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TRADER'S Be & Po

vol.303 Jan.10.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 2017年肥育牛業者トップ30社、収容能力は微増
市況ニュース 2018年上半期の牛肉生産5%増、価格は低下予想
出荷予測 2018年の豚肉供給潤沢、豚肉生産は3%増見込み
生産動向 食肉生産量、今後2年間は記録的水準続く
輸出動向 10月の輸出好調、豚肉9%増、牛肉13%増
業界ニュース CABの国際販売拡大 アジアがけん引、日本50%増
牛枝肉格付で、成熟度判定の基準を変更
USMEFインフォメーション 1月24-25日、焼肉ビジネスフェアに出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2017年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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2 0 1 8 年 新たな挑戦の年に向けて

明けましておめでとうございます。米国食肉業界を代表し、日本のビジネス・パートナーの皆様の旧年中のご愛顧に深く感謝申し上げます。

米国食肉輸出連合会(USMEF)は昨年、「アーバンBBQ」というアメリカと日本の長所を取り入れた、新しいBBQスタイルの提案を2016年に引き続き展開しました。一方、中高年層の需要開拓のための「オトナ・アメリカン・ミート」プロジェクトでは、萬田久子さんをナビゲーターに起用し、50歳以上の方に向けて、健康的な食生活に欠かせないアメリカン・ビーフ、ポークの栄養価とおいしさを発信しました。

アメリカン・ビーフの活動では「ポンド・ステーキ」プロモーションをスタートさせ、1ポンド(約450g)の厚切りステーキのおいしさを訴求しました。加えて、「男子ステーキ部」を立ち上げ、おいしいステーキを極めたいと願っている肉食男子のニーズを掘り起こしました。

アメリカン・ポークの施策では、5月の第三日曜日を「ごちポの日」に設定、登録し「ごちポの日記念キャンペーン」を実施。また、皆様にご支持いただいております、精肉売り場で使用されるトレイにレシピをデザインした「アドトレイ」をビーフとポークで展開し、「ごちカツ(とんかつ)」やBBQの提案を行いました。

2018年の活動では、アメリカン・ビーフは夏のステーキ需要期に向けて「ポンド・ステーキ」プロモーションを引き続き展開し、アメリカン・ポークは新たな調理方法として、ポークをさらにジューシーでやわらかくする「低温調理」を提案し、引き続き、消費向上につながる様々な施策を提案し、肉ブームを牽引していきます。

2018年が日本のビジネス・パートナーの皆様にとりまして、繁栄に満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げます。今後ともおいしいアメリカン・ミートをよろしくお願いいたします。

米国食肉輸出連合会(USMEF)
ジャパンディレクター 山庄司岳道

  アメリカン・ビーフ及ごちポロゴ画像
 
トピックス

2017年肥育牛業者トップ30社、収容能力は微増

 
 

キャトルバイヤーズウイクリー紙が毎年行っている「第30回 2017年全米肥育牛業者トップ30社」の調査によると、上位30社の収容能力は前年からわずかに増加した。フィードロット数は123施設(前年同)、収容能力の合計は599万7千頭(同・591万頭)。これは全米の1000頭以上を飼養するフィードロットの飼養頭数の53%に相当する。

上位10社の収容能力は合計345万6000頭で、前年比2万9000頭増加したが、個々の企業の収容能力は大幅な変化が見られる。1位のJBS Five Rivers Cattle Feedingは、施設数は11施設で変わらないが、収容能力は8万頭減少。ネブラスカ州オハマのGreen Plains Cattle Companyは、5月にCargill Cattle Feedersから2施設を買収したことで4施設・25万5000頭となり、初めて上位30社入りを果たし、5位となった。

Irsik and Doll Feed Servicesは施設規模を拡大し、収容能力が4万2500頭増加した。Foote Cattle Companyは収容能力を7000頭、Adams Land & Cattle Co.は8000頭、Brandt Cattle Co.は1万頭拡大した。

 

※2017年12月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

  2017年 牛肉肥育業者ランキング上位30社(上位21社まで抜粋)
 
市況ニュース

2018年上半期の牛肉生産5%増、価格は低下予想

 
 

2018年上半期の牛肉生産量は、前年同期比で5.1%増加する見込みだ。2017年下半期のフィードロット導入頭数が多く、2018年上半期の出荷頭数が増加することが要因。2018年下半期の生産量は142億4000万ポンド(前年同期比4.7%増)の予想。

USDAの最新レポートでは、上半期の出荷頭数がこの予測どおりに増加すれば、牛肉価格は7.3%下落すると予想している(2017年の主要5州の生体去勢牛の平均価格は100ポンド当たり127.86ドル)。

同レポートでは、2017年第4四半期の生産予想が下方修正されるとともに、去勢牛の取引予想価格も116〜119ドルに下方修正された。生産量は10月の牛枝肉の平均重量が826ポンド(同17ポンド減)と減少したこと、また雌牛のと畜割合が増加していることも影響している。

肉牛の飼養頭数(各年1月1日現在)は2015年0.7%増、2016年2.9%増、2017年3.5%増と増加してきたが、10月のと畜頭数は経産牛・未経産牛の11%増に対して、去勢牛は3%程度の増加に留まっている。

2017年第4四半期は、当初、肥育牛価格は上昇したが、出荷を控えた牛の多さと期近先物価格の安さから、肥育業者が活発な出荷を続けた結果、現金取引価格の値下げ圧力が強まり、牛肉卸売価格はピークを迎えた。11月の去勢牛の平均価格は100ポンド当たり121.37ドル、12月上旬にはこれを下回る下降トレンドに入った。

 

※2017年12月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
出荷予測

2018年の豚肉供給潤沢、豚肉生産は3%増見込み

 
 

米国の豚肉生産量は2013年以降拡大を続けてきた。最新の飼養動向調査によると、これは2018年を通して継続する見込みだ。

2017年12月1日現在の豚総飼養頭数は、推定7323万頭(前年同月比2.4%増)。このうち、肥育豚は推定6705万1000頭(同2.5%増)。2月下旬から4月上旬に出荷される50〜119ポンドは1854万6000頭(同2.5%増)、4〜5月に出荷される50ポンド未満の子豚は2144万7000頭(同2.7%増)。

3〜5月の出荷予想頭数は、2017年9〜11月の子豚生産頭数(前年比3.2%増)より少ないが、注目すべきは繁殖豚の規模だ。生産者の収益性が堅いことから、未経産豚の維持が促されることは予想されてきたが、同調査の繁殖豚の総飼養頭数は617万9000頭(同1.1%増)と2013年12月以降で7.3%増加しており、2008年12月以来の高水準に達している。

飼料コストが安く、先物価格の水準から2018年の利益の健全さが確約され、さらに新工場の稼働で処理能力が拡大していることなどが繁殖豚の拡大を後押しした。繁殖豚の増加で、生体豚供給が底上げされ、2018年の豚肉生産量は3%増加することになるだろう。

さらに繁殖豚の増加は、12〜2月期の子豚生産(夏期に出荷)、3〜5月期の子豚生産(秋季に出荷)が増加することに繋がる。12〜2月期の分娩見込み頭数は2.8%増、9〜11月期の一腹当たりの産子数は1%増。このトレンドが続けば、1〜8月の子豚生産頭数が3.5〜4%増加する可能性がある。3〜5月期の分娩見込み頭数は2.3%増、一腹当たりの産子数を1%増とすると、2018年9〜11月期に出荷される肥育豚は3%増で、生体豚の供給は過去最高記録を更新することになる。

 

※2017年12月26日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の週当たり豚と畜頭数の推移と予測
 
生産動向

食肉生産量、今後2年間は記録的水準続く

 
 

家畜販売情報センター(LMIS)は、今後2年間の米国の食肉市場を見通す上での重要な要素は、ひとえに生産量であると指摘する。2018・2019年ともに、食肉類は記録的な生産が予想されているためだ。

LMICによると、2015年から2017年まで、全米の食肉(牛肉・子牛肉・豚肉・羊肉)および家きん類(鶏肉・七面鳥肉)の生産量は毎年記録を更新してきた。2017年の食肉類の総生産量は前年比2.5%増と予測され、牛肉は2011年以来最大、豚肉、鶏肉は過去最大に達すると見られている。

2017年の国民一人当たりの消費量(小売重量ベース)は、牛肉が2012年以来最大で、豚肉は2016年と変わらず、鶏肉は過去最大となり、2017年の合計消費量は一人当たり215.5ポンド、前年比1.6ポンド増になる見込みだ。

2018・2019年の一人当たりの消費量は食肉が218.5ポンド、家きん肉が220.9ポンドと予想され、いずれも2007年以来で最大となる。2019年の予想値は2004年の記録と1ポンドの差であり、前例のない水準ではないものの、これは米国の人口増加、輸出入、冷凍在庫の次年度繰り越しなどの要因で調整されるとしている。

 

※2017年12月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
輸出動向

10月の輸出好調、豚肉9%増、牛肉13%増

 
 

2017年10月の米国産食肉の輸出は好調で、2017年の年間輸出量が前年を上回ることが確実となった。

10月の豚肉輸出量は4億9500万ポンド(前年同期比9.5%増)。国別ではメキシコ向けが1億5800万ポンド(同7.5%増)、1-10月累計14億7000万ポンド(同17%増)と圧倒的な1位で、輸出全体の32%を占めている。

これに次ぐ市場である日本は、10月に同3%増加し、1億ポンドを超えた。1-10月累計は同1%増、10億ポンドに達した。話題になることが多い中国は、実際には比較的小規模な市場にとどまっている。10月の中国・香港向けは4300万ポンド(同1.8%増)。1-10月累計は4億3100万ポンド(同23%減)だ。

2018年の豚肉輸出量は58億ポンド(同5%増)と予想される。メキシコ、日本、その他アジア市場向けの輸出拡大は持続する見込みだ。特に欧州産豚肉の増加基調の停滞に伴い、小規模な市場で米国産が大幅に成長する可能性がある。

  豚肉の月別輸出量の推移(枝肉換算)
 

一方、牛肉の10月の総輸出量は2億5700万ポンド(同13.1%増)。1-10月累計は14.7%増と大幅な伸びを記録している。特に日本向けは、関税率の引き上げにもかかわらず増勢を保った。

10月の日本向け輸出量は6400万ポンド(同31.4%増)。1-10月累計は7億ポンド(同29%増)。近年、第二の輸入国として成長する韓国は、10月が4500万ポンド(同2.8%増)。1-10月累計は3億8300万ポンド(同7.8%増)。香港向けは3700万ポンド(同14%増)、1-10月累計は2億4600万ポンド(同9.4%増)。

2018年の牛肉輸出量は30億ポンドを超え、2017年から6%増と予想される。アジア市場での需要が非常に好調。特に日本向けは関税引き上げが2018年4月までに終わるため、春夏期の輸出は弾みがつくはずだ。香港の動きからみて、中国の需要も緩やかに回復すると見られるが、短期的には、肥育における合成ホルモンとβ作動薬の規制で、輸出量は制限される状況が続くだろう。

 

※2017年12月11日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米米国の牛肉生産量に占める輸出比率
 
業界ニュース

CABの国際販売拡大 アジアがけん引、日本50%増

 
 

サーティファイド・アンガス・ビーフ(CAB)ブランドは、世界中で販路を拡大してブランド支持者を増やし続けている。CABブランドの米国以外での販売量は、2017年度(10〜9月)に26.4%増を記録し、全体の15%を占めた。

国際部門のディレクターは「CABブランド製品は49カ国のライセンス契約小売店や外食店で提供され、各地域で前年比2ケタ台の成長を遂げた」と報告。特に成長をけん引したのはアジア市場で、日本では前年比50%増、韓国では同81%増を記録している。

ライセンスパートナーには、「ブランド体験」を提供することに主眼を置いた教育セミナーを実施しており、フードサービス・リーダーシップのトレーニングを行う独自のインターナショナルMBA(Masters of Brand Advantages)セミナーには、18カ国から参加者が集まったという。

これは、大手パッカー各社を提供元とするライセンス契約販売店102社および輸出供給事業者30社の国際的ネットワークがあるからこそ実現できることだが、2017年に同ブランドは世界市場(カナダ、コロンビア、エジプト、日本、韓国、メキシコ、UAE)で新たに販売店10社、小売店8社と契約した。

  日本のCAB販売量 / 韓国のCAB販売量
 
 

牛枝肉格付で、成熟度判定の基準を変更

 
 

USDA(米国農務省)は、牛枝肉の品質等級の格付基準の変更を発表した。品質等級の格付における枝肉の成熟度判定を、歯列によってできるようにするもので、業界関係者からの情報収集や最新の調査研究と一定の手続き期間を経て変更された。

月齢30カ月未満でも、歯列によって骨格が高度に成熟しているBまたはCと判断される牛の肉は、骨格の高度な成熟が見られない牛と同等の味であることが複数の研究から明らかになっている。

新たな基準では、月齢30カ月未満の牛枝肉でも、骨格が最も年齢の高い「D」や「E」の成熟度に達していない限り、歯列をもとに成熟度「A」に格付けできるようになる。「D」と「E」は、これまでプライムからスタンダードまでの格付け規格外。

月齢30カ月以上の牛枝肉に対しては、現行の基準が適用される。新たな基準は12月18日より適用される。

 

※2017年12月11日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

1月24-25日、焼肉ビジネスフェアに出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月24、25日の両日、東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館で開催される「第10回〜ミートフードEXPO〜焼肉ビジネスフェア2018 in 東京」に出展します。

USMEFブース(TE-24)では、アメリカン・ミートの品質と幅広いメニュー展開を訴求するため、「肉バル風ブース」で『おいしいアメリカン・ミートをガッツリ・お洒落に楽しむ!!!』をテーマにした「American Meat style」を提案します。

テーマに沿った各種メニューのサンプル展示とともに、ビーフではポンド・ステーキ(使用部位:チャックフラップ)、クスクス(シマ腸)、ポークではテンダーロインステーキの試食を用意し、ご来場をお待ちしております。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート