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Volume039 Oct 24, 2005
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BSE関連ニュース
USDA、健康牛のBSE検査開始へ

米国農務省(USDA)はBSE監視体制強化のため、牧場主から自発的に提供される30ヵ月齢以上の健康牛20,000頭の検査を、今後2〜3週間以内に開始すると発表した。米国内の年間食用肉牛処理・加工の86%を占める40ヵ所の処理施設から脳細胞の検体を集める。陰性の結果が出るまで、枝肉は留め置いて食用に回らないようにする。

健康牛の検査実施は、かねてから議会から要望が出されていた。実施開始時期や検査牛を提供する牧場への協力金の有無は未定。

※2005年10月10日 Meatnews.com
FDA、飼料規制案を発表

同案によると、30ヵ月齢以上の牛、死亡牛、歩行困難牛からの脳髄と脊柱は、ペットフードを含めすべての家畜飼料への使用が禁止される。米国農務省食品薬品局(FDA)は、科学的な検証とリスク評価の結果、リスクの90%は脳髄と脊柱に由来するためと説明している。同案を実施すると、6,430万ポンドの特定部位の廃棄コストと損失で、年間1,400〜2,400万ドルの費用がかかる。

12月19日までのパブリックコメント募集期間を経て、コメント検討後発効の予定。ほ乳類・家禽類の蛋白質や他の特定部位の使用禁止も検証したが、ハーバードリスク評価のシミュレーション結果などからも、リスク軽減効果が極めて少なかったため、脳髄と脊柱に限定した。

使用禁止対象:

  • 30ヵ月齢以上の牛の脳髄と脊柱
  • 全月齢の、検査を経ずにレンダリング施設に送られた食用牛の脳髄と脊柱
  • 脳髄と脊柱を除去していない、検査を経ずレンダリング施設に送られた食用牛の枝肉全体
  • 今回の規制案で禁止した部位から採った動物性油脂のうち不溶性純度0.15%以上
  • 今回の規制案で禁止した部位由来で、機械で脱骨した牛肉
※2005年10月10日 Cattle Buyers Weekly & 2005年10月5日 Meatingplace.com
米国食肉市場ニュース
牛肉市況(10月3日〜7日)
週間と畜頭数 :62.5万頭(前年比0.2%増)。
肥育牛の取引価格 (100ポンド[約45kg]当たり) :主要5市場では平均86.60ドル(前週比0.23ドル安)。  枝肉価格は平均137.00ドル(同1.06ドル高)。
牛肉価格 : 歩留まり等級3(YG3)のチョイスは142.15ドル(前週比4.18ドル高)。YG2〜3のセレクトは130.26ドル(同4.55ドル高)。
〜豚肉〜豚肉市況(6月6日〜10日)
豚肉市況(10月3日〜10月7日)
週間と畜頭数:206.9万頭(前年比3.2%増)
肉豚の現金取引価格:前週比で横這いから1ドル安で推移。
 
市況ニュース
パッカー、赤字続きで苦戦

ボックスビーフ市場が低迷する中、肉牛価格は下がらないためパッカーの赤字が続いている。10月1週は前週の60万頭を上回る62万頭と、市場の需要を越える処理頭数で自らの首を絞めた格好だ。100ポンド当たりの価格は、サザンプレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス州北部)では当初90ドルと予測されたが、週後半には値下がりした。生体牛先物市場が週中盤に下落し、肥育業者が肉牛の売れ行きを心配したことから、88〜89ドル台で落ち着いた。

ネブラスカでは87.68ドル、牛肉価格にして137.54ドル(前週比2ドル高)だった。パッカーは収支の均衡を取り戻すため、カットアウト価格を140ドル台後半に押し上げる必要があったが、ボックスビーフはチョィスが5.76ドル値上がりしたものの、その後は横這いだった。パッカーは、予想より少ない出荷可能牛と61万頭以上は消化できない牛肉市場に挟まれ、苦境に立たされている。

※2005年10月10日 Cattle Buyers Weekly
業界ニュース
鳥インフルエンザ隔離に米軍派遣も

ブッシュ大統領は10月4日の記者会見で、米国内で鳥インフルエンザが発生した場合、発生地域の検疫を徹底するため軍隊派遣の可能性があると述べた。また各国首脳に、鳥インフルエンザ発生の報告体制改善と、蔓延予防に効果がある医薬品の研究を呼びかけている。

同大統領は4月に、米国政府に検疫の権限が与えられる伝染病リストに鳥インフルエンザを追加する行政命令(大統領令)に署名している。それにより、伝染の広がりを防ぐため、米国に到着する旅行者を拘留・隔離する法的権限が米国政府に与えられる。

※2005年10月5日 Meatingplace.com
民間個体識別制度、実施準備進む

全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は、同協会が推進する民間個体識別制度が、2006年度初めの本番化に向け、予定通り順調に進んでいると議会の農業分科委員会で報告した。現在データベース運用戦略を策定中で、制度開始後に管理を行う、全家畜対象の非営利コンソーシアム創設のため、業界団体と話し合いを進めている。

NCBAは、最終的には官民の協力が制度成功の鍵としている。同協会は国内で飼育されているすべての家畜の情報が入った民間管理のデータベースに投資しており、人間または家畜が発病した場合、直ちに政府機関に情報提供して発生源の追跡を手助けする。試験運用は10月、本格実施は来年1月の開始を見込んでいる。

一方、全国豚肉生産者協議会(NPPC)は同じ分科委員会で、「豚の全国個体識別制度を設ける場合は、過去に豚の疑似狂犬病騒動の対応で有効に機能した、既存の連邦、州、業界間の協力関係の枠組みを基盤にすべきだ。現行の記録・報告作業について生産者側も抵抗がなく、協会も制度運用コストを承認済みである」と述べた。

一方繁殖農家では、詳細な個体情報のデータベース化が急速に進んでいる。これにより、特に輸出指向の高い生産者は、他に比べ早期にシステム完了になると見込まれている。

※2005年9月29日 Meatingplace.com
カーギル社、カリフォルニア州のパッカー買収

牛肉加工業界第2位のカーギル・ミートソリューションは、カリフォルニア州フレスノのビーフパッカーズ(業界9位)の買収に同意し、年末までに契約締結して西海岸での処理加工を開始する。配送会社を含む関連企業4社も併せて買収し、各社ともカーギル・テイラー・ビーフ事業部に入る。これにより、カーギルは米国西部でトップの、肥育〜非肥育混成の加工業者となる(年間処理加工40万頭以上、2004年度売上5億ドル)。ビーフパッカーズは1,800頭の処理能力があり、カーギルの経営傘下で大幅な増産が見込まれる。今後は、1,500万ドルを投じた工場敷地内の冷蔵倉庫の新設や廃水処理システムの整備が予定されており、米国西部での事業の基盤づくりを目指す。

※2005年9月26日 Cattle Buyers Weekly
Impressions
−第10回−
●コミュニケーションって難しい

コロラドはもう秋である。日本のように赤や黄色など、まさに錦色といった色合いはない。しかし空に向かって凛と立つ白樺の黄葉は、真っ青な空との見事なコントラストだ。頬に少しの寒さを感じる乾燥した空気が、さらにおいしく感じられる。遥か彼方には4千メートルを超える山々の頂きが雪を被り、大自然の雄大な美は筆舌に尽くし難い。

だが、この美しさを言葉でどれほど伝えられるだろうか。私は昔から文章表現に乏しい。加えて言語には、本来曖昧さが内在する。それだけに自分の考えを充分に伝えるには大変な努力を必要とし、まして文化や社会習慣が異なる国同士の話はなおさら難しい。

ある人が一流の通訳を伴って商談に望んだが、結果は散々であったと聞いたことがある。事前に彼は一字一句を直訳せよと指示し、優秀な通訳は見事にそれを果たしたのである。だが、言葉のニュアンスが相手にさっぱり伝わらず、相手は暗黒の世界に放り出されたようだったという。

よくある話だが、日本語の「善処する」や「前向きに検討する」を英語に直すと、「良い結果を出すよう努力する」という表現になる。だめになる可能性は、英語には意味合いとしてほとんど含まれない。英語の“can”には、能力的示唆と同時に、行動の主体者の判断によって「…しなくてもよい」というニュアンスがある。外国企業との商談など、利害関係のある局面では、双方のニュアンスが違うために交渉が長期化したり、決裂することもある。その度に「あいつらは全然分かっていない」と嘆く方もおられる。しかし、責任の半分は自分にあるという認識は持てないものか。コミュニケーションとは、相手があって初めて成立するものであり、双方が理解できるように説明し合うのが義務だろう。

日本人同士でも誤解があるのだから、海外との話し合いにはいっそう表現上の注意を払い、「分からない」ことや「通じない」ことを前提に臨むべきだ。日本語では、主語を省略しても双方が推測できる。だが、それは他国との話し合いには通じない。ましてや「日本の特殊性」を理由にするのは、自分のコミュニケーション能力の乏しさを吐露するきわめてこっけいな話だ。手を変え品を変え、分かるまで伝える努力が必要なのである。高慢さは許されない。

食の業界は大きく輸入に依存し、商取引上、海外との接触も多い。たとえ直接に接する機会がなくても、コミュニケーションの難しさを念頭に置くだけで、仕事がよりスムーズにいくのではないだろうか。(差無)

This project funded by US producers.
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