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TRADER'S Be & Po

vol.311 May.9.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格は一時的上昇へ、夏場には急落か
夏から秋の豚価は前年割れで推移、供給増で
業界ニュース 人工肉や植物タンパクの肉表示の規制でコメント―NCBA
ポーク関連ニュース 2月の豚肉類輸出は8%増、3月1%増・4月9%増の予想
輸出動向 サンドイッチは今も定番メニュー、
年代層で嗜好に違い
USMEFインフォメーション ポークの新しい食べ方「ごちポで囲みメシ」を提案
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格は一時的上昇へ、夏場には急落か

 
 

グリルシーズンの始まりを目前に控えて、生体牛の現金取引価格は回復期を迎え、2週連続で上昇。先週は、先物価格の上昇に連動して、現金取引価格は生体牛平均価格が120〜122ドル、枝肉は190〜191ドルをつけた。

一方で、ボックスビーフのカットアウト価格は値下がりを続けた。前向きに捉えれば、これによって小売業者の牛肉マージンが改善したことで、5〜6月あるいは7月まで、牛肉の販促が活発化することに繋がるだろう。

4月第2週の主要5州の去勢牛平均価格は、生体牛が100ポンド当たり119.49ドルで前週比2.76ドル高、枝肉価格は189.97ドルで同2.23ドル高。4月第3週の水曜日は、ネブラスカで1万4218頭が生体牛120.76ドル、枝肉185.86ドルで取引された。カンザスでは生体牛121.75ドル、テキサスは121ドル。アイオワ・ミネソタは枝肉価格で190.75ドル。

同日の生体牛の先物取引は、4月受渡し契約分の終値が118.97ドル。6月分受渡しは103.00ドル、8月分は103.12ドルだった。この先物安は、肥育牛の多さと枝肉重量に対する先行き懸念が高まっていることも要因。4月7日の週の去勢牛平均重量は872ポンドで、前年比20ポンド増。未経産牛は809ポンド、同17ポンド増。全体平均は816ポンド、同14ポンド増。

アナリストは、年間で最も牛肉需要が高まるシーズンの到来と小売マージンの改善により、肥育牛価格は短期的な上昇が期待できるという。しかし、夏場に向けて出荷間近の牛が記録的な増加傾向を迫っており、牛肉の販売が拡大しないと、夏場に価格が急落することも予想される。

 

※2018年4月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

夏から秋の豚価は前年割れで推移、供給増で

 
 

今春の豚肉価格は、供給増が値下げ圧力となってきたが、今夏から秋にかけても豚価は前年割れで推移すると見込まれる。供給の増加は、豚肉の卸売価格よりも生体豚価格に影響が顕著に表れている。3月のカットアウト平均価格は100ポンド当たり73.2ドル、前年比9%安。これに対し、生体豚の平均価格は同56.8ドル、同14%安。

USDAによると、3月の週当たり豚と畜頭数は237万6000頭(前年比1.4%増)。4月はこれまでのところ前年比0.7%増で推移している。豚飼養動向調査が示した4%増とは一致しておらず、このと畜頭数の少なさは、今後、生体豚の重量が着実に増加することを意味している。生体豚の先物取引は底値を迎えたようで、この1週間で400ポイントほど上昇したが、6月受渡し契約分は100ポンド当たり77ドル。現物価格より24ドル高いが、それでも昨年よりは安い。

グラフは、豚肉の卸売価格と消費量の増減が反比例の関係にあることを示したものだ。今後の3四半期の豚肉消費量は、現時点では第2四半期3.3%増、第3四半期1.9%増、第4四半期2.7%増と予想される。この予想通りに推移すれば、第3四半期間のポークカットアウト価格は10%ほど下落する見込み。主要製品については次の通り。

ベリー:今年初めの価格は堅調だったが、小売価格が上昇し、季節的に小売需要が低下したことで在庫が増えている。年始に100ポンド当たり150ドル台だったベリープライマル価格は、現在80ドル台半ばだ。ベリーの価格は徐々に上向くと予想するが、それは①と畜頭数が週当たり230万頭を割り②小売価格がポンド当たり4.50ドルを下回ってからのことだ。

