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TRADER'S Be & Po NEWS CONTENTS
米国食肉市場ニュース 牛肉(牛肉市況 8/27〜8/31)
豚肉(豚肉市況 8/27〜8/31)
市況ニュース 飼料費上昇が豚肉生産者の利益を圧迫
生体牛・牛肉価格、年末まで高値の予想
セーフティ関連ニュース PQA Plus (豚肉品質保証制度)
欧州食品安全庁、GM穀物安全性報告書を発表
USDA、グラスフェッド自主基準を発表へ
トレンドニュース 2006年度オーガニック・ミート売り上げ、2ケタの伸び
impressions 第23回「いつなの?」
米国食肉市場ニュース  
牛肉
牛肉市場
(8月27日〜8月31日)
週間と畜頭数 :
  69.8万頭(前年比2%増)。
肥育牛の取引価格(100ポンド[約45kg]当たり) :
  主要5市場では平均94.35ドル(前週比1.65ドル高)。枝肉価格は平均148.50ドル(同2.75ドル高)。
牛肉価格(100ポンド[約45kg]当たり ) :
  歩留まり等級3(YG3)のチョイスは147.68ドル(前週比4.78ドル高)。Y2〜3のセレクトは140.38ドル(同3.35ドル高)。
豚肉 豚肉市場
(8月27日〜8月31日)
週間と畜頭数 :209.3万頭(前年比1.9%増)。
肉豚の現金取引価格 :前週比で2.50〜3.00ドル安で推移。
市況ニュース
飼料費上昇が豚肉生産者の利益を圧迫
 

トウモロコシの値上がり分を吸収するため、牛肉・鶏肉生産者は大幅な生産調整を余儀なくされているが、豚肉生産者はマージンを小さくして生産縮小を逃れている。トウモロコシの値上りが始まる前の2006年第4四半期、成豚のマージンは100ポンド当たり7ドルあったが、この1年は2ドルに下がっている。生産量は2%増加したが、豚肉の国内需要の高まりで、牧場レベルの価格も上昇している。この先12ヵ月は、牛肉・鶏肉の供給も回復して、豚肉のマージンはほぼ採算水準と見込まれる。今後の飼料価格や輸出市場、特に米国産豚肉の需要が伸びている中国市場の動きは、依然不透明だ。

※2007年9月3日 Meatingplace.com
生体牛・牛肉価格、年末まで高値の予想
 

最新のCattle on Feedレポートや需給関係から考えると、第4四半期の生体牛価格は90ドル台が続き、12月初旬には下半期最高値の98〜99ドルになりそうだ。肥育業者の採算点は今秋100ドルを超えるので、彼らにとっては上記レベルかそれ以上の生体牛価格が必要になる。

生体牛価格は前年比で10〜12ドル高の可能性もあり、パッカーが昨年後半4ヵ月に被った大赤字を避けるには、ボックスビーフの大幅な値上がりが必要だ。パッカーは、第4四半期前半は韓国向け輸出が拡大し、チャックやショートリブが値上がりするのを期待している。仮に輸出が増えると、国内市場に出回る量が減るので、牛肉は殆どの部位で前年より大幅に値上がりするだろう。

昨年は、9月1日から17週間の生体牛平均価格は86.94ドル、同じくチョイスは143.99ドルだった。パッカーは牛肉価格を上げることができず、平均で1頭当たり19.31ドルの赤字を出していた。その後も14年ぶりの寒さ厳しい冬で出荷頭数は更に減少し、その状態は今年4月まで続いた。

今年6、7月の導入頭数は2ヵ月合わせて前年比で62万5,000頭も少なく、8月1日時点のフィードロット内頭数は前年の95.2%に止まった。11〜12月期と比べて導入数が減少したので、多くのアナリストは、この期間の生体牛価格は90ドル台後半と予測している。

※2007年8月27日 Cattle Buyers Weekly
セーフティ関連ニュース
PQA Plus (豚肉品質保証制度)
 

アジア市場に輸出される米国産豚肉は、米国農務省(USDA)の輸出証明プログラム(USDAEV)の基準を満たし、さらに豚肉品質保証制度(Pork Quality Assurance Plus)で認証された農家の豚由来であることが、取引条件になっている。PQA Plusは、生産過程の食品安全と飼育・処理過程における家畜保護を確実にする政府認定の自主管理基準で、養豚業界団体の全国豚肉委員会(NPB)が主幹となり推進している。今年6月に、従来のPQAからPQA Plusに強化された。対象施設・農場は3年間で3段階のステップ(1.研修後に個別認証 2.牧場査定 3.監査)を踏んで実施される。以上に加え、食品医薬品局(FDA)の公衆衛生・生物テロ防止法に基づいて、輸送を含む生産履歴の記録も義務付けられている。

詳細は http://www.pork.org/Producers/PQA/PQAPlus.aspx

※National Pork Board
欧州食品安全庁、GM穀物安全性報告書を発表
 

EU参加の非営利の研究機関である欧州食品安全庁(efsa-European Food Safety Authority)は、欧州連合(EU)の依頼を受けて、GM穀物の安全性について文献調査を行った。その結果、遺伝子操作をしてもGM穀物の特性の破壊や毒性の発生もないため、ヒトの健康への害はないと結論づけている。

1)

生物学的に、活性遺伝子と蛋白質は、量はまちまちだが食品や飼料に含まれる共通成分である。摂取後は、動物やヒトの胃腸管内で短いDNA・ペプチド断片へと急速に分解される。

2)

これまで実施された多数の家畜を使った実証研究で、GM植物から得た遺伝子組み換えDNA断片や蛋白質は、ブロイラー、肉牛、豚などの家畜の細胞組織、液体、食品の中には見つかっていない。

詳細は下記「欧州食品安全庁」ホームページ

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178623095798.htm

※2007年8月27日 efsa-European Food Safety Authority
USDA、グラスフェッド自主基準を発表へ
 

USDA農業マーケティング局(AMS)は、9月上旬にグラスフェッドの家畜の自主基準を発表する。AMSの自主基準発表後は、食品安全検査局(FSIS)が基準を満たしている農場を認証し、グラスフェッド牛ラベルの使用を許可する。基準に合格するには、飼育方法を実証できる飼育履歴記録などのシステムを導入し、定期監査を受ける。USDAは、飼育方法に関する様々な情報への消費者の要望を受けて、2006年12月に初回のグラスフェッド自主基準を勧告している。今秋は、更に自然飼育自主基準の提案とパブリックコメントの募集、また事前調査段階ではあるが、肉の軟らかさの自主基準の可能性も模索している。

※2007年8月27日 Meatingplace.com
トレンドニュース
2006年度オーガニック・ミート売り上げ、2ケタの伸び
 

米国の有機商品取引協会(OTA - Organic Trade Association)によると、2006年度の米国内のオーガニック・ミートの小売り販売高は2ケタの伸びをみせた。オーガニックの鶏肉、牛肉、豚肉、子羊肉、ソーセージ、デリミート類の売り上げ増加率はいずれも20%を超えた。

ミートカテゴリー別の2006年売上高と増加率(対前年)は以下の通り。

・鶏肉 2億930万ドル 30%増加
・牛肉 6,570万ドル 34%増加
・ソーセージ/デリミート 3,750万ドル 25%増加
・豚肉 1,230万ドル 23%増加
・子羊肉 480万ドル 21%増加

しかし伸びているとはいえ、オーガニック・ミートの売り上げは米国のオーガニック食品全体の売り上げのわずか2%で、2005年〜2006年で変動はない。

※2007年8月22日 Meatingplace.com
第23回
impressions

「いつなの?」

これは、業界の方々と顔を合わせると必ず聞かれる質問である。「いつになったら日本のユーザーは自由にアメリカンビーフが買えるようになるのか。日米の話し合いはどうなっているのか」ということなのだが、即答できるだけの動きも見られない。この件が政治的道具として扱われていることは否定できないだろう。80年代の牛肉輸入枠撤廃交渉の際も、その政治的過熱ぶりは大変なものだったが、あのときの日本の消費者やマスコミは米国産牛肉輸入に理解を示してくれていた。だが、今回はまだ広く消費者とマスコミの支持を受けるまでには至っていない。その中で日本のユーザーは輸入拡大を辛抱強く待っているが、ビジネスである以上いつまでも待ってくれるものではない。現在のこう着状態が長引けば、日本のユーザーは離れ、定着し始めた米国産牛肉マーケットも消滅する。一体いつになったら政治的束縛から解放されるのだろう。このままでは日米の業界は駄目になってしまう。<差無>

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