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Volume042 Dec 5, 2005
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BSE関連ニュース
USDA、30ヵ月齢カナダ牛解禁の見込み

米国農務省(USDA)は業界や議会の要請に応じ、30ヵ月齢以上のカナダ産生体牛の輸入を早急に解禁する模様だ。10月31日、パッカー数社がジョハンズ農務長官と会見し、米国の処理加工業界存続の危機を訴えて解禁を要請。その2日後には、9名の連邦議会議員が同様の趣旨の書簡を同長官に提出した。ジョハンズ農務長官は、解禁手続きを早めるため、規制は一気に全面解除ではなく段階的に実施する意向で、業界も同意見だ。ジョハンズ農務長官は「牛を処理加工に直送するために規則改定を急ぐことで、肥育牛の安全性など重要課題の決定が先延ばしになる可能性もある」と述べている。同長官は包括的な取り組みを望んでいるが、取りあえず30ヵ月齢以上の牛の識別を行って新規則の前倒しが可能か検討するよう指示した。

※2005年11月14日 Cattle Buyers Weekly
USDA、BSE検査を続行

USDAは、昨年6月から当初18ヵ月間の予定で実施してきた監視強化プログラムを、今後も継続する。同省の動植物衛生検疫局(APHIS)はこれまで週平均6,900件、延べ52万9,000件の検査実績があり、12月からは規模縮小が予想されていた。BSE検査はベネマン前農務長官が実施を公約し、業界の反対もあったが、ジョハンズ農務長官が推進してきた。検査続行後も陽性牛が出ないことで、日本などの未解禁国に対し米国産肉牛や牛肉の安全性の証明になること、また米国食品医薬品局(FDA)が食用や飼料用の特定部位使用に関する新たな規制を設定する作業が容易になるという判断による。

※2005年11月21日 Cattle Buyers Weekly
米国食肉市場ニュース
〜牛肉〜
牛肉市況(11月14日〜18日)
週間と畜頭数 : 58.9万頭(前年比2.3%増)。
肥育牛の取引価格 (100ポンド[約45kg]当たり):主要5市場では平均90.02ドル(前週比1.28ドル安)。 枝肉価格は平均141.70ドル(同1.20ドル安)。
牛肉価格 : 歩留まり等級3(YG3)のチョイスは152.70ドル(前週比7.11ドル高)。YG2〜3のセレクトは142.09ドル(同7.95ドル高)。
〜豚肉〜豚肉市況(6月6日〜10日)
〜豚肉〜
豚肉市況(11月14日〜18日)
週間と畜頭数: 213.7万頭(前年比0.8%増)。
肉豚の現金取引価格:前週比3〜3.50ドル安で推移。
 
市況ニュース
カットアウト価格上昇にもかかわらずパッカー苦戦

パッカーの赤字は3ヵ月近く続いたが、大幅な生産カットでチョイスが7.45ドル高など牛肉価格が急上昇し、11月3週にようやく逆ザヤが解消したが、それでも前週の肉牛の高値を補うのみにとどまった。主要市場の肉牛・枝肉現金取引価格が1〜3ドル安であったのに対して、ボックスビーフ価格は今年5月以来最高となり、感謝祭の祝日で処理頭数が50万頭以下と予想されるが、4週には市場の動きに押される可能性もある。現金取引市場のボックスビーフの取り引き量が極めて少なかったため、パッカーが多量の在庫を抱えているのではとも推測されている。また、処理頭数の減少で、10月に続き11月も肥育牛の出荷頭数が必要レベルを下回るのではという心配もある。

※2005年11月21日 Cattle Buyers Weekly
カナダ産生体牛の出荷数不足

今年7月18日の生体牛輸入解禁から11月11日までの17週間で、15万7,226頭の肥育牛 がカナダから米国内のフィードロットに出荷された。週平均では9,249頭で、1998〜2002年 の週平均4,409頭の2倍以上の供給量だ。これとは別に、30ヵ月齢以下の早期去勢牛と未経産牛 20万7,519頭が、直接処理施設に送られた。週平均では1万2,207頭で、1998〜2002年の 週平均1万2,343頭をわずかに下回っている。カナダ牛は米国牛に比べ低価格で、またパッカー で供給が不足している状況を考えると、上記の数字は少ないとアナリストはみている。業界関係者 は「輸送トラックのドライバー不足に加え、アルバータ州(カナダ)の生産業者は利益がでているた め、米国向けの出荷頭数を増やす必要性を感じていないのが要因」と指摘している。

※2005年11月21日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
フィードロット肥育期間、長びく傾向

10月の出荷頭数が少なかったため、フィードロットでは牛の肥育期間が若干長くなる模様だ。11月18日付け「Cattle on Feed」の出荷頭数は前年比で4〜5%減になる見込みで、パッカーが11、12月も処理頭数を昨年同月のレベル近くまで削減すれば、減少傾向は続くと予想される。今のところ11月の処理頭数は前年レベルを優に上回っているが、先週パッカーが行った処理頭数調整が月後半もあるかもしれない。そうなると既に前年レベルを上回っている出荷可能牛の頭数が増えることになる。
 しかし現金取引市場は急騰して、そうした予測を打ち消している。生体牛の現金取引価格はネブラスカで2〜5ドル高、サザンプレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス州北部)では2〜3ドル高だった。基礎的条件の状況が示唆する方向と市場の動向との乖離がますます進み、最終的には出荷可能牛の増加が現金取引市場の足を引っ張るとアナリストは指摘している。

※2005年11月14日 Cattle Buyers Weekly
2006年度世界の食肉輸出量、過去最高の予測

米国農務省海外農務局の予測によると、各国の輸入禁止や相次ぐ疾病の発生にもかかわらず、来年度の世界の牛肉、豚肉、家禽肉の貿易は、過去最高レベルに達する見通し。鳥インフルエンザや口蹄病の発生、BSEによる米国・カナダ産牛肉の輸入規制は今後も懸念材料ではあるが、主要国での食肉消費は今後も増加が続き、生産量、輸出量増大に拍車がかかる。世界的にほぼ2005年並みの経済成長が見込まれ、主要生産国で生産・加工施設への投資が進み、特に新興輸出国では、ブラジルの処理工場の近代化や南アフリカのフィードロット拡充など、生産能力・品質向上プロジェクトへの投資が行われている。2004年と2005年は、鳥インフルエンザとBSEの発生で貿易活動のバランスが崩れ、主要輸出国が設定した牛肉や家禽肉の価格が影響を受け、その結果豚肉価格が上昇した。またドル安で、2003年以来、米国産食肉・家禽肉の価格競争力が増しており、2006年はブラジルやオーストラリアと対比したドル安が更に進まなくとも、輸出における米国の優位性は続く。

※2005年11月 米国農務省海外農務局 Livestock & Poultry: World Markets & Trade &
 2005年11月17日 Meatnews.com
Impressions
−第13回−
輸入再開とは?

最近マスコミから「米国産牛肉の輸入再開が近いようだが、何かコメントは?」と聞かれるようになった。具体的な時期の予想は現段階では困難だが、不測の事態が起こらない限り再開されるだろう。
 この2年間、再開へ向けた関係者のご努力には頭の下がる思いだ。しかし一方で複雑な思いにも駆られる。元来米国では、工場向け成牛出荷頭数は秋口から春先まで減少する。そして今回は20ヵ月齢または枝肉成熟度A40由来の製品のみが許可される。つまり輸出向け頭数が更に低くなる事は避けられず、生体価格も安くなるとは予想しにくい。
 高値で量に限りのある中での再開が予想されるが、他にも取り組むべき課題は山積している。一部のマスコミは、あたかも勝利を収めたかのようなコメントを求める。だが米国の業界は慎重だ。これから日本の消費者のアメリカンビーフへの信頼回復に取り組んで行かなくてはならないからだ。
 牛肉枠撤廃の時代には、消費者の大半は撤廃に賛同し、我々の強い味方だった。だが今回は四面楚歌の再開であり、ハンディは大きい。ましてや政治的な圧力による市場再開や需要拡大など、考えるだけ無駄だ。力による解決は、短期的な目的を達成はしても、最終的顧客である消費者には日本人を無視した行動と映り、かえって反感を抱かれるだけだ。
 「どうすれば真面目で真摯な米国産業の現実を理解してもらえるか」これが私の最大の課題である。(差無)

This project funded by US producers.
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