
アメリカでは、肥満や心臓疾患の予防のために、血液中の中性脂肪やコレステロールを増加させる飽和脂肪酸の摂取量を減らすことが勧められています。このため、消費者の間では、飽和脂肪酸の多い牛肉イコール体に悪いというイメージが定着していますが、牛肉に含まれる脂肪酸の優れた健康効果が新たに注目されています。
肥満やメタボリックシンドロームの改善が課題となっている日本人も、カロリーや脂肪が少なく、健康に有効な脂肪酸を含むアメリカン・ビーフを上手に食卓で活用しましょう。
生後9ヶ月以上の母乳栄養児は、母乳から一日に必要な鉄と亜鉛の10%しか摂取することができません。乳児期にこれらの栄養素が不足すると、精神的発達や運動発達が遅れ、その遅れは長期にわたって持続すると言われています。このため、アメリカでは乳児期の鉄欠乏性貧血を予防するため、鉄分を強化したシリアルを離乳食に勧めるのが一般的ですが、亜鉛については十分に考慮されていないのが現状です。

そこで、無作為に選ばれた月齢5〜7ヶ月の母乳栄養児(88名)の初期離乳食に、鉄分強化シリアルと牛肉のピューレのいずれかを与えて、その実用性と乳児の栄養状態を調べたところ、以下の結果が明らかになりました。
これらの結果から、母乳栄養児の初期離乳食に牛肉のピューレは適しており、乳児の鉄と亜鉛不足の予防に効果があることが明らかになりました。
食品に含まれる飽和脂肪酸は、とり過ぎると動脈硬化を促進して心筋梗塞や脳梗塞を招く恐れがあります。しかし、最近の研究によると、アメリカン・ビーフに含まれる飽和脂肪酸のうち、約1/3を占めるステアリン酸には、血液中の総コレステロールやLDL(悪玉)コレステロールの上昇作用が少ないことが報告されています※7・8・9・10・11。 ステアリン酸になぜこのような働きがあるのか、そのメカニズムはまだ解明されていませんが、ステアリン酸には、肝臓にあるLDLレセプター(受容体)の活性低下を抑制し、多量のLDLコレステロールが血液中に取り残されるのを防ぐ働きがあることが動物実験などで明らかにされています。※8。
牛肉に含まれる飽和脂肪酸のうち、その1/3がコレステロールに影響を及ぼさないステアリン酸から構成されていることを考えると、コレステロール上昇作用のある脂肪酸の割合は、鶏肉や魚とほとんど変わらないと考えられます※12。つまり、低脂肪の食事を心掛けている成人であれば、脂肪の少ないアメリカン・ビーフは、鶏肉や魚と同様に、血液中の総コレステロールやLDLコレステロールを低下させるのに有効だということが考えられます※13・14・15・16。
アメリカでは、ステアリン酸と心臓疾患の関係が明らかになるにつれて、今後、食事摂取基準や栄養表示においても、ステアリン酸の健康効果を明確に打ち出すことが期待されています。なぜならば、飽和脂肪酸とステアリン酸の目標量を分けて考えることによって、心臓疾患のリスクを減らすための食品の選択肢が増え、より柔軟な食事計画が立てられるからです※17・18・19。
アメリカン・ビーフには、たんぱく質やビタミン、ミネラル類など、従来の栄養素のほかに、さまざまな健康効果が期待される共役リノール酸が含まれています。共役リノール酸は、牛肉や子羊、牛乳・乳製品などに天然に含まれる脂肪酸で、食品中には微量にしか含まれませんが、多くの動物実験では、発ガンを強く抑制し、乳がんの予防に効果を発揮することが報告されています※20・21・22・23・24。
また、健康な肥満成人を対象に1日当り3.4gの共役リノール酸を半年間摂取させた実験では、プラシボ群(薬効成分を含まない偽薬を摂取したグループ)に比べて体脂肪が顕著に減少し、脂肪以外の筋肉や骨などの除脂肪体重は維持もしくは増加することが報告されています※25。これは、共役リノール酸に、血液中の脂肪が脂肪細胞に蓄積されるのを抑制し、脂肪が効率よくエネルギー源として利用されるのを促す働きがあるからだと考えられています。
この他にも、共役リノール酸とインスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、免疫機能、骨の健康との関係について多くの研究が行われており※26・27、アメリカ栄養士会の機能性食品に関する意見書では、様々な健康効果が期待できるアメリカン・ビーフを、機能性食品(病気の予防に有効な食品)として認めています※28。