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TRADER'S Be & Po

vol.275 Sep.20.2016
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛価格は底値更新、先安懸念強まる
生体牛の先物続落、来年は100ドル割れも
ポーク関連ニュース 豚肉の在庫積み増し、ベリーが重荷に
供給トレンド 枝肉重量が増加、飼料効率や導入時の大型化
フードサービス 外食は来店客数減、小売との価格差も一因
USMEFインフォメーション 「ごちポアドトレイ秋冬版キャンペーン」11月〜
10月21日に札幌でアメリカンミートセミナー
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2016年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

肥育牛価格は底値更新、先安懸念強まる

 
 

生体牛市場に昨年9月のような暴落が再び起こるかも知れないという懸念が出始めている。8月第4週の肥育牛価格(USDAの主要5州の去勢牛価格)は100ポンド当たり114.60ドル、枝肉価格は180.23ドル。前週比でそれぞれ2.91ドル、5.80ドル下落した。これは、今年の底値と見られていた7月第3週よりも生体牛で0.4ドル、枝肉で4.52ドル安い。

生産者は9〜10月にかけてどこまで値下がりするか不安視している。昨年のように5週間で27ドル以上の急落という予測はないが、すでに8月1週以降で9ドルも下落している。

肥育業者は積極的な出荷を維持している。現金取引に比べ先物価格がかなり割安であり、飼料価格が下がっていることから値下げを受け入れているが、アナリストは「今秋はコーンベルト地帯で予想以上に多くの牛が市場に出回るとの憶測が広がり、市況は一気に軟弱化している」という。

パッカーは先週、レイバー・デー(9月第1月曜日)の祝日週へ向けた買い付けを行っていたが、稼働日が1日少ないため、価格は下がると予想されていた。ただ、火曜の先物取引では10月分が105.30ドルで始まり、一時的に103.77ドルまで低下したことを受けて、ネブラスカやテキサスの肥育業者は110ドルで販売せざるをえなくなった。アイオワ、ミネソタでも枝肉価格で174〜175ドルまで低下した。先物取引価格が回復しなければ、現金取引価格は9月から10月にかけてさらに値下がりする公算が大きくなっている。

 

※2016年9月5日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体牛の先物続落、来年は100ドル割れも

 
 

肥育牛の先物価格は再び下落している。8月25日には10月分取引の終値が300ポイントのストップ安で103.57ドル。12月分取引は297ポイント下落し105.40ドル、他の取引も205〜257ポイント下落した。2017年6月分取引は98.72ドルと初めて100ドルを割り込んだ。

この大幅な値下がりは、9〜10月の現金取引価格を下落させる要因になる。今後、牛肉需要が改善するか、あるいはと畜頭数が減少しなければ、反発に転じる可能性は少ない。アナリストは「今秋に重量の重い牛が大量にフィードロットに導入されれば、来年第1四半期の生体牛価格は100ドルを割り込むことになるだろう」と警告している。

 

※2016年9月5日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚肉の在庫積み増し、ベリーが重荷に

 
 

食肉在庫が増加傾向にある。7月末の牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥の合計在庫量は24億1900万ポンド(前年同月比2.8%増)、過去5年平均比では9.7%増と2002年以降で最も多くなっている。

豚肉の在庫は合計5億9990万ポンドで、在庫過多だった前年を下回っているものの、過去5年平均比では10.5%増とかなり高い水準。過去5年間平均でみると、6月から7月にかけて在庫量は4%減少しているが、今年は逆に2.3%増加した。

ハム(モモ)の在庫は1億8860万ポンド(同8.2%減)、過去5年平均比では14%増で、季節的な増減パターンに沿っているが、ベリーの在庫は5070万ポンド(同114.3%増)、過去5年平均比45.6%増と依然として多いままだ。

週当たり230万頭近いと畜頭数が続く中で、前年より2500万ポンドも多いバラの在庫を消化するのは困難。バラの主要カットは荷が重すぎて続落している。ポークリブの在庫は9000万ポンド(同19.1%増)、過去5年平均比53.8%増。

牛肉の在庫は4億6930万ポンド(同2%増)、過去5年平均比8.3%増。家きん肉類は合計8億1910万ポンド(同6.9%増)、過去5年平均比19.9%増。

 

※2016年9月6日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  冷凍豚肉の在庫量の推移
  牛肉、豚肉、鶏肉の冷凍在庫の前年比増減
 
供給トレンド

枝肉重量が増加、飼料効率や導入時の大型化

 
 

牛枝肉の重量は、季節的な増加を上回る速さで増えている。8月第3週の未経産牛の平均重量は813ポンドで前週比5ポンド増。去勢牛の平均は893ポンドで同6ポンド増。全体平均は829ポンドで同3ポンド増。

平均重量の増加は経産牛のと畜頭数が増加していることも影響している。過去5年平均で見ると第4四半期の経産牛のと畜頭数は第3四半期から7.3%増加する。枝肉重量の増加は、肥育業者が出荷を遅らせているからではなく、フィードロットでの増体効率が上がっているためのようだ。アナリストは「7月の1日当たりの増体率は、去勢牛・未経産牛ともに記録的な水準だった。飼料効率は2015年の水準から著しく改善し、季節的にも上向いた」という。

2014年には、肥育期間を長期化して重量を大型化することが当たり前になった。今年の肥育日数は、7月までに2015年水準より20日間少ないところまで戻ってきた。しかし肥育日数の短縮の大部分は、導入時点での重量化が原因でもある。

7月の去勢牛の導入時の平均重量は781ポンドで、7月としては記録的に高い。未経産牛も平均740ポンド、前年比30ポンド増と比較的重い重量で導入されている。

アナリストは「肥育業者は収益確保の手段として、肥育日数の長期化による重量増加に加え、導入時の重量を重くすることが新たな常識になった」という。

 

※2016年年9月5日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

外食は来店客数減、小売との価格差も一因

 
 

食肉需要に大きな影響力を持つフードサービス業界の状況が冴えない。7月の来店客数は前年同月比98.7%と、過去8カ月中で6カ月が前年割れとなっている。このため、レストランはメニューを変え、ドリンクなどの販売を増やすことで売上確保を試みているが、これでは食肉需要は改善しない。

6月のレポートでは、回答者の78%が「来店客数が減った」とし、「増えた」との回答は22%。ファミリーダイニング、カジュアルダイニング、高級料理店においても来店客数が「減った」とする回答が「増えた」を上回った。

下図が示すとおり、今後6ヶ月間の売上見通しでは「悪化する」と見ている経営者が、3月の10%から6月には18%、7月は21%に上昇した。「良化する」と予想する回答率も低下しており、外食産業全体のムードは芳しくない。

客数減少の一つの理由は、小売業とフードサービス業間で食品コストのインフレが食い違っていることだろう。食料品店でステーキを5.99ドルで買うか、それともレストランでステーキ・ドリンク・前菜に何十ドルも支払うかの選択だが、7月の食品のインフレ率は、自宅消費が前年比1.6%減だったのに対し、自宅外消費の食品は同2.8%増となっている。食品小売業者は調理済み食品も積極的に使用するようになっており、低コストでレストランの食事のような見た目と味を提供している。

 

※2016年9月6日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  レストランの今後6カ月間の経営見通し
 
USMEFインフォメーション

「ごちポアドトレイ秋冬版キャンペーン」11月〜

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、アメリカン・ポークの「ごちポアドトレイ」秋冬版キャンペーンを11月1日(火)〜12月31日(土)まで実施します。ごちポのアドトレイは今春に開発し、春夏は2種類のレシピ付きトレイでキャンペーンを実施し、大好評をいただきました。今回は、秋冬版として新たなデザイントレイを開発し、4種類に増やしました。また今回のアドトレイはプレゼントキャンペーンに応募できる仕組みになっています(使用はキャンペーン期間に限定下さい)。

アメリカン・ポークのかたまり肉を使ったローストポーク、厚切りステーキに加え、角煮とテンダーロインの調理法がイラスト形式で印刷されています。購入されたお客さまがよりおいしい調理方法でアメリカン・ポークをお楽しみいただける仕組みです(テンダーインはQRコードでUSMEFのWebに誘導してレシピを閲覧)。

デザインはいま流行の「ホームパーティー」でアメリカン・ポークを食べていただくイメージを描きました。トレイに商品を入れた状態で陳列してもお客さまの目を引くデザインに工夫してあります。申込みには専用の発注書が必要です。申込みの締切りは11月18日(金)ですが、申込み多数の場合は数量を調整、予定数量を超えた場合は期間中でも締め切らせていただきますので、予めご了承願います。

問合せはUSMEF・加藤(メール:skato@usmef.org)または03-3501-6328まで。

  畜産物と穀物、エネルギーの価格推移と予測
 
 

10月21日に札幌でアメリカンミートセミナー

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は10月21日午後3時から、札幌市の札幌グランドホテルで「アメリカン・ミート トレードセミナー & テイスティングセッション2016札幌」を開催します。主なプログラムの予定は以下のとおりです。参加は無料ですが、定員制(120人予定)ですので、参加希望者は早めにお申込み下さい。

◇セミナー(15:00〜)

  • ◇名称 アメリカン・ミート トレードセミナー & テイスティングセッション 2016札幌
  • ◇日時 2016年10月21日(金)、受付・開場 14:30〜
  • ◇会場 札幌グランドホテル(札幌市中央区北1条西4)
  • ◇セミナー(15:00〜17:40)
    • 特別講演① 「外食産業の肉トレンド」(且ト田書店代表取締役・土肥大介氏)
    • 特別講演② 「熟成肉について」(北海道大学名誉教授・服部昭仁氏)
    • 「アメリカン・ビーフ & ポーク マーケット動向」(USMEF・山庄司岳道)
    • 「アメリカン・ポーク プロモーション活動のご案内」(同・加藤悟司)
    • 「アメリカン・ビーフ プロモーション活動のご案内」(同・笠谷樹)
    • ※ 特別講演のテーマは仮題、セミナーの順番は予定です。
  • ◇テイスティングセッション(17:50〜19:20)
  • USMEFが推奨提案するメニューをはじめ、アメリカン・ビーフ & ポークを用いた多彩なメニューを用意しています。

以上

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート