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TRADER'S Be & Po

vol.310 Apr 23.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、カットアウト価格ともに続落
生産動向 豚飼養動向は肉豚供給増・価格下落の見通しを示す
ワールドトレード 中国が米国産牛肉に25%の追加関税を発表
ポーク関連ニュース 2月末の豚肉在庫8%増、トリミング増、モモ少ない
USMEFインフォメーション シマチョウの徹底活用ガイドブック発刊
アメリカン・ポーク ディスプレイコンテスト
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2018年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、カットアウト価格ともに続落

 
 

3月中旬から急落に転じた生体牛の現金取引価格は、4月第1週も前週比4ドル安と続落。生体牛の価格は100ポンド当たり114.50〜119ドル、枝肉は同185〜189ドルとなり、平均価格はわずか2週間で11ドル近く下落した。今回の急落は先物市場の大幅安に起因している。

この3週間、現物価格は先物の大幅値下がりに連動して下落している。先物との価格差から、肥育業者は現物価格の値下がりを受け入れざるを得ない状況にあり、肥育業者の多くは4月の現物取引に対するリスクを回避している。

前々週の主要5州の生体牛去勢の平均価格は120.96ドル、枝肉は同192.32ドル。それぞれ前週比4.94ドル、9.47ドルの下落で、1月前半の価格水準まで逆戻りした。前週の先物価格は月曜、火曜と下落し、4月受渡し契約分は111.94ドル、6、8月分は100ドル割れで取引を終えた。この時期に100ドル以下を記録するのは史上初だ。

現金取引の最高値は、アイオワ・ミネソタで生体牛が119.30ドル、枝肉188.84ドルで3万4000頭余が取引された。カンザス、テキサスでは生体牛117.50ドル、ネブラスカでは生体牛116ドル、枝肉187ドルで取引された。

カットアウト価格はチョイスが4.76ドル、セレクトは3.58ドル下落し、平均価格は218.49ドル(前年同週比1.7%高)。週間の取引量は昨年9月中旬以降で最大となる6913ロード(≒コンテナ)だったが、グリルシーズンによる牛肉需要の増加はまだ先であり、カットアウト価格は下落を続けるかも知れない。

例年、4月の牛肉需要は芳しくない。実際に小売業者の先週の販促は、ほとんどが豚肉と牛ひき材だった。しかし、5・6月は牛肉の需要が年間で最も高いシーズンであり、現在のカットアウト価格の安値は、5・6月の牛肉販促の活発化に繋がる可能性がある。

 

※2018年4月9日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

豚飼養動向は肉豚供給増・価格下落の見通しを示す

 
 

USDAの最新の豚飼養動向調査報告は、主要数値の多くがアナリスト予想の平均値に近く、先物市場の予想は変化しなかった。豚肉の供給拡大が継続し、2018年から2019年初めまでの豚肉価格のインフレリスクは限定的であることがはっきりと示されている。

ここ数年間、全米の豚肉生産者は安定した利益を享受し、生産規模の拡大を続けてきたが、輸出市場の先行きが不透明で、さらに飼料コストが上昇する可能性もあることから、これまでの飼養規模の拡大サイクルに歯止めがかかりそうだ。

3月1日現在の豚総飼養頭数は7290万8000頭(前年同月比3.1%増)。3月としては史上最多だが、7355万9000頭を記録した2017年9月の水準よりは低い。繁殖豚の拡大と分娩頭数の多さからして、今秋の総飼養頭数は昨年の水準を上回ることが確実視される。

繁殖豚の推定飼養頭数は620万頭(同1.7%増)で、これまでの増加サイクルのピークである2007年12月の水準に達している。アナリストらの事前予測では1.5%増とされていたが、いずれにしろ繁殖豚の増加により、肥育豚供給は今後半年間、引き続き増加する見通しだ。

マーケットホッグ(今後5〜6カ月間に出荷される豚)の飼養頭数は、3〜4%増加している。肥育豚3.1%増、12〜2月期の子豚生産頭数3.8%増から推測すると、今夏のと畜頭数は3.5〜4%増になる。9〜11月に出荷される3〜5月期の子豚生産頭数はおよそ3%増(分娩頭数2.1%増+一腹当たり産子数0.7%増)と予想される。

昨年の週間(5日稼働)当たりのと畜頭数は、平均で約250万頭。飼養頭数から推定すると、週間と畜頭数はさらに7万5000〜8万頭増え、260万頭を超える週が出る可能性もある。豚肉の供給は史上最多記録をさらに塗り替える見込みで、こうした増加分の消化には国内外の強い需要が不可欠だ。

今後の焦点は飼料価格と輸出市場の動向になる。中国の報復関税(25%上乗せ)は、中国向け輸出に重大な影響を及ぼしかねない。2017年の中国向け輸出は、輸出全体の7%に相当する。さらに豚肉副産物製品の中国向け輸出は、全体の約三分の一を占める。と畜頭数が260万頭に近づく秋季に、正肉と副産物の新たな輸出先を開拓する必要がある。

干ばつによってトウモロコシの収穫量が減少し、今夏に飼料価格が上昇する懸念もあるが、肥育豚の供給は短期的には潤沢で、豚肉生産量の大幅な増加により、今後12カ月の価格は前年水準を下回る推移が続くだろう。

 

※2018年4月2日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の国民1人当たり豚肉供給量(枝肉換算)
 
ワールドトレード

中国が米国産牛肉に25%の追加関税を発表

 
 

中国が25%の報復関税を課すと発表している米国の農産物のリストに、牛肉、大豆、小麦、トウモロコシ、綿、ソルガム、たばこが追加された。豚肉はすでに25%の報復関税が上乗せされているが、この報復関税は豚肉よりも牛肉の輸出に大きく影響しそうだ。

中国への牛肉輸出は、昨年6月の貿易再開以降、昨年末までに合計3020トン、3100万ドルに達し、今年1月には月間最多となる819トン・750万ドルを記録した。この成長基調は中国が関税を追加する時期によって、試練に直面するだろう。

中国に輸出されている牛肉の大部分は、単価の高いカット肉である。一方、2017年に中国へ輸出された豚肉のうち6割近くは、比較的安価なバラエティーミートで、最も多いのは豚足だ。商務省のデータによると、豚足はバラエティーミート輸出量の41%を占め、ポンド当たり平均0.92ドルで輸出されてきた。

中国への米国産牛肉の輸出は、輸出量全体の0.3%にすぎない。そのため、アナリストは牛肉の小売価格や生体牛価格には何ら影響しないという。しかし、中国は米国産牛肉にとって有望な市場であり、USMEF(米国食肉輸出連合会)、NCBA(全米肉牛生産者牛肉協会)、NAMI(北米食肉協会)など業界団体のリーダーは影響を懸念し、この問題の早期解決を望むコメントを発表した。

 

※2018年4月9日 CATTLE BUYERS WEEKLY/各団体のコメント要旨は本紙前号に掲載

 
ポーク関連ニュース

2月末の豚肉在庫8%増、トリミング増、モモ少ない

 
 

2月末時点の豚肉在庫は6億1490万ポンド(前年同月比8.3%増)となった。過去5年平均比では3%減。在庫の蓄積ペースは例年通りの水準だが、予想外のことは2月にポークトリミングの冷凍在庫が急激に増加した一方で、ハム(モモ)の在庫が1億2280万ポンド(同1.9%減)、過去5年平均比2.9%増にとどまったことだ。

過去5年間の平均では、1月から2月にかけてハムの在庫は12%増加してきたが、今年はわずか4%の増加。在庫の増加ペースが予想より遅い理由の一つは、1月末のハムの価格が高かったため、エンドユーザーが備蓄を先送りしたのではないかと推測される。

現在のハムの価格は1月下旬の水準と比べて24%も下がっている。ハムは例年、イースター(今年は4月1日)の直後に底値を付ける。

 

※2018年4月2日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉在庫量の推移
 
USMEFインフォメーション

シマチョウの徹底活用ガイドブック発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「シマチョウの徹底活用ガイドブック」(A4版・8ページ)を発刊しました。トウモロコシで育ったアメリカン・ビーフのラージ・インテスティン(大腸=シマチョウ)は風味豊かで、付着脂肪に甘味があるのが特長です。

近年、輸入量が増加しているシマチョウのさらなる需要喚起を図るために作成した今回のガイドブックでは、定番のホルモン焼肉やもつ鍋を始め、炒め物やご当地グルメ(ホルモン焼きそば・うどん)など、新たな提案メニューと商品化のポイントなどを紹介しています。併せて、提案メニューのPOPとトレーパック用ステッカーも作成しました。

ガイドブックとPOPツールはUSMEFのWEBページで閲覧・ダウンロードが可能です。ステッカーは希望者に提供いたしますので、この機会にシマチョウの新規導入・販売拡大にご活用いただければ幸いです。
お問合せはUSMEF笠谷(tkasatani@usmef.org)まで。

  シマチョウの徹底活用ガイドブック
 
 

アメリカン・ポーク ディスプレイコンテスト

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はアメリカン・ポーク「ごちポ」キャンペーン(内容は前号掲載)に合わせて、全国の流通販売店を対象に「アメリカン・ポーク ディスプレイコンテスト」を実施します。実施期間は4月20日〜6月30日(参加申込みは4月2日〜4月27日)。

実施方法は、島什器(冷蔵ケース)を丸ごとアメリカン・ポーク一色でディスプレイし、ツール活用やオリジナルアイデアによる装飾および陳列で売場を盛り上げていただき、その写真レポートをコンテスト事務局に提出、USMEFの厳正な審査によって以下の入賞店舗を選定するものです。

グランプリ賞1店舗(金券15万円分)、準グランプリ賞3店舗(同5万円分)、優秀賞5店舗(同1万円分)、ごちポ賞5店舗(同1万円分)。

下記のキャンペーンステッカーをディスプレイで活用いただくことが条件です。売場の活性化に役立つ販促ツールも豊富に用意しております。
お問合せはUSMEF加藤(skato@usmef.org)まで。

ごちポの日キャンペーン
https://www.americanmeat.jp/trd/topics/gochipoday/

  アメリカン・ポーク ディスプレイコンテスト
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート