と張り合って肉牛を確保する必要がある。通年肥育のフィードロットでは、肥育頭数1万5,000〜3万頭規模が最も経営リスクにさらされている。蒸留カスの入手先やパッカーとの距離、出荷網へのアクセス、飼育している肉牛の種類に左右されるとアナリストは指摘している。

※2008年3月17日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
米経済の低迷が牛肉業界に影響
 

米国経済の混乱が、様々な形で牛肉業界に打撃を与えている。最も深刻な問題は消費者の購入パターンの変化だ。外食頻度の減少でファミリーレストラン、ステーキチェーンが痛手を受け、商品先物市場も変動が高まっている。3月17日の週の急落は、信用危機が先物市場にまで波及していることを示している。今後1〜2年は不況になると予測するアナリストもおり、主要蛋白源の中で最も価格帯が高い牛肉の需要を鈍らせる可能性もある。一方、ガソリン価格の高騰は、生産者から消費者に至るまで、産業界全体に影響を与えている。

※2008年3月24日 Cattle Buyers Weekly
関連コストを押し上げるエタノール
 

米国のエタノール政策の影響で、食肉・鶏肉の価格や家畜の飼育コストの上昇が続いている。再生可能エネルギー事業が食品産業に与える負担は、2005〜2010年累積で約1,000億ドルになるとエコノミストは予測している。今年の投入原価の増加は、豚で29億ドル、肉牛で22.4億ドルに達し、1頭当たりのコストに換算すると、各々38ドルと117.50ドルにもなる。その一方で、今年のトウモロコシ作付け計画を価格動向を占う根拠とすると、今年は予想以上に高騰する可能性もある。大規模農業対象のFarm Future誌が2〜3月にかけて974社に対し行ったEメール調査の結果、作付面積はいずれも前年比で春小麦は6.9%、大豆は12.4%増加するが、トウモロコシは6.3%減少している。しかし昨年の例では、実際は調査で回答した以上の作付けをしている。そのためか米国農務省(USDA)の2月度予測は、関係者が可能と考えるより大幅な伸びになっている。

※2008年3月17日 Cattle Buyers Weekly & 2008年3月20日 Meatingplace.com
韓国外相、訪米し米韓首脳会談の議題調整へ
 

韓国外交通商部の柳明桓長官が、25日から5日間の日程で米国を訪問している。ライス国務長官、ゲイツ米国防長官、ハドリー大統領補佐官(国家安全保障担当)らと会談し、来月予定の韓米首脳会談の議題を調整するほか、北朝鮮の核問題、米韓自由貿易協定(KORUS・FTA)の批准などについて話し合う。FTA批准に向けた友好ムードづくりのため、米国側は米国産牛肉輸入の市場全面開放を再度強調すると予想される。また批准への世論喚起を目指して、柳明桓長官は米国商工会議所会頭を含む、財界要人とも活発に会談している。最近では、米国とのFTAの経済的効果を具体的数値をもって疑問視する意見など、かなり踏み込んだ議論をするまでに至っている。

※2008年3月24日 聯合ニュース
米国産牛肉・豚肉輸出の動向
 

2007年度、牛肉輸出はグローバル経済の拡大、蛋白源の需要増、米国ドル安に助けられて前年比で25%増加した。しかし2008年、特に後半は世界市場の状況から頭打ちになり、通年では8%増で、2003年以来最小の伸びになる模様だ。(3月19日付米国農務省発行のLivestock, Dairy and Poultry Outlook)

一方、米国食肉輸出連合会(USMEF)調べによると、2007年度の豚肉輸出は輸出量で3%、輸出額で10%伸びて連続16期目の増加を記録した。輸出先は引き続き日本、メキシコが各々1位、2位を占め、中国/香港が最大の伸びを示した。2006年に倍増したロシア向け輸出も、ドル安と高値のブラジルを敬遠した影響で21%増と好調だ。

※2008年3月3日 MeatPoultry.com & 2008年3月20日 Meatingplace.com
ポーク関連ニュース
免疫学的去勢法で豚の肉質向上
 

競争の激しい食肉業界では、新たな法律や技術の導入がもたらす変化やビジネス機会への注視が欠かせない。その良い例が豚肉生産に取り入れられた免疫去勢の手法だ。若年で去勢する代わりに、ワクチン接種で雄豚の代謝をコントロールすることで、去勢豚に近い、脂肪やムダの少ない良質の枝肉が得られる。最近は動物福祉や食品の原産地表示への消費者意識が高まっている。そのため、免疫去勢の技術は生産者から消費者まで、ポークのサプライチェーン全体へのメリットがあり、既に多数の国で実施・認可が進んでいる。

※2008年 Meat International Vol.18 No.1
トレンドニュース
消費者動向 -価格重視と外食減少-
 

今年で3年目となる米国食肉協会(AMI)と食品マーケティング協会(FMI)の共同調査によると、家計のやりくりに窮する消費者は、外食を減らし価格を基準に食肉を購入する傾向が強まっている。エネルギー費の高騰、信用危機、住宅市場の低迷、不況感の影響で、消費者の買い物・外食パターンや食肉購入店に変化が出ている。食肉購入店のトップは相変わらずスーパーで、また回答者の30%が「肉汁が洩れないパッケージなら食肉の購入量を増やす」と述べている。お得な買い物を求めて、消費者は店舗間は勿論、同じ店舗の食肉売り場内でもカットや肉の種類別に価格を比較しているそうだ。

*The Power of Meat - An In-Depth Look at Meat Through the Shopper's Eyes(2007年11月に、消費者1,147名を対象に実施したインターネット調査)
※2008年3月24日 Cattle Buyers Weekly
珍種の豚で人間の疾病治療を研究
 

世界でも珍しいオッサバウ豚を使って、人がかかる一般的疾病を治療する研究が進んでいる。この豚は、高温多湿の気候と、餌となる食物が周期的に不足することで知られるオッサバウ島(米国ジョージア州大西洋沿岸)に、自然淘汰で現在は200頭たらずが生息する珍種。体重はわずか100ポンドで、食料が乏しい自然環境に順応して春先は多量の体脂肪を蓄えることができる。粗食で運動量が多いと比較的健康だが、怠けて食べ過ぎ運動不足の生活をすると強度の肥満傾向が出ることから、研究者はオッサバウ豚の生理特性は極めて人間に近く、人間がかかる疾病の理想的な研究対象になると着目した。医学的に豚もヒトもよく食べ、インスリン耐性・高血圧・腹部の余分な脂肪がつく危険性の増加、といった点で似ている。研究はメタボ症候群、糖尿病、冠動脈や卵巣の疾患を中心に進められている。

※2008年 Animal Agriculture紙
米国食肉輸出連合会:〒107-0052 東京都港区赤坂1-6-19 KY溜池ビル5F Tel.03-3584-3911 Fax.03-3587-0078 URL http://www.americanmeat.jp