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TRADER'S Be & Po NEWS CONTENTS
BSE関連ニュース スイフト社、台湾向け輸出再開へ
EU大使、輸出基準で「米国はダブルスタンダード」と批判
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 12/31〜1/4)
豚肉(豚肉市況 12/31〜1/4)
市況ニュース 牛肉と他食肉の競合激化
牛肉価格上昇を願うパッカー
セーフティ関連ニュース USDA 2009年末までに肉牛個体認識 7割達成へ
FSIS、リスクベースの牛挽肉O-157検査を開始
業界ニュース 広がる動物福祉支持の流れ
トレンドニュース ビーファロは食肉の優等生
BSE関連ニュース
スイフト社、台湾向け輸出再開へ
 

米国農務省・食品安全検査局(FSIS)は1月8日、台湾がJBSスイフト&カンパニー社の工場を、台湾向牛肉輸出認証施設に戻したと発表した。その結果、処理加工・パッキングの日付が2007年12月28日以降、船積みの日付が2008年1月3日以降の牛肉製品が輸出可能となった。

※2008年1月8日 Meatingplace.com
EU大使、輸出基準で「米国はダブルスタンダード」と批判
 

EU代表委員会の委員長を務めるバートン大使は、「牛肉貿易規則・BSE関連で、米国はダブルスタンダードを適用している」と非難している。同大使はプレスリリースで「EUと米国は2005年、国際獣疫事務局(OIE)で、30ヵ月齢以下の牛由来のボンレスビーフはBSEの危険性がないというグローバルな合意と認識を確立するため協力した。米国は、まさにその合意内容を基にアジア市場で米国産牛肉の輸出を推進する一方で、2008年初頭の今なお、EUからの30ヵ月齢以下の牛由来のボンレスビーフ対米輸出は、恐らくBSE感染の疑いを理由に停止されたままである。これはダブルスタンダードだ」と述べている。これに対し米国農務省(USDA)側は、「EUはBSEリスクレベルに関したOIEの認定をまだ受けていない」と反論している。一方ブラジルは、EUに対し1月31日発効の新たなブラジル産牛肉輸入規制について、規制の根拠となる技術的なデータを求めて再交渉する構えだ。現在ブラジルは世界の牛肉貿易の33%を担っている。

※2008年1月7日 Meatingplace.com
米国食肉市場ニュース  
牛肉
牛肉市場
(12月31日〜1月4日)
週間と畜頭数 : 52.8万頭(前年比0.6%増)。
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり) : 主要5市場では平均94.58ドル(前週比2.63ドル高)。枝肉価格は平均150.75ドル(同4.35ドル高)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり ) : 歩留まり等級3(YG3)のチョイスは148.50ドル(前週比0.12ドル安)。Y2〜3のセレクトは137.17ドル(同1.17ドル高)。
※2008年1月4日 Cattle Outlook (Glenn Grimes & Ron Plain)
フィードロット内頭数
豚肉 豚肉市場
(12月31日〜1月4日)
週間と畜頭数 :200.9万頭(前年比8.9%増)。
肉豚の現金取引価格 :
  前週比で1.00〜2.00ドル安で推移。
   
市況ニュース
牛肉と他食肉の競合激化
 

2008年に入り、牛肉は他の食肉、特に豚肉に押されている。第1四半期の牛肉供給量の伸びは、豚肉・鶏肉に比べて少ないようだ。牛肉卸売価格には好材料だが、消費者は生活費の高騰や景気不安で食費を引き締めている。1月1週はボックスビーフ価格がやや値上がりしたが、それも年末年始の大幅な生産量減少によるものだ。

パッカーの在庫量は、ここ2〜3ヵ月と比べて適正だが、処理頭数が通常レベルに戻り生産量が増えると、状況も変わるだろう。パッカーは、かなりの量を先行して販売したので、今後の受注に対応するには処理頭数のレベルを維持する必要がある。それでも生体牛価格の値上がり(1月1週、テキサスとカンザスでは2ドル高の95ドル)で、パッカーの赤字は続いている。天候が悪化すれば、第1四半期最高値の97ドルまで値上がりする可能性もあるとアナリストは示唆している。

昨年末に発表されたUSDAの成豚報告書によると、12月1日現在で成豚の在庫が前年より4.2%、出荷分は4.5%増加している。2008年第1四半期の生産量は、ポークは2.5%、ブロイラーは3.5%、一方ビーフは1.5%増加するというアナリスト予測も出ている。

しかし今年の第1四半期の食肉・とり肉生産量は、過去最高を記録した昨年の第4四半期と比べ、標準以上に落ち込むとアナリストは見ている。そのため牛肉価格が今四半期前半に上昇する可能性もある。

※2008年1月7日 Cattle Buyers Weekly
牛肉価格上昇を願うパッカー
 

1月1週は肥育業者が生体牛の高値を固守したため、通常の生産量に向けて手配するパッカーの仕入価格が上がっている。商品ファンドの売買の影響で先物相場が下落したが、サザン・プレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス北部)で、パッカーは付け値を94〜94.50ドルに上げた。しかし肥育業者を抑止することはできず、生体牛はテキサスとカンザスでは前週比2ドル高の95ドル、ネブラスカでは牛肉は前週比3〜5ドル高の150〜152ドルで取り引きされた。採算点が100ドルを超えると、生体牛価格は今後さらに上昇するとアナリストは述べている。

一方、パッカーは、チョイスを1.49ドル、セレクトを2.14ドル値上げした。処理頭数は前年同期比で若干少なめの52万8,000頭だった。今後どの程度の値幅でボッスビーフの値上げを続けられるかは、1月2週の処理頭数が鍵となるだろう。

※2008年1月7日 Cattle Buyers Weekly
セーフティ関連ニュース
USDA 2009年末までに肉牛個体認識 7割達成へ
 

USDAは、1月上旬に全国家畜個体認識制度(NAIS)の事業計画を発表した。上記達成目標に加え、特に出生地から移動する肉牛に登録を徹底して、疾病発生時の48時間以内トレーサビリティー(追跡可能性)を強化する。また制度拡大やトレーサビリティー向上に向けた指針、問題点・機会点、短期的な推進実現への7つの戦略(1.NAIS実施の優先付け(家畜種類・セクター)/2.各種認識制度の調整/3.疾病関連データの標準化/4.疾病対策プログラムの自動データ収集技術との統合/5.各州、地域との提携/6.業界との協調/7.認識技術の向上/※2008年度予算は330万ドル)なども盛り込まれている。

※2007年12月24日 Cattle Buyers Weekly
FSIS、リスクベースの牛挽肉O-157検査を開始
 

FSISは1月1日、牛挽肉のO157:H7(腸管出血性大腸菌)を対象に、強化されたリスクベースの標本抽出と検査制度を開始した。実施にあたっては、処理施設の生産量や、過去120日間におけるFSISまたは農業販売促進局による検査での陽性反応の有無を考慮する。対象施設からは、年間最低4点から最高24点の標本を集める。

新制度は、昨年夏に多発したO157:H7感染の疑いのある牛挽肉リコールへの対応策で、処理施設が陽性反応を示した生産ロットを出した後の再検査とは別立てで実施される。

※2008年1月4日 Meatingpalce.com
業界ニュース
広がる動物福祉支持の流れ
 

動物の飼育や食肉処理の過程で動物の虐待を規制する「動物福祉」の動きが、世界各地で広がっている。そうした流れを反映して、昨年春には国際獣疫事務局に加盟する167ヵ国が、全会一致で生きた動物の輸送と食肉処理に関する国際基準を採択した。基準は海上・陸上輸送、食用の処理、疾病管理のための処分が対象。現在、家畜福祉に関する規則がない国々には、たたき台になるだろう。

動物福祉に対する消費者の意識や支持の拡大に対し、大手食品企業も呼応している。ある大手ファーストフードチェーンは、仕入れる鶏肉製品の5%は放し飼い鶏由来、豚肉製品の20%は分娩枠や妊娠房を使用しない業者から購入と規定している。割合は小さいが量的には多く、こうした方針が飲食業界にも影響を与えている。フォアグラをメニューから外し、動物愛護協会の動物福祉政策に沿って食材調達の指針を整備するグルメレストランも出てきている。USDAが最近実施した家畜保健・福祉改善プロジェクトでも、鶏の脱皮を促進するための餌止めの禁止、酪農牛の除角の際に麻酔を使用、肉牛の去勢目的のバンディングの禁止を決定している。

※2007年IV号 AMEFT (Asia & Middle East Food Trade Journal)
トレンドニュース
ビーファロは食肉の優等生
 

ビーファロはアメリカ野牛と国産牛の交配品種。丈夫で飼育に世話がかからず、枝肉処理での高い効率、良質でヘルシーな肉と生産者・処理加工業者ともにメリットがある。この交配はこれまで300年以上行われてきたが、1960年代になって初めて、新しい交配種を確立するために、きちんとした科学的な取り組みで繁殖を促進するようになった。

国産牛であれば、ほぼどの品種でも交配できる適応性に加え、最大の利点は採餌能力だ。ビーファロは野牛の消化器官を受け継ぎ、第一胃に普通の肉牛より粗飼料の消化効率が良いバクテリアをもっている。また開いた毛穴や一般牛の倍の体毛密度で、暑さ寒さに強い。さらに外側の脂肪が薄く、枝肉処理で無駄が少ないのも特長だ。平均的な1,200ポンドの去勢牛では50〜100ポンドの脂肪を廃棄するが、ビーファロではほとんどない。きめが細かい肉質で、米国内の市場調査では、通常の牛肉より好まれる(99%)結果が出ており、グルメレストランなどの高級市場の開発がしやすい。和牛のように、筋肉内脂肪は融点が低く調理中に溶け出して肉汁と風味が増す。

牛肉との比較で、コレステロールは67%、カロリー69%、脂肪29%、飽和脂肪からのカロリー57%、一方カルシウム、鉄分はそれぞれ267%、12%多く、ヘルシーである。

※2007年12月30日 Meat International
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