
肥満が深刻な社会問題となっているアメリカでは、成人の66%が「太りすぎ」、もしくは「肥満」と判定されています。それにもかかわらず、国民の多くは、健康の維持・増進に欠かせないビタミンやミネラル、食物繊維などが十分に摂取できていないのが現状です。
このため、2005年に改定された食事指針では、脂肪エネルギー比率と飽和脂肪酸の摂取量を控えると同時に、個々に決められたエネルギーの範囲以内で栄養価の高い食品を選ぶことが勧められています。
低脂肪・低カロリーで、さまざまな栄養素が豊富に含まれるアメリカン・ポークは、まさにアメリカ人の健康維持・増進のために理想的な食品として、ここ数年注目を集めています。また、アメリカン・ポークと疾病予防との関係についても、数々の臨床試験が行われ、健康面での効果がますます期待されています。
現在までに明らかにされているアメリカン・ポークと疾病予防との関係について、以下にまとめました。

たんぱく質と満腹感との関係について調べた研究※1・2では、食事に占めるたんぱく質の量が多いほど、脂質や炭水化物の割合が多い食事よりも満腹感が得られることが報告されています。
また、たんぱく質の多い食事とエネルギー摂取量との関係※3について調べた研究では、高たんぱく質の食事ほど、次の食事で摂取するエネルギー量が少なくなることが明らかになっています。
さらに、食事と熱産性の効果を比較した研究※1・4によると、脂質や炭水化物の割合が多い食事よりも、高たんぱく質の食事の方が「食事誘導性体熱産性(DIT)」★を高めることが報告されています。
これは、代謝的にたんぱく質の方が、脂質や炭水化物よりも体内で貯蔵及び分解されにくいためと考えられています。
これらのことから、たんぱく質の豊富なアメリカン・ポークは、減量や体重管理に効果を発揮することが期待されています。
アメリカ心臓協会(AHA)では、心臓疾患を予防するため、食事に占める脂質の割合と、体内でのコレステロールの合成を進める飽和脂肪酸の摂取量を減らすことを勧めています。しかし、このメッセージは多くの場合、「牛肉や豚肉を減らし、鶏肉や魚の摂取量を増やす」、という誤った意味で解釈をされることがあります。
高コレステロール血症の成人に、コレステロールを低下させる食事として、食肉の80%をレッドミート(牛肉や豚肉)から摂取するグループと、ホワイトミート(鶏肉や魚)から摂取するグループに分けて行った調査※では、いずれのグループも血中脂質の値に差がないことが分かりました。
これによって、血中脂質の値を正常に保つために、ポークなどのレッドミートを敬遠する必要はなく、むしろ、ビタミンやミネラルが豊富なアメリカン・ポークを心臓疾患予防のために、上手に取り入れていくことが奨励されています。
アメリカでは、高血圧を予防するために、「DASH(Dietary Approach to Stop Hypertension)」と呼ばれる食事療法が推奨されています。
DASH食事療法は、米国立心肺血液研究所が考案したもので、野菜や果物、低脂肪の牛乳・乳製品の積極的な摂取を促し、食事に占める脂質、コレステロール、飽和脂肪酸の割合と、砂糖や糖分の入った飲み物を控え目にするというものです。この他、食事療法では全粒穀物やナッツ類、脂身の少ない肉や魚などをバランスよく取ることを勧めています。
DASH食事療法を使った臨床試験では、被験者を「典型的なアメリカ人の食事グループ」、「典型的なアメリカ人の食事に野菜と果物をプラスしたグループ」、「DASH食事療法」の3つのグループに分けて、血圧との関係について調査を行いました。いずれのグループも一日の食塩は8g程度です。
結果は、野菜と果物の摂取量を増やした2つのグループに血圧の低下が見られ、最も顕著に効果が現れたのはDASH食事療法でした。さらに、食塩の量をコントロールした追跡調査「DASH-Sodium」では、一日の食塩を8g、6g、4gに分けて血圧の低下作用を調べたところ、食塩の摂取量と並行して血圧が低下することが明らかになりました。
ポークのような生鮮食品は、一般的に食塩の主成分であるナトリウム含有量が少なく、また、ナトリウムの排泄を促すカリウムが豊富に含まれています。このような理由から、血圧を低下させ、高血圧を予防するための食事に、アメリカン・ポークをバランスよく取り入れることは大変有効だと考えられています。