ビーフ : BSE対策について

安全性を保つための3つの対策

アメリカでは、牛がBSEに感染しないために、また、疑いのある牛肉が市場に出回ることのないよう、徹底した対策が講じられています。国際獣疫事務局(OIE)*は、BSEリスクについて国別に評価をしていますが、アメリカは日本と同じ「無視できるリスク」の国と認定されています。
(参考:OIE > Animal health in the World > Official disease status > BSE

  • *国際獣疫事務局(OIE:Office International des Epizooties)。
    動物の伝染病に関する国際機関。国際動物検疫に関する国際基準を策定する国際機関として位置付けられ、世界貿易機関(WTO)の諮問機関の一つ。180の国と地域が加盟し、日本は1930年に加盟しています。

1.飼料規制

BSEは、牛が異常ブリオンで汚染された“特定部位を含む肉骨粉”を飼料として食べることで感染します。アメリカでは1989年にBSE発生国からの肉骨粉の輸入を禁止し、1996年から業界の自主規制として、また、1997年からは法律で、ほ乳動物由来のたんぱく質を、反すう動物(ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラクダなど)に使用することを禁止しました。

さらに、2009年より追加規制が実施され、月齢30ヵ月以上の牛由来の肉骨粉を全ての家畜の飼料、およびペットフードとして使用することが禁止されました。この追加規制の他、と畜場、レンダリング施設、飼料製造施設等において交差汚染の防止対策が講じられました。たとえば、民間飼料工場では、反すう動物用と非反すう動物用の飼料生産ラインを区別することで交差汚染を防止しています。

また、個々の畜産業者は「安全な飼料を与えて育てた」という誓約書にサインをしなければ、牛を販売できない仕組みになっており、この誓約書に違反があった場合は契約違反として罰せられるなど、念には念を入れたBSE拡大防止策を講じています。


2.特定危険部位(SRM)*の除去

科学的な研究によって、BSE病原体は特定危険部位(SRM)以外(肉や乳)からは発見されないことが明らかにされています。よって、たとえBSEに感染した牛でも、特定部位さえ取り除けば、人への感染を防ぐことができるのです。特定部位の除去がなにより確実な安全対策なのです。

  • *対日輸出向けに除去される特定部位
    30か月以上 (頭蓋(骨格・・眼球など)、せき髄、せき柱(背根神経節含む))

3.サーベイランス

アメリカでは1990年より、BSEの拡大を予防・監視する目的で、高リスク牛(中枢神経症状を呈した牛、死亡牛、歩行困難牛など)に重点を置いた検査を実施してきました。年間4万頭程のサーベイランス(動態調査)が実施されていますが、これは100万頭に1頭の病気の牛がいても見つけることができるほどの精密度の高い検査体制となっています。