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TRADER'S Be & Po

vol.321 Oct.29.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、牛カットアウト価格ともに軟調
生産動向 豚肉生産量は史上最高、2018〜2019年も拡大続く
トピックス USMEFがマンスフィールド賞と功労賞の受賞を発表
業界ニュース CAB販売量は14年連続増加、輸出拡大が寄与
食肉動向 牛肉・豚肉ともに前月比1%増、豚モモ増加―9月末
リテイル 全米で人気の牛肉カット、リブアイが1位キープ
フードサービス 3人に1人が毎日ファーストフード―CDC調査
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市場ニュース

生体牛、牛カットアウト価格ともに軟調

 
 

生体牛とボックスビーフの価格は、10月になれば季節的な上昇を始めると予想されていた。しかし、これまでのところその動きはみられない。過去5週間の生体牛の現金取引価格は100ポンド当たり110〜111ドルで停滞し、10月第2週もほぼ同様だった。

カットアウト価格は9月初旬から弱基調が続いており、先週もわずかながら続落した。この要因の一つは、9月にショートロインとフラットミートの価格が9月としては史上最高値にまで高騰し、その反動で下落が続いていることだ。カットアウト価格が好調なら生体牛価格は反発に転じたかも知れないが、現状は先物価格が現金取引価格の底支えをしている。

10月第1週の生体牛平均価格は110.95ドル、枝肉価格は174.83ドル。USDA公表の主要5州の取引頭数は11万1608頭と少なく、多くの地域で出荷を翌週へと繰り越したようだ。これはと畜頭数に表れており、同週の未経産牛・去勢牛の推定と畜頭数は50万7000頭と前週の51万8326頭をかなり下回った。

10月第2週は水曜日に取引が活発化し、アイオワ・ミネソタで1万4169頭が生体牛109.67ドル、枝肉173.89ドル、ネブラスカでは6246頭が枝肉173.50ドルで取引された。生体牛の先物取引価格は10月契約分が112.07ドルだった。

 

※2018年10月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

豚肉生産量は史上最高、2018〜2019年も拡大続く

 
 

USDAが公表した最新の豚飼養動向調査よると、飼養頭数は拡大を続けている。9月1日現在の豚総飼養頭数は7550万頭(前年比3%増)。うち繁殖豚は633万頭(同3.5%増)、肥育豚は6920万頭(同2.9%増)。いずれも9月としては記録的に多く、繁殖豚は1998年以降で最多。

繁殖豚は2013年9月期から増加を続けており、子豚生産頭数も記録的に増加している。6〜8月期の一腹当りの子豚数は10.72頭(同0.7%増)で最多を記録。同四半期の子豚生産頭数は3420万頭(同3.3%増)と記録を更新した。

USDAが10月11日に公表したレポートで、2018年および2019年の推定豚肉生産量は2年連続して最多記録の更新を続ける見込みだ。2018年の生産量は1199万トン(同3.3%増)、2019年は1261万トン(同5.2%増)の予想。

今年1〜9月の累計豚肉生産量は前年比2.7%増、と畜頭数は同2%増、肥育豚の平均枝肉重量は同1ポンド増。第4四半期(10〜12月期)の豚肉生産量・と畜頭数は過去最高水準に達し、生産量は同4.9%増となることが見込まれている。

牛肉、鶏肉の生産量も増加している。牛肉生産量は2018年が1222万トン(同2.9%増)、2019年は1266万トン(同3.6%増)といずれも新記録に達する見込みだ。

 

※USMEF report

  米国の豚飼養動向(2018年9月1日現在)
  米国の豚飼養頭数の推移(9月1日)/米国の豚肉生産量の推移と予測
 
トピックス

USMEFがマンスフィールド賞と功労賞の受賞を発表

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は「Michael J. Mansfield賞」および「Distinguished Service(功労)賞」の受賞者を発表した。両賞は、11月7日にカリフォルニア州ロングビーチで行われるUSMEFの戦略計画会議で授与される。

上院の元院内総務で米国駐日大使を務めたマイケル・J・マンスフィールド氏への敬意を表した賞は、USDAのマーケティングおよび規定プログラム副書記のグレッグ・アイボック氏が受賞。同氏は2005年から2017年までネブラスカ農業省でディレクターとして米国産食肉製品の国際的プロモーションを精力的に支援。ネブラスカ牛肉評議会、牛肉プロモーション委員会の活動を通してUSMEFと協力し、世界との貿易関係の基礎を築くことに貢献した。

同氏は「マンスフィールド賞を受賞することを本当に光栄。USMEFと活動を始めたのは25年以上前にさかのぼるが、米国産食肉の国際プロモーション活動という役割を長期間にわたり任され、牛肉・豚肉生産者へのメリットのみならず、付加価値のある輸出を目指したプロモーションに投資すれば、トウモロコシや大豆の生産者、トラック運送業者、処理業者など米国の農業経済全体に大きな利益をもたらすことを目の当たりにしてきた」と語った。

一方、USMEFの輸出目標を追求する上で優れたリーダーシップを発揮した個人に授与される「功労賞」の今年の受賞者はルー・アンドリューセン氏が選ばれた。2015〜2016年にUSMEF議長、また、USMEF輸出委員会の前議長を務めた。タイソン・フレッシュ・ミーツ社で国際セールスグループを率いていた同氏は、同社を退職する40年近く前から積極的にUSMEFの活動に関わってきた。

「USMEF功労賞は非常に名誉なこと。これは私のキャリアを通じ、共に働いてくれた多くの方々を代表して受賞するものと理解している。国際的な顧客基盤を構築し、それを維持発展させるためには、米国と海外拠点の国際販売チームはもとより、家畜調達、生産計画、輸出物流などの共同支援チームを含めて、信じられないほどの努力を要する。私のこれまでの仕事を通じて関わったすべての方々に心から敬意を表します」と述べている。

 

※USMEF newsrelease

  Greg Ibach氏/Roel Andriessen氏
 
業界ニュース

CAB販売量は14年連続増加、輸出拡大が寄与

 
 

サーティファイド・アンガス・ビーフ(CAB)ブランドの2018年度(2017年10月〜2018年9月)の販売量は、12億1000万ポンド(前期比8.1%増)と新記録に達した。年間の販売量が10億ポンドを超えたのは史上3回目。最も成長したのは国際部門で、50カ国へ2億700万ポンド(同18.6%増)を輸出し、過去最高を更新。韓国はじめカナダ、日本、香港、メキシコ市場で堅調な実績を達成した。

CABの販売量増加は14年連続。発足40周年を迎えたCABのジョン・スティカ会長は「これまでの40年間、CABの目標達成へ向けて、ファーム・ツー・プレートまでの人々の共同体が卓越した情熱と、品質・考え方・インスピレーションへの献身を分かち合ってきた。ビジョンを共有することで、肉牛生産者の小さなグループから始まったシンプルな考え方が、世界をリードするビーフブランドに成長した」とコメント。

2018年度にCABに認定された枝肉は週当たりおよそ10万頭、2017年より65万頭多い518万頭(前年度比14.3%増)に達し、同期間に出荷された肥育牛に占めるCABのマーケットシェアは18.5%を占めるまでになった。

 

※2018年10月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
食肉在庫

牛肉・豚肉ともに前月比1%増、豚モモ増加―9月末

 
 

9月末時点の食肉在庫量は、牛肉・豚肉・鶏肉のいずれも前月より増加した。牛肉の総在庫量は5億856万ポンド(前年比3%増)で前月比では1%の増加。冷凍豚肉の総在庫は5億8891万ポンド(同5%減)で同1%増だった。

豚肉のうち、ベリーの在庫は3030万ポンド(同45%増)、前月比では13%減と消化が進んだ。半面、ハム(モモ)は2億1463万ポンド(同8%減)と引き続き前年水準を下回っているが、前月比は5%増と大幅な積み増し。ロインも3376万ポンド(同2%減)で同10%増。バットは前月比で16%増加、トリングは逆に9%減少した。

  食肉の在庫量の推移
  牛肉の在庫量の推移/豚肉の在庫量の推移
 
 
リテイル

全米で人気の牛肉カット、リブアイが1位キープ

 
 

今年、小売業者のTボーンの拡販が非常に活発だが、アメリカで最も人気の高いのは依然としてリブアイステーキだ。リブアイは価格が昨年より上昇しているものの、販売量・額ともに第1位の座を維持。次いで消費者に支持されているのがストリップステーキ、3番目がTボーンだ。

ビーフチェックオフの販売データと小売動向調査によると、小売店で販売されているカットは140品目を超えるが、このうち上位10品目が全体売上の31%を占める。今年1〜7月までのリブアイの販売量は1億5650万ポンド(前年同期比1%増)、販売額は14億3200万ドル(同4%増)。平均小売価格はポンド当たり9.16ドル(同3%高)。

ストリップステーキは1億1700万ポンド(同2%増)、販売額は9億4800万ドル(同1%増)平均小売価格は8.11ドル(同2%高)。Tボーンは5610万ポンド(同12%増)、3億9100万ドル(同18%増)、平均小売価格は6.96ドル(同5%安)。小売業者の積極的な販促が数値にも表れている。第4位はシチューミート7060万ポンド(同7%増)、3億7100万ドル(同1%増)、平均小売価格5.25ドル(6%高)。

5位はチャックセンターローストで8710万ポンド(同5%減)、3億6580万ドル(同2%減)、平均価格4.20ドル(同3%高)。この品目の販売量と額が減少しているのは、一部の消費者が購入する牛肉をより高価なカットにシフトしたことが一因だろう。

 

※2018年10月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

3人に1人が毎日ファーストフード―CDC調査

 
 

疾病予防管理センター(CDC)が行った新たな調査によると、毎日1回ファーストフードを食べているアメリカ人の割合は36.6%だった。男性は37.9%、女性は35.4%。この調査ではアメリカ人の22.7%がファーストフード店で朝食をとり、43.7%がランチを購入、同様に42%が夕食を購入していることになる。

ロサンゼルスタイムズ紙の解説記事によると、ファーストフードは女性よりも男性の方が好む。アメリカ人男性の半数近い48.3%がファーストフード店で毎日ランチを食べており、女性の39.1%よりも明らかに多い。一方、ファーストフードで軽食をとる女性は25.7%と、男性の19.5%より多い。

ファーストフードは、お金や時間が足りず、他に良いものを買えないときに食べるものという社会通念があるが、必ずしもそうではないことをこの調査が明らかにした。世帯収入が連邦の設定する貧困ライン(1人11,770ドル、4人世帯で24,250ドル:2016年)の130%以下の世帯では31.7%が毎日ファーストフードを食べる。中所得世帯(世帯収入が貧困ラインの130%〜350%)では36.4%。高所得世帯(貧困ラインの350%超)では、ファーストフードの夕食をとる人が42%もいる。

ファーストフードの人気は人種的・民族的なグループによって異なることも明らかになった。最も好んでいるのはアフリカ系アメリカ人で、1日に42.4%が食べている。最も人気が低いのはアジア系アメリカ人で30.6%。その中間に白人(37.8%)、ラテン系(36.5%)が入る。

アメリカ人がファーストフードに依存する最大の理由は“時間”であり、またファーストフードに対する嗜好は年齢とともに弱まる。消費のピークは20〜30代で、この世代は44.9%が毎日ファーストフードを食べているが、中年層では37.7%、60歳以上では24.1%にとどまっている。

 

※2018年10月15日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート