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Volume 058 Aug 7, 2006
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BSE関連ニュース
USDA、BSE検査新体制を発表
 

米国農務省(USDA)のジョハンズ農務長官は7月20日、BSE発生率が極めて低い現状に即した検査体制に移行することを発表した。今後は牛肉生産関連施設で、感染の可能性が高いと思われる牛を対象に、年間約4万件の検査を実施する。これは、国際獣疫事務局(OIE)が定めたBSEサーベイランス基準の10倍にあたる。中枢神経系の障害の兆候を示した牛は全て検査し、更に歩行困難牛を重点的に検査する。同長官は「新体制においても、BSEの予防、検出能力に変わりはない」と述べている。

今年4月に発表された最近7年間の検査データ分析結果によると、過去のBSE感染は成牛100万頭に1頭の割合で発生し、今後の確率としては4,200万頭に4〜7頭と推定される。この分析結果は、政府内関係局による検討の後、外部有識者によっても確認された。

人や家畜の安全は、検査ではなく、特定部位の除去や飼料規制など様々な予防対策を連動した体制によって確保される。飼料規制の実施期間が長ければ長いほど、BSE感染のリスクは低くなることが、複数の研究で指摘されている。

2004年6月1日から2006年7月15日までの111週間で759,306頭を検査し、2頭が陽性と判定されている。実査担当会社に30日の事前通知義務があるため、新体制への切り替えは早くても8月下旬の予定。
※2006年7月20日 米国農務省ニュースリリース & 2006年7月24日 Cattle Buyers Weekly

米国食肉市場ニュース
牛肉市況(7月17日〜21日)
週間と畜頭数 : 65.7万頭(前年比0.9%増)。
肥育牛の取引価格 (100ポンド[約45kg]当たり) :主要5市場では平均81.10ドル(前週比0.62ドル安)。
枝肉価格は平均128.45ドル(同0.10ドル高)。
牛肉価格 :歩留まり等級3(YG3)のチョイスは142.16ドル(前週比5.65ドル安)。YG2〜3のセレクトは124.10ドル(同1.86ドル安)。
〜豚肉〜豚肉市況(6月6日〜10日)
豚肉市況(7月17日〜21日)
週間と畜頭数 :196.9万頭(前年比5.4%増)。
肉豚の現金取引価格 : 前週比で0.50〜4.00ドル高で推移。
成豚の重量別取引価格 : 電話取引による重量別取引価格は、前々週比で横這いから10ドル安。40〜50ポンドは93ドル、50〜60ポンドは79〜91ドル、60〜70ポンドは83ドルだった。
 
市況ニュース
熱波で卸売り牛肉価格に打撃
 

全国に広がる記録的な熱波で、牛肉需要および牛肉卸売価格の下落が進んでいる。特にグリル用カットのミドルミートに大きな影響が出ている。リブとロインは7月初めから急落し、10日間でチョイスは10.44ドル、セレクトは7.10ドルも値下がりした。またボックスビーフ価格の急落で、パッカーは再び赤字に転じた。一方、枝肉や生体牛の重量増加と出荷可能牛の頭数増加が、価格を圧迫するとみられる。

数ヵ月も続く干ばつで、膨大な数の若齢牛が通常より早めにフィードロットに送られている。そのため肥育牛の流れが乱れ、フィードロット内頭数が膨らんでいる。今のところ主要なトウモロコシ産地は干ばつ被害を免れているが、西部コーンベルトに影響が出始めている。今年の予想収穫量は105億〜110億ブッシェルで十分な量だが、エタノール生産に回る量が急増している。

7月3週、パッカーは在庫を消化するため大幅な値下げを行い、ボックスビーフの売上が伸びたが、需要が上向いたわけではなく、第2四半期の小売市場の牛肉需要は2005年度を下回った。
※2006年7月24日 Cattle Buyers Weekly

牛肉需要の低下が市場価格に影響
 

例年より遅い夏場の牛肉需要の下降にひきずられて、ボックスビーフと生体牛価格が下がっている。パッカーの利益よりボックスビーフの相場下落が著しいため、パッカーは処理頭数を抑えて利益確保に努めている。7月2週は現金取引が少なく、ネブラスカでは前週比で牛肉は3.50ドル安、生体牛は2ドル安で取り引きされた。サザン・プレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス北部)で肉牛は85〜86ドルの値がついたが、パッカーは80ドルを提示した。カンザス、テキサスでは平均83ドル台だったが、パッカーは82ドルを固持。しかしボックスビーフ価格の下落が続くため、82ドルでもパッカーは再度赤字になるだろう。
※2006年7月17日 Cattle Buyers Weekly

MEFニュース
エタノール工場はフィードロットにプラス効果
 

テキサス州ヘレフォードでは、2007年の操業開始をめどに、ホワイト・エネルギーホールディング社が、同州初となる2つのエタノール工場の建設に着手した。いずれも年間1億ガロンの生産能力があり、83万トンと大量に出る蒸留かす(DWG)がフィードロットの飼料に利用できるため、周辺肥育業者にとってもメリットが大きい。

トウモロコシとマイロの価格・供給への影響も懸念されるが、大量のDWGを安く入手できるため、十分埋め合わせできるという。ホワイト社は、世界最大のフィードロット集積地と急成長を遂げている酪農業に着目して同地に進出した。フィードロット側が湿ったDWGを買い取るため、同社は乾燥費用を年間1,800〜2,000万ドル節約、輸送コストも不要だ。一方肥育業者は、トウモロコシに比べて25%安くDWGを購入できる。現在、業界のDWG利用率は5〜40%で、DWGの栄養価に関する研究も進んでいる。
※2006年7月24日 Cattle Buyers Weekly

米牛肉業界調査−安全性、品質が改善
 

全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)が米国牛肉業界を対象に昨年実施した調査によると、前回2000年と比べて、微生物学的安全性、肉の遺伝的特徴の対応、牛肉の品質が向上したという。輸出促進の鍵は「産地・月齢証明の徹底」と「霜降りの増加」。一方、輸出上のマイナス要因は「品質のばらつき」で、その内訳として「霜降り、軟らかさ、味、等級間/内でのばらつき」の4項目を挙げた。それ以外にも「脂肪が多い、フードサービス用には大きすぎるカット、製品の損傷、食品安全、トレーサビリティーの欠如」などが指摘された。またナチュラル製品への需要が国内で14%、海外で10%増加すると予測した。調査は、主要農業大学が2005年5月から2006年6月にかけて、大手レストラン、小売業、輸出業、サプライヤー対象の面接と牛肉加工工場16ヵ所での取材からまとめたものである。
※2006年7月17日 Meatingplace.com

Impressions
−第20回−
学習の必要性

7月27日に米国産牛肉輸入再開が決定し、牛肉市場も新たな局面に入りつつある。ここに至るまでの政府・業界関係者のご苦労に敬意を表したい。安全性に関する根本的な議論から始まり、生産手順の準拠、政治的議論、制度・業界・政府への信頼、不安から来る感情論と、議論の焦点はめまぐるしく変化した。そして今では「安心、安全」がキャッチフレーズとしてあらゆる所に氾濫している。だが、この言葉に具体的な裏付けがなければ、これからは誰も納得しないだろう。

一方、消費者を名乗る一部の活動家達が、本質とは全く関連のないところで米国産牛肉輸入再開への不安と不満をとなえ、マスコミがそれを消費者の声として公表するという極めてお粗末な実状も存在する。一般の方々がこうした記事を鵜呑みにしないことを期待したい。嘘も百回言い続ければ本当になる、というようなことがあってはならない。

アメリカンビーフを販売するに当たって、業界関係者の方々には企業としての明確なスタンスを持ち、マスコミ及び顧客広報・教育に取り組んで頂ければと願っている。販売活動とマスコミ・顧客教育が効果的に連携しない限り、アメリカンビーフの需要回復は非常にゆっくりとしたものになってしまうだろう。そのためには、同時に我々も過去の経験にとらわれることなく、相手を十分知るべく学習に励まなくてはならない。(差無)

2006年7月27日

アメリカン・ビーフ対日輸出再開にあたってのコメント

米国食肉輸出連合会(USMEF)

米国食肉輸出連合会(USMEF、http://www.americanmeat.jp)は、今年1月から輸入停止となっていたアメリカン・ビーフの輸入再開を、日本政府が正式に決定したことに対し、歓迎の意を表明いたします。

米国食肉輸出連合会の会長兼CEO フィリップ・M ・セングは、以下のようにコメントしています。

「アメリカン・ビーフを再び日本市場にお届けできることを喜ばしく思っています。今回日米間で合意した輸出条件により、アメリカン・ビーフは日本に輸入されている食品の中で最も厳密に管理されているものの一つといえるでしょう。これは、我々の製品を30年近く親しんで頂いた多くの日本のお客様の信頼を取り戻すための、第一歩になると信じています。

日本政府は、農林水産省と厚生労働省による現地での調査等を通じて、米国の食品安全手順を詳細に確認し、評価され、今回の輸入再開となりました。ご尽力いただいた日本の政府関係者の方々、また、これまでの間、私たちを見守り、支えてくださった多くの方々に対しても、深く感謝しております。

米国食肉輸出連合会では、輸出再開に合わせて“We Care”の鮮やかな赤いロゴを目印に“すべては、日本の食卓のために”という、アメリカの食肉業界の固い決意に基づいたキャンペーンの展開を予定しており、小売業界や外食業界の方々とともに、広範なマーケティング活動や消費者への啓発活動を通じてご協力できることを楽しみにしています。これらの活動を通じて、日本のお客様がアメリカン・ビーフのヘルシーで豊かな美味しさと一貫した品質と商品価値の高さを、再び理解してくださることを願っています。」

米国の食肉業界では、輸出認証プログラムの遵守はもちろん、米国農務省による厳しい基準や生産条件を満たし、さらにそれを上回る独自の安全基準を設け、安全に対する意識が高い日本の消費者の期待に応えられるよう取り組んでおります。今回の輸出再開により、対日輸出認定施設で製造された政府承認商品のみが輸出されます。日本の消費者の皆様に安心してお召し上がりいただけるよう、今後ともアメリカの食肉業界が一丸となり努力して参る所存でおります。

 
米国食肉輸出連合会:〒107-0052 東京都港区赤坂1-6-19 KY溜池ビル5F Tel.03-3584-3911 Fax.03-3587-0078 URL http://www.americanmeat.jp