ロイン:ロインプライマルの価格は一貫して前年を下回っている。一因は供給の増加にあるが、今年これまでロインの需要が総じて少なかったこともある。主要生産地が寒波に襲われたこと、競合するタンパク質製品の供給が増加したことが、ロインの需要に短期なマイナス要因となった。ロインプライマルと一人当たりの消費量の相関を示している。今年のロインの価格は、2016・2017年と同様、長期的トレンドより低いことが予想される。

ハム:例年、ハム(モモ)の価格はイースター後に底値となる。4月中旬までは50台半ばで推移するが、5・6月にはと畜頭数が減少し、トリミングの価格が上昇するとハムの優位性が強まり、6月下旬〜7月上旬までに60ドル台から70ドルまで上昇すると予想する。

 

※2018年4月16日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  国民1人当たりの豚肉消費量とポークカットアウト価格の前年比増減
 
業界ニュース

人工肉や植物タンパクの肉表示の規制でコメント―NCBA

 
 

NCBA(全米肉牛生産者牛肉協会)は、フェイク・ミート製品の規制に関する主要原則のコメントをUSDA(米国農務省)に提出した。NCBAはコメントを通して、牛肉の生産者と消費者を適切に保護するため、USDAに「同一性の基準」を変更する以上の対応を検討するよう要請している。主要原則は事実上、植物由来と人工合成の牛肉製品を対象としている。

NCBAのケビン・ケスター会長は、「連邦政府が偽装食肉に対して積極的に対処し、公正で正確な表示を義務づけることが重要だ。平等な条件にあるかぎり、私たちの製品は主要なタンパク質として、米国、さらには世界中の家庭で選ばれ続けるだろう」と述べている。

❶USDAが食品医薬品局(FDA)と共同して、不適当な表示の偽装製品に対してただちに適切な強制措置を取ることを求める。

牛肉という用語は、農家や牧場経営者によって実際に育成された家畜由来の製品にのみ適用されるべきである。誤ったブランドおよび誤った表示の植物由来のタンパク質製品について、既存の法律はFDAに強制措置をとる権限を与えている。しかし、当局はこれまで表示法を執行していない。FDAが無視する同一性基準の制定に時間とリソースを費やすよりも、USDAがFDAと協力して、現行の法律に明確に違反している偽造食肉製品の表示に対し、即座に適切な強制措置を取ることを促進するよう求める。

❷USDAは「家畜および家禽の動物またはその部分に由来する細胞培養物または組織培養物から単離された、または産生された食品の管轄権を主張する」よう要請する。

USDA-FSISは新興の人工食肉製品の規制に最も適している機関と考える。 FSISは、生鮮食肉製品が消費者にとって安全であることを保証する技術的専門知識と規制インフラを保有している。 ラボで合成された肉は、他のすべての食肉製品と同じ、厳格な食品安全検査基準に準拠しなければならない。

第二に、誤解を招くマーケティング上の主張から保護するため、FSISの表示基準が果たした役割はより大きい。 FSISは、FDAとは異なり、製品が市場に出る前にすべてのラベルの事前承認を必要としている。 これを通じて、すべての製品で一貫したラベル表示が確実に行われ、「クリーンな肉」などといった誤ったマーケティングラベルが表示されることを防ぐことができるだろう。

 

※2018年4月10日 NCAB News release

 
ポーク関連ニュース

2月の豚肉類輸出は8%増、3月1%増・4月9%増の予想

 
 

2月の豚肉(チルド・フローズンおよび調理済み製品)の輸出量は、出荷日数が前年より少ないにもかかわらず前年比8.8%増、前月比では横ばいとなった。メキシコ向けが5万2381トン(前年同月比1.3%減)で引き続きトップの座を占めた。メキシコ向け輸出額は9810万ドルでほぼ横ばいだが、アジアおよび南アメリカ向けの輸出量は好調を維持している。

韓国向けは2万915トン(同48%増)、6160万ドル(同67%増)。韓国の農場では最近新たに口蹄疫の発生が報告されている。コロンビア向けの豚肉輸出量は同37%増、輸出額は51%増。

中国向けは1万3776トン(同10.6%増)、2590万ドル(同24%増)で、輸出量は全体の8.3%を占めた。ポークバラエティーミート(内臓肉)の輸出量は3万5519トン(同13.8%減)。このうち中国向けは9002トン(前年比39%減)、1530万ドル(34%減)。

現在の予想では、3月の輸出量は1.2%の増加にとどまるが、4月は回復軌道に乗り9.5%増と予想される。

 

※2018年4月16日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
フードサービス

サンドイッチは今も定番メニュー、年代層で嗜好に違い

 
 

テクノミック社が発表した「2018 サンドイッチ消費トレンド調査」によると、サンドイッチは米国の消費者の61%が週に1度以上食べる定番メニューであることが明らかになった。しかしサンドイッチの60%は自宅で作られ、外で購入するのは40%。調査では外食産業は新たなサンドイッチのバリエーションを広げることで、消費を増やすチャンスがあると指摘。高年層と若年層ではサンドイッチを選ぶ際の基準が違うことを考慮する必要があるとしている。

「サンドイッチを購入する際、年齢の高い消費者層は価格と利便性を非常に重視する一方で、18〜34才の消費者層は、健康的でカロリーが考慮されていること、またサステナブル(持続可能)な材料が使用されていることをより考慮している。手軽さや値頃については各ブランドとも力を入れているが、若年層を取り込むにはこうした傾向への対応努力が必要だ」という。

また、サンドイッチの開発とマーケティングにおいて重要な差別要素は、価格だけではなく、高年層と若年層がどのような店を好むかの考慮も大切。35歳以上の消費者の66%が、90日に1度以上、クイックサービス・レストラン(QSRs)で、39%がカジュアル・レストランで購入すると一方で、18〜34才の消費者層は49%がQSRsで、47%がカジュアル・レストランで購入する。平均では消費者の42%が週に1度、76%が月に1度、サンドイッチを外で購入している。

年代に関わらず、独創性がより多くの消費者をサンドイッチ製品に惹きつけるカギとなる可能性がある。消費者全体の39%、ミレニアル世代の54%が、レストランにより新しくユニークな味わいのサンドイッチを提供してほしいと答えている。

 

※2018年4月24日 MEATING PLACE.COM

 
 
USMEFインフォメーション

ポークの新しい食べ方「ごちポで囲みメシ」を提案

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はアメリカン・ポークの新しい食べ方提案として「ごちポで囲みメシ」の提案を開始しました。「囲みメシ」とは今話題のホットプレートを使ったレシピ提案。ホットプレートだけで完結する食べ方提案で、家族や女子会などでホットプレートを囲んでアメリカン・ポークメニューを楽しむ提案です。

「囲みメシ」の提案レシピは、流行メニューの「チーズテジカルビ」はじめ「豚と梅おろしの蒸ししゃぶ」「ポークと野菜のつけカレー」「サムギョプサル風蒸し豚」など見た目にも楽しく、インスタ映えするホットプレートメニューを開発し専用サイトで公開しています。

販促用のPOPやステッカー、リーフレットも用意しました。B5版POP・レールPOPはUSMEFのWebサイトよりダウンロードができ、ステッカーとリーフレットは申込みできます。リーフレット(観音開き6頁)には開発レシピと、レシピを開発した料理研究家のコメントも掲載しています。

4月20日から展開中の「ごちポの日キャンペーン」の各種ツールと合わせて、「囲みメシ」提案をアメリカン・ポークの販促に活用いただければ幸いです。

アメリカン・ポーク ごちポで囲みメシ
https://www.americanmeat.jp/csm/topics/kakomimeshi/

アメリカン・ポーク「ごちポの日」キャンペーン
https://www.americanmeat.jp/trd/topics/gochipoday/

  「かんたん低温調理」レシピを動画でも展開。調理ポイントをわかりやすく伝えます。 「かんたん低温調理」レシピを動画でも展開。調理ポイントをわかりやすく伝えます。 「かんたん低温調理」レシピを動画でも展開。調理ポイントをわかりやすく伝えます。
   
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